小 学 部 高 学 年 教 育


岡山県立岡山聾学校  国松 和也


小学部高学年の公開授業4年A組の国語「一つの花」では、一斉音読を取り入れる等、聴覚口話の基本に沿った授業展開がなされていました。登場人物の心情を読み取ることは難しい課題ですが、児童一人一人が熱心に考えていたのが印象的でした。4年B組の国語「動作のことば」の学習では、児童の発達に応じた学習がなされていました。共感的態度での授業展開、補助手段として指文字の活用等、情緒の安定や対人関係にも配慮された授業でした。5年合同の理科「流水による土地の変化」の学習では、自作教具を使ってモデル実験を行われていました。操作・体験を通しての学習は、児童の興味や意欲を高めるということを再確認しました。6年A組の算数「およその面積を求めよう」の学習では、学習意欲を奮い立たせるような展開を図っていました。教師の意図的なマイナス発言に対し、反発し前向きに意欲的に取り組む児童の姿、さすが6年生だと感じました。指定授業6年B組の国語「外来語と日本文化」の学習では、対応教育に困難さが伺える児童もいましたが、個を大切にした授業展開が図られていました。「ことば」で考え「ことば」で伝え合う力の大切さを感じました。

授業全体を通して、聴く、見る、話す、相互読話という基本的な学習態度の指導が徹底されていた授業でした。ただし、教師主導型の授業が多く見られました。展開の工夫が課題になると思われます。また、指定授業は、提案性の高い内容や創造性のある展開で構成された授業が望ましく、午後の研究協議が深められる授業であればと思われました。

授業研究会は、「一人一人の伝え合う力を育てるためにはどうしたらよいか」のテーマで、約30名の参加者で協議が行われました。

先ず、札幌聾学校から研究主題についての説明があり、伝え合う力の重要性やライフスキル等について説明されました。しかし、説明不足でしょうか、参加者から研究主題について質問はありませんでした。

指定授業者の自評後の質疑では、「日常生活に必要な言葉の指導」「読書指導の工夫」「コミュニケーション手段の配慮」「対応教育」等の視点から、意見や質問が出されました。

この中で、読書に関しては、量ではなく質を重視して読書指導をしているとの回答がありました。漫画を借りる傾向があるようですが、「ことばの力を伸ばすためにも、質のよい本に親しませることが重要である。」ということに同感しました。 コミュニケーション手段に関しては、「音声言語のみというように限定的には考えていない。子ども一人一人の発達を観て、自分の心を伝えるための言語コミュニケーション指導を行っている。日本語が使えることが大切である。」との説明がありました。聴覚口話を基本に、言語力を身につけさせたいという指導の徹底さが伺えました。 研究主題から協議を深めることができませんでしたが、様々な情報交換が活発に行われた授業研究分科会でした。