12.生徒指導・生活指導

奈良県立ろう学校 吉村 俊朗
 
 指定討論者として青少年の健全育成や社会教育等に様々な実践をなさっておられる常葉学園大学の内田忠平教授をお迎えできたこと、多岐にわたる生活指導・生徒指導の実践の中からレポート発表を2校に絞り込んでくださったこと、会場で各係を担当してくださった方々を除くと参加者は10数名で、全員に各校での実践を発表する機会を持たせていただけたこと、その参加者が帯広から鹿児島まで全国各所から集合できたことなど、様々な要因が重なり、討議を深めることを重視した素晴らしい時間を共有することができました。
 本分科会では、「社会の一員として豊かな人間性や社会性を身につけるための生徒指導のあり方」を主題に、2人の先生からレポート発表がありました。
 盛岡聾学校からのレポート「中学部における部活動の取り組み」では、生徒たちがバトミントン部の活動を通して「目標を持ち、努力すること」の大切さに気付き、部活動以外の場面でも目標を持って精進する姿が見られるようになつたとの報告があり、内田先生から「豊かになった今の時代において、地域や学校の個性を活かした素晴らしい取り組みである」と評価されたうえで、「これらの経験を社会でどう活かしてゆくのか」を最重要課題とし、「指導者の資質のさらなる向上」「年間計画と目標の設定」の2点について論点を挙げていただきました。
 名古屋聾学校からは、生徒へのアンケートや個別面談を通して生徒たちの心情を理解し、支援していく教育相談の在り方についてレポート発表がありました0問題や悩みを抱え込む生徒たちの中にはその解決方法がわからなかったり、また相談することを躊躇したりと、表面化しにくい一面があり、適切なタイミングで適切な支援がなされないまま問題が深刻化するといったケースも考えられる。そういった意味でも、問題の早期解決・予防において効果的な取り組みをされており、内田先生から「『明るい・意欲のある・動きの軽やかな・笑顔の・思いやりのある』教師の意欲・態度・知識に子どもたちは必ずついてくる。」とのまとめをいただきました。
 これら2つの報告はどの学校でも日々直面している課題であり、前述した場の雰囲気も手伝って、それぞれの学校の実状に照らし合わせた形での質疑応答にたくさんの時間を使っていただきました。このような全国規模の研究大会の分科会で、情報交換のような形で参加者全員が積極的に意見を交わし、研修を深められたことは、私達参加者にとってたいへん有意義かつこの上ない経験だつたように思います。
 最後に内田先生から、激動する21世紀において学校・家庭・地域が一体となって子どもを育てるための「十箇条」をお土産としていただき、分科会が閉会されました。