16.保護者の会

福井県立ろう学校 土田 きみ子

 大会2日目、ホテルを出て会場の郡山ビューホテルに歩いて向かう。10時受付開始ということであったが、9時30分頃到着。早い時間にもかかわらず気持ちよく受付をしてくれる。保育の会場は、全体会場の廊下を挟んであった。保育人数が多く大変そうであったが、いろいろな準備や配慮がなされていて感心した。
 開会式では、まず手話通訳の方が4名、お揃いの紫のセーターを着用していたのが印象的であった。会長さんの挨拶や来賓の祝辞が述べられた中で、今西先生のお話が「聾学校の変化」ということで特に心に残った。「一つに、今は教室も先生も笑顔が多い。昔は死に物狂いでやっていてつらくてやめようと思ったこともあった。補聴器が良くなり、先生の数も多くなって行き届いた授業ができている。二つめに、手話の導入である。三つめに、先生の人事異動である。昔は一生いたが、今は10年間いる先生は少なくなった。」なるほどと思った。
 講演は、大沼直紀先生で、演題は「社会が期待する聴覚障害児の学び方育ち方」であった。大沼先生は、「家庭と子どもがコミュニュケーションをとって、家庭で社会常識や知識をたくさん教えることが大事だし、ミスアメリカになったホワイトストーンさんの母親が『あなたならできるよ。』と可能性を信じて励ましたことで、夢を実現したというようなことも大事だと思う。聾学校に長く勤めながら補聴器に関心を向けない教師がいたとしたら、それは、手話に関心を向けないものへのと同じ誤りを免れない。両方が聴覚障害教育の専門性である。また、子どもは自分が一緒に生きていたいと思う人が使っている言葉やコミュニュケーション手段を習得し共有しようとするので、そのための努力をすること、そして、夢の実現に向かってがんばることが大切である。」と話された。具体的なお話とOHPを使っての講演で、教師として何を教えていくのが大事か、家庭ではどうしていけばいいのかの指針を教えていただき、これから、教師が保護者の方とのコミュニュケーションを深め、子ども達に社会知識を身に付けさせ、社会の中で強く正しく生きていくことを教えていかなくてはと思った。
 第1分科会(幼小)に参加した。今大会は座長制で行われ、活発な意見が出された。分科会の主題は「家庭での聴覚を活用した学び方育ち方について」であった。補聴器をつけて生活音をきかせているという発表や「手話が子どもにとって一番良い方法だと思う。」などといった発表があり、「ろう学校は絶対になくさないで欲しい。」などという意見も活発に出された。親は子どものために何が良いかを必死で考え、子どもにとって良い方法を信念と情熱を持って実践していることが伝わってきた。