12.理   科

千葉県立館山聾学校 中川  昇

 本分科会では「自然に親しませ、実験や観察をとおして科学的な見方・考え方を養うための理科学習のあり方について考えよう」を主題に5校から実践報告がありました。最初の発表は,上越教育大学大学院生の海野さんから「聾学校教師の理科の授業における工夫とその課題」についての発表でした。アンケート調査の結果から,教師が,生徒に授業の内容を伝えるためのコミュニケーションで苦労しているという調査結果が提示されました。そして,調査結果を受けて,各校の先生方が日々,創意工夫されている実践報告が続きました。
 岡崎聾の今村先生からは生徒の興味関心を引く工夫として,理科室に授業等で製作した作品を展示してミニュチユア科学館を常設しているとのことでした。いつでも生徒が触れられて楽しみながら学んでいくことができるすばらしいアイデアだと思いました。
次に,大阪市立聾の樋口先生から,「授業展開について」という日々の実践に一番関係する内容についての発表がありました。
 指導者サイドの求めるものがあって当然であるが,生徒の力量を正しくつかみ指導すること忘れてらないと述べておれました。例として,出てきた用語をわかっていると思わずに1つ1つ確認しながら授業を進める授業展開を提示していただきました。つい,こんなことはわかっているだろうなと思って一方的に授業を進めてしまうことがある自分自身の反省材料になりました。
 次に,「リアルタイム字幕提示を利用した地学実習」について,大阪府立生野高等聾の木村先生から発表がありました。実験などで急な授業展開などがあった場合,特に危険を伴う場合は,急な変化に対応するには,聞えの問題で難しい。そのようなときに「リアルタイム字幕提示」をしていることで,早い対処ができるだろうと思いました。そして,手話や指文字同様に,正しい日本語が理解されていれば,伝達手段としては効果が大きいものになると思いました。
 最後に,「視覚的情報を活用した指導法の工夫」について,鹿児島聾の永正先生から発表がありました。発表の中で,特に「説明的活用法」と「ふりかえり的活用法」は伝達手段として価値があると思いました。実験などで長い説明をして生徒のやる気をそぐ場合が結構あるものです。そのような時に伝えたい内容を明確にイメージ化した視覚教材を用いて情報を提示することは難しいことだが大切なことだと思いました。
 おわりに,本分科会は人数こそ少なかったですが,活発な意見交換や情報交換ができたと思います。参加して本当に良かったと思いました。ありがとうございました。