中 学 部 教 育

愛媛県立松山聾学校 三宅 修二

 中学部では、開催校の全校的な研究概要の説明、中学部の取り組み、指定授業の授業研究、「社会性をつけるために」という討議の柱にそっての研究協議が行われた。
 中学部教室前の廊下には、特殊教育諸学校とチャットやメールを使って計画したことを交換し合う様子が詳しく掲示されていた。生徒たちがパソコンを使って自主的に交流を進めようとする意欲がよく伺えた。
 公開授業の美術・理科・数学を見学したが、特に美術の授業は、「心の中の風景」ということで、作家の作品を見せて感想を発表させていたが、自由に伸び伸びと感想の発表がなされていて参観する者も授業に引き込まれるような気分になった。
 指定授業は、中学部全員による自立活動「特殊教育諸学校との交流」であった。7人の生徒に2人の教員が入っての授業で、たくさんのギャラリーに囲まれても物おじすることなく普段通りの授業が行われていたようだった。授業内容は、交流相手校が工夫していることや頑張っていることなどについて、交流の内容や感想を、2班(盲学校、養護学校)に分かれて発表し合うものだった。また、相手校の生徒たちが障害とどう向き合っているか知ることができることや、それを自分の障害を見つめるきっかけとすることができるなどの目標のもとに授業が進められていた。
授業者の自評は、生徒の態度について、「普段と変わらない様子で、相手の間違いを非難したり、はらはらさせる場面があった」、「自分からあまり発言しない生徒への配慮が欠けていた」、「前半の発表場面では全員よく活躍していたが、後半の話し合いの時間に、一部の者しか発表の機会が与えられなかった」などの反省や、T・Tのあり方についての言及があった。参観していて、授業者の手話はとても美しくわかりやすく、教員の役割分担もうまくいっていたと感じた。生徒たちも紙に書いたものを見ながら、手話も適切に使って発表していたので感心した。
質疑では、集団補聴器の活用方法について、手話の指導方法について、研究発表形式について、交流の相手校について、障害認識について、「行動チェックリスト」における指導者と生徒の意識のずれについてなど、様々な視点から感想や意見が出た。
特に障害認識については、「指導案の中にある自分の障害を見つめ向き合っていくということは、先生方としては、どういうことを想定しているのか」、とか「授業の最後は障害に負けないで頑張っていこうというまとめで終わったが、これは生徒の方から出てきて欲しかった。」などという質問や意見が出された。この問題は、すぐに答えが出る問題ではなく、長い年月をかけて障害認識がなされていくものであると痛感した。
最後に、事前に行われた各校へのアンケートを基に、「社会性を育成するために」ということを主題として、5つの討議の柱にそった研究協議があった。ここでは、(1)「コミュ二ケーション能力をつけるために」と(2)「進路に向けて」について討議が行われ、他の3点については、紙面による情報交換となった。進路については、中学部でも現場実習を行う学校もあるので驚いた。自分の学校でも今後の課題としていきたい。
 とにかく、中学教育研究に割り当てられた2時間の大半が福井校の中学部の取り組みや授業研究の時間にさかれ、討議の柱については、十分な協議を深められなかったのは残念であった。