1.基本問題T

山形県立酒田聾学校 伊藤 静昭

 「変化する社会の中で、一人一人の子どもが個性を生かし、たくましく生きていく力を育てるための聴覚障害教育について考えよう」というテーマで午前は6本の研究発表、午後は研究協議を行いました。 今年度は座長制ということで筑波大学心身障害学系助教授の鷲尾純一先生をお迎えして、会の進行を担いながら討論を深めていただきました。
 午前の研究発表では、平成14年度から完全実施の「総合的な学習の時間について」、岐阜校の学校全体で活動の概要をおさえた上での取り組み、岡崎校の授業研究を通してのよりよい支援・学部間の調整・長期的な見通しの必要性、附属校の教師の投げかけから学校周辺の事物を教材化した生徒の活動例等吸収すべき事項が多数ありました。
 また、千種校の学級の枠を越えて子ども同士のかかわりを大切にした行事を通しての活動、日聾校の他者と意味を共有し共感関係を築いていく経験(インタラクション)を通しての取り組み、酒田校の生きる力・指導類型表・問いかけの共通理解を通しての実践等子どもの実態把握から出発し子どもの側で考えていくことを再認識させられました。
 午後は、鷲尾先生から協議の柱を @「総合的な学習の時間」の取り組みの情報交換<本校(酒田聾)の取り組みの話題提供も交えながら>、  A一人ひとりの生きる力を育てる指導のあり方を地域事情・環境等をおさえて、B教師間の学び合い(人事異動に伴う課題など)、   Cクラスの少人数化への対応、多人数集団の確保と教師の相互援助、  D聾学校としての指導の一貫性、子どもの成長、発達に沿った指導の一貫性、 E統合教育との係わり、聾学校の役割…と6本立てていただいて話し合いを深めました。
その中で、横断的・総合的な学力のおさえ方、聾学校として子どもに育てたい力、自立活動と総合の関連、子どもの自己評価・相互評価等多くの課題を提示していただきました。
 また、会の中で鷲尾先生の「聾学校は社会の中で孤立している」「してもらうだけでなく、自分たちで何ができるか」ということばの意味について自分自身の実践を通して深く考えていきたいです。