全 日 聾 研 会 報

 
全日本聾教育研究会発行   第80号
事 務 局 筑波大学附属聾学校内
〒272-8560 千葉県市川市国府台2丁目2-1
電    話 047−371−4135(代)
tel/fax 047−372−2672
第33回全日本聾教育研究大会(愛媛大会)
 
平成11年10月19日(火)〜21日(木)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【 目 次 】
愛媛大会を終えて 愛媛大会実行委員長 水野 國義 ……… 2
全 理 事 会 議 事 録 ………………………………………………… 3
福島大会準備経過報告 ………………………………………………… 4
福井大会基本構想   ………………………………………………… 7
授業研究会 ………………………………………………… 9
研究協議分科会 ………………………………………………… 18
全国難聴・言語障害教育研究協議会全国大会(山形大会) ……… 32
第33回全日本聾教育研究大会
愛媛大会を終えて
 
 
第33回全日本聾教育研究大会
愛 媛 大 会
実行委員会委員長
                            水野 國義
(愛媛県立松山聾学校)
 
 愛媛大会へは多数の方々に御参加いただき、心から厚くお礼申し上げます。
 私たちは、「四国松山から、全国に向けて何らかの発信をしたい」との気概をもって準備を進めて参りました。「子ども主体の教育活動を……」との思いは強いものの、いかほどのこともできないままに終わった感がいたします。参加者のお一人お一人は、どのような感想を抱かれたでしょうか。
 教育改革が声高に言われる昨今、教育の技術や方法だけでなく、根底にある私たちかかわり手の意識の変革が厳しく迫られているように感じます。その端緒は、おそらくは素直に感動できる「だれか」との出会いではないでしょうか。愛媛大会では、講演講師、シンポジスト、指定討論者等に、各々の分野で障害者の立場から積極的な提言をされている方々をお招きいたしました。大会での出会いが、参加者の意識の変革につながり、21世紀を生きる子どもの暮らしの豊かさにつながってほしいとの願いによります。
 参加された方々から、様々に御意見、御感想をお寄せいただきました。中には「感激」「涙」等の文字が幾つか見られ、多くに「参加して良かった」との気持ちを添えてくださいました。私たちの願いは少なからずかなえられ、与えられた役割を何とか果たせたものと、胸をなで下ろしているところです。
 大会開催に当たっては、本当に多くの方々のお力添えをいただきました。何度も事前研修を積んでくださった手話通訳者、準備を通してアドバイスや御協力をいただいた愛媛大学関係者、司会や記録の重責を分担してくださった中国地区ろう教育研究会、アトラクションで格別の御協力をいただいた宇和聾学校をはじめとした四国地区聾教育研究会等々。大会を機に結び付きを強めたこのネットワークは、本校にとって何よりの財産になりました。聴覚に障害がある子どもの暮らしの充実や、地域との結び付きを一層強めたいと願う本校の実践研究に、必ずやつながることと思います。
 ある参加者から「この考えに基づいた数年後の実践報告を楽しみにしています」とのメッセージをいただきました。研究発表は常に中間報告と言われます。私たちは、大会を通して明らかになった多くの課題に向かって、着実な歩を進めて参りたいと思います。今後とも、変わらぬ御支援をよろしくお願い申し上げます。
   全 理 事 会 議 事 録
 
 平成11年10月18日(火),午後1時30より,松山にぎたつ会館に於いて,平成11年度第2回全日本聾教育研究会全理事会が催された。下記のような式次第で,会則により会長の小澤@邦が議長として議事を進行した。
 
【式次第】                                《敬称略》
 
1.資 格 確 認 出席者名簿による確認 赤根 直樹
 
会長,副会長3名,常任理事10名(欠席2名),理事7名(欠席2名)監査1名が参加しました。
 
2.開 会 の 辞 副会長 馬場  顯
 
3.会 長 挨 拶 会 長 小澤 @邦
 
4.主管校校長挨拶 委員長 水野 國義 
                               
5.議     事 議 長 小澤 @邦
 
 *.前回議事録の確認(会報第79号による)
 
 (1)平成12年度 第34回福島大会について
第34回全日本聾教育研究大会(福島大会)準備経過報告
                             福島大会実行委員会
1「大会通信第1号」について
 (1)開催要項については、別添の通りである。
 (2)発送先は前大会に準じ、発送時期は2月中旬を予定している。
2 会場について
 (1)郡山市民文化センター及び郡山ビューホテルは、予約済みである。   
3 講師等について
 (1)記念講演講師
  @「記念講演溝師」は、国立特殊教育総合研究所 聴覚・言語障害教育研究部長
    菅原 廣一氏に依頼済みである。
  A「保護者の会分科会講演講師」は、筑波技術短期大学教授 大沼 直紀氏に依頼
    済みである。
 (2)コーディネータ及びシンポジスト
  @コーディネータは、筑波大学教授 吉野 公喜氏に依頼済みである。
  Aシンポジストは、開催要項の通り5名の方々に依頼済みである.
 (3)研究協幾分科会の座長
  @開催要項の通り、16分科会17名の座長の方々に依頼済みである。
                         (一名については交渉中)
 
 (2) 平成13年度以降の大会について
   平成13年 第35回 福井大会 基本構想参照 陸地区聾教育研究会の理事会に提案す                  る予定である。
   平成14年 第36回 北海道大会 一次案が示すされた会報81号で詳細説明。
   平成15年 第37回 神奈川大会 「基本構想」を策定中
 
 (3) 各地区研究会の報告
    北海道地区… 小樽校で地区研聾学校の会員を集めての研究会開催
    東北地区…… 六部研開催。 会報「かけはし」の発行
    関東地区…… 筑波大附属校の初任者研修会をはじめ年度内に7校で定例研究会・研           究協議会を開催。 平成11年度会報2号発行
    北陸地区…… 富山校で9月研究会開催
    東海地区…… 10月一宮校で研修会開催
    近畿地区…… 11の部門別研修会開催・近畿地区オージィオロジー研究会開催  
    九州地区…… 10月九州地区陸上・文化連盟大会開催
 
 (4) その他 常任理事会については,平成12年2月15日(火)を予定する。
 
6.連     絡 第19回聴覚障害教育国際会議(2000年7月 シドニー)
 
7.閉 会 の 辞 次期開催校校長 佐藤 英昭
 
  引き続き大会運営委員会が行われました。全日聾研会長挨拶、大会実行委員長挨拶の後、大会事務局長の司会で、指定討論者を中心に各分科会ごとに細かい日程の打ち合わせが熱心に行われました。
 
第34回全日本聾教育研究大会福島大会開催要項
1 名 称 第34回全日本聾教育研究大会福島大会
2 大会主題 「一人一人の個性を尊重し、豊かに生きる力をはぐくもう」
 
 設定理由    
   国際化、情報化、科学技術の発展等、変化が著しい今日にあって、教育においては、   個性的、創造的な人材の育成を目指し、ゆとりの中で生きる力をはぐくむことや、一人   一人の能力や適正に応じた教育が求められている。
   聾学校においては、幼児・児童生徒数の減少や障害の重度化、重複化が進む中で一人   一人の障害の特性に合わせた指導法が試みられている。そこで我々は、個々に応じた柔   軟でかつ一貫性のある教育実践をどう進めるかということを課題とし、本主題を設定した。
3 会 期
  平成12年(2000年)10月18日(水)〜20日(金) 3日間
4 会 場
 (1)全体会                郡山市民文化センター
   (開会式、記念講演、シンポジウム、閉会式)          
 (2)公開授業、指定授業           福島県立聾学校   
 (3)授業研究舎              郡山市民文化センター
 (4)研究協議分科舎            郡山市民文化センター
                       郡山ビユーホテル  
5 主 催 全日本聾教育研究会、東北聾教育研究会    −
6 主管校 福島県立聾学校、福島県立聾学校福島分枚、福島県立聾学校会津分校
      福島県立聾学校平分校
  協力枚 青森県立青森聾学校、青森県立八戸聾学校、青森県立弘前聾学校、岩手県
      立盛岡聾学校、岩手県立一関聾学校、宮城県立ろう学校、宮城県立ろう学
      校小牛田校、秋田県立聾学校、山形県立山形聾学校、山形県立酒田聾学校
7 後 援 (予定)
      文部省、福島県教育委員会、青森県教育委員会、秋田県教育委員会、岩手
      県教育委員会、山形県教育委員会、宮城県教育委員会、郡山市教育委員会
      福島市教育委員会、会津若松市教育委員会、いわき市教育委員会、全国特
      殊学校長会、全国聾学校長会、東北地区聾学枚長余、全国聾学校教頭会
      東北地区聾学校教頭会、福島県養護教育学校長会、全国聾学校PTA連合会、        東北地区聾学校PTA迎合会、福島県養護教育振興舎、福島県養護教育研究会、       全国公立学枚難聴・言語障害教育研究協議会、財団法人聴覚障害者教育福祉協会、      財団法人全国心身障害児福祉財団、小川再治研究協賛会、                福島県教育公務員弘済舎、自転車振興会
8 大会内容
     (1)公開授業     (5)記念講演   
      (2)指定授業     (6)研究協議分科会
     (3)授業研究会    (7)シンポジウム 
     (4)開会式      (8)閉会式    
 
9 開設分科会
  (1)授業研究会及び実残報告会
     幼稚部教育(1)小学部教育(2)中学部教育(1)高等部教育(1)
   (2)研究協議分科会
     @基本問題1(聾教育の基本的課題)   H交流教育   
     A基本問題2(コミュニケーション)   I国語     
     B早期教育(3歳末溝)         J算数・数学  
     C早期教育(幼稚部)          K理科    
     D自立活動(言語)           L社会     
     E自立活動(聴能、補償工学)      M芸術教育   
     F進路指導               N寄宿舎教育  
     G重複障害教育             O保護者の会  
   ※発表については、口頭紙面発表と紙面発表とに分ける。
10 大会日程
   前 日 10月17日(火)  午後 全日聾研理事会、大会運営委員会
                  分科会係り打合せ会
   第1日 10月18日(水)  午前 公開授業、指定授業、寄宿舎公開
               午後 オープニングセレモニー  開会行事
                  記念講演
   第2日 10月19日(木)  終日 研究協議分科会、教育懇談会 
   第3日 10月20日(金)  午前 シンポジウム 閉会行事
 
11 記念講演 
  (1)演題                   
   「聴覚障害教育が発信する21世紀への提言」(案) 
     講師  菅原 廣一(国立特殊教育稔合研究所 聴覚言語障害教育研究部長)
 
12 シンポジウム
  (1)テーマ
  「21世紀に生きる聴覚障害児・者を育てる聾教育の在り方について考える」
      − 今、聾学校のアイデンティティーを問う −
   (2)テーマ設定理由           
  現代の社会は、国際化、情報化、価値観の多様化など著しく変化している.教育に
 おいては、豊かな人間性や社会性と、自ら学び自ら考える力の育成、個性を生かす教
 育の充実、それらを可能にするための特色ある学校づくりなとが求められている。
  更に、聴覚障害教育においては、障害の重度化・重複化への対応並びに多様な進路
 希望実現への対応なとが不可欠となり、在籍者数の減少という現状の中で、個に応じ
 たきめ細かい指導が求められている。 21世紀に向けて、今、聾学枚のアイデンティティーを問う。
  (3)コーディネータ       
   吉野 公喜(筑波大学心身障害学系教授)
  (4)シンポジスト
   板橋 正邦(福島県聴覚障害者協会理事)
   斎藤 佐和(筑波大学心身障害学系教授)
   佐藤 法子(福島県立聾学枚幼稚部卒業生保護者)
   福石 幸紀(埼玉県立大宮聾学枚教諭)
   小海 秀鈍(東京聴覚障害者生活支援センター指導員)
13 大会参加費・研究集録費
  (1)参加費  会員4,000円  会員外5,500円
  (2)集録費  一部3,500円〜4,000円程度(事後集録、送料を含む)
14 教育懇談会について
  (1)趣 旨   全参加者の情報交換・交流の場とする.    
  (2)対 象   大会参加者金員(保護者の会参加者を含む)
  (3)会 費   5,000円程度        
  (4)場 所   郡山ビユーホテル
  (5)その他   立食形式で行い、夕食も兼ねる.
15 大金事務局及び謹格先
第34回全日本聾教育研究大福島大会事務局
〒963−0201福島県郡山市大槻町字西ノ宮西32    TEL O24−951−2081    
      福島県立聾学校内           FAX 024−951−8410  
 
第34回全日本聾教育研究大会福島大会
「保 護 者 の 会」開催要項
1主 題
    聞き取る能力を高めるための家族の関わりや家庭生活の頓に応じた言語指
   導の在り方について考えよう。
設定理由
    医学(医療)の発達に応じて聴力と脳との関係が解明され、指導によって
   は聴力の低下を補う手立てがどんどん広がりつつある.発達する脳と心に
   密接な関連のある医療等について学習を深め、家庭生活での具体的な言語指
   導の在り方について理解を深めたい。
 
2期 日
   平成12年10月19日(木)「大会第2日」
 
3場 所             
    郡山ビユーホテル
     〒963−8004  福島県郡山市中町3−1  TEL O24−924−1111
                    
4日 程
  10:00 10:30        12:30    13:40        17:30 17:40

受付
 

開会式・全体会講演
 

昼 食・休憩
 

 発 表・協 議
 

閉会式
 
 
5講 演
   (1)演 題 「     未  定      」
   (2)講 師 筑波技術短期大学教授 大沼 直紀
 
6分科会座長(予定)
   (1)分科会1(幼准部・小学部保護者対象)
      座長 大沼 直紀(予定)(筑波技術短期大学教授)
   (2)分科会2(中学渉・高等部保護者対象)
      座長 能登 健    (元山形県立聾学校教頭)
 
    第35回全日本聾教育研究大会(福井大会) 基本構想(案)
1 名 称   第35回全日本聾教育研究大会(福井大会)
 
2 研究主題 「自ら学び、明るくたくましく生きていく子どもを育てよう」
 
 設定理由
 21世紀という歴史の大きな節目を迎え、国際化、情報化、高齢化や環境問題の深刻化といった変化の激しい時代に、自分を見失うことなく、自ら課題意識を持ち、個性的で人間的な生き方や生活のあり方を確立していくことが求められている。特に、学校完全週5日制を視野に入れながら、「生きる力」を育成するために、新しい教育課程や授業実践のあり方を考えていかなければならない。
 聴覚障害児教育においても、幼児・児童・生徒数の減少や障害の多様化に応じながら、この「生きる力」を子ども自身の力として育成していくことが求められている.
 そこで、一人一人の子どもの障害の状態、発達段階に応じて、周りの人や社会に関わりながら、自ら学び、自ら考え、主体的に行動する力を育てることが大切であると考えた。さらに、子どもたちが豊かな人間性を育み、聴覚障害者としての自己を確立し、明るくたくましく生きていくことを願って、本主題を設定した。
 
3 会 期 平成13年(200l年)9月26日(水)〜28日(金) 3日間
 
4 会 場 (1)開会式、開会式、     福井市文化会館
         講演またはシンポジウム
       (2)公開授業、指定授業    福井県立ろう学校
       (3)学部.寄宿舎研究分科会  福井県立ろう学校、福井市文化会館
                     福井市民福祉会館
       (4)研究協議分科会      福井大学、繊協ビル(父母の会分科会)
 
5 主 催 全日本聾教育研究会 北陸地区聾教育研究会
 
6 主管校 福井県立ろう学校
 
7 後 援 文部省、福井県教育委員会、福井市教育委員会、全国聾学校長会、北陸地
(予定)  区聾学校長会、全国聾学校教頭金、北陸地区聾学校教頭会、全国聾学校PTA        連合会、北陸地区聾学校PTA連絡協議会、全国公立学校難聴言語障害教育研        究協議会、福井県特殊学校長会、財団法人聴覚障害者教育福祉協会、その他
 
8 大会内容   (1)公開授業、指定授業         
         (2)学部・寄宿舎研究分科会
.        (3)開会式(アトラクションを含む)           
        (4)研究協議分科会
         (5)シンポジウムまたは講演           
        (6)閉会式        
 
9 大会日程
 
   前 日 9月25日(火) 午後  全日聾研理事会、大会運営委員会
                 助言者・司会者・記録者打合せ会・
   第1日 9月26日(水) 午前  公開授業、指定授業
              午後  学部・寄宿舎研究分科会
                 開会式
   第2日 9月27日(木) 終日  研究協議分科会  
   第3日 9月28日(金) 午前  シンポジウムまたは講演、閉会式
 
10 開設分科会
 
 (1)基本問題       (2)コミュニケーション (3)交流教育
 (4)早期教育(3歳未満) (5)早期教育(幼稚部) (6)補償工学(聴覚活用)
 (7)補償工学(教育機器) (8)養護・訓練     (9)重複障害教育         (10)国語         (Il)算数・数学     (12)生徒指導・生活指導
 (13)進路指導・職業教育 (14)寄宿舎教育     (15)父母の会
 
11 大会参加費、研究集録
 
 (1)参加費     会員4,000円、 会員外 5,500円
 (2)研究集録費   1部    円・・‥…事後集録・送料を含む
 

授  業  研  究  会

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    幼稚部 授業研究会
鹿児島県立鹿児島聾学校
寺園  美子
 幼稚部では,開催校の実践報告と授業研究,それに3つの討議の柱に関しての授業研究会が開かれた。 会場に敷き詰められた椅子には,空席がほとんどなく,着席できない参加者が出るくらいの参加者数であった。多数の出席だったので,活発な意見交換を期待したが,司会者の「どなたか,いらっしゃいませんか?」「時間が限られていますので・・・」という声を聞きながら,質問が出されることが多く,どちらかというと,落ち着いた雰囲気の中での授業研究会となった。
@実践報告について
 平成9年度から取り組んでおられる『校外学習を通してことばを育てよう』
  −事前・事後指導における支援の検討−というテーマについて実践報告が行われた。   教師の思いを支援するのではなく,幼児一人一人の主体的な活動を促す支援の在り方,また,幼児どうしのかかわりのヒントを与えられるような支援の在り方について,研究・計画・実践されているということだった。 参加者からは,特に質問もなく授業研究へ,議題は移っていった。
A授業研究について            指定授業は3,4,5歳児による合同保育だった。「さかなやさん」を題材にして,事前(2/3時)の保育だった。 4,5歳児は昨年の経験が生き,さかなやさんとお客さんのそれぞれの役割を理解し活動していた。また,3歳児においても,昨年のVTRを試聴したことで,活動に入りやすかったようだ。更に,それぞれの学級で,充分事前学習を行っていたために幼児の活動への参加が,とてもスムーズだった。
 ティームティーチングに関する取り組みもなされており,昨年度の授業研究会の経過資料等も配布された。主題・本児の活動・幼児の主体的な活動・ティームティーチング・幼児同士のかかわり・支援についての確認など詳細が記されており,今後,保育を進める上での貴重な資料となった。
 母親の保育参観については,幼児のそばについて保育参観をしたり,幼児のモデルになったりして,少人数の学級ならではの母親参加を行っているようだ。生きた教材として,幼児の身近な人物を取り上げるということは,幼児も興味・関心を持ち活動に入りやすくなるという担任の配慮が伺われた。
B討議の柱について
 ・幼児の主体的な活動への支援
 ・ティームティーチングについて
 ・幼児どうしの関わり
 ここでは,特に「ティームティーチングについて」についての意見交換がなされた。
「ティームティーチングについて」は,異年齢集団であるのでチーフの発言を,すべての幼児が理解できるとは限らない。そこで,幼児の実態に即して,絵カードや写真を使う・チーフの方をしっかり見るために支援をするなど,サブの支援方法についてもしっかりと話し合いがなされていたようだ。また,チーフの負担を考え,サブとチーフの役割交代をしながら保育を進めていく方が望ましいという意見が出された。
 意見交換の中では,「ことばのおさえ」について,特に,幼児からの表出を保育の中に取り入れることの重要性や幼児の主体性を育てる支援の在り方についても意見が出された。日頃,保育を行う中で最も重要なことは「幼児を受け止めることである」と考える。それは,幼児から母親や教師など人に対する表出(身振り,手話,音声言語など全てを含む)だけでなく,幼児の周りの全ての環境(自然や事象,人など)への幼児の表出(身振り,手話,音声言語など全てを含む)も見守りながら受け止めていきたいと考えている。そのため,授業研究で出された会場校及び全国各地から集まった参加者の意見は,今後の聾学校の幼稚部の保育を進める上で,大変参考になり,念頭に置きながら日々過ごしていきたい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  小学部・国語教育
長崎県立ろう学校 
松尾 美代子 
 
 
 
 
 
 
 
 
 小学部では、数年前から縦割りの班編制により、総合的な学習に取り組んでこられています。それらの学習を通して、実際の生活や学習の中で生きる国語力を培うためには、具体的な場面を設定する必要があることを認識されたということでした。今回参観させて頂いた国語科の授業においても、総合的な学習の実践を通して、生活に生きる国語力を身に付けるための取り組みが授業の全面に出ていたように思います。
 参観した小学部5年生の国語科の授業は、「『障害』について考えよう/−『手と心で読む』−」の単元の中で、児童が校外学習に行ったときに体験した“困ったこと”について発表し合うという活動場面でした。教室の左前方には、前時に児童が書いた校外学習の感想が掲示してあり、「女の人の話がわからなかった」「スパテギー(スパゲティー)といっても、店の人がわからなかったから、メニューを指して注文した」などの困った体験がいくつも書かれていました。児童たちの素直な感想を読んで、児童自身が体験することの大切さを実感しました。授業の中では、校外学習で体験したことについて、各児童がキ
ューサインなどを用いて発表しました。どの児童も自分がしたことや見たこと、感じたことなどをわかりやすく伝えることができていました。聞く側の児童も、友達の発表に関心を持って聴くことができており、伝える力、聴く力が培われているなと感じました。
 授業研究会では、今回の国語科の学習における基礎的な部分のねらいや、ことばの学習のポイントについての質問が出されました。また、ろう学校の国語科における言語指導の在り方について、児童同士のコミュニケーションの課題とそれに対する支援の在り方について、総合的な学習の取り払み方についてなどの意見が出されました。特に総合的な学習については、児童自身が課題発見・課題解決するために、どのような指導計青を立てていけばよいかについて活発な意見を聞くことができました。
 授業研究会全体を通して、様々な課題に対する意見や提案、他校の取り組みなどを聞くことができ勉強になりました。中でも、新学習指導要領に採用される総合的な学習については、児童の主体的な活動を促し、実際の生活や学習の中で生きる国語力を育てるために、どのように取り払んでいけはよいかなど、大変参考になりました。総合的な学習を聴覚障害児教育に取り入れることに難しさも感じます。しかし、言語指導は生活全般にわたるので、総合的な学習を工夫することによって、より豊かな言語活動を展開することができると思います。今回学んだことを生かして、児童の「話したい」「聴きたい」という気持ちを大切にしながら、児童と一緒に多くのことを学んでいきたいと思います。
 
  小学部・重複障害
群馬県立聾学校 
高橋 敦美 
 小学部重複障害教育研究班では、「人とのかかわりが深まることを目指した支援の工夫−重複障害児の合同学習を通して−」というテーマを設定し研究を進めていました。
 実際の授業は、4,5,6年1名ずつ計3名が所属する学級で行われました。単元名は、「なぞなぞすごろくをしよう」でした。教室には、これまでに作った「なぞなぞ」カードが掲示してありました。その周りには、なぞなぞを考える前に学習した、「たべもののなかまわけ」の図が貼ってあって、今までに子ども達は、「レモンはきいろ、すっぱい」といった特徴をとらえる学習をしていることがわかりました。授業は、中心となって流れを作っていく先生と、それを補助する先生と2人の指導者で進められました。
 まず、なぞなぞ作り。「なぞなぞボックス」の中には、ピーナッツが入っていて、さわったり食べたりして、気付いたことをカードに書いて発表しました。発表する子どもは、聞いている友達をよく見ながら、声を出して、サインを付けて、はっきり話そうとしていました。それから、教室の床いっぱいに作られた、大きなすごろくが、出てきました。子ども達は遊び方をよく理解していて、じゃんけんをして順番を決めること、コマを「5すすむ」「3もどる」に従って動かすこと、「なぞなぞ」に止まったら問題を友達に出してもらうこともできました。Aさんがコマを間違えて動かしたとき、Bくんはそれを見ていて違うことに気づき、Aさんの手を取って、一緒に数えて動かし方を伝えていました。指導者は、それぞれの子どもが自分でできること、支援が必要なところをよく把握していて、あえて助言せずに子ども達の考えにまかせている場面が見られました。
 授業研究会では、この単元での学習を通して、「かたい」ということばと概念が結びついてきたことや、引っ込んでしまいがちだった子どもが積極的に活動に加われるようになってきたことが報告されました。参加者からは、生活単元学習の教育課程上の位置付けや扱っている内容について、「感覚」に訴える工夫とはどんなことかといった質問が出されました。
 本時の授業には、特徴をとらえること、それをことばで表現すること、なぞなぞを解くこと、さいころの目の数だけこまを動かすことなど、たくさんの内容が盛り込まれていました。そのたくさんの内容を子ども達はよく理解して活動していました。本時までに指導者は細かい目標を立て、授業の度に計画を修正し、子どもたちが自分たちで考えて活動できるように授業を作り上げてきたことが伝わってきました。その過程で、子供たちが何につまずいたのか、それに対して指導者はどんな手だてを取ったか、ぜひうかがいたいと思わせてくれた授業でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  中学部・教科指導
大阪府立生野聾学校 
森   訓 
 
 
 
 
 
 
 
 
 中学部1年の指定授業でもある美術の授業「アニメーション作家に挑戦」の授業と午後からの研究協議に参加させていただきました。
 「アニメーション作家に挑戦」と、一読何のコトかわからない単元設定ですが、要するに、生徒自ら、アニメーションを作り上げるというものです。今回のこのアニメ−ションは、クレイ粘土を少しづつ動かし、それをビデオでこま撮りして,造り上げるものでした。
 教室あふれかえる参観者の中、3人の生徒はやはり少なく,静かな緊張の内に授業は始まりましたが河野先生の穏やかな話し振りの導入と,生徒自身の授業への興味でそんな不安は消えていきました。
 ストーリーは宇宙人がやってきて.地球人と戦うという生徒自身が考えたもので、粘土を動かす係りが2名、ビデオを撮る係りが1名を、ローテーションしながら、共同制作として一つの作品を創り上げていきます。
 河野先生は細かい指導を様々な方法を使い指導されていました。コミュニケーションモードでは、手話の他にキュードサインも織り交ぜながら、生徒達によく伝わるよう配慮されていました。特に感心したのは生徒の自主性、個性を非常に尊重されている点です。私自身、同じ美術の教師として、「ここでこうしたほうがいいのに」と思う場面が何度かあり、その度に先生の表情を見たのですが、おだやかに笑いながらも、ぐっとこらえている様子がありありと解り、その意図も了解でき、それは、むしろ頼もしく思いました。
 生徒達の様子で、特に印象に残っているのは、ビデオを同一時間撮るために、メトロノームを使用していたのですが、そのメトロノームのリズムに生徒達が体でリズムをとりながら制作を続けていたことです。要するに踊りながら制作し、学習しているのです。これは、ほほえましいといった、レベルではなく、美術教育や、聾教育の範疇でもなく、教育のあり方を示唆する光景として、とらえさせていただきました。             授業の最後に本時に撮ったアニメーションを見たのですが、早く撮り過ぎたり、動きがちぐはぐであったり.場面が変わりすぎていたりでなかなかうまく創れていなかった事は否めないのですが生徒達の様子から上達し素敵な作品になっていくことでしよう。
 午後からの研究協議も参加させていただきました。先ほどのコミュニケーションモードの事や、障害児の絵画の特性について様々な意見交換がなされました。私からも同じ美術教師として、聾学校だから出来うる教材、聾学枚であることのメリットもあるといった意見も出させていただきました。
 1最後にこの授業や研究協議だけでなく、この全日聾研、松山大会が、すばらしいものであったことを松山聾学校の先生方、関係者の皆様に、感謝の意を含めてお伝えしたいと思いいます。本当に皆様、ご苦労様でした。
  中学部・養護訓練
筑波大学附属聾学校 
板橋 安人 
  討議内容の詳細は、事後集録に譲ることにして、ここでは中学部「養護・訓練」授業を参観し、授業研究会と実践報告会に参加した一教員としての感想を述べたいと思います。 本時の中2の授業は、生徒が調べた内容(生徒Cがプラモデル、生徒Aが漫画について)を生徒Aの発表ビデオを視聴後、発表内容、資料、発表の仕方の点から意見を出させ、教員(補助に2名ついている)が適宜補助しながら、聞く、話す、書く活動を適して生徒の2回目の発表準備をさせるという流れでした。 中高等部では、昭和62年から手話と指文字を導入している(実践報告会)経緯から、生徒の発言には手話も伴われていました。発音は決して不明瞭ではなかったと思いますが、若干声が小さいようでした。前時の話し合いで出た意見の要旨を書いた紙、ビデオ器材、手話辞典など準備もよく整っていて、複数指導者の強みを感じました。特に「個別活動プログラム票」の導入は、学習者主体の養訓の授業構築にとって、いいアイデアであると思い、得るものがありました。     この授業を通して、考えたこと、印象に残ったことを列挙したいと思います。   (1)生徒は積極的に授業に参加していた。相手のいい面に注目した意見が言えるようにするための教員がとるべき支援法とは何か。(2)授業で使われるキーワード(本時では、「内容」「資料」「発表の仕方」の概念)の効果的な確認法。            (3)「分かりやすく発言しようとしたか」では、手話やキューだけでなく発音も含めて聞き手を想定した上で、どのような話し方がいいのかを考えさせたい。        (4)どの生徒が指導案のどの個別目標を持っているのかがわからなかった。授業研究に必要なだけの生徒に関する情報記載の必要性を感じた。              (5)「『資料』の手話は何?」と尋ねる場面があった。生徒は、手話を学習したい気持ちが強まっている段階にある。この場面では、多少流れが止まっても、準備した手話辞典を生徒に引かせ、調べさせてもよかったのではないか。               (6)相手や場面によって音声と手話を使い分けていく力もつけさせたいとすれば、このビデオ発表は、今後、聞き手が聴覚障害者か健常者かを意識した発表の仕方に発展させていくこともできるのではないだろうか。
  授業研究会と実践報告会の参加者からは、自立活動と「養護・訓練」の中身はどう違うのか、教員の手話研修の場は確保されているのか、手話とキューを同時に使うことの是非、コミュニケーション方法を意図的に教える時間はあるのか、子どもの心をとらえた効果的な展開はどうすればいいか、などの質問が出されていました。これらは、中学部段階の教育にとって、どれも真剣に検討されなければならない重要な問題であると私は受とめました。質問が活発に出され、もう少し討議の時間がとれたら良かったのではないかと悔やまれました。授業者と養訓研究班の先生方、ありがとうございました。       
 
 
 
  高等部・職業教育
福井県立ろう学校 
廣田  茂 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 指定授業が理容実習ということで、福井ろう学校には理容科がないため、私にとっては始めてみる授業内容でした。授業が始まる前から、理容修練室にはラジオの放送が流され、地域の方がお客のモデルとして座っておられたので、まるで実際の理容室のように思われました。
 3名の女子生徒がそれぞれのモデルに対して、「ミディアムロング」という刈り方(内1名はモデルの関係で「ハーフロング」)の実習を行っていきました。
 理容という接客業においては、お客様とのコミュニケーションが非常に大事な要素であり、この授業においても、モデルを案内したり、注文を聞くときなど、その都度清水先生から細かい指摘がなされていました。特に聴覚障害を持っている場合は、コミュニケーションの点でハンディがあるので、接客用語やマナーを身につけるためには、日頃からそういった練習を積み重ねていくことが、技術の習得にもまして不可欠であると思われました。
 実習の様子をビデオに収めていたので、授業の中で活用するのかなと思いましたが、3名の生徒の作業スピードが異なっているので、それぞれの生徒に対して作業の内容を指示され、作業が終えた時点で授業が終了しました。
 授業研究会では、「職業教育を通して社会自立を目指す支援の在り方」ということで、松山聾学校の職業科の日常の取り組みが、OHPやVTRで紹介されました。その中で、特に自主性を育てることに関して、「個々の生徒に応じた課題→経験→失敗→工夫」の繰り返しが、主体性を養い、知識や技術の習得につながる、といわれたことが印象に残りました。
 また、研究会の中で多く出された話題として、現場実習の様子が各校から報告されました。私も進路を担当している者の一人として、現場実習先の開拓や重複の生徒に対する指導についていろいろな声を聞くことができ、大変参考になりました。今回の全日聾研に参加させていただき、先生方の幅広い実践やお話をこれからの指導に生かしていきたいと思います。どうもありがとうございました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  高等部・ホームルーム活動
兵庫県立神戸聾学校
下雅意 一之
 
 
 
 
 
 
 1単位、年35時間がホームルーム活動に約束された時間。学習指導要領の指導内容をふまえ、いわゆる「生きる力」を育てる時間とするためには、どのような進め方があるのでしょうか。私は生徒の実態把握・将来にわたる長期計画の重要性を知りながらも、学校行事(例えば文化祭などの話し合いや準備などの時間)を中心に計画していたように思います。
 しかし、このたび大会初日の指定授業で、教師が「生徒の立体的な取り組み」を支える側に徹し、生徒に計画・準備・進行までをある程度任せた形で進めるホームルーム活動の様子を拝見し、多くのことを学びました。 それは1人の生徒が司会を務め「ちょっとへんかな?」という題で身近にある問題点
 @「先生で態度が変わる生徒」      A「男女の平等」            B「卓球部の上下関係の問題」
を順番に提示し、他の4人の生徒が肯定派と否定派に分かれ(先生2人も加わり)考えをまとめて発表し、そこから議論深めていくという内容でした。
 私は3人の先生の動きに注目しました。先生1人は司会生徒の強い味方。先生2人は肯定派・否定派の話し合いに加わり、ときに生徒と対時、ときに少数派の支持、ときに生徒に同調と、状況に応じて様々な役割を演じる存在。この3人の先生の役割分担によって、生徒たちの主体的な取り組みが支えられているように見えました.         ・
 授業のあと、ふと教師が演じる役割に「A−dviser」・「Actor(Actress)」・「Assistant」の頭文字から3Aなる素養の必要性に気づき、また、教師一人では限界もあり、複数の教師で臨めばばそれぞれの個性を生かして進められる授業やホームルーム活動も可能なことに気づきました。
 少し気になったのは、「先生で態度が変わる生徒」の話し合いの途中、言葉の解釈の違いで、生徒が「もういい。」と口を閉ざした場面。肯定派の彼女は「冗談の通じる先生には….」と先生とのかかわりを述べようとしていたようでしたが、否定派の先生の「あなたは今まで冗談を言っていたの。」の一言で自由な教室に、何か重苦しい空気が漂ったように思います。授業研究会でも話題になりましたが、、役割を演じる教師も、つい指導者という立場で、生徒に「模範的な回答」を急ぐあまり、「生徒のことば」を遮るり、「生徒のつぶやき」を拾いきれなくなる状況の一つと受け止めました。実践報告でも語っておられた通り、「教師の場の空気を読みとる力」や「待り心構え」の難しさを、実際の授業研究の中で、伝えて下さったように思います。
 私は今後、この松山聾学校の先生方の取り組みの中に見い出した「空気を読み、あくまで待つ」という姿勢を「Antenna(アンテナ)」を張り続ける心の意味として、前述の3つの要素に1つ加えた4A理念に基づく教育実践に努めたいと考えます。.本当にお世話になりました。
  寄宿舎教育
筑波大学附属聾学校
福地   陽
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  松山のやわらかな秋の日差しの中、寄宿舎教育実践報告会に参加させていただきました。寄宿舎公開での、各行事の子どもたちの様子が大変印象深かったので、胸をはずませ席につきました。
「自分たちが作る楽しい寄宿舎」という主題のもと『自治会活動を活発にする取り組み』というサブテーマで松山聾学校の寄宿舎の平成9年度からの実践実例報告がありました。
 自治会活動を活発にするため・日課を守る手だて・舎の行事を楽しいものにするためを柱とした深みのあるレポート内容でした。発表手法もOHPやビデオを用いてまとめられていて、わかりやすくたいへん工夫されていました。
 自治会活動のマンネリ化を打破するために「自分達で考えてみよう」と先生方が子供たちに働きかけを行った。それが種になり、最後に見せていただいた「寮まつり」のビデオの子どもたちの姿につながっていったことを感じ、大変素晴らしく思いました。
 ビデオの子どもたちの姿より、自治会活動の活発化は一目瞭然に感じることが出来ました。生き生きとした表情、笑顔、真剣で積極的な取り組み。
 そして、それだけではなく、そこにいたるまでに築き上げられてきた先生方と子どもきずなの深まり、信頼関係も如実に表れていると感じました。子どもを受容し、向き合っていくこと。信頼というパイプ作りの大切さを改めて考えさせられました。
 
 今回の事例を通して、今ある生活をどのくらい子どもが主体的にうけとっているのか、言われるがままで受身的にただ、させられているのか、子どもたちの主体性をどのように育てていくべきか。現状をみつめ、今後私自身いろいろな角度から広い視野をもって捉えていきたいと強く感じました。
 発表のあとはか各学校の日課変更のついて情報交換も行われました。
 研究会の助言者の先生からも感想と心豊かに充実した生活をするための寄宿舎の環境づくりについてのお話もありました。寄宿舎だからこそできることについて考え実践参考にしていきたいと思います。
 今回の報告会で多くのことを学ばせていただきました。有意義であたたかい会に参加させていただき本当にありがとうございました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

研 究 協 議 分 科 会

 @ 基 本 問 題 T
神奈川県立平塚ろう学校
佐渡 雅人
 今年度は「変化する社会の中で、生き生きと生活する子供を育てる教育について考えよう」というテーマで、現在の聴覚障害の課題について検討を進めました。司会者から、初めに各発表についての討論を行う際の柱として「子供の主体的活動の保障」「教育課程・教育活動、教師の資質向上」「地域社会との連携」の3点をテーマにしたい旨提案され、柱に沿って午前中発表、午後から討論会という形で話し合いが進められました。
 「子供の主体的活動の保障」という点では、福井校の小学部高学年における合同養・訓と特別活動の取り組み、並びに昨年度に引き続いての発表である豊橋校における生きる力を育むための横断的・総合的な学習の試み、一宮校からは児童会活動の在り方についての3本の発表がありました。いずれも2002年から実施される新学習指導要領を念頭においた実践と研究でした。子供の主体性を伸ばすための方策として、教科等の学習場面では(総合科という教科の性質からも)集団の保障の必要性から一斉指導が望ましいという考え方に則ったティームティーチングの在り方が、また、児童会活動や特別活動などでは子供の主体性を減じない教師のモデル提示の方法など参加各校の取り組みが報告される場面があり、有意義な情報交換ができました。
 「教育課程・教育活動、教師の資質向上」の柱については、教師側の配慮についての発表としては、平塚校からの授業設計の方法についての実践、日聾校からはVTRで個別指導の様子を記録し、分析するという相互研修についての報告がありました。授業や、指導を行うための準備・配慮すべきことなど、聴覚障害児教育における基本的なおさえが常に必要であること。また、子供の実態の把握と実態から導き出された目標に迫るための題材の選択という個人指導プログラム(IEP)や、話し合いの中でインタラクション(ひとつの題材に焦点を当てて話し合い、意味を共有していく経験の積み重ね)し、深めていく方法等これからの聾教育を支える大きな柱になるであろう話題が出されました。
 
 「地域社会との連携」については、上越教育大学院生からの聴覚障害児乳幼児を持つ父親の子育てについて、松江校からは、離島養護学校に在籍する聴覚障害児の支援の方法にっいての事例報告がありました。子供の教育に最も大きな影響与えるのは母親であることは疑問の余地はないが、父親が母親をしっかり精神的にサポートをし、協力することもとても必要なことであろうと意見が出されました.また、子供は家庭で養育されることが最も適切であり、その安定した環境がなければ専門教育は成り立たないし、子供の様子に応じた場を提供していくことも、教育サービス
として必要であると感じました。
 
   基 本 問 題 U
富山県立富山ろう学校
高木 久美子
                                                                                                    
 
 
 
 さわやかな秋晴れの大会2日目、愛媛県民文化会館でおこなわれた、研究協議分科会基本問題Uに参加しました。「変化する社会の中で、生き生きと生活する子どもを育てる教育について考えよう」というテーマで、指定討論者に国立特殊教育総合研究所の菅原廣一先生をお迎えして、7つの発表がありました。午前は、各研究発表時間約15分ということで発表があり、午後からは、各発表毎に質疑応答し、その都度、菅原先生からの適切な助言をいただきました。
 7つの研究発表は、幼児・児童・生徒数の減少に伴う統廃合問題や、聴覚障害児が通常の学校に在籍する場合が多くなってきている現状をとらえ、インテグレーションについてや、今後のろう学校の役割、通級指導教室との連携、医療・福祉・関係機関との連絡システムの構想等についての発表や問題提起がありました。また、自らの課題に向き合える姿勢の育成を目指した高等部養護・訓練、より魅力と成果を狙った体育指導や英語学習、人工内耳連絡会の事例報告から医療と教育との連携の在り方を考える等関心の高い発表内容でした。発表後に出された活発な意見や助言等も大変参考になりました。中でも、豊橋聾学校のインテグレーション問題を考えるについては、インテグレーション問題とは、聴覚障害者に最もふさわしい学習の場の選択の問題であるとの考えから、様々な実践の発表、考察、まとめがあり、特に中学部でおこなわれている1学期、2学期各1週間の交流学習については、実施の方法、該当生徒の居住地中学校との連絡、進度の違いの克服、カリキュラム上での位置づけ、効果等について活発な意見交換がありました。また、高岡ろう学校における教育相談室の運営については、人的、経済的な手だてや、教育現場での役割分担や、けじめについて等の質問がありました。愛知県総合保健センターの発表に対しては、今後の人工内耳増加に伴う聾教育の関わり方についての質問や意見がでました。これについては、分科会最後の、菅原先生からの、人工内耳手術を受けた生徒の母親の教育手だてへの要望内容についての説明が的確な助言と感じました。
 分科会の締めくくりとして、菅原先生から、個人情報の守秘義務、用語表記方法、参考文献の掲載、地域との連絡会、指導の積極的な道具立て、QOLを高める、コミュニケーションの大切さ、学校教育で経験を多く積ませることが、社会に出たときのエネルギーにつながる等今後の教育現場での貴重な示峻となるまとめの助言がありました。本校(富山ろう学校)は本年9月に、北陸地区聾教育研究大会の主幹校として、昨年から続いた研究を無事終えたばかりです。2年後に福井である全国大会に思いを馳せながら、本分科会参加を、自らの指導の在り方を見つめ直す好機ととらえ、分科会で得た発表や意見を今後の指導実践に役立てたい思います。
  A 早 期 教 育
東京都立大塚ろう学校
佐藤 恵子
 「乳幼児の豊かな発達を促し、望ましい家族関係を支援する取組について考えよう。」という分科会のテ−マを受けて、9本の発表が行われました。3本ずつ発表した後、質疑応答をするという形で研究協議が進められました。
 今年度は、助言者としてではなく指定討論者ということで、澤田先生も分科会参加者の一人としてその都度感想や意見を述べて、大切なポイントをおさえて下さいました。 聴覚活用に係わる内容の発表は、子どもが聴覚を十分に活用していくための工夫や手だてについてのものでした。中等度難聴幼児への耳穴形補聴器の試みをされた先生の前向きな姿勢と努力に感心しながらわが身を振り返り、聴覚管理についてももっと専門的な知識を身につける必要があると反省しました。
 「1歳児学級における再現遊びの取組」では、子どもの活動の事前・事後指導に再現遊びを取り入れた取組の発表でした。VTRでジュ−ス作りとホットケ−キ作りの様子を見せて頂きました。本物をイメ−ジし易いような制作物(ミキサ−やホットプレ−トなど)が用意してあり、子どもも楽しそうに集中して遊んでいました。話し合いの中で、事前・事後指導のあり方について、子どもの感動を狭めないようにすることや子どもの主体性の枠を教師が作りすぎないようにすることが大切なのではないかという意見がだされました
 「両親援助で大切にしたいこととプログラムの変更の根拠」と「母と子の様子」の発表でも親子の活動の様子をVTRで見せて頂きました。母親が子どもにしっかり気持ちを向けて、子どもの遊び(気持ちに)に添って楽しそうに遊んでいるのが印象に残りました。
望ましい親子関係を具体的に見せて頂けた思いです。このようになるまでの先生方の援助の方法や大切にしてこられたこと等を伺って教師自身の親子を見る目と援助の仕方が子どもの育ちに大きく影響を及ぼす事を痛感しました。
「幼稚部教育課程について(0歳〜2 歳児) 」では今回作成された教育課程の発表でした。(1)乳幼児の発達の姿(2)年間保育計画(3)両親援助(4)具体的な指導事例についての項目から成っています。どの項目も具体的に書かれているので、大変参考になると思いました。
 この他の発表も今後の課題になるものが多く、どれも興味深く聞かせて頂きました。
 協議の中で、コミュニケ−ションの方法に関していろいろな考え方が出されました。これについては障害のとらえ方や子どもに将来どう生きて欲しいか、どう育てていきたいかという考え方によるところが大きく、今後の課題として考えていかなければならない問題だと思いました。
 この研究会で学んだことを整理して、今後にいかしていきたいと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 B 幼稚部教育
茨城県立水戸聾学校
岡村 三由紀
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 幼稚部教育分科会では,「子どもが,心豊かに生き生きと活動(体験)するための幼稚部教育について考えよう」というテーマのもと,8人の方から研究発表がありました。
 子どもの興味のある遊びを活動に取り入れた実践研究からは,教師の意図によって子どもを動かすのではなく,子ども自身が自分から行動し,人にかかわろうとする力を引き出すことがいかに大切であるかがわかりました。そして「ただ遊ばせているだけ,と保護者に誤解されぬよう,きちんと年間計画を示してこの活動がその子の目標達成のために必要であることを理解してもらいながら協力を得ることが必要である」との報告は,保護者との連携の大切さを改めて感じさせられるものでした。
 「話し合い活動」の授業研究に関する発表からは,日々の授業の反省をきちんと記録しておき,教師間で意見を述べ合う機会を何度も作っていくことが指導技術の向上につながること,子どもに教え込もうとするのではなく,できるだけ子どもの経験に基づいた話題を大切にしながら理解へ導いていく必要があることなど,学ぶことが数多くありました。
 幼稚部の教育課程についての発表では,各領域の年齢別のねらいや内容が詳しく示されました。これらは,子どもたちの日々の生活の様子をきめ細かく観察してとらえた発達の姿の資料に基づいて検討されたものであるため,具体的でとてもわかりやすいものでした。また,保育事例集のうちの一例を資料としていただいたのですが,是非他の事例も拝見してみたいと感じました。
 保護者支援に関しても2人の方からの発表がありました。ひとつは,家庭での子どもの実態や保護者のニーズを探るためアンケート調査をし,幼稚部における保護者支援について考えようとするもの,もうひとつは,保護者のニーズにできるだけ沿うような学習会の実施を試みたものです。両者の発表とも,保護者全体に対しての支援のみならず,個別の支援がいかに大切であるかを示唆するものでした。その他,聾教育に手話を積極的に導入すべきであると問題提起した発表や,行事の活動をとおしての取り組みをまとめた発表などがあり,幼稚部教育に関して,いろいろな面から考える機会が得られた気がします。
 最後に,指定討論者の先生方から助言をいただきましたが,その中で「子どもを,ことばを教える対象としてみることによって,本来の子どもらしさを失わせてはならない。」「親も子も,『学校へ行って先生に伝えたい。』と思えるような指導者との関係づくりが大切である。」とのお話が特に印象に残りました。
 今回,この分科会に参加して学んだ多くのことを,これからの指導の中で生かしていけたら,と思います。
 
 
  C 養護・訓練(言語指導)
山梨県立ろう学校
井戸 和美
 松山城を見ながら路面電車で会場へ。「豊かな言語力を身につけ、主体的に生きる子どもを育てるための取り組みについて考えよう」の主題の元、7本のレポートが提出されました。今回は、参加者と同じ目線で討議に加わるという趣旨で「指定討論者」として斉藤佐和先生が参加して下さいました。
 午前中は、言語に遅れのある児生についての事例が宮城、附属、大宮より発表されました。その中で「自分にもできるという自身を持たせる。」「親と一緒に考え、適切な援助を試みる。」「一つのことばからいろいろなことばを連想し広げる。」等、ことばの指導の原点とも言える事柄を、丁寧に扱っている事に共感しました。斉藤先生のご意見の中にも、「言語獲得への意欲を育てる」にはどうしたらいいかといったことがありました。年齢や家庭事情といったことば以前の様々な問題を抱えている中で、それらをどう受け止めていったらいいか、日頃、私自身も悩んでいるので、多くのことを考えさせられました。
 午後からは前半、愛知県の岡崎聾学校の日記活動と一宮聾からビデオレターの実践が発表されました。日記においては、「どんな」「どのように」の坂を上ることが難しい。書く力を大きな道筋で見ていく必要性がある。ビデオレターについては、特に交流校については、障害理解につながるという点、また聾学校児生については伝えることの学習として有用とのまとめがありました。日記活動のステップを整理してみようと思いながらレポートを読みました。
 午後の後半は、宮城から発音について、京都舞鶴分校から障害認識を含んだ養護・訓練の学習についての発表でした。普段の誤音指導では、教師の力が関係あると言う意見と、客観的な評価法の確立の必要性が意見として出されました。京都の発表は、小さい頃から障害認識について、子ども達のつぶやきを拾って話し合いがくり返されてきた実践の素晴らしさと先生の熱意が伝わってくるものでした。小学部の二年生の担任である私は、どこまで誠実にそのことを考えて来ただろうかと深く感じました。スイミーに自分たちを重ねて考えることのできる子ども達、補聴器の自慢を交流校の子ども達にしている低学年の子たち、多くの子ども達のつぶやきや、作文、詩等が紹介され、そのどれもが希望に燃えて居ることに感動しました。
 どんな方法でもとにかく伝えたいという子どもを育てるために、私自身が、「聴きたい」「分かりたい」気持ちを常に持ち、子どもと共感できる教師に成長していこうと誓った1日でした。
 分科会運営、発表の先生方、斉藤先生ありがとうございました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    養護・訓練(発音発語)
新潟県立長岡聾学校
村山 敏美
  「日頃、他校の先生方は、養護・訓練の指導で、どのような取り組みをしておられるのだろうか。生の声を聞いててみたい。」という思いで、この分科会に参加させていただきました。
  分科会では、30数名が集い、7本の研究発表が行われました。1本につき15分の発表と質疑応答、意見交換の形で進められました。今回は、指定討論者制を取っており、それぞれの発表の中で、会員の方々と一緒に質疑、意見交換するということで、より研究内容が深まっていったように思われます。
  午前の発表は、3本「言語力テストの分析」「中学部段階の『発音・発語』学習を考える」「専攻科生徒の発音技能の改善」について発表がありました。 テスト分析や生徒の発音に対する意識調査、自己評価を通して、授業のあり方や言語指導のあり方を学部全体教科部全体で取り組み、実践していくことが言語力の向上につながっていくのではないかということが話し合われました。
  午後の発表では、「聾学校児童における擬態語の理解に関する研究」「確かな日本語を獲得させるための本校手指メディアの位置づけについて」「本校のキュードスイピーチは、子ども達の日本語獲得にどのような効果をもたらしたか」「聴覚障害児の絵の理解と類推に関する研究」について発表がありました。 擬態語の理解に関する調査の分析、絵の認知と類推との関係を健常児と比較することによって、分析した結果を言語指導に生かしていく必要性があるということが話し合われました。また、学校全体で、「確かな日本語を獲得するために、教育体系の中で、どのような言語メディアを、いつ取り入れていったらよいか」ということについての取り組みの様子が発表されました。教師の熱意が子供たちの姿に表れ、生き生きと話し、コミュニケーション能力を豊かにしていったのであると感じました。
  この分科会を通して、言語指導の大切さを再認識するとともに、他校の取り組みで参考になったこと、考えさせられたことをもとに日頃の指導を見直し、コミュニケーション能力を豊かにしていくための授業を目指して、研鑽に励みたいと思います。
  このような機会を与えて下さいましたことに感謝いたします。ありがとうございました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  D 聴覚学習、教育工学
福岡県立小倉聾学校
八田 徳高
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 今年度は、「子どもの特性に応じた聴覚学習、教育工学の成果を生かした学習指導について考えよう」をテーマに、10本の発表がありました。詳しい内容については、研究集録及び事後集録をご覧いただくとして、ここでは私自身の感想等を書かせていただきたいと思います。
 本分科会では、指定討論者として、成田先生(兵庫教育大学)と立入先生(愛媛大学)、そして41名の参加者となごやかな雰囲気の中にも、活発な討議が行われました。今回から分科会の形態を、助言者から指定討論者へと変更したことで、フロアーと一体となって指定討論者の2名の先生からも専門的な質問やお話をお聞きでき、この分科会全体がより活発なものになったのではないかと感じました。
 発表の内容としては、聴覚学習を取り扱った授業やより良い補聴を目指した聴力検査への取り組みや補聴器の選定、槻器を活用した情報補償と授業の実践など、本当に素晴らしい報告だったと思います。聴覚学習を考えていく上では当然のことかもしれませんが、適切な補聴器のフイツティングと音環境の整備(補聴援助システムの有効利用を含めて)等に限らず、OHPや字幕提示等の視覚的な情報提示装置を活用していくことも、子どもたちの授業の内容面での理解だけでなく、聴覚的受容にも役に立つところが多いはすです。そういう意味で、いつも聴こえに配慮した指導を心がけていくことが必要だと思います。自分自身、日ごろの授業の中で、どのようにすれば子ども一人ひとりが補聴器や聴くことに関心をもっていくか、常に考えさせられている状態ですので、時間があればそのあたりのことも意見交換ができたらという思いでした。昨年より発表本数としては少なかったのですが、それでも時間が足りなくなってしまうほど充実していました。
 また、「聴覚障害児のコミュニケーションハンディーキャップ」についての発表では、普通学級に在籍する子どもたちへの援助として、機器関連の援助だけでなく、人的な部分も必要であること、聾学校と普通学校との「お互いに学びあえる関係(連携)」の大切さと難しさを改めて感じました。常に他学校の先生方や医療関係等々とのネットワークづくりを意識しながらも、いつももどかしさを感じている私自身にとっても、今後の取り組みの参考となる内容でした。          機器の好きな先生方が集まっているのか、プレゼン用のソフトから、その効果的な方法などの話題も出てくるなど、とても有意義な時間を過ごすことができました。最後に、このような機会を作っていただいた関係の先生方に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 
 
   E コミュニケーション
滋賀県立聾学校
重田 美和
 
 
 
 
 
 
 
 本分科会では、「聴覚に障害がある子どもの日々の暮らしを豊かにするコミュニケーションについて考えよう」のテ−マをもとに、聾学校や大学教官から計6本のレポートが発表されました。
 広島ろう学校からは、幼稚部でのコミュニケーション.モードの見直しを行ったことについての報告がありました。幼稚部では、咋年度からコミュニケーション.モ−ドを「手話、聴覚、口話、指文字」と確認したということでした。それに対して、他の聾学校から、書きことばをどう獲得していくのかという質問がでました。これからは、子どもの言語環境を保障し、書きことばへのアクセスを課題として実践を進めていくということでした。
 宮城県ろう学校からは、「豊かな心の育成をめざして」と題して、高等部の教科指導、養護訓練の授業実践が紹介されました。生徒とともに通じ合える関係づくりを作ったことで、教師と生徒が、心をこめた言葉のやりとりができるようになったという報告がされまレた。通じ合うことの大切さが、教師、生徒、保護者ともに理辞され、学校がまとまっていったそうです。
 福岡県の久留米聾学校からは、「中学部生徒のコミュニケーションと障害認識に関する取り組み」と題して、ディベート活動の実践が報告されました。手話も口話も難しい生徒、日常会話はできるが、内容の深い会話ができない生徒が増える中で、それぞれの生徒にアイデンティティと障害認識を形成させる目的で行われていました。障害認識に関する授業を進めて行くには、聴覚障害に関する保護者との共通理解も大切であるという意見がでました。
 埼玉県の大宮ろう学校からは、中学部のHR活動と養護・訓練の授業実践の報告がありました。情報を受け止める力、収集できる力を育くんでいくために、まず、クラスメイト、担任とのコミュニケーションを大切にしたということでした。
 岩手県の盛岡聾学校からは、筆談の指導に関する報告がされました。高等部では社会自立に向けたコミュニケーションの意識を育てるために、場面を想定した寸劇を行い授業を展開しているということでした。
 最後は、筑波技術短期大学の荒木教官から、「マルチメディアの利用による遠隔コミュニケーション」と題して、最新のマルチメディア機器の紹介やそれらを利用して行った授業実践の報告がされました。これからは機器やホームページの維持管理、プライバシーの問題に関して、全国的なガイドライン作りの必要性があるのではという意見が出ました。
 この分科会で報告された実践は、どの実践も聴覚障害をもった児童生徒を主体に考えた内容でした。ことばを育むためには、心が通いあうことが本当に大切であるということを再確認できました。自分自身の実践を見直すよい機会となりました。ありがとうございました。
    F進路指導
北海道高等聾学校
平松 秀治
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 本校に赴任して10年が経ちましたが、前任校(知的障害高等養護学校)では進路指導を担当し、進路指導・予後指導に携わったこともあり、今回の分科会での話し合いには興味を持つて臨みました。
 さて、本分科会のテーマは「一人一人の個性を生かし主体的に進路を選択する子どもを育てる取組について考えよう」とし、5つの研究発表と東京都心身障害者福祉セシターで相談員をされている野沢克哉三さんの講演が行われ、それらについての質疑応答と参加各校の情報交換を含めた全体協議を行いました。                   岐阜校では進路指導の改善充実という観点から、現場実習の導入に踏み切りました。当初、導入の是非についてさまざまな意見がありましたが議論の末導入しました。今後は、生徒が主体時に学習を進めていくように改善・充実していくと話されました。 岡山枚からは重複障害生徒の進路指導の実践事例が報告され、アームを作る会社での職場実習や、マンガを使ったマナーやコミュニケーションについて学習指導について発表がありました。 名古屋枚からは、ネットサーフィンをしながら、きまざまな職業情報収集を行う取り組みが発表され、就職に対する迅速な資料収集を図り、また、生きた資料を活用しながら、適切な職種の選択に役立たせる一助にしていると報告きれました。
 堺校からの発表では、英語検定の取り組みを行う中で、言語外の影響が生徒の観念形成に与える影響等について報告されました。
 東京の物産サービス会社で働く聾学校の先輩からは、職場におけるon the job trainingを通して感じることとして、特に、聴覚障害者の方たちの情報収集能力の限界、基本的な読み書きの力の不足等、職場生活についての間鹿点が出されました。さらに、人の話をきちんと聞き、マナーを大切にし、仕事をしながら会社での人間関係を深めていくことが大切であるとの指摘がありました。
 野沢さんの講演では、自分の障害を他人に分かりやすく説明できる人が少なく、これが聴覚障害者の立場を弱めている要因のひとつになっているのではないか。また、自分の読み書きの能力を正しく自覚できていない人がいるが、特に大切なこととして、言葉は数をたくさん覚えることよりも、一つの言葉にはたくさんの意味があり、さまざまな使い方があるということをよく押さえておくことが必要であると指摘されました。
 最後に、全体協議では参加各校の職業情報収集の方法、現場実習、保護者や関係機関との連携等について情報交換と話し合いが熱心に行われました。
 
 
 
 
  G 重複障害教育
愛知県立千種聾学校
早野 朋子
 
 
 
 
 
 
 
 今年度から重複障害児学級の担任となり、子どもとの接し方や教科指導の仕方など、勉強させていただきたく、この分科会に参加しました。
 本分科会は、指定討論者に花熊先生(愛媛大学)をお招きし、「たくましく生きる力を育てるために、一人一人の特性に応じた支援について考えよう」というテーマのもとに7本の研究発表がされました。その中には、幼・小学部のみの本校では、知ることの少ない中・高等部の発表もあり、興味深く聞くことができました。ここでは紙面の都合もあり、次の2つの発表を中心にまとめたいと思います。
 京都校の中野先生の発表では、「ことば・かずの指導」として、プリント学習を中心とした指導の実践が報告されました。学習方法をパターン化することによって、児童自身が、見通しを持って取り組むことができ、気持ちの安定や自信につながっていったとのことでした。重複障害児にとっても、プリント学習は、計画的・系統的に学習を進めていくことができ、有効であると感じました。花熊先生は、発表中の2人の児童には、わかりやすい学習方法だったと話されました。また、この学習を日常生活にどのように生かしていけばよいのか、子どもたちの興味・関心とどのようにつなげていけばよいのかが、今後の大きな課題であると提起されました。
 福島校の佐藤先生の発表では、「児童一人一人が意欲的に取り組み、基礎的・基本的な学習内容が確かに定着する指導方法の研究」として、個々の実態に即したわかりやすい題材や教材を準備・活用の様子をビデオを交えて報告をされていました。子どもたちの生き生きした様子が、先生の言葉の中やビデオの映像から感じることができました。子どもたちの興味・関心と、教師の意図した活動(教科学習)との「ずれ」や評価の仕方が参加者で話題となりました。群馬校の黒田先生は、我々は、片足は教師であり、もう片足は子どもという立場で、子どもと一緒に活動し子どもの心のエンジンに火をつけることが意欲につながる、そして、エンジンに火をつけたら子どもをつかんで離さないことが大切である、という考えを話されました。重複障害児教育の原点を改めて知った思いでした。
 すべての発表・討議のあとに、花熊先生から、子どもたちが意欲的に活動に取り組むには、教師が機能と認識の2つの側面を意識しなくてはならない、学習活動では、認識の側面ばかりを意識してしまうが、子どもの立場に立つと機能の側面も考えなくてはならない、とご指導をいただきました。知的な課題と、興味・意欲・自発性の折り合いの付け方の重要性を感じました。 
 各先生方の発表を聞きながら、私自身、教材・教具の工夫をもっと行い、子どもたちを鋭く見つめる目を養わなくてはならないことを、感じさせられた、有意義な分科会でした。
ありがとうございました。
  H 交流教育
岩手県立一関聾学校
及川  康
 
 
 
 
 
 
 
 
 「共に学び合い、共に理解し合える交流教育について実践を通して考えよう」というテーマのもとに、5本の発表と協議・情報交換が行われました。奈良県立ろう学校からは、普通高校の手話サークルとの交流をビデオをもとに紹介していただきました。子どもたちの和やかな雰囲気と、屈託のない明るい笑顔がとても印象的で、充実した交流が行われていることが伺えました。松山聾学校からは、「心の教育」に焦点を当て、「自然体」「普段着」の交流を目指している実践が紹介されました。「自然体」「普段着」の交流は理想ですが、そこに到達するためにはその過程で様々な支援が必要なのだろうと思いました。松山市立みどり小学校からは、総合的な学習の中で交流教育に取り組んでいる実践が紹介されました。交流相手校からの発表は貴重であり、今後も相互の立場から意見交換することが交流教育の充実に是非とも必要なことであると感じました。函館聾学校、鳥取聾学校からは国際理解のために外国人と交流している事例等が紹介されました。どの発表も示唆に富む内容で、今後の交流を進める上で大変参考になりました。
 午後からは、コミュニケーションの問題や居住地交流等について意見交換、情報交換が行われました。その中で、居住地交流については、様々な問題や課題があるものの、それを乗り越えてさらに充実・発展させていく必要性を感じました。また、松山聾学校の先生が話された「自己肯定観」を高める指導の必要性について強く心に残りました。指定討論者の小田先生からは、WHOによる「障害」の考え方が変わる可能性があるとして、「障害は環境と個人の関係で生まれる」とする考え方や、ちがう立場の者が交流することの意義として、アメリカのデフスタディの例などを教えていただきました。
 今回に限らず、この種の研究会に参加して思うことは、交流がテーマになると非常に活発な意見交換、情報交換が行われるということです。それはどの学校でも事例を多く持っており、成果を着実に上げているためと思われます。ただ、そうした反面、交流のマイナス面や困難性については、十分に検討されないことも多いのではないでしょうか。
 今回、一つ残念だったことは、アンケートが十分に生かされなかったことです。事前に参加各校に対して交流教育の実施状況や、課題・問題点、さらには今後の展望や方向性についてアンケートをとり、その結果が集約されているにもかかわらず、それを採りあげて十分に協議することができなかったということです。発表はその性格上、成果を強調することが多いように思われますが、アンケートは生の声が反映されている貴重な資料であると思われます。ぜひ、次年度の「福島大会交流教育分科会」に、これらのことを引き継いでいただければと思います。よろしくお願いします。
  I 国 語
青森県立青森聾学校
張山 田鶴子
 
 
 
 
 
 
 
 
 本分科会は、主題を「生きて働く国語の力を育成する国語教育について、実践を通して考えよう」と定め、協議が進められた。 会は、午前3人、午後3人の発表者による研究発表、質疑応答、助言という形態で行われた。それぞれ6つのレポートを掲載した研究集録が事前配布されたのが効果的で、各地から参加した多くの先生方の熱心で積極的な協議が行われた.さらに、実践に根ざした話し合いは主題の核心に迫り盛り上がった。
 最初の発表は、千種校の上田先生から「今、国語の授業を考える」についてであった。子どもに国語力をつけるためには、授業の形成者である教師は授業の基礎基本をしっかりと押さえていなければならない。そのポイントは、実態把握、教材選択、展開のくふう、児童の発音の予想、視聴覚教材の提供、評価についてである。それは、実際の授業の中で組み立てていくしかない。教師自身が、切磋琢磨していかなければならないと述べられた。 次に、「どうしたら、読む力が向上するか?を考える」について、千種校の加藤先生が発表された。概要は、小1、3、5年の3つの教材の授業比較研究で、一見、積極的だが表面的な発音に終わる授業の問題点と改善例を話題提供された。子どもが、「登場人物の心情を共有する」に至るまでの読み取りをさせるには、教師の発門の支援が重要であると述べ参加者の共感を呼んだ。また、「聾学枚における国語指導の充実を求めて−読む力を伸ばすための指導−について」を千葉校の市川先生が発表し、読書力検査の実施による結果分析とその実態からの国語授業のあり方を探る実践例「中学部全体に広がつた『国語帳』の取り組み」を、名古屋校の高橋先生が社会性を培うために新聞を教材として読解プリントを作り、それを国語教科指導に役立てた実践例を発表した。さらに、「語彙を増やす、漢字を正しく覚えるための支援について」を、岡崎校の高田先生が意味調べカードを利用し丁寧にゆっくり練習することを心がけるよう指導している例を発表し、「高等部・意見発表会への取り組み〜日本語教育と『国語』教育の狭間で〜」を、大分校の岡先生がコミュニケーション手段としての手話と書記日本語の指導の問題点と課題について提案し話し合った。                   まとめとして、指定討論者の竹内先生より、示唆に富んだ指導助言をたくさん戴いた。早期教育をされた子どもは早期記憶をしている。生徒が「どのように社会で生きていくか、また、社会はどう受け入れていくのか」両者にとって大変大切な問題である。先生方は、そのことを視野に入れて、もうひと工夫して授業効果をあげて戴きたい。聾教育は、教師一人一人の感性に委ねられているのだから・・と話された。              おわりに、来年度もたくさんの実践発表と協議、活溌な情報交換などが行われることを期待したい。
  J 寄宿舎教育
香川県立聾学校
造田 留美
 
 
 
 
 
 
 
 
  本分科会においては「心豊かに充実した生活をするために寄宿舎教育について、実践を通して考えよう」を研究主題に9校からの実践報告がありました。指定討論者の肥後先生からは適切なご指導・ご助言をいただき、活発な質疑応答がされました。
  各校とも舎生数・年齢層など異なる境遇の中ではあるが舎生の社会自立に向けて、年月をかけて、研究・実践がおこなわれている姿勢に感動させられました。         また、9校中5校がコミュニケーションの問題を取り上げていました。普段、コミュニケーションという言葉をよく使いますが、一方通行では成り立たないので、お互いの信頼関係が必要であるということを改めて痛感しました。さらに、情報源として寄宿舎にもパソコンを導入して、舎生間・舎生と職員のコミュニケーションのきっかけにし、他校とのEメール交換へと発展させ、卒業後のコミュニケーション手段の拡充を図るようにという指摘もありました。 『寄宿舎独自でもパソコンや携帯電話、ビデオなどを導入することがコミュニケーションのきっかけになり、学校(学習の場)ではなく生活の場にあれば勝手に学習していくものである。』という示唆もえられました。
  寄宿舎(集団生活)には書くことの出来ない日課についても討議され、以下のような意見がだされました。
@日課に幅をもたせている。
A舎生間で話し合いをして、日課の変更を考 えて見直しをしている。
B日課にしばられ、生活にゆとりがない。
C日課の中にあいさつ(点呼)は必要か否か。
D下校時間が遅く、外出したり、色々な経験 をする時間が少ない。
  本校も日課については見直しをして、今年度スタートをしたばかりなので、興味深く聞かせてもらいました。 職員は舎生のプライバシーを守りながら全員で意見を出し合って、よく話し合い共通理解を図り、押しつけの指導ではなく柔軟性を持って支援するように心がけなければならないことを痛感させられました。
  全体のまとめとして、肥後先生より、次のような点を教示いただきました。
@意欲・自主性を育てるというのはとても難 しい。聾教育だけの問題ではなく学校教育 全体の問題である。
A舎生活のだんらんの時間に色々な生活技能 がふくまれている。
B心の安定を舎生活で作ってあげる。
C一人ではできないことも、みんないるから できることも舎の値打ちである。
  聾学校に赴任して5年目、年月を重ねるごとに聾教育の難しさを痛感しながらも新鮮な気持ちを忘れかけていた私に、この大会は心地よい刺激を与えてくれました。全日聾研に参加できたことを感謝しています。ありが
とうございました。
 
第29回全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会全国大会
第42回山形県言語障害児教育研究会のご案内(第1次案内)
 
期  日 平成12年7月26日(水) 27日(木) 28日(金)
 
主  催 全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会
     山形県言語障害児教育研究会・山形県小中学校特殊教育研究会
 
共  催 山形県教育委員会 山形市・上山市・天童市・山辺市・中山町教育委員会
     青森県言語障害児教育研究会 秋田県難聴・言語障害教育研究会 岩手県難聴言語     障害教育研究会 宮城県言語障害教育研究会 福島県難聴・言語障害教育研究会
 
後援予定 文部省 厚生省 国立特殊教育総合研究所
全国都道府県教育委員会連合会 全国特殊教育推進連盟 全日本特殊教育研究連盟
全国特殊学級設置学校長協会 全国連合小学校長会 全日本中学校長会
全日本聾教育研究会 全国情緒障害教育研究会 北海道言語障害児教育研究協議会
関東地区難聴・言語障害教育研究協議会 東海四県言語・聴覚障害児教育研究会
東北各県教育委員会・東北特殊教育研究会 山形県連合小学校長 山形県中学校長会 山形県特殊学校長会 全国言語障害児をもつ親の会 全国難聴児をもつ親の会山形県特殊学級設置校長協議会 山形市校長会 山形県ことばの教室親の会
幼稚園・保育園連絡協議会
特別協賛 小川再冶研究協賛会
 
 21世紀を間近に迎える今、学校5日制や新教育課程の完全実施を目の前にし、社会の変化に呼応する新しい教育のすがたを創造するときであります。
 平成5年度に個に応じた指導の場として制度化された「通級指導教室」は、年々対象となる児童生徒が増加傾向にあるとともに、個々の持つ課題も多様化しています。
 この多様な課題に対応する「通級指導教室」は、個を見つめ個を生かす、まさに子ども一人一人を大切にする教育の場として、また子供の生きる力を育み支援していく場として、なお一層その機能を発揮しなければならないことでしょう。
 そこで、全国各地より難聴・言語障害教育の関係者に参集願い、本教育のあり方について話し合い、指導担当者の資質向上を目指して研修を深めていただく、第一次の御案内を申し上げます。
  平成11年10月
          全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会会長 河畑美智子
          山 形 大 会  実 行 委 員 長     小笠原良男
 
大 会 開 催 要 項
1.大会主題  「子供達の豊かな発達を育む きこえとことばの教育のあり方を求めて」
          −探ってみよう、「子ども」と「問題」を理解する目そして指導を!−  
.大会趣旨
 日頃、私たちは、子どもと楽しくかかわり、子ども一人一人の豊かな発達を育みたいと考えながら、きこえとことばの教育に携わっています。しかし、ともすると、子どものかかえる表面的な問題に目が向き、指導が効果的に進まなくなることはないてしょうか。 平成9年度の全難言協の全国調査は、きこえとことばの教育担当者全体の半数以上が0〜3年の経験の浅い担当者であること、専門の育成を受けている担当者が少ないことを指摘しています。この教育について必要な知識と技能を身につける十分な研修の機会も少なく、相談ができる身近な指導者も少ない中では、日々の実践に悩むのも無理のないことと言えます。
  一方、経験を重ねていけばいくほど、子どもと問題をより的確にとらえたい、一人一人の子どもに応じたより良い指導をしたい、そのためにより確かな指導力を身につけたいという願いは、ますます深くなっていくことでしょう。 そこで、山形大会では、経験の有無や長短にかかわらず、シンポジウム・分科会・講座を通して、『子ども』と『問題』を理解するために担当者としてどんな「目」が必要かを探り、その上で一人一人の子どもにふさわしい指導内容と指導方法を探っていきたいと考えます。互いの実践をもとに交流し、さらに、研修することによって、担当者としての専門牲の向上を目指しましょう。
 
3.日程・会場
日   程

日 時

  9  10   11  12  13  14  15  16  17   18  19   20

7月26日
(水)

      
      



全国ブロック
代表者会


全国理事会


 

7月27日
(木)


 

受付
 



記念
対談

昼食
 

開会
行事

シンポジウ


 

 交流会
 


 

7月28日
(金)
 



 

受付
 

  分科会

 

昼食

 

  講 座

 



 
 
 
 
 
会  場
 ○第1日 7月26日(水)
   [全国ブロック代表者会 ・全国理事会]         山形グランドホテル
 ○第2日 7月27日(木)
   [総会・記念対談・開会行事・全体会・シンポジウム]  山形市民会館
   [交流会]                      山形市内ホテル
 ○第3日 7月28日(金)
    [分科会・講座]       山形総合学習センター・山形市霞城公民館
                  山形市総合福祉センター・山形市女性センター
4.大会参加費  5,000円
 
5.総   会  7月27日(木)  9:45〜10:15
 
6.記念対談  7月27日(木) 10:40〜12:00
         テーマ 「内なることば・外なることば」(仮題)
         講 師 谷川俊太郎(詩人) 
             伊藤 伸二(日本吃音臨床研究所代表)
 
7.シンポジウム 7月27日(木) 13:30〜16:00
         <テーマ> 「子どもを理解し かかわるということ」
  きこえとことばの教室では,百人百様である子どもについて、「一人一人をどう理解し、どうかかわっていくか」ということは、もっとも基本的なことであり、最も重要なことです。指導がうまく進かどうかを左右する大きな要因とも言えます。                それを的確に把握した上で、この子に、今しなければならない指導内容は何か、どんな指導方法が適切か、を判断しなければなりません。                     このシンポジウムでは、分科会での指導事例の検討に先立ち、“子どもの理解のポイント”“問題の把握の仕方”“指導者の基本的な姿勢”などについて、以下の5つの観点から話をしていただきます。
      コーディネーター              長澤 泰子氏
@子どもを見る目
     (子どもの理解・指導者のかかわり方の基礎) 長澤泰子氏 (慶応義塾大学)
A子どもの指導の基礎 ( 指導内容の位置付けと適時性 )山崎 誠氏 (奈良大安寺西小)
B器質的障害を原因とすることばの問題とその発見    川野通夫氏 (京都教育大学)
C自己研修(自己研鑽)                盛田紀子氏 (元川崎市立麻生小)
D保護者とのかかわり方                長谷川茂氏 (宮城教育大学)
 
 
8.交 流 会  7月27日(木)  18:00〜
  べにばなの山形路にようこそ。全国の先生方と楽しく交流を深めていただくため、準備を進めております。勇壮な花笠踊りも飛び出します。
 講師の先生,分科会の座長の先生方にもご参加いただく予定です。どうぞ,心ゆくまで語らい,楽しんでください。
9.分 科 会 7月28日(金)  9:30〜12:00


分 科 会 名

予  想  さ  れ  る  内  容

提案



 

構音に誤りのある
 子どもへの指導
 

◎器質的な構音障害(口蓋裂、難聴、マヒ性構音、構音失行等)への指導を考える。・障害の理解と指導の手
立て ・在籍学級担任・医療、保健機関との連携

岩手

九州



構音に誤りのある
 子どもへの指導

◎機械的な構音障害への指導を考える。
・幼児や低学年の子どもの側音化構音への指導 など

山形
北陸



 

吃音のある
 子どもへの指導
 

◎吃音の自覚のない、また自覚の乏しい子どもへの指導を考える。 ・耐性を育てる指導 ・両親への指導
・構音障害など他の問題を併せ持つ子どもへの指導など

福島

近畿



 

吃音のある
 子どもへの指導
 

◎吃音の自覚のある子どもへの指導を考える。
・直接的な言語指導   ・不安感、恐怖心への指導
・吃音について子どもとどう話をするか など

宮城

中国



 

言語発達に遅れのある子どもへの指導
 

◎人とのかかわりを育てる指導を考える。
・コミュニケーション能力の育成  ・母子関係の育成
・指導者と関係の取り方 など

秋田

近畿



 

言語発達に
 遅れのある
 子どもへの指導

◎表出言語を育てる指導を考える。
・語彙の拡充  ・概念の形成   ・構文指導 など
 

宮城

関東



 

聴覚に障害のある
 子どもへの指導
 

◎補聴器装用初期の子どもへの指導を考える。
・補聴器装用指導  ・聴能訓練 
・コミュニケーション能力の育成 など

岩手
北海道



 

聴覚に障害のある
 子どもへの指導
 

◎言語指導や教科指導を考える。
・ことばの指導の内容と指導法
・教科指導の内容の精選  ・個別指導計画 など

青森

四国



 

通級による指導を共に考える会
 

◎通級による指導教室(学級)の望ましい経営を考える。
・現状の課題(経営、研修、障害の多様化)
・保護者、在籍学級担任、養護教諭等との連携  など

福島
甲信越


10


 

通級による指導を考える校長・教頭会


 

◎通級による指導教室(学級)の望ましい経営を、学校運営責任者の立場から考える。 
・通級指導教室(学級)の円滑な運営
・幼児の受け入れ ・地域と通級指導教室(学級)など
 

山形

全国

 
10 講  座     7月28日(金) 13:00〜16:00
   実践的な指導についての基礎講座です。それぞれの問題について、分科会での内容も
  盛り込みながら、分かりやすくお話ししていただきます。
 
◎大会実行委員長  小笠原 良男(山形市立第六小学校 校長)
◎大会事務局(問い合わせ先)山形県山形市立第六小学校 通級指導教室
   〒990−2492 山形市鉄砲町2−9−55  《杉沼 慶子・浪波 幸子》
   TEL 023−622−0656  FAX 023−633−9341
 
 2000年はみちのくの入り口福島です!
 
 
 
 
 
 
 
 
   (福島県立聾学校長 佐藤 英昭)
  あ と が き  
▲原稿は執筆者のみなさまのご協力でスムーズに集まりました。また、各方面より良い写真を提供頂き何とか完全原稿で印刷所に出せました。ありがとうございました。    ▼お詫び 会報79号で福島・福井の主題設定理由の入力ミスがありましたこと深謝致します。関係者の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。        (事務局)
 
印刷所 エース日栄 048-758-0122