5.自立活動−言語

青森県立青森聾学校 今 二史

 「生活の中で主体的に生きる力に結びつく豊かな言語を身につけるための取り組みについて考えよう」をテーマとして、午前は、千種校、青森県野辺地町立若葉小、京都校、千葉校、附属校から発表をしていただきました。「授業の中で教師と子どものやりとりについて授業研をとおして考えること」「同年齢の子の実際の調査から課題と仮説をもって副詞の指導を段階的に行った成果」「障害を知り、自信をもって使えることばを持つことの必要性」「成人の聴障の方からの手話等の研修」「実際に授業の中での音節の頻度の研究」など、目の前の子ども達から学び、実際の授業等で感じたことを課題としている発表が多く、示唆に富む内容でした。なごやかな雰囲気の中、ビデオ等を用いたわかりやすい発表と、活発な質疑応答がなされたと思います。
 午後は、「子どもの思考を活性化する話し合い活動を大切にするために、その具体的な手法や教師の発問の在り方を自分の実践から出し合おう」「社会自立を前にして、どんな力をつけなけらばならないか、そのための自立活動の内容や方法について、自分の考えや実践事例を話題提供しよう」「発音・発語、音読について学ぼう」という3つの柱にそって協議が行われました。今回は座長制を取り入れたことにより、午後の時間全てを協議にあてることができました。TVゲームなどの子どもたちの文化を尊重して活用していくこと、言語を生活の中で自然に身につけるためには手話を用いたコミュニケーションが大切であること、実際に宿泊学習等で駅員とやりとりすることで生徒が主体的に取り組んでいく中で学べたことなど、秋田校や大宮校等の意見から学ぶことができました。附属校、三重校からは、子どもたちの実状に応じたより有効で具体的な発音や音読の指導について情報提供していただきました。
 今回の分科会では栃木、東京、京都校の方から、インフォーマルな情報源としてのろうあ者団体とのつながりをつくること、元気一杯誇りをもって生きていけるようにすること、コミュニケーションの楽しさが味わえることの大切さなど、聴障者の立場からの貴重なご意見をいただきました。このことによって、「豊かな言語」についての議論がさらに深まったと感じました。手話通訳を担当して下さった方々にあらためて感謝申し上げます。
 座長の本校教頭のまとめにもあったように、言語獲得の基盤となる、豊かなコミュニケーションを保障していくことが大切であること、子どもたちの発信を読みとるために、様々な手段を取り入れること、生活に根ざした課題設定と、現在の生活を豊かにしていくことに目標を据えることなど、自分自身にとっても大変学ぶことの多い分科会でした。発表者の皆さん、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。