4.早期教育−3歳未満

愛媛県立宇和聾学校 亀山 美幸

 「これからの社会を生き抜く力をつけるために、幼稚部段階での人とのかかわりの在り方と環境構成を考えよう」というテーマで、1本の紙面発表を含む計6本の発表がありました。当日資料をいただいたり、発表された各校の子どもたちの様子をビデオで見せていただき、充実した発表でした。子どもが自分のことばで話し合い活動に参加したり、米の触感をきかれた子どもが感性豊かなことばで答えたり、ひとりでトンボを捕まえて喜んでいたのだが、網の中で暴れるトンボがこわくなり先生にあげようとしたり、子どもたちが生き生きと活動していました。子どもの日常生活を大切にした、すばらしい指導実践の成果が表れた発表でした。
 午後は、次の5つの柱で研究協議が行われました。それは、(1)遊びをどうとらえるか、(2)遊びの役割、(3)遊びを支えるもの、(4)言語化、記号化のための援助、(5)情報交換です。柱ごとに各校の指導実践事例を挙げながら、様々な意見が交わされました。
 この分科会には、デンマークの聴覚障害の方が2人参加されていました。そのため、日本語の手話通訳者とASL手話通訳者が参加し、ASL手話通訳者の一人は、テレビでおなじみの木村晴美さんでした。デンマークの方との優美なやりとりに見とれてしまいました。デンマークの聾学校幼稚部で8年間指導された方が発表や研究協議の感想から参加者に対して、手話を使って教育をしていくという観点はあるのかと言われました。それから、「デンマークでは聞こえないとわかったときから、手話で会話していく。目で情報収集ができれば、言語力がついてくる。視覚による言語能力が付けば、読む、話す、書く力がついてくる」と話されました。これに対して、多くの質問が寄せられました。その答えから、補聴器を無料で与え、手話の研修費用を国が負担するといった充実した福祉制度を土台としたバイリンガル教育であると思いました。
 京都府立聾学校の佐藤先生が「日本の教育は画一的ではないのだから、各校の幼稚部が創意工夫しながらよりよい教育を目指していけばよい」と言われたのが、印象的でした。
 座長の南村先生が、遊びを構成するもの、大人が果たす役割、子どもが遊びの中で学ぶ事柄等を挙げ、まとめられました。「大人は人間を育てていることを考えて、子どもの二十歳の姿を楽しみに想像力豊かに教育していかなければと思う」ということばを胸に、あせらず、子どもと遊び、指導していきたいと思います。ありがとうございました。
 当日資料の話題提供用紙集計は、この分科会に参加した各校の遊びを通しての指導や、親子のかかわりの援助について知ることができました。資料の作成等を含め、この分科会の運営にかかわられた担当の先生方にも感謝申し上げます。