幼 稚 部 教 育

東京都立江東ろう学校 海保 和代

幼稚部では、開催校の実践報告、授業研究、質疑の流れで授業研究分科会を行いました。幼稚部の研究主題は、「すすんでやりとりができる子どもを育てるための教師のかかわりについて−行事の活動をとおして−」で、平成9年度から、活動に参加する子どもの実態と教師のかかわり方についての研究に取り組んできました。すすんでやりとりができるためには、子どもに「伝えたい、話したい」という気持ちや、「聞こうとする」姿勢をもたせ、「わかった、伝わった」という経験を積み重ねていくことが大切です。そこで、2つの研究仮説を立てました。@事前から事後活動の見通しを持ち、興味関心を持って活動できる環境を構成すれば、進んで活動に参加するであろう。A子どもの心情に即した言葉を投げかけ、経験を再現する活動の中で、表現したことを言葉に置き換えたり、繰り返し使う場面を設定したりすれば、言葉を使えるようになるであろう。その結果、積極的に活動に参加するようになり、繰り返すことによって活動や、やりとりをを広げていくことができました。今後の課題として、子どもが自ら気づき活動できる環境、教師の関わり方の研修を深めたいということがあげられていました。
 指定授業は、5歳児学級の 総合「パン工場見学」でした。4人の子供たちに2人の教員が入り、パン作りを再現させた授業でした。本時までの間に、パンを作ったり食べたり、パン工場へ見学に行ったりの経験をしてきました。授業の始めに焼いてきたパンを食べて、今日やることを確認して始まりました。 子どもたちは、毛布をラップ、箱をオーブンに見立てたり、自分がパンになってこねられたり膨らんだりと生き生きとした活動をしていました。何度か繰り返すことによって、いろいろなことばが子どもから自発的に出ていました。  また、好きな役ができるため、どの子どもも参加しやすくなっていました。壁面には、活動のヒントとなるような掲示がされ、子どもたちは自主的に活用していました。 
質疑では、ことばのやり取りの目標、補聴システム、手話の位置づけなどの質問が出ました。言語力に差がある集団なので、個別の時間や帰りの会で個に応じた配慮、指導をしていること、教室には、赤外線補聴システムがあるが、動きの激しい授業の時はマイクをつけていないことの話しがありました。また、分かるということを大切にしているので、モードにこだわらず、絵カード、身振り、手話などいろいろ使っているそうです。 しかし、最終的には、日本語を身につけてもらいたいので、それらを、日本語に置き換えていると話されていました。活発な質問や意見が出され、時間が足りないほどでした。 私にとっては、これからの幼稚部での保育をしていく上で、大変参考になることばかりでした。