第34回全日本聾教育研究大会 福島大会を終えて

第34回全日本聾教育研究大会
福 島 大 会
実行委員会委員長
佐藤 英昭
(福島県立聾学校長)

 第33回愛嬢大会閉会式で、「2000年の大会は、みちのくの入口福島です。21世紀に向けて、聾教育の在り様を皆様と一緒に発信しましょう」と生意気なあいさつを申し上げました。幸いにして、会員の皆様をはじめ、関係者各位のご理解のもと福島大会には900名を越える方がたのご参加をいただきました。改めて、心から感謝申し上げます。
 もとより、福島大会は、東北地区聾教育研究会を主軸とし、東北地区各聾学枚を協力校と位置づけ、本校が主管となり大会の運営にあたりました。「一人一人の個性を尊重し、豊かに生きる力をはぐくもう」のスローガンが「形」だけのスローガンとならないよう、福島大会ではあらゆる場面で、このスローガンが基調となって研究が深められることを願い、それなりの創意工夫を凝らした大会運営となるように努力いたしました。
 一つに、全日程をとおして子どもが不在にならないような研究大会の実現を目指しました。
 一つに、研究協議を深めるために「形」を排除し本当の意味での果実が得られるように内容を精査するとともに、座長制を採用して会員相互の研究がより深められるよう配慮いたしました。オープニングセレモニー「福島の四季」では、子どもたちの元気な姿に触れていただきました。記念講演、シンポジュウム、公開授業・指定授業、実践報告会・授業研究会・研究協議分科会等のそれぞれの場面場面に「確かな子どもの存在」が息づいていたと思うのですがいかがでしたでしょうか。
 また、気負いのない会話や出会いのすはらしさを実感していただくため保護者会参加者と合同の教育懇談会(交流の集い)の場を設定させていただきました。この集いには、400名を越える方がたの賛同をえて、参加者が平面で、同じ視線で語り合りあえる意義ある懇談会であったと思います。
 ミニミニコンサートでのピアノの演奏には、聴覚障害の皆さんがピアノに手を触れ、体を触れピアノの音色を確かめておりました。演奏者はもとより本校卒菜生の聴覚障害者。聴き手は、聴覚障害者を含む教育関係者の面々。あの場面は、今後の聾教育の「何か」を示唆していたようにも思います。更に、全聾長会日程の演劇公演「風のうた」にも多くの方がたにご鑑賞をいただきました。「感動」を共有する下地があってこそ、教育は成り立つと言ったらお叱りをいただくのかも知りませんが。この場面にも「確かな子ともの存在」が認められたと思うのです。 福島大会は、20世紀の最後の一歩の大会であったと思います。そして、この「一歩」こそ、21世紀に向け大きく踏み出す貴重な一歩であることを確信しております。聴覚障害者が、昨日を礎とした今日よりは、明日のために豊かな一歩を刻むことのできる社会環境実現のため努力しようではありませんか。


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