6.自立活動−聴能補償

兵庫県立こばと聾学校  栗木 典子

「『音』は音声の伝達以外にも多種多様な役割を担っている。」「聴覚障害者にとって、音の環境を整え、聴覚補償を行うことがいかに大切であるか。」という座長の佐藤先生のお話から本分科会が始まりました。『効果的な聴覚学習の方法や聴覚補償のための機器・システムの実践的活用法』というテーマのもとに、約40名が集い、午前は3本、午後は2本の発表を中心に報告され、その後、ディスカッションが行われました。「赤外線集団補聴システム」のステレオ化の開発による発表では、楽しく聴き取りあそびや音楽鑑賞をされている様子が、報告されました。会場にも機器が展示されており、私も視聴しましたが、音に立体感があり、音空間の広がりを感じ取ることができました。
 その他、機器・システムの活用として、「人工内耳装用児の指導事例」、「インパクトの装用・調整事例」、「ループシールドについての取り組み」の報告がありました。音の環境を整える方法の多様さと難しさを再認識しました。
 「補聴器の管理に関する実践事例」では中学部の子どもたちが補聴器のパンフレットを作成し、自主的に補聴器への関心を高める取り組みが紹介されました。「私の担当する幼児は、将来、成長していく過程で補聴器をどのように活用していくのだろう。聴覚活用をどのように捉えていくのだろう。」と不安を抱きながら聞かせていただきました。また、実践情報の交流を目指し、パソコンを使った「聴覚に関する実践ガイド」は、とても有効に活用できそうですので、公開していただければと思います。更に、聴覚障害教育に携わる者誰でもが、実践を公開し、活用できるページも期待するところです。職員向け、生徒向けにファイルサーバーを立ち上げ、「ネットワーク活用」されている報告については、本校のネットワーク構築の課題を浮き彫りにされたような気がしました。
 最後のディスカッションでは、聴覚障害児の聞こえと擬音語、擬態語の学習についての討議やパソコンを使った聴覚学習についての報告、補聴器の自己管理方法についての話し合いがありました。また、聴能担当者の配置や学部を超えての指導についても話題になりました。 人工内耳やインパクト、デジタル補聴器など医療やメーカーなどの専門家と連携しての調整が必要であることが示唆されました。
 新しい補聴システムが次々に開発され、コミュニケーションモードも多様化する現状の中で、個々のニーズに応え、聴覚補償を行い、効果的な聴覚学習を目指すことがいかに大切かよくわかりました。今後も、各校の研究や取り組みに関する情報を収集し、実践に役立てられる様に、研鑚に励みたいと思います。