10.国語

岡山県立岡山聾学校 片山 映子

 全日聾研参加は初めてです。以前参加した同僚から、高い専門性に基づいた熱心な協議が行われると聞き、ついていけるかという不安と緊張感がありました。開始にあたって座長が、「聞き役に回らず、全員が発言してお土産を持って帰ろう」とおっしゃいました。この言葉が すっと心に入って、日ごろの悩みを解決する糸口を一つでも見つけて帰ろうという気持ちになりました。 「豊かな言語力を育てるために・・・実践をとおして探りたい。」とテーマ設定の趣旨にあるとおり、どの発表も日ごろのきめ細かな実践に基づいていました。中学部の私は、中学部の発表がなく残念でしたが、授業の展開の仕方、生徒とのやり取りに類似点が多かったので、興味深く聞かせていただきました。
 「読み」の指導で「教科書を教えるのではない、読み方を教えるのだ」という上田先生の発言がありました。同感です。そのためには適切な教材文が必要です。細谷先生の「教師はその子の教科書の編集者」という言葉は印象的でした。適切な教材をより効果的な媒体とするために教材研究が大切なことを、座長が源氏物語を100回読んだという池田亀鑑先生のエピソードで示されました。聾学校の国語授業では1教材にかなりの指導時数をかけていると思います。この点だけから考えても、よりすぐりの教材を与えたいと思いました。教科書について下学年を使用することの問題点も話し合われました。生徒の意欲を摘み取ったり、保護者の願いを踏みにじったりすることのないよう、明確な教材観と指導のねらいを持って授業に臨もうとの思いを新たにしました。
 また、音読の意義について考える機会にもなりました音読の意味を押さえること、教師の範読の大切さが話題になりました。藻利先生は、音声による情報が短歌の理解、鑑賞に重要な役割を果たすと報告されました。韻文に限らず、説明文でも優れた文章には自然なリズム、聞いて心地よい響きがあるように思います。優れた文章は何度も音読させたり、積極的に暗誦させたりしようと思いました。
大西先生の読み聞かせのVTRの子どもたちは、「図書館だよ全員集合」の時の本校小学部の子どもたちそっくりでした。読んでもらうこと、語ってもらうことが大好きな子どもたちを「国語の授業は嫌い」にしてはいけないと強く思いました。
 「書く」指導の話し合いで、「書いて得した」という気持ちが書く意欲につながるという発言がありました。こういう気持ちは意図的に設定しなければ、体験させるのが困難なように思います。読んでもらう楽しさを書くことに結びつければ、積極的に書くかも・・・などと自分の思いに引っかかっている間に話が進んでいました。自分の実践を振り返ったり、新しい試みのヒントを得たりと、充実した1日となりました。