8.自立活動−言語

徳島県立聾学校 桝本 容子

 『生活の中で豊かな言語力を身につけ、主体的に生きる力を育むための自立活動のあり方について考えよう』をテーマとして、前半は、宮城県立小牛田校より「難聴の発見が遅れた児童とのかかわりの中で実感したコミュニケーションの楽しさや話すことの楽しさについて」埼玉県立大宮校より「集団活動における児童同士の対話の活性化を目指して縦割りのグループ活動での実践」、札幌校からは「特定の教科に限定されない生活全般での児童の実態を把握し補っていくために、自己を理解し他者を受け入れる示唆として“ライフスキル”という概念を指導場面に取り入れた実践について」宮城校より「生徒一人一人が意欲的に自らの力を発揮できるための演劇指導の実践について」秋田校より、「暗唱発表会を通して自己を評価することの大切さを実感させる指導について」京都校より「聞こえにくさを自覚し聴者と相互理解し協力していくことについて」最後に、筑波校より「発音技能の向上を目指す成人聴覚障害者に対しての実践と、発音学習の意義について」今後の聾学校が卒業生の発音学習の場として活用されることについてご提案いただきました。各校よりそれぞれ「主体的に生きる」児童生徒たちを育み・支援するための工夫と実践について研究が報告されており示唆に富む内容でした。
 活発な質疑応答の中、京都校の先生が「聞こえにくいためにできることとできないことがあるのだのだということを他者に働きかけることの必要性や、聞こえない人同士で当たり前のことが必ずしも聞こえる人の中で当たり前とは限らないこと。聞こえないから手話のできない人とかかわるのは難しいと考えるのではなく、分からなくても確認しながら気持ちで補っていけるような信頼関係の築ける人に育ってほしい。と願い、生徒とかかわっておられる具体的な実践例の報告は大変印象的でした。
後半は、討議の柱である『主体的に生きる力を育むための個別の指導計画とその実践のあり方はどうあったらよいか』について、その形態・指導内容・評価についての討論が行われました。各校の資料を基に、学部間での関連、現在の指導の意図と今後の指針としての取り扱いなど、具体的な活用例を報告していただきました。記入の仕方など、専科だけの評価用紙で終わらず職員全体で共通に認識され、指導内容が生活に生かせるような手軽さの必要性などが課題とされました。
 最後に、指定討論者である斉藤佐和先生より、学習の中で学んだ言葉を取り入れ日々の生活の力を高めていく支援をするためには、自由な授業形態が可能であり、子どもの実態に合わせることができる自立活動の時間を他の教科指導では補えないレベルの力を育む時間として生かしていく必要がある。というまとめをいただきました。子どもたち一人一人にとって今必要な力とは何か、どうかかわっていけばよいのかを見極めながら今後とも研鑽に励みたいと思いました。
 協力校として、資料の作成等ご尽力いただきました長岡聾学校の先生方と、午前午後と通してご協力いただいた手話通訳の方々に心より感謝申し上げます。