4.早期教育−3歳未満

東京都立足立ろう学校 赤地 聡美


 「豊かな発達を促すための早期教育のあり方について考えよう」というテーマのもとに、3校からの報告があった。また、事前に早期教育(3歳児未満)についてアンケート調査した結果の提示もされた。
 姫路聾からは、「聴覚障害乳幼児の母子相互作用と言語獲得」という報告があった。母子のかかわりを、緻密なVTR分析から様々な観点でまとめていた。初期の言語獲得にはアイコンタクト=母親とのやりとりが大切であること、そのためには、体験を積み上げること、やりとりを促すような遊びと、音声だけでなく、身振りなどあらゆる手段を使うことが必要であることなどが分析されたことで、日頃の実践では感覚的に感じていたはいたことが、より具体化したように思う。VTR分析の観点も大変参考になるものだった。
 京都聾からは、「2歳児教育相談の指導」という課題で、京都独自の支援方法、病院、児童福祉センターと聾学校とが明確な役割分担をしている実践が報告された。教育相談、校内の聴言、センターで定期的なケース会や学習会を持ち、連携をはかっているということだった。未就学児全体を通し、他機関との連携(含幼稚園、保育園)は今後、乳幼児教育相談部がセンター的役割を求められる中で充実させていかなければならない事業の1つであると考えられる。参考にしたい報告であった。討議の中で、地域によって特徴的な状況がいくつか出され、その中で、遠隔地在住で十分な登校ができないケース、母親以外の家族に対する支援をどうするかといった話し合いなどもなされた。
 兵庫のこばと聾からは「親子で絵本を楽しむために」という、実践報告があった。日頃の支援で丁寧に取り組んでいる様子がうかがえ、明日からの実践に活かせる具体的な内容で参考になった。VTRから、教員の働きかけ方、絵本を楽しめるような補助教材の提示や環境作りなど、多くを学ばせていただいた。
 教育相談の内容は多岐にわたる。医療、療育機関との連携(含ろう重複)、インテ先との連携の他、成人対象の相談も行っている学校もあるという。人工内耳について術前、術後のフォローを行うケースも増えている。手話導入については、最近は保護者からの要求が高くなっていることもある。言語力を高めるためには、従来の聴覚口話法の指導内容に加え、手話そのものに対する知識、日本語獲得のための方法論なども持ち合わせていかなければならないだろう。また、AABRにより、新生児の聴覚障害が発見された家族に対するプログラムについてはこれから整えていかなければならない課題である。
 常に最新の情報を持っていなければならないと願ううえで、大変有意義な分科会に参加
できたことに感謝している。