ご 挨 拶 

全日本聾教育研究会 会長 小澤 ひろ邦 
   (茨城県立水戸聾学校長)

全日本聾教育研究会 会長

 

 緑鮮やかな季節と成りましたが、会員の皆様方におかれましては、聾教育のますますの充実・発展をめざして、誠心誠意、子供たち指導に取り組まれておられることに対し、心から敬意を表する次第です。

 さて、今、我が国の教育は、21世紀に向けて、大きな改革が求められております。変化の激しい今日の社会にあっては、過去の経験や知識だけでは、以前のような教育効果があまり期待できない時代となりました。そのため、学校教育においても知識中心の教育から、自ら学び自ら考える教育へと転換が図られようとしております。このことは、とりもなおさず、子供たちの主体的な学習の基礎を培い、「生きる力」の育成の中核となる問題解決能力とその学び方を身につけることであります。

 しかし、このような能力を培い、全人的な発達を促すという観点に立って聾教育を考えると、「教育は人なり」と言われているように、教師に求められる人間的資質として、教師の子供たちへの愛情と聾教育に対する情熱、そして専門的「能力」が不可欠であり、聴覚障害教育や教科に関する知識と指導技術、それに子供に対する理解と教師の人間的魅力が相俟って子供たちの心に響いたときに、教育の成果が期待できるものであります。したがって、教師は、聾教育における不易と流行をじっくり考えながら、子供たち一人一人の自己実現か図られるように常に謙虚に自己研鑽に励み、理論と実践に結びついた確かな指導力の向上に努めて聴覚障害児の可能性を十分伸ばし得るだけの資質を備え、新しい次元へと変容させていく優れた授業を実践できる力量を備えていなければなりません。

 毎年1回、開催いたしております全日本聾教育研究会は、主に教育実践上の成果や諸問題についての研究発表をもとに、これからの聾教育のあり方や当面する課題等について討議を行い、具現化への道を探る貴重な大会であります。本年度は、第34回大会が、福島県郡山市において、開催されます。ぜひ、多くの会員の皆様方に御参加頂き、21世紀をひかえた聾教育の望ましいあり方や一人一人の子供の多様な実態等に応じた言語の習得や学力の向上、内面性の伸長、社会参加・自立の確立等について、実際の指導にもとづく討議をとおして、課題解決に向けての何らかの手がかりや道筋が得られますことを心から期待するものであります。

 終わりに、会員の皆様方の日々の弛まぬ研鑽と教育実践の成果が、今後の聾教育に生かされ、聾教育の充実・発展に寄与されますことを御祈念申し上げ、ご挨拶といたします。


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