3.交 流 教 育

愛知県立岡崎聾学校 岡田 雅樹

 交流教育の分科会は「社会性や豊かな人間性を育むための交流教育について考えよう」というテーマに基づいて、7件の研究発表がありました。20名の参加を得て、活発な分科会になりました。
 山形県の酒田聾学校からは幼稚部の学校間交流や居住地交流で新しいことに挑戦したり遊ぶことができた事例。鳥取聾学校では幼稚部小学部の居住地交流が紹介されるとともに、整備された交流教育のマニュアルが示されました。京都府立聾学校からは、交流教育を自立活動に位置づけ個別の指導計画を作成して実践している様子が発表されました。交流先の小学校の学芸会のビデオが上映され、通常小学校児童が交流を通して通して、聴覚障害児への理解が深まっていく内容が紹介されました。互いに育ち合う交流教育のよい実践例だと思います。宮城ろう学校からは「出会い、ふれあい、みがきあい」というキャッチフレーズで小学部において行事やクラブなどの豊富な交流実践が発表されました。豊橋聾学校からは、中学部生の居住地交流が相手校とのクラスぐるみの交流に発展した様子が報告されました。個人の交流がそれにとどまらず集団の交流として発展していったものです。交流教育の発展・深化のよい事例といえるでしょう。豊橋聾学校からはもう一つ韓国修学旅行に関しての発表がありました。異文化に触れる国際交流は、これからの交流教育の重要な問題といえます。準備段階からのきめ細かな取り組状況は各校の参考になったと思われます。石川県立ろう学校は2年間にわたる交流教育地域推進事業への取り組みで、各部の交流教育を通して子供たちの意識の変容を確認できたと結んでいました。
 午後は、「居住地交流が抱える課題」と「”生きる力”につながる交流教育」の2つの柱で研究協議を行い、指定討論者の福井大学の松木先生から適切な助言をいただきました。
 「居住地交流が抱える課題」では、学校週5日制に伴う交流時間の確保の問題、責任範囲の問題等があげられました。居住地交流では、障害の自覚が困難の改善・克服に向かうように支援する必要性を確認しました。
 「”生きる力”につながる交流教育」では、新学習指導要領の趣旨に基づき議論を進めました。これからは、自分づくりをとおして知識空間を広げることのできる交流教育が望まれると思います。
 今回、いろいろな人と交流し、違うもの同士が交わることから何かが作れるという交流教育の出発点を再確認するよい機会となりました。