7.補償工学−教育機器

茨城県立水戸聾学校 海野 洋一

 「聴覚障害を補償する教育機器の効果的な活用について考えよう」というテーマで4人の先生方から発表がありました。まず,岩手県立盛岡聾学校の永野先生からは「バリアフリーの学習教材の作成と評価に関する一研究」について発表がありました。 近年,聾学校では介護体験実習や交流学習など来校者が多くなり,聴覚障害についての理解も深めてもらうためにバリアフリーの学習教材(パンフレット,CD-R)を作成したことが報告されました。パンフレットは,聾学校の来校目的により段階的に学習できるようになっていました。また,CD-Rについては動画などを取り入れ中学生にもわかりやすいものを提供しているとのことでした。その中で指定討論者の立入先生からCD-Rの内容をホームページで提供する方法が提案なされました。
 次に,石川県立ろう学校の清水先生から「磁気誘導ループシステムの活用と校内研修のプログラム」についての発表がありました。石川県立ろう学校では,学部が上がるにつれて集団補聴システムの利用率が下がっているという報告がなされました。 その中で,立入先生から,補聴器のスイッチをMTからTに変えた方が効果がはっきりわかるので,Tを積極的に利用するとよいのではないかという提案がなされました。
 次に,岐阜県立岐阜聾学校の中田先生から「情報機器を活用したコミュニケーション」についての発表がありました。今回は小学部の子供たちがパソコンを利用し,電子メールやチャットで離れた所の人たちや複数の人たちと会話をしている様子が紹介されました。その中で,特にマナーやモラルについての指導の重要性が指摘されました。また,立入先生から,これからメールなど利用開始年齢が下がってきたとき,文字の入力手段はどのようにすべきかというご質問があり,議論がなされました。
 最後に,筑波技術短期大学の内野先生から「ケーブルテレビ・システムを用いた学内広報装置の現状」について発表がありました。その中で,技短では学生の寄宿舎すべての部屋で字幕放送が視聴できるようになり,これまでテレビを見ることがなかった学生がよく見るようになったと報告がありました。また,他の先生方からは字幕放送を学校できれいに視聴するための,技術的な質問がなされていました。
 今回の分科会では,多くの学校でインターネットやLAN等の新しい教育機器が導入される時に起こる問題に対して,どのように対応していったらよいのかいろいろなアイデアをいただくことができました。これらのアイデアは今後の実践活動に生かしていきたいと思います。