小 学 部 教 育

北海道札幌聾学校 大西 孝志

 小学部では「一人一人が意欲的に学習に取り組み、基礎的・基本的な内容が確かに定着する指導方法の研究(算数科)」という主題に基づいて3つの指定授業が行われました。 3年生はあまりのあるわり算(23÷7)を、図や式に表して考えさせる授業でした。 先生は、子供たちが考えた方法をホワイトボードに記入させ、友達の考え方との共通点・相違点に気づかせるという学級集団の良さを生かした授業を行っていました。
 問題に対して解決の見通しを立てる、自信を持って取り組む、考えたことを発表しあうという一連の学習活動がスムーズに流れているのを見て、日頃の指導の様子をうかがい知ることができました。
 5年生は小数のかけ算(0.2×6)について、整数をもとにして考える方法を学習していました。子供たちの前には前時に使用したジュースのペットボトルもおかれ、導入が子供の経験をもとにしたものになっており、楽しそうな雰囲気での授業開始になりました。
 4年生はひきざんの基本(のこりはいくつ)を、子供の実態にあった自作の教材を用いて指導していました。子供の興味がそれそうになると、的確なことば掛けがあり、最後まで子供が飽きることなく授業に参加していました。
 聾学校小学部の授業研究というとことばの指導を前面に出したものが多い中で、今回の福島校小学部は、既習事項を次に発展することができる課題解決能力をどのように高めていくのかということを、算数科という切り口から迫っているところが斬新な気がしました。
 当日配布された算数科の指導内容系統表は計算指導の流れが細かなところまで丁寧にまとめられており、算数科のように積み上げが大切な教科の指導が、誰が行っても基礎の部分を落とすところなく子供に身につけさせていくという教科の専門性を大切にした取り組みを見させていただきました。
 今後、更に取り組みを続けていく中で、聾学校小学部での算数科指導の課題とそれに対する指導上の配慮についてもまとめられ、その成果を全国の聾学校へと発信していただけることを期待しています。
 最後になりましたが、今回福島聾学校を参観させていただき、校内(特に廊下壁面など)の掲示に先生方の行き届いた配慮を感じ、子供たちの学校生活がことば(絵画や写真や文字)に囲まれている学校であるという印象を強く受けました。
 授業者及び福島聾学校の先生方、研究会運営を手伝ってくださっていた父母のみなさま本当にありがとうございました。