小 学 部 重 複 障 害 教 育

福岡県立福岡聾学校 坂野 正道
 
 小学部重複学級では、「問題解決的な学習において、基礎的な知識や技能を獲得する場と習熟する場の工夫をする。そのことにより主体的な学習活動に取り組むようになるとともに、基礎的・基本的な内容の確かな定着が図れるであろう。」という研究仮説を設定し、実態把握チェックリストをもとに3人の先生方が協力し合いながら研究を進めていました。
 指定授業では、4年生の算数の学習「のこりはいくつ」が行われました。この学習は、日常生活の中で見られるひくことやとることという活動を発展させ、整理してひき算の意味やその方法について学習するものでありました。導入の場面では、問題を日常的にかつ視覚でとらえることができるように、以前買い物学習で使った紙芝居を活用されていました。音読した後に問題シートに書き込む場面では、この時間に学習したいこと「のこり」に重点を当てた指導がなされ、子供たちの印象に残るように手話を用いたり強調して話されたりしていました。計算をする場面では、発砲スチロールに板に切れ目をいれたものを活用されたり、黒板の横に計算の進め方の紙が張ってあったりと子供たちが活動しやすいように工夫されたいる点が多く見られました。
 子供たちも学習方法を理解し、学習ノートに式と答えをタイルを使って導き出すことができていました。発表の場面では、一人ずつ黒板まで出てきて自分が考えたことをタイルを折ったり、並べ替えたりという操作しながら発表していました。お互いに友だちの意見をしっかり聞いて良いところや足りないところを補い合っている姿が見られました。日頃の授業の様子を垣間見るようでした。
 公開授業では、2年生・3年生合同で朝の会が当番の子供の司会のもと行なわれました。一人一人順番に自分が書いてきた絵日記の紹介が行われ、前で発表したり友だちのところにノートを持って行って詳しく説明したりみんなの前で自分が経験したことを身体表現している姿が見られました。次に多目的ホールでかくれんぼが行われました。テレビの後に隠れる子、棚の中に毎回隠れる子、参観者の影に隠れる子、廊下まで出て行って隠れる子といろいろな場所に隠れ、活発なかくれんぼを見ることができました。授業研究会では、実態チェックリスト・単元ごとのチェックリストを作成して実態把握をし、その実態をもとに年間指導計画の改善検討、授業仮説の設定、そして、授業実践をしているとの報告が行われました。また、授業実践の場では、昨年度実践をもとに教示方法の工夫や生活単元学習での活用について報告されました。参加者からは、数の概念について、連続数についての質問が出されました。
 今回の実践授業、授業研究会を通して、先生方が児童の実態をしっかり把握されていること、児童がわかるように教材の工夫をしっかりなされていること、先生方と児童のコミュニケーションがうまくとれていることなどこれからの実践に生かしていければと感じました。