小 学 部 教 育

東京都立立川ろう学校 斉藤 政行

 秋晴れの清々しい空気の中を福井校での公開授業及び指定授業を参観させていただきました。広々とした敷地の中に校舎がこじんまりと建っている様子は、私の所属する学校とは違ってのんびりとした様子でした。小学部では昨年度、今年度の児童数が10人ということで、人数が少ないことできめ細やかに指導できるな、という思いと共に、集団としての活動は難しいかななどと、考えながらの見学でした。 
 当日は学校をあげて平成10年度より取り組んできた学校全体のテーマを小学部では、「豊かなコミュニケーション活動を通して、意欲的に学習できる児童を育てよう」と設定し、テーマに沿った形での公開授業、指定授業が行われました。指定授業は小学部5,6年Aグループでの「自立活動」。この授業は『卒業生リサーチ』という単元を設定し、この日のために1学期から25時間の単元計画を作成しての授業でした。地域で生活する聴覚障害者の先輩たちのインタビューを通して、自分のあり方や今後の生き方について考えてほしいという教師の思いを長い時間かけて、実践されて来られたまとめの授業を参観させて頂きました。 コミュニケーションメディアの問題から、うまく先輩たちとコミュニケーションがとれないのではないかという教員の心配をよそに子供たちはできることを最大限に使って先輩たちの話を聞いた、という先生の話からも、今年の指導だけではなく今までしっかりと意欲的に学習する児童を育ててきた感じが伝わってきました。たくさんの見学者がいる中でも、子供たちは自分たちの学習の成果を発表とそれを聞いての質問という形で、実らせることができていた感じがしました。
 学部の研究会の中では、「豊かなコミュニケーション活動を目指して」どのような取り組みがなされているかの質問があり、福井校では自立活動を毎朝30分設定しているという報告がありました。また、手話に関しての質問や意見もあり、広島校の取り組みが報告されました。広島校では、手話に日本語をつけるという考えで行っていて、授業では指文字で助詞をつけ、書記日本語を獲得するよう配慮しているということでした。伝えるから、伝わる。伝わるから、伝わるというふうにコミュニケーションをとらえるべきであるということもお聞きすることができました。学部の研究会では、人数が多かったためか参加者がかしこまってしまい、活発な意見交換ができなかったことを残念に思います。参加者全員が共に学んでいくという姿勢で多くの先生が参加をなさり、いろいろな考えや意見を出し合い、研究会を盛り上げることによって、授業を提供して下さった先生をはじめ福井校の先生方に報いることができるのではないかと思います。 最後になりますが、この紙面を借りて指定授業及び公開授業をして下さった先生方にお礼を申し上げます。