3 歳 児 未 満 教 育

徳島県立聾学校
長尾 公美子


3歳未満児教育の公開・指定授業および授業研究会は札幌聾学校の乳幼児相談室で行われました。

授業研究会ではまず、平成12年度から文部科学省の研究指定を受けた@発達支援プログラムの作成Aネットワークの構築という2つのテーマに沿った研究についての発表がありました。発達支援プログラムは、まだ最終段階のものではないとのことでしたが、教育相談初期の頃のお母さん方にはお話ししただけではなかなか理解していただけなかった部分がたくさんの具体例とカラーイラストで示され、また項目に分けてのシートとして使えるようになっているために、非常にわかりやすく使いやすいものだと思いました。イラストは実際にろう児を育てられたご自身もろうのお母さんが描かれたものだそうで、的確な表現となっており、まさにかゆいところに手が届く感じがします。作成にあたっては大変なご苦労があったことと思いますが、実費以下の金額で分けていただき、早速活用させていただいています。ただ、これはお母さん方のその時の課題から活用できるシートを選び出して使うものであり、支援はあくまでも目の前の母子からの出発であって、プログラムに則ってすすめるということではない、ということを強調されていました。ネットワークの構築に関しては、医療関係群、保健センター群、学校群、保育所・幼稚園群、発達支援センター群のそれぞれの機関との連携について課題の整理と展望が示されました。

指定授業は、2歳児19名が4つのグループに分かれているうちの2つのグループの合同活動でした。2歳児では母と子どもが安定した関係を築くことを目標にしているとのことで、母子での自由遊び、全員での音遊び、ボールを使った母子でのかかわり遊び、と母子が笑顔を共有しながら遊んでいる様子を見せていただくことができました。支援のあり方について、常に指導者同士で話し合いが持たれ、配慮がなされている様子がうかがえました。最近の自分を振り返ってみると、子どもの気持ちに合わせて母子で楽しく遊び込むということが基本、とわかっていながらも、つい補聴器装用、手話や言語によるコミュニケーション、ということに気が急いてしまっていたのではないか、という気がします。さまざまな新しい情報を先取りしてくる保護者への対応に追われ、このような基本となる母子関係への支援から気持ちがそれていた自分に気づかされる良い機会となりました。

最後に、参加されていた筑波技短の大沼先生より「新生児聴力スクリーニングにより、赤ちゃんのうちに難聴が発見されるようになってきた。教育相談の先生は、赤ちゃん学にも詳しくなることが大切」というお話がありました。

多くの質問が出され、授業者、参加者ともに熱のこもった有意義な時間であったと思います。どうもありがとうございました。