幼 稚 部 教 育

北海道札幌聾学校 三上 妙子

 幼稚部では開催校の実践報告と、授業研究の協議、全国96校を対象に行ったアンケートの集計結果の報告とコミュニケーション手段の現状として日本聾話学校(聴覚口話法)栃木県立聾学校(同時法)、三重県立聾学校(手話法)の3校の実践報告という、盛りだくさんの内容で授業研究会が行われました。
 幼稚部の研究主題は「一人一人のコミュニケーション意欲を高め、生き生きと活動できる幼児を育てよう」で平成10年度からの取り組みとして、障害児の増加、障害の多様化に伴ってすすめられた教育課程の見直しやコミュニケーションに視点をあてた取り組みについての概要説明がありました。
 指定授業は、幼稚部3歳で「絵本を楽しもう」という題材名で、前半は子供たちの歌いたい歌2曲を母子で身体表現しながら参観者にも働きかけて楽しく行っていました。どの子供も聴覚活用ができていて大きな声で歌ったり、歌をききながら動いており、日常の積み重ねが感じられ素晴らしいなと思いました。
 後半は「ねずみのいもほり」の絵本を6つの場面の紙芝居にして、その場面に沿って追体験するものでした。畑に着くまでの間、自分たちで作ったシャベルを持ち、「シャベルは便利」というフレーズにあわせ跳んだり、滑ったり、つながったり、ロープーウェイにみたてたひもを滑り降りたりの動作化を通して、動作に合わせたことばを誘い出し、生き生きと表現しながら行う楽しい授業でした。特に指導者のパワーあるダイナミックな展開と子供の側に立った話かけで、子供たちは自分の言いたいことを押しつけではなく自然に表現していたと思います。
 授業研究会では、シャベルが折れたハプニングに対する扱いについて話題となり、その時の判断で本時のように課題のストーリーをこわさないようにすんなり流してしまう場合と、どう直すかということをみんなの話題に広げていった方がよい場合とがあり難しい場面であり、判断が難しいというような話し合いがされました。
 また本時の活動はすべて母子が一緒に行っており、母子分離について今後どのようにしていくのかということについて質問が出されました。担当者も悩んでおり、今後少しずつ子供同士の活動を多くしていきたいということと、参加者から母親に参加してもらうことの目的について考える必要があるというような意見が出されました。
授業研究会の内容が盛りだくさんだったため、討議の柱に沿って十分協議を進めることができず報告で終わってしまうこともあり非常に残念でしたが、アンケートに基づき各校の情報交換や先生方の実践、お話からいろいろと教えていただいたり、考えるところがあり大変勉強になった研究会でした。ありがとうございました。