全 日 聾 研 会 報

 
全日本聾教育研究会発行   第78号
事 務 局 筑波大学附属聾学校内
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第32回全日本聾教育研究大会(福岡大会)
 
平成10年10月14日(水)〜16日(金)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【 目 次 】
 
福岡大会を終えて 福岡大会実行委員長 池田 精治 ……… 2
全 理 事 会 議 事 録 ………………………………………………… 3
愛媛大会準備経過報告 ………………………………………………… 4
福島大会分科会テーマ ………………………………………………… 5
授業研究会 ………………………………………………… 8
研究協議分科会 ………………………………………………… 20
全国難聴・言語障害教育研究協議会全国大会(東京大会) ……… 36
第32回全日本聾教育研究大会
福岡大会を終えて
 
第32回全日本聾教育研究大会
福 岡 大 会
実行委員会委員長
池 田 精 治
(福岡県立福岡高等聾学校)
 
 
 
 
 
 
 
 
 17年振りに九州の地,アジアに開かれた福岡で開催されました大会には,北は北海道から南は沖縄まで,全国各地から多数のご参加をいただき,盛会裡に終了できましたことは,大会関係者といたしまして無上の喜びであります。
 大会を思い起せば,「道のりは長く,結果は短し」という感を強くいたします。参加された方々から授業面,運営面等についてお誉めのことばを多くいただき,今までの努力が報われ満足感を覚えましたが,成功の主役はなんといっても職員の一丸となった協力があったからこそです。日常の教育活動に加え,全日聾研の業務をこなすというハードスケジュールを「何とか成功させよう」という一念のもとに,熱心に遂行してくれました。
 さらには,聾教育の基礎・基本に係わる聴覚学習についての素晴らしい記念講演,21世紀に向けての示唆に富むご提言をいただいたシンポジウム,そして,各分科会での意欲的な協議等により大会を盛り上げ,実り多き大会にしていただきました先生方に感謝申し上げます。
 大会開催に至るまで紆余曲折もありましたが,その中で,当たり前のことですが,「一人では何もできない」こと,「協力・協調」の大切さを身にしみて感じ,この二つを改めて学ばせていただきました。
 なお,将来に向けた研究会の在り方として,現在,形骸化した面は有りはしないか等十分ご検討いただき,次回の開催に活かして中身のある大会になりますようご期待いたします。
 終わりに,文部省をはじめ,各県市教育委員会並びに関係諸団体,そして会員の皆様方のご支援,ご協力を賜り大過無く福岡大会を閉じることができました。衷心より御礼申し上げます。
 また,準備段階や大会期間中,不都合な面も多々あったかと存じますが,この場をおかりいたしまして,お詫びを申し上げ,お礼のことばといたします。   
   全 理 事 会 議 事 録
 
 平成10年10月13日(火),午後1時より,福岡リーセントホテルに於いて,平成10年度第2回全日本聾教育研究会全理事会が催された。下記のような式次第で,会則により会長の小澤@邦が議長として議事を進行した。
 
【式次第】                                《敬称略》
 
1.資 格 確 認 出席者名簿による確認 竹村 茂
 
会長,副会長3名,常任理事10名(代理1名,欠席1名),理事5名(代理1名,欠席4),他にオブザーバーとして,杉山裕恵(福島県立聾学校),吉川治恵(愛媛県立松山聾学校)の2名が参加しました。
 
2.開 会 の 辞 副会長 馬場  顯
 
3.会 長 挨 拶 会 長 小澤 @邦
 
4.主管校校長挨拶 委員長 池田 精治
 
5.議     事 議 長 小澤 @邦
 
 *.前回議事録の確認(会報第77号による)
 
 (1) 第33回愛媛大会について
 
 (2) 平成12年度以降の大会について
   平成12年 第34回 福島大会 準備経過報告参照
   平成13年 第35回 福井大会 5月の報告の通りで校内で検討中であり,11月に北                   陸地区聾教育研究会の理事会に提案する予定である。
   平成14年 第36回 北海道大会 「基本構想」を策定中
 
 (3) 各地区研究会の報告
    東北地区……10月8〜9日に山形県立酒田聾学校で研究大会を行った。
    近畿地区……会員の勧誘については,各地区研究会でという総会の決定に基づいて,          近畿地区としての勧誘の仕方を検討中。
    中国地区……中四聾研として四国地区と合同で行っている。
 
 (4) その他 常任理事会については,平成11年2月16日(火)を予定する。
 
6.連     絡 第6回アジア・太平洋地域聴覚障害問題会議(1998年8月 北京)
          第19回聴覚障害教育国際会議(2000年7月 シドニー)
 
7.閉 会 の 辞 次期開催校校長 水野 國義
 
 引き続き大会運営委員会が行われました。細かい日程の打ち合わせが行われましたが,その中で会員のみなさまにご協力いただきたいことが2点ほどありました。
@「研究集録」について,原稿提出の締め切りを守らない方が多く,また提出された原稿が書式にあっていない場合が多かった。そのために,「研究集録」の事前配布が大会の1週間前となってしまった。締め切り日と書式を守っていただければ,大会の1ヶ月ほど前に研究集録を配布できます。
A資料代等の領収書の様式が各県ばらばらで,事務的に非常に煩雑であった。
 
 
第33回全日本聾教育研究大会(愛媛大会)準備経過報告
 
平成10年10月13日 愛媛大会事務局
1 「大会通信第1号」について
 ○ 別添のとおり,案を作成している。(省略)
 ○ 発送先は先催大会に準じ,発送は2月中旬ごろを予定している。
2 会場について
 ○ 県民文化会館を始め,予定の会場は仮予約をしている。
 ○ 一部に会場変更が予想される。
3 講師等について
 (1)「講演講師」
  ○ 「記念講演講師」は,漫画家の山本おさむ氏に内定している。
  ○ 「保護者の会分科会講演講師」は,現在交渉中である。
 (2)「シンポジスト」
  ○ コーディネーターは,愛媛大学の井原栄二氏に内定している。
  ○ 「シンポジスト」は,交渉中の1名を除き,内諾をいただいた。
(3)「指定討論者」
  ○ 検討中1名を除き,内諾をいただいた。
4 宿泊等について
 ○ 名鉄観光に依頼し,松山市中心部のホテルを押さえている。      
第34回全日本聾教育研究大会(福島大会)分科会テーマ一覧
【これは現在検討中のものです】


分科会名

分科会テーマ

分科会テーマ設定の主旨








 

基本問題1
(聾教育の基本的課題)



 

 変化する社会の中で,一人一人の子どもが個性を生かし,たくましく生きていく力を育てるための聴覚障害教育について考えよう
 

 一人一人がたくましく心豊かに成長するためには,それぞれの子どもの持っている特性や個性を生かし,意欲を持って自らが発信し主体的に活動していく人間形成を図ることが大切である。
 そのための聴覚障害教育の課程を検討し合い,柔軟な指導法と発達段階を踏まえた一貫性のある教育実践をどのように進めればよいのかについて研究を深めたい。







 

基本問題2
(コミュニケーション)


 

 自己実現を図るための発達段階や場に応じたコミュニケーションについて考えよう

 

 聴覚に障害のある幼児・児童・生徒が,障害を認識し,自己を確立して自立した社会生活を営むためには,一人一人が適切なコミュニケーション能力を獲得していかなければならない。今日の聴覚障害教育の課題を捉え,発達段階や場に応じたコミュニケーション能力の育成について研究を深めたい。







 

早期教育
(3歳未満)




 

 乳幼児の内的な発達をふまえた大人のかかわり方を再認識し,より豊かな成長を促すための親や指導者の在り方について考えよう

 大人は,ともすると子どもの内的な世界に気づかずに,表面に現われた行動のみに目を奪われがちである。
 大人とのかかわりの中で育つ乳幼児の発達について,両親と共通理解していくための支援活動の在り方について研究を深めたい。
 







 

早期教育
(幼稚部)




 

 これからの社会を生き抜く力をつけるために,幼稚部段階での環境構成とかかわりの在り方を考えよう
 

 子どもによりよい社会自立を実現させるためには,子どもの実態や発達に応じて,多様化する社会を生き抜く力を育成することが大切である。
 幼稚部段階で身につけさせたい自立のための基礎・基本とは何か,また,そのための学校や家庭でのかかわりの在り方や環境づくりについて研究を深めたい。






 

養護・訓練
(言語)



 

 生活の中で主体的に生きる力に結びつく豊かな言語を身につけるための取り組みについて考えよう
 

 聴覚障害児にとって,生活の中で豊かに言語を身につけていくことが主体的に生きる力に結びつく。全人的発達も踏まえながら,子どもの特性に応じた言語活動の在り方や指導法について研究を深めたい。
 





 

養護・訓練
(聴能・補償工学)

 

 効果的な聴覚学習の方法や聴覚補償のための機器・システムの実践的活用法について考えよう

 音の環境を整え,子どもの聴覚を充分に活用させることは,聴覚障害教育の大前提である。ここでは,個々の子どもの立場に立った機器・システムの有効な活用の仕方や聴覚学習の有効な方法について,実践を通して考えていきたい。




 

進路指導


 

 一人一人の個性や適性を生かし,社会自立を目指す進路指導について考えよう

 めまぐるしく変化する社会や経済の中で,一人一人の子どもが自己の個性や適性を生かし,社会自立と自己実現を図るための進路指導はどうあればよいかについて研究を深めたい。







 

重複障害教育




 

 たくましく生きる力を育てるために,一人一人の特性に応じた支援の在り方を考えよう。

 

 障害が多様化,重複化するにともない,子どもたちの自立をめざした指導は,早期からの計画的かつ専門的な働きかけが要求されている。
 日々の生活を主体的に生き,将来,心豊かに自立していく力を育てるために,個々の特性に応じ,どのように支援していけばいいか,各校の実践を通して研究を深めたい。







 

交流教育





 

 認め合い,学び合い,育ち合う交流教育の在り方について実践を通して考えよう

 

 ノーマライゼーションの理念が広く知られるようになり,社会の中でも様々な交流の機会がもたれるようになってきている。しかし互いに認め合い,高め合うという点については課題も多い。これらをふまえ,人間としての自己の生き方を考える交流教育の在り方について実践を通して考えたい。



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国語




 

 一人一人に豊かな言語力を育てるために,国語科教育の在り方を実践を通して考えよう
 

 国語科教育の基礎・基本を踏まえ,一人一人の特性に応じ,子どもたちの主体的な学習を進めることが豊かな言語力につながっていくと考える。
 そこで,国語科教育の基礎・基本を踏まえた一人一人の特性に応じた豊かな言語力を育てるための国語科教育の在り方を実践を通して考えたい。




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算数・数学






 

 一人一人に問題を解く過程の大切さを意識づけ,意欲的に間題に取り組む力を伸ばすための指導内容・方法について考えよう
 

 算数・数学における児童生徒のつまずきの多くは,内容を読み取りイメージ化する過程にあると考えられる。
 そこで,一人一人の言語力に応じた導き方を工夫しながら基礎・基本をおさえ,「分かる授業」を展開するための指導内容・方法について考えたい。
 
 



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理科




 

 自然に親しませ,実験や観察を通して科学的な見方・考え方を養うための理科学習の在り方について考えよう

 自然の事象を意識させ,関心や興味にまで高めていくための授業はどうあればよいか。また,自然の事象に直接働きかける実験・観察を通して得られた情報を整理し,客観性のある見方・考え方を体得させるための授業はどうあればよいか。これらの点について考えたい。




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社会






 

 自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる力を育てるための社会科学習の在り方について考えよう

 

 社会科においては,社会の変化と内容とが密接に関連を持っていることから,その変化に柔軟に対応できる見方,考え方が求められる。それには子どもたちが自らの課題を意欲的に究明していく態度が必要となる。そこで,主体的な資料などの活用や体験的な調査研究から,思考・判断していく能力を育む授業の在り方について研究を深めたい。



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芸術教育




 

 創作や表現の喜びを味わわせ主体的に生きる力を育む指導を考えよう

 

 創作・表現の喜びを味わわせることは,自己を見つめ自己を表現し他に伝えるという人間としての「生きる力」を身につけることにつながる。一人一人の持つ感性を引き出し,高め,心豊かな表現への意欲と自信を持った子どもを育てるための指導について考えたい。



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寄宿舎教育



 

 生きる力と豊かな人間性を育てるための寄宿舎教育について,実践を通して考えよう

 寄宿舎は集団生活を通して基本的生活習慣を確立し,思いやりや協調性のある人間関係を作る場として重要な役割をもっている。寄宿舎での指導の中心となる生活指導を通して,個に応じた寄宿舎教育の在り方について研究を深めたい。



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保護者の会





 

 聞き取る能力を高めるための家族の関わりや家庭生活の場に応じた言語指導の在り方について考えよう
 

 医学(医療)の発達に応じて聴力と脳との関係が解明され,指導によっては聴力の低下を補える手立てがどんどん広がりつつある。発達する脳と心に密接な関連のある医療等について学習を深め,家庭生活での具体的な言語指導の在り方について理解を深めたい。
 
 
【これは現在検討中のものです】
  

授  業  研  究  会

 
 幼稚部 授業研究会
 
長野県長野ろう学校 
金澤 美智代 
 
 
 幼稚部では,「コミュニケーションを豊かにする指導法の研究」というテーマのもと,『楽しくやりとりできる「ごっこあそび」の援助を通して』というサブテーマで実践授業がなされました。
 4歳児の指定授業は“げきごっこ”ということで,「ぶれーめんのおんがくたい」をあつかっていました。前時には各自登場動物たちのお面を作り,5人の子ども達がそれぞれにろば,いぬ,ねこ,にわとりのイメージをもったようです。本時は,自分のやりたい役になって“げきごっこ”を意欲的にやっていました。
 授業をとおして,福岡聾幼稚部のめざす「コミュニケーション意欲が旺盛な子供」「相手の気持ちに共感がもてる子供」という姿を垣間見させていただいたように思います。子どもの思いを受け止めようとされている先生の姿勢や,相手の気持ちを大切にする先生の思いが伝わってきました。例えば,子ども達が自分のやりたい役に決まった後に,先生が「せんせいもいれてよ。」と言うと,ねこ役になった男の子が「ネコデモイイヨ」といい,いぬ役の女の子もすかさず「イヌデモイイヨ」と先生を誘いました。日頃から,相手を思いやる気持ちを子ども達に育てているから自然に出てくるのだと思いました。その気持ちをすぐ相手に伝えようとすることも,大切なことばの力だと思いました。
 授業研究会では,遊びのことが取り上げられました。自由遊びで子どもがやっているごっこ遊びと,設定遊びでやるごっこ遊びとがつながらないという実践からの悩みが出されました。また,劇遊びでも,途中まではストーリーにそった活動,ある場面からは子ども達の自由な遊びにするという展開にしても良かったのではないかというご意見もありました。子ども達が楽しく遊ぶことはできるが,楽しくやりとりすることは難しいので,ことばの受容表出の力をつけることが必要であるというご意見は,私が今抱えている問題そのものでもあります。福岡聾の先生からも,今回の研究を通して,ごっこ遊びをすることでコミュニケーション活動は増えたが,ことばがともなっていかないという課題が出されました。
 子どもが生き生きと主体的に活動する遊びの場面を大切にし,その中でコミュニケーションの力やことばの力を伸ばしていきたいという取り組みは,多くの聾学校でおこなわれ,多くの先生方が悩まれていることだということが,改めてわかりました。今回のげきごっこでも,子ども一人一人に対する教師の願いがあり,その子の生き生きとした姿がありました。それをどう評価して,どうこれからの活動につなげていくか,いろいろな考え方があるのではないかなと思いました。
 先生方の実践やお話からいろいろと教えていただいたり,考えさせられるところがあり,経験の浅い私にとって大変勉強になった研究会でした。    
 小学部 国 語 授業研究会
 
徳島県立聾学校 
杉本 育美 
 
 
 
 小学部では,「コミュニケーション活動を大切にした授業のあり方 〜個々の子供達の対話能力を育てながら〜」という主題で研究を進めており,友達の考えを聞いたり,自分の考えを友達にわかりやすく伝えたりというコミュニケーションの活性化を通して,子供たち自身が考え,主体的に問題解決をしていく授業を目指しているとの発表があった。そのために,授業内では,個々に応じた発問や,視覚的な教具を工夫する事で子供の学習意欲を高めていく取り組みをしているとのことであった。
 実際に見させていただいた国語の授業は,3年生の「3年とうげ」のクライマックスの場面で,3年とうげで転んだおじいさんの気持ちを考えるという内容であった。まず,教室に入り授業の様子を見て感じたことは,児童の傾聴態度がとても育っているということである。まわりにたくさんの参観者がいるにもかかわらず,落ち着いており,先生の発問や,友達の意見をよく聴くことができていた。また,友達の意見を聴き,自分なりの考えを発表しようとすることができていたように思う。子供自身,先生や友達に自分の意見をわかってほしいという気持ちが育っているためか,きちんと相手に伝えようとすることができ発音にも気を付けて,自分の意見を一生懸命表出していた。先生も,どの子の意見も取り上げようとされており,その態度に普段の自分を反省させられた。
 また,視覚的な教材教具を工夫されている
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ことにも感心した。教室の壁面には,前時までの学習の流れが一目でわかるように絵や文がずらっと掲示されていた。授業での板書でも,実際に児童がペープサートを動かして考えられるように絵などを提示しながら授業が進められており,児童が受け身ではなく自主的に考えられるような工夫がたくさんされていた。
 授業研究会では,子供のイメージをふくらませるための手だてについての話がきかれた。子供のイメージをふくらませるためにはどのようにすればよいのか。発問や教材の使い方,ペープサートの動かし方ひとつでも子供のイメージを固定化してしまうことがある。視覚的な教材を使用することは必要なことでとても大切なことであるが,細かなところまで気を配らなければならないことを教えられた。
 小学部に在籍する児童の実態が多様化,重度化している現在,一斉指導の中で,子供のコミュニケーション意欲を育て,対話能力を高めることは,とてもたいへんなことである。しかし,子供の「聴きたい,話したい」という気持ちを大切にし,教師自身が子供をしっかりと見つめ,個に応じた指導を進めていくことの重要性を考えさせられた授業であった。     
 小学部 算 数 授業研究会
 
長野県松本ろう学校 
茂木 康弘 
 
 
 
 小学部5年生の算数の授業は,習熟度別に3つのグループを編成して行っていて,今回は,そのうち,進度が最も速いグループの授業を参観させていただきました。
 授業が始まる前に,教室に大勢の参観者が集まってきているのを興味津々で見ている児童に対し,先生が「お客さんは,何人ぐらいいると思う?」と問いかけていました。それ以外にも,「あと何分で始まるかなぁ?」「授業は何分間だったっけ?」等,様々な問いかけをしている様子を見せていただき,授業中だけでなく,生活に関わるいろいろな事柄を取り上げて数的な力を伸ばそうとしている姿が印象的でした。そして,当たり前のことかもしれませんが,当たり前にできていない自分を,反省させられました。
 さて,授業ですが,4年生の内容の「変わり方」を扱っていました。本時は,階段の段数とその周囲の長さの関係を,表や具体物を使ってとらえ,それを用いて問題を解くという内容でした。
 「コミュニケーション活動を大切にした授業のあり方」ということで,授業中,例えば,問題をただ提示するだけでなく,「階段は,どこにある?」等の問いかけをして,先生と児童が会話する機会を,多くとっていました。同時に,「A君はこう言っているけど,どう?」等,児童間でのやり取りに広がるチャンスも多くとっていました。
 ただ,その分,課題を把握するまでに時間がかかり,課題を追究する時間が少なくなっ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
てしまったようにも思われます。課題の追究に関しても,教師との一問一答形式が多く,個人でじっくり考える時間があっても良いように思われました。
 授業研究会では,"習熟度別グループ編成"についての質問が多く出されました。クラス内の個人間差が大きいという問題を抱えている学校が多いという一つの表れであるように思います。
 福岡聾学校の先生からは,習熟度別グループを導入するにあたっては,保護者に十分な説明をしたこと,導入したことによって,「自分はこれができるようになった」という自信を持ち,そのことによって,算数が好きな児童が多くなったという話がありました。今後,一人一人に応じた教育を進める上で,有効な手段の一つであるのは,確かなことだと思います。
 現在,自分自身,様々な課題を抱えています。それらを解決していくためには,新たな方向を模索すると同時に,“当たり前のことが当たり前にできる”という事の必要性を,あらためて感じた一日でした。
 
  
 小学部 重複学級 授業研究会
 
茨城県立霞ヶ浦聾学校 
檜森(ひもり) 幸恵 
 
 
 
 教室の正面には子どもたちの作った大きなレストランの看板とおいしそうなメニューの数々,廊下よりにおかれた大きな調理台,子どもたちの写真から出た吹き出しに踊る「おいしいよ」の文字,なんだかとても楽しそうというのが第一印象でした。廊下には調理実習の写真が貼られ,やっぱり実物での経験を大切にしているんだなと感じました。
 まだ授業も始まらないというのに,まちきれなかったのか一人の男の子が「何にしますか」と言うようにメニューを見せ,注文を取りにきました。「僕,作ってあげるよ」「たべてほしいな」,ことばにはならなくてもその気持ちが伝わってきました。
 私だったら「これから授業なんだから待って」と止めてしまうと思います。けれど,指導していた先生は「いいですよ」と快く承諾してくださり,その子はとってもうれしそうにお寿司を作ってくれました。「やりたい」という気持ちを大切にすること,子どもを活動の主人公にすること,改めて考えさせられました。
 授業は,重複グループの生活単元学習「レストラン遊びをしよう」でした。グループは5年生2名,4年生1名,3年生1名で,それぞれの子どもたちの実態に応じて4名の先生方が援助をおこなっていました。やりとりの力が弱いという実態をふまえて,ペープサートや写真カード,絵やワークシートを使った活動参加への援助,主体的な活動ができる手だての工夫を見せていただきました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 授業研究会では,福岡聾学校の小学部の教
育,重複児童の実態,授業の流れなどについて説明があり,続いて質疑応答がありました。重複児童に対しては,個別指導を主としているが,親学級での合同学習や重複児童達の学年をこえたグループ学習の時間を設けているそうです。どんな方法でもいいからやりとりすることを目指し,その子なりのコミュニケーションのあり方を探っていこうとしているとのことでした。
 参加された先生方からは,合同学習の位置づけや対話能力を高めるための保護者との連携の様子,相互伝達をめざした共通な手段を獲得させる手だて,授業の中での主体的な活動等,各校の様子も含めて具体的な話し合いがされました。
 聴覚以外にも障害を持った子ども達を目の前にし,その子なりのコミュニケーションを身につけさせ,生きていくための力を育ててあげたいと日々願っています。今回の研究会を参考にさせていただき,日々の指導を見直していきたいと思います。どうもありがとうございました。
 
  
 中学部 国語 授業研究会
 
秋田県立聾学校 
簾内(すのうち) 緑 
 
 
 
 私は,聾学校に勤務して4年目になりますが,このような研究会に参加させていただくのも,他の聾学校の授業を参観させていただくのも,初めてのことでした。今年度から中学部を担当することになり,「楽しい授業」「学ぶ意欲を育てる授業」をめざして,試行錯誤を繰り返してきた毎日でした。そんなとき,この研究会に参加させていただき,授業を参観させていただいたり,他校の先生方のお話を聞かせていただいたりすることができ,自分の授業や生徒とのかかわり方を振り返り,改めて考えるよい機会とすることができました。
 また,学校を離れていた3日間は「生徒たちに会いたいなあ」という気持ちが強く,なんだか初心にかえったような気がしました。
 私は,国語を担当していますので,国語の授業−特に中学部の国語の授業−を見せていただくのを楽しみにしていました。指定授業では,中学部3年の授業を提示していただき,導入からまとめまでの1時間の授業構成・展開を見せていただくことができ,とても勉強になりました。
 伊集院静の体験をもとに書かれた随筆「まき割り」を題材として取り上げ,文章表現に即した人物の気持ちの読みとりが,ていねいに進められていました。先生も生徒も緊張していたとのことでしたが,生徒は自分の考えを積極的に発言していました。また,友達の意見をしっかり聞こうという気持ちが感じられ,とても気持ちのよい授業でした。それは,
 
 
 
 
 
 
 
 
 
授業者である小野先生が,生徒のつぶやきや発言を大切に受けとめて,それを授業の中に生かしているからだと思います。
 私も,そのような気持ちをいつも忘れずに,授業づくりをしていきたいと改めて考えさせられました。
 また,拡大本文やプリント,まとめ用の表などを工夫したり,実物(木の木目)を持ってくるなど視覚に訴える工夫がこらされていたりと,生徒の思考を助ける配慮がされていて,とても参考になりました。また,手話(手指メディア)や動作表現を取り入れていることも,生徒の理解を助ける有効な手段となっているようでした。
 授業研究会では,授業に関してだけでなく,福岡聾学校の研究についてもお話をうかがうことができました。また,全国から参加された先生方からもさまざまな意見が出され,とても参考になりました。生徒一人ひとりを見つめ,それぞれの実態に応じた取り組みをしていくことの大切さを強く感じました。この研究会で学んだことを,これからの授業づくりや生徒とのかかわりに生かしていきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
 
 中学部 特別活動 授業研究会
 
鹿児島県立鹿児島聾学校 
野崎 かおり 
 
 
 
 聾学校における特活の授業には,どのような配慮が必要なのでしょうか。私も現在,中学一年生の担任をしているということもあり,大変興味深く参観させていただきました。
 本時の授業は,「分かり合おう・話し合おう」という題材の二時間中の一時間目で,お互いを理解し合うことを目的としていました。生徒は,それぞれ自分の出身小学校を発表し,また,親友は誰なのか,お互いが日頃使用しているコミュニケーション手段は何なのか,そのコミュニケーション手段で友達との意志の疎通は,ちゃんと図れているのかを順序立てて,丁寧に確認し合っていました。授業では,絵カードや表を使用し,視覚に訴える工夫がなされていました。その中で,生徒同士がきちんと顔を合わせ,先生の質問に一生懸命に答えようとする姿が大変印象的でした。
 この授業を通して,私自身がとても反省したことがあります。それは,私たち教師が考えている程,生徒同士のコミュニケーションは完全ではないということです。例えば,私たち教師は生徒について,この生徒は入学前にどこに在籍し,コミュニケーション手段は何を中心としているかということは事前に知ることができます。しかし,生徒同士となると,特にその様なことを確認することもなく,お互いのことを深く理解する機会を持つことが少なくありません。そして,お互いを真に理解せぬまま,または誤解してしまったり,自分の思い込みを持ち続けることが多いよう
 
 
 
 
 
 
 
 
 
な気がします。
 今回の授業により,今後,このクラスの生徒達が意識的にコミュニケーション手段を使い分けたり,お互いを認識する良い機会になったと思います。この題材を私自身も自分のクラスの生徒達に対して試み,改めて生徒同士が話し合う時間を設けてみたいと思います。
 授業研究会では,生徒達の話し合いのなされる二時間目への質問や,生徒の実態,福岡聾学校での重複障害児への配慮などについて意見が出されました。
 今回の研究会を参考に,日々の授業や学校生活を私自身反省し,よりよい授業を目指していきたいと思います。
 ありがとうございました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 高等部 数学 授業研究会
 
沖縄県立沖縄ろう学校
大城 幸子
 
 
 
 聾教育に携わって2年目になり,ようやく様々な課題や問題点が少しずつ見えてくるようになりました。しかし,まだまだ分からないことも多く,他の学校の先生方の実践や意見を聞いて今後の参考にしようと今回,初めて全日聾研に参加させて頂きました。
 大会初日の指定授業では,高等部「数学」を参観しました。単元は「数列」で,「平方数の数列の和」について取り扱っており,それを2つの方法で導いていくものでした。
 前時で操作活動を通して和を公式化し,本時では恒等式を利用して同じ結果を導き出すという内容でした。できれば,前時の授業(3枚のTPに丸を三角形の形に並べて,生徒がその3枚を重ねて回し1つの法則を見つけて和の公式を導き出す)を参観したかったです。
 本時の授業では,生徒の操作活動があまり見られなかったので,少し残念でした。しかし,文字カードを用いたり,手話や口形を読み取ることが難しい生徒のために,黒板の板書以外に補助的に紙に詳しく説明書きして教卓に貼っており,生徒1人ひとりに合わせて配慮されているところに感心しました。和を公式として覚えて,ただあてはめて計算するというものではなく,いろいろな角度から考えていくことができる授業でした。また,自作のプリントを毎時間配布し,生徒が学習内容を整理しやすいように工夫されているようでした。
 日頃の教材研究を綿密にされていることが授業の様子から伝わり,その大切さを改めて
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
認識しました。そして,生徒が興味・関心をもつような工夫をすることによって,数学の楽しさ,数学的な見方や考え方のよさを分かってもらうことが大切であり,生徒と一緒にそのような授業を作り上げることが数学の教師の使命だと感じました。
 授業研究会では,本時の授業についての討議だけでなく,各学校の情報交換の場として活発な意見が交わされました。その中で,習熟度別にグループを分けることにおける長所,短所について議論されました。私の学校でも,習熟度別に学習形態を分けているので,他の学校の先生方の意見は非常に興味深いものでした。日頃から感じていた問題についても多く意見が出され,とても参考になりました。
 私は,今回の全日聾研に参加することで,指導法を多面的に考えることができました。
日々の授業をもう一度見直し,今後の授業にいかしていきたいと思います。
 ありがとうございました。
 
 
 高等部 英語 授業研究会
 
愛知県立豊橋聾学校
石川 敬子
 
 
 
 大会初日の指定授業では,高等部普通科1年Aグループの英語の授業を拝見しました。“Kaguyahime”の題材の読解が中心の授業でした。境先生が,1つ1つの文章を大変丁寧に説明していらっしゃいました。特に,受け身や前置詞の用法について,本当に分かりやすく解説していらしたことが印象的でした。ただ,説明に時間が取られ,読解が余り進まないのが気になりました。
 6名の生徒達は,質問されたことや課題に対して,何とか答えようと努力している真剣な姿勢に好感が持てました。
 授業後の反省の時,境先生から「『妻って何?』と聞かれ,生徒達の国語の力のなさを痛感したが,生徒達は意欲的で授業に食いついてくる。授業が楽しい。」というお話がありました。生徒と先生の間にしっかりした信頼関係があるのを感じ,私も見習いたいと思いました。
 授業研究会は,60分間発言が切れることがない熱心な会になりました。
 はじめに奈良聾の先生から,本題材は生徒に合っているか。マンガ等の題材も扱うとよいのでないかという意見が出され,題材選びが話題になりました。
 一方,福井聾の先生からは,日本人として知っていて欲しい物語を,英語を通して知ることは良いと思うという意見が出されました。6名中1名の生徒しか,「かぐや姫」の話を知らなかったという事実を考えると,英語を学びながら,日本語の知識や表現も同時
 
 
 
 
 
 
 
 
に身に付けさせる必要があるのを痛感しました。
 次に,ALTとのティームティーチングはどのように実施しているかが話題になりました。ALTと十分に打ち合わせることができず,教科書に準拠した授業ができない聾学校がほとんどでした。単発的なゲームを取り入れたり,生徒の英語の質問に英語で答えてもらったり,教科書の一部の英会話を扱ってもらったりして,授業を工夫して行っている様子が話されました。県によってALTが来る日数が異なりますが,どの県も盲,聾,養護学校は少ないようです。
 しかし,ALTが「スマイル サタディ」というグループを組織し,自主的に特殊学校をまわっているという佐世保聾の先生からの話をはじめ,スポーツクラブに参加しているALT,手話サークルに参加して日本の手話を学んでいるALTがいるという話が次々出され,ALTが各地で積極的に活動をしていることを知ることができました。
 どの学校でも,生徒はALTの先生が好きで,楽しんで英語で話しかけているようです。ALT制度の有効性や必要性を感じさせられました。 
 英語の授業参観では,基本をきちんと押さえた授業を見せていただきました。また授業研究会では,いろいろな問題について幅広い意見や情報をいただきました。関係の先生方,本当にありがとうございました。   
 高等部 社会 授業研究会
 
東京都立大田ろう学校
成田 勝也
 
 
 
 東京や筑波大附属校開催を除くと,山口大会以来の参加である。公開授業・指定授業・大会発表を通しての第一印象は,「生徒数の減少が予想以上に進んでいて,合併授業も含めて,どこでもかなり苦労されていること」「手話系コミュニケーションがかなり受容され,浸透していること」「生徒の聞こえが良くなっていること(補聴器の発達もあるだろうが)」である。
 幸い,指定授業の「現代社会」にはそういうこと(生徒減)はなかったので,「社会科の授業は生徒の経験交流=ミニ社会実現が基本」が持論の私としてはホッとした思いで参観させていただいた。
 授業は「現代社会」でもオーソドックスな「日本国憲法」の基本的人権−自由権に関連する部分。対象生徒は本科3年生5名。習熟度別なのかどうかは聞き漏らしたが,活発に発言が相次いで授業の行方が楽しみになる。こういう時は教師冥利につきるもので担当の小柳先生の顔も心なしか,にこにこ楽しそうである。
 ろう学校では,生活経験などの問題もあって,中学部段階では,公民はなかなか扱えず,地理・歴史止まりになるため,高等部の「現代社会」は,文字通り「一発勝負」になってしまい,くり返しの学習効果が期待できない。
 大都市周辺部の学校の場合は,通学段階で周囲の生活情報が有形無形の形で生徒に働きかけてくるので,生徒の生活経験は,かなりの線まで行っているのだが,地方の場合は,
 
 
 
 
 
 
 
 
 
家庭での情報学習も含めて,そういう部分は比較的純粋である。寄宿舎生活などが高学年に及ぶと,尚更問題がある。
 この点,福岡の場合はどうだろう…。私の目には,比較的純粋培養的に映ったのであるが実際はどうだったのか,とうとう最後まで確認しそこなってしまった。
 スタートは,憲法原則や,基本的人権の内容・前時の復習といった感じで,黒板に貼付された表の,隠された部分を生徒が次々に答えていく。男女2人の生徒の発言頻度が際立っている。窓側の女の子が必死でついて行こうとするが,少々ごちゃごちゃ気味。彼女の反対側席の女の子が歯がゆがっていろいろ話しかける。ちょっと脱線気味だが,ヒントとか,時には答えや,自分の考えも・・・・。
 私は,聞こえないので,生徒側の口の動きが読めなかったが,結構楽しそうだし,いつの間にか生徒たちの緊張感が消えている。後ろの方の事もあまり気にならないようだ。流石である。
 義務と権利の対比…義務教育,税金,勤労「もし,国民が誰も働かなかったら……?」授業のクライマックス? いろいろな意見が出たが,タイムオーバー,そこで授業終了。
 授業研究協議会。
 まっ先に出たのは,「憲法や民主主義の歴史・成り立ちをどう扱うか。生徒の動機付けのために是非この部分も扱うべき」との意見。時間的制約との関係でなかなか難しい問題である。
 「『権利と義務』を対比させて扱ったのは良かった」との声も……。
 続いて「生徒の疑問にどこまで応じるべきか?」という尽きぬ命題が提起される。確か,附属校のときにも出てきた筈………。
 「授業中の生徒の質問をもっと大切に汲み取って活かすべきだ」との発言に,某校では,「現代社会を中心にカリキュラムを組んで,生徒の発言と生活経験の交流を重視,『考える社会科』として設定している」例の報告があった。
 聴障教員から,「聴障者問題などについて,もっと生徒に情報を与えるべきであり,全日ろう連など障害者団体の取り組みを扱う必要がある」との指摘があった。
 また「ろう学校では,現代社会を『情報保障』の科目として位置づけるべきである」との声があり,その他,学部間の取り扱いなどについて連絡会議の必要性も指摘され,社会科分科会で協議していく方向が打ち出された。
 なお,手話系コミュニケーションの受容は生徒の発達保障の面では,必要不可欠である。特に社会科系では,高学年に進むほど音声言語の補完的位置づけは重要である。ただ,最近「伝統的手話」が音声言語を無視した形で普及浸透し始めている現実に教育側として,ここら辺ではっきりしたけじめをつけるべく俎上に載せる頃ではないだろうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 高等部 保健 授業研究会
 
愛知県立一宮聾学校
大脇 千尋
 
 
 
 福岡高等聾学校の保健体育科の研究は,「課題研究を通して,自分たちの生活環境への問題意識を持たせる指導」ということでした。現在,環境問題について,私たちの意識も高まり,マスメディアも大きく報道しています。この問題は,身近なところから取り組みをしていくことができるため,授業をどのように進められ,生徒たちの意識を高める指導が行われているのか,興味を持って参観させていただきました。
 また,課題研究ということで生徒たちがテーマを設定していろいろな資料を収集してプリントを作成していました。私自身も課題研究を通して授業を進めることがありますが,この資料はよく調べられ,指導されているものであると感心しました。自作プリントは,新聞や図書室の資料だけでなく,インターネットも利用しているとお聞きし,最新の情報が生徒たちに提供されていることが,問題意識を高めることへのよい手段となっているようでした。
 授業は2名の生徒が,大気汚染,水質汚濁について発表してくれました。内容は,参観者にもよくわかり,生徒たちからもいくつか質問が出ました。後半,指導された安永先生が補足説明され,特に水の問題について,水道水,イオン水,天然水の違いを,味,臭い,色などから生徒たちに判断させる場面がありました。生徒たちだけでなく,参観者も非常に興味深く参観できました。生徒の興味・関心も高く,意欲的であったと感じられました。
 
 
 
 
 
 
 授業研究会では,授業内容や指導方法について活発な意見交換がされました。特に生徒の実態について,資料がうまくまとまっていること,語彙力などについてずいぶん高い能力があると参加者は感じられたようでした。
 また,他教科との関連についての質問も出され,公開授業での家庭科の授業がリサイクルについて実施されていたこともあり,私自身も興味がありましたが,特に連携はとっていないということでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 保健の授業は,1単位ということもあり,内容の精選のためには,今後,他教科と十分な連携が必要ではないかと思いました。
 私自身も同じ教科を担当していることから,今回の授業研究会に参加させていただき,今後の指導のためには,本当によい勉強の機会となりました。関係の方々に厚くお礼申し上げます。    
 高等部 商業 授業研究会
 
北海道高等聾学校
青島 正樹
 
 
 
 始業ベルと共に挨拶。生徒達は背筋を伸ばしたすばらしい礼をしています。「接遇の授業をやったのだろうか?」生徒達の机の上には,帳簿類が整然と並んでいます。きちんと記入されています。
 「もしかして,簿記をわかっているのかな?」私は半信半疑のまま,授業が開始します。高校からスタートする商業科目は,座学でありながら社会生活に密着した学習として,生徒達の興味関心を引き出せる教科だと考えている私は,元商業高校教員として聾教育の現場でどのような効果があるかと興味津々でした。
 先生方の手作りの教科書は,非常に丁寧に作られています。生徒は自分で読み進められるようになっています。しかし,今日の授業は受取手形の満期処理です。商業高校でも理解度の低い項目です。簿記と,流通経済の理解度が問われるところです。教育課程表で簿記も流通経済も前年度3単位行われていることは確認しています。さて・・と思っていると,自作の教材が黒板に張り出されます。銀行を中心に手形の流れがよくわかるように作られています。仕訳は目隠ししてあり考させるようになっています。
 一般の教科書には図があり,普通はそれを使って説明するところですが,模造紙に作り直して,手を加え,授業をすれば理解度は高まります。(今までの私の授業を反省させられました)説明はかゆいところに手が届くほど丁寧ですが,特に語句についてのかみ砕い
 
 
 
 
 
 
 
 
 
た補足もなく,普通の解説のように感じました。
 驚いたのはここからです。生徒達は迷うことなく,仕訳してしまいます。簿記の力は十分にあることが証明されます。帳簿記入も出来ています。簿記の時間に十分な演習をしてきていることがわかります。授業研究会では,取引の方法等に話が集中しましたが,商業高校との交流授業は十分に出来るだけの生徒の実力が備わっているので通常の方法で不都合はないと思いました。
 先生は一生懸命説明していますが,簿記がわかっている生徒達には復習にしかすぎず,少々飽き気味だったのが印象的でした。とにもかくにも,先生方の授業準備のきめ細かい配慮には尊敬してしまいます。
 銀行窓口での演習もきちんとした敬語を使い,得意先特有の社交辞令も交えるなど,よく実践されています。本日の業務の終了は始業と同様,すばらしい礼でした。やり直しもあると聞きましたが,見る限りではやり直しを想像できませんでした。
 事務系の就職先の開拓が問題点であるとのことでしたが,今後情報化とのからみで開拓の可能性はあるのではないでしょうか。それよりも,生徒達に消費生活の基礎となる経済を学習させることの大切さを痛感した今回の授業研究会でした。
 ありがとうございました。  

研 究 協 議 分 科 会

 
 @ 基 本 問 題 T
 
富山県立高岡ろう学校
大坪 ゆかり
 
 
 
 今回,アジアと交流の盛んな九州の地“福岡”での大会に参加することができ,たくさんの情報をお土産にすることができました。
 この分科会は,「聴覚障害教育の現状と課題を明らかにし,その解決に向けて研究しよう。」というテーマのもと,8つの発表がありました。
 まず,会話に焦点をあてた合同学習に取り組まれた日本聾話学校のレポート。2,002年の完全学校週5日制に対応でき,また,生きる力の伸長を図るために横断的・総合的な学習をすすめておられる豊橋校の発表。聾学校におけるティームティーチングの在り方ということで,TT方式のよさやTT方式を円滑にすすめるアイディアを生かしておられる岡山校の発表等は参考になりました。
 交流を考えるという視点からは,居住地交流を行っておられる酒田校のレポート,聾学校教師主導型の交流を行っておられる岐阜校のレポート発表があり,交流の形態や方法についていろいろな工夫や,機器の利用など今後考えていくヒントを与えられた思いがしました。
 高校入試における英語リスニングテストに関する調査について,筑波技短からの発表は,聴覚障害者が不当に不利益な扱いを受けてはいないだろうかという視点のもとに調査を実施されたとのことでした。助言者の菅原先生がおっしゃっておられましたが,私達聾教育に携わる者は,この視点を忘れてはならないと改めて感じさせられました。
 一宮校からは,「開かれた学校」についての発表があり,聴能サービス,教育相談,通級指導について参加者の活発な情報交換がなされました。酒田校から,評価についてのきめ細かい実践が発表されました。
 助言者の菅原先生,上野先生からは,どの発表にも共通するものとして,地域に開かれた学校にするめたには,聾学校のよさを地域に還元していくこと,完全週5日制に向けてより一層の工夫と努力をしていくこと,どんな場合でも子どもの側から見るという視点を忘れないことなどの的確な助言をいただきました。
 日々,子どもと共に過ごし,どっぷりと現場につかっている私ですが,今回,分科会に参加して,どの発表も取り組まれた先生方のご努力と,そこにいる子ども達の姿が伝わってくる内容で大変参考になりました。また,日頃の指導を見直すとともに,聾学校の役割,聾教育の現状及び未来について改めて考える機会とすることができ,感謝いたします。
 どうもありがとうございました。
 
  
 A 基 本 問 題 U
 
京都府立聾学校
中川 綾
 
 
 

 小学部の教師になって2年目の私にとって,ろう者としての立場から,この研究大会で福岡県立福岡聾学校の実践を見せて頂き,いろいろな意味で大変参考になりました。コミュニケーションをテーマにしたこの分科会では,多岐に渡る内容が10本のレポートで発表されましたが,印象に残ったものについて感想を書きたいと思います。

 「幼稚部教育」に関しては,徳島校では,手話を導入したことで子ども同士のやり取りが長くなり,接続詞の手話を用いることで質問に的確に答えられるようになったこと,また,子どもたちと保護者が成人ろう者に接する機会なども設けられていることなどが報告され,幼稚部教育の一方向を垣間見たような気がしました。

 足立校では,「聴覚手話法」という考え方によって,手話の導入が決して聴覚活用の妨げにはならない,手話と日本語という2言語を獲得することが目標であるというレポート。

 宮城の小牛田校では,手話を用いたときと用いないときのやり取りをビデオで分析し,手話を用いたときの方が子どものやり取りが活発になるという結果の報告。このような具体的な分析研究は,手話導入を巡る議論に欠かせないものだと思います。

 今後は手話を取り入れた幼稚部教育を受けてきた子どもたちの日本語能力を分析していくことが必要になるのではないでしょうか。

 「交流教育」では,岡崎校の,行事交流にとどまらず授業交流を行うことや,事前事後学習の持ち方などの報告がすばらしかったです。きこえない子どもたちがきこえる人たちと一緒に対等に過ごせるようにするにはどうすればよいのか,という指導の必要性を先生方が大変よく理解しておられるように感じました。ろう者としての自己を形成させながら,きこえる人とは通じないと諦めるのではなく,分かりたいという要求を持たせ,どう解決していけばよいのかを考えさせることはとても大切なことだと思います。

 他にも,読話や聴覚活用にかかる負担を軽減し,授業内容に集中することができるという授業用語の手話辞典発行の報告,パソコンのEメールで先生と子どもたちがやり取りをする中で,コミュニケーションの力や言葉づかいなどが向上したという報告も興味深いものでした。

 最後に助言者の渡辺先生から,昔の「初めに言葉ありき」から,今は「初めにコミュニケーションありき」に変わってきた,必ずしも聴覚口話法にこだわる必要はなく,心理的負担の大きい読話は再考を要する,「手話か口話か」式の発想ではなくコミュニケーション手段は子ども一人一人に応じて選択されるべきだ,というまとめの言葉がありました。

 この分科会で学んだ多くのことを今後の実践に役立てたいと思います。ありがとうございました。    

  B 早 期 教 育 T
 
山口県立聾学校下関分校
岡 直美
 
 
 
 今年度は「乳幼児期における豊かな発達を促し望ましい親子関係を援助する早期教育の在り方について研究しよう」をテーマに研究協議が行われました。午前中は,一本の研究発表,指導助言者の南村洋子先生(聴覚障害児と共に歩む会トライアングル)の事例発表,そして午後からは,各校のアンケート結果より出された4つの課題についての話し合いと各校の情報交換がありました。
 筑波大学附属聾学校の野村健二先生は,「生活ビデオの作成と活用について」の研究発表をされました。ビデオは,楽しい内容で,擬態語・擬声語等の言葉や字幕等が工夫されていました。他の学校でもビデオ作りに取り組んでおり,ビデオの効能や注意点についていろいろな意見が出ました。指導助言の先生からは,母子の関わっている様子をビデオに撮ることも有効であるという話や音声のないビデオは聞こえが悪いことの疑似体験につながり有効であるというお話がありました。
 指導助言者の南村先生は,「高度聴覚障害児とその母親の1年」という事例発表をしてくださいました。母親の記録や先生のお話,指導の様子のビデオから,南村先生が母子の歩みを温かく見守り,適切な援助をされている様子がひしひしと伝わってきました。「‘同じ’という手話をへたくそながら真似しているMの小さな手が愛しく思えた」という母親の記録の話をされたとき,南村先生が「(健聴児の)母親が,我が子の初めての言葉を愛
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
しいと思うように,子供の手話を愛しく思えるこの母親ならがんばっていけると思った。この母親を娘のように愛しく思えた。」と言われたことがとても印象的でした。
 課題別の研究協議では,「母親援助」「他機関との連携」「制度化」「重複児への援助」について話し合いました。指導助言の太田富雄先生(福岡教育大学)からは,幅広い視野に立った最新の情報やたくさんの示唆に富んだ助言をいただき,大変参考になりました。南村先生からは,教育相談としての基本的な姿勢を教えていただきました。また,教育相談の法制化については,東京都教育庁学務部義務教育心身障害教育課の先生から,次回にははっきりしたことが言えるだろうという心強いお話も出ました。
 各校情報交換では,各校の教育相談の実情や特色がよくわかり,参考になる所がたくさんありました。
 反省点や今後の課題は山積みですが,指導助言の先生の言われた「お母さんのそばに立つ」という基本姿勢を忘れずに,私も子供達にとってお母さんにとってよき支援者になれるよう努力していきたいと思いました。
 ありがとうございました。 
  C 早 期 教 育 U
 
島根県立松江ろう学校
岡 里美
 
 
 
 「生きたことばを身につけ,主体的に活動できる心豊かな子どもを育てる幼稚部教育について研究しよう」という主題を受けて五十数名が集い9本の発表が行われました。
 9本の発表の内,3本が人工内耳に関する発表であり,参加者の関心が最も高く白熱した意見交換が行われました。人工内耳の問題はもはや目の前に突き付けられた課題となっており,幼児の装用も日に日に増加している今日,この子どもたちに適切な対応ができるよう聾学校はどうあるべきかについて協議が進められました。
 人工内耳に関する発表を受けて,「果たして手術を受けたから子どもが変化していったのか。本来持っていた能力が発揮されたのであって本当に人工内耳が必要だったのだろうか」「早期に人工内耳を装用した場合,どこにアイデンティティーを求めたらよいのか」「人工内耳を装用することに関して他の親はどんな反応を示すだろうか」といった意見も出てきました。
 帝京大学教授の田中先生は,術前に@医療チームとの連携体制を整えること,A補聴器をつけて音になじませ聴く力をつけておくことが必要であり,学校側からも医者に大いに発信してほしいと話されました。助言者である松木先生は,「新しい技術は大事にしなければならいが安易に飛びつくべきではない。術後の指導により活かされる場合と活かされていない場合がある。手術を受けた子どもた
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ちが成長するまで幼稚部の段階で安易に教員が『成功した。言語力がついた。聴力がよくなった。』などと結論を出すべきではない。」と訴えられました。
 その他の研究発表は,子どもの話したい気持ちを引き出す環境づくりや子ども同士の話し合いを大切にした取り組み,交流保育,母親援助など先生方の日々の努力や研究に対する自信と気迫が感じられる発表であり,見習いたい点がたくさんありました。
 今回この分科会に参加し,最も印象に残ったのは「言葉とは勉強するものではない。子どもが自分で獲得していくものであり,そのチャンスや刺激を与えるのが私たちの役目である。」と言われた松木先生の言葉でした。中学から大学まで習ったのに全く私の身についていない英語と同じで,言葉は暮らしの裏付けがあってこそ成り立つものであることを痛感しました。「心・技・体」で表されるように,子どもをしっかり受け止めることのできる心,発音指導や補聴器のフィッティングをはじめ授業の進め方など熟練した技術,体調を整え子どもとおもいっきり遊べる体力を備えて頑張っていきたいと思いました。
 大変有意義な分科会でした。このような機会を与えて下さった先生方に感謝申しあげます。ありがとうございました。   
  D 養護・訓練(言語指導)
 
高知県立高知ろう学校
福井 徹
 
 
 
 「個性を大切にし,豊かな言語力を育てる養護・訓練(言語指導)の指導について研究しよう。」という分科会の主題を受けて,40数名が集い,13本の研究発表が行われました。1本の研究につき,15分の発表と5分の質疑応答で進められ,午前6本,午後7本の発表があり午前,午後の最後にそれぞれまとめての助言を頂きました。発表の中には,OHPやVTRを使うなど研究内容を短時間で詳しく説明できるように工夫されているものもあり好評であったと思われます。
 午前の発表では,「生活言語の少ない児童の指導について」「教科学習における発問について」「教師と子どもの相互関係を中心に考えた絵日記指導」「文章の書写・暗唱により言語力を高めるための実践」等の発表がありました。
 絵日記指導では,家庭で絵日記を書くだけでなく,学校生活で母親に伝えたい事があったときには,放課後担任といっしょに絵日記を書き,家庭で母と子の言語活動に活用しているという発表や,友達の日記を暗唱することで自分の表現だけでなく他の子どもの表現も学習しているという発表や,小・中・高等部にわたる学部を越えた授業分析の研究等が,とても印象的でした。
 午後の発表では,「養護・訓練の指導(4こまマンガを使い理解力と表現力を育てる指導,手話をとりいれた指導,漢字変換テストの取り組み)」「小学部の話し合い活動」「感
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
情の特性と感情語の理解に関する研究」「言語指導における学級通信の活用」「語彙量の発達と語彙を増やすための言語指導」について発表がありました。
 新聞連載の4こまマンガ「クリちゃん」を教材として使うことができるように,直接作者に会い著作権の問題や教材として使用の許可をいただくまでの経過を詳しく知ることができ,発表された先生の聾教育に対する情熱に心をうたれ,子どもたちが興味を持てる教材の工夫が大切だと再認識しました。学級通信の活用では児童の年齢や能力に合わせた細かな指導事例の発表がありました。また,語彙に関する研究では,各学年ごとの獲得語彙量の変化や聴覚活用との関係などが報告されました。どの発表も歳月をかけて細かく分析された研究が多く,先生方の熱心な取り組みが随所に感じられました。
 助言の先生方から,それぞれの発表について具体的な助言があり,今後の指導において,大変参考になりました。
 13本の研究発表で内容は様々でありましたが,それぞれの研究において参考になったこと,考えさせられたこと,自分の学校でも実施したくなるような内容等が多くあり,非常に有意義な分科会でありました。  
  D 養護・訓練(発音発語)
 
福岡県立久留米聾学校
浦田 一實(かずみ)
 
 
 
 聾学校へ赴任して,4年が過ぎようとしています。児童達のしゃべっている言葉を聞くにつけ,自分にも発音指導ができればいいのにと思ってきました。しかし,思うだけならとても簡単! 自分から進んで発音指導ができるように研究をしただろうか? そんな反省のなか本分科会に参加させていただきました。
 分科会では6つのレポートが発表されました。どの発表も手順や資料などがとても豊富で素晴らしもので,みなさんの,汗だくになっての真剣な発表には,もう少し時間があればもっともっとじっくりと聞けるのになあと思いました。ただ,発表の中の専門的な言葉の中に私にはちょっと難しいものがあり,自分自身の勉強不足を痛感させられました。
 発表で特に印象に残ったのは,二つありました。その中の一つは,義務制の中学校を卒業した生徒が高等聾に入ると,発音が悪くなるのではないかという保護者の心配を受けて,実態調査をしていった発表でした。結論としては科学的に?は判断はできにくいこととなりましたが,たくさんの質問や意見が出され,とても考えさせられました。この発表のまとめとしては,聴覚障害を持った子供達には,どのような場所(環境)においても進んで声を出させていことの大切さを強調されていました。
 もう一つの発表は,大学生となっている聴覚障害者の方が,将来,社会に出た時たくさ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
んの人達と今より少しでも上手に会話をしたいという気持ちから,自分のおかしい発音を矯正してほしいという自主的な希望を受けて,教師が発音指導をしていった実践発表でした。聴覚障害者の方にとって難しい発音の中心になるのは,やはり「さ行」だそうです。そして,繰り返しの練習のなかで成果を出されたという報告でした。毎日毎日の少しずつの小さな積み重ねがとても大切であるということを実感しました。
 私自身ふりかえってみると,現在担任をしている4年生の児童に進んで声を出させているだろうか?「この言葉はちょっと難しいから,無理だろうな。」などと勝手に考え,練習もさせないで済ませてきたのではないだろうかと,深く反省しています。今回の分科会を通して,今後は自主的に指導技術の研鑽に励み,自信を持って意欲的に発音練習をさせることができるような教師を目指して頑張っていきたいと思います。
 
 
 
 
 
           
  E 補 償 工 学
 
奈良県立ろう学校
田中 秀治
 
 
 
 ろう学校に転勤して3年目を迎え,現在中学部の聴能を担当しています。この分科会の主題が『子どもの保有する聴覚を最大限に活用し,効果的な聴覚学習の在り方について研究しよう。』となっていたので,聾教育の経験が少ない私にとって,聴覚学習(聴覚活用)について勉強になればと,この分科会に参加しました。
 レポートは全部で14本あり,それぞれ15分程度で発表がなされ,テーマ毎に助言者の高橋信雄先生(愛媛大学),山口 晤先生(福岡教育大学)から,発表についての確認や助言がなされ,全体の質問については最後にまとめて行うことになりました。それぞれのレポートを大きく分けると次のようになると思います。
・マルチメディアを使用した学習の取り組
 み。
・情報補償(字幕)
・補聴器の装用閾値の教材化,記録,活用調 査等
・人工内耳について
・補聴援助システムについて
 この中での大きな関心はマルチメディアを使用しての情報補償や人工内耳にあったと思いますが,マルチメディアについてはそれぞれの学校で予算化されず,どのようにすれば予算がつくのか,また,予算がついてもどのように活用すればよいのか,教育効果はどうなのか,といった内容に意見が集中したよう
 
 
 
 
 
 
に思いますが,このように捕らえたのは私だけでしょうか。実際,本校でも校内LANやインターネットなどをいろいろな形で県に要求はしているもののなかなか予算化されず,どうすれば発表校のようにできるのか考えながら耳を傾けていました。しかし,これらは聴覚学習ではなく,視覚を活用した学習であり,本来のテーマから外れたものであるように思います。
 私がこの分科会に参加しようと思った目的も,どのようにすれば,より効果的な聴覚学習ができるのか,他校での取り組みを聞きたいと思ったからです。その思いからすると,トランシーバーを利用した補聴援助システムの取り組みはとてもすばらしいものだと思いました。確かグランドにループを張ったのもこの学校だったかと思いますが,できれば,教室で使用されている赤外線補聴システムについても聞けたらよかったのにと思っています。また,レポートの数が多すぎて,深まった研究協議がなされなかったのが残念です。今後は,レポートを精選して,その年のテーマにあったレポートのみで論議しあえればより深まった内容になるのではないかと感じました。詳しい内容については事後収録をご覧ください。勝手なことばかり書いたことをお詫びするとともに,それぞれの係に当たられた先生方に感謝致します。
 
  F 生 徒 指 導
 
福井県立ろう学校
矢崎 波留美
 
 
 
 生徒指導分科会での発表で大きなウエートをしめていたのは行事関係の特別活動の報告で,小学部の「こども秋まつり」や「たくましさを育てる体験的学習」,中学部の「立志の集い」や「地域との交流活動」,高等部の「宿泊オリエンテーション」などさまざまな実践がありました。どの発表でも積極的に計画をたてて行事にのぞみ,生き生きと行動する子どもたちの姿を写真やビデオで見せていただきました。
 子どもたちは深く感動したことについては言葉の定着も良いとの報告もあり,田中美郷先生の講演での「子どもには実物を体験させよ」「言語獲得には豊かな体験が必要」などのお話に通じるものでした。子どもたちの意欲を引き出し,行事を通して力を発揮させるために先生方は事前・事後指導でご苦労なさったことと思います。
 一方ではマナーの指導や通学指導など日常の生活での地道な取り組みも報告されました。ユニークなところでは,普通高校の受験という目標を掲げて生徒の勉学の意欲を高め,可能性を広げたという実践もありました。
 もう1つは思春期における子どもたちをどう指導していくかという問題です。名古屋校の発表はエコグラムの活用によって生徒の自己理解と,教師の生徒理解を深める試みでしたが,普通のエコグラムでは文章理解が難しいので,聴覚障害の生徒のためのバージョンを作成されたとのことです。
 ずしりと重かったのが,問題行動を起こした生徒に対する取り組みです。個人のプライバシーに関わる部分は記録に載せないとの約束の上で,発表とそれについての討議がなされ,それぞれの学校で悩みや取り組みの話が出ました。思春期の子どもたちの言動は現在全国的に大きな社会問題になっているところですが,さらに聴覚障害の生徒にはそれ故の悩みもあり,また聾学校は少人数の集団で,固定化された人間関係が長期にわたって継続されるため,問題行動が起きたときの修復には難しいものがあります。そのようななかでどの学校でも精一杯の取り組みをされているようです。
 荒れる生徒に体当たりで指導なさったベテランの先生の発言もありました。「緊迫した場面では手話が是非とも必要,口話や筆談では聞いてくれない」とのことでしたが,たしかに生徒と通じ合うためには,まず彼らと言語を共有する努力が大切だと思います。
 助言の先生方はご自身の聾教育の経験をふまえてご指導くださいました。
 旭川校の先生が汗を拭きながら発表され,「北海道ではもう暖房ですが,ここでは冷房がかかっているので驚きました。」と言われた言葉に,全国大会なのだということを実感しました。年に1度このようにして全国から集まり,情報交換・討議しあうことで,たとえ当面の問題に明確な答えは見いだせなくても,何かを得ることができます。この大会で学んだことを糧に,また生徒たちと歩んでいきたいと思います。  
  G 重複障害教育
 
東京都立立川ろう学校
斎藤 政行
 
 
 
 4月の異動により立川ろう学校に赴任するとともに重複の担任になったのを機に,今回の全日聾研では重複の分科会に参加し,勉強させていただくことにしました。
 前日の授業研究会では,小学部の重複学級の実践しか見学できなかったことを残念に思いつつ,分科会に臨みました。当日は7本の研究発表があり,幼稚部から高等部までの実践が報告されました。
 ろう教育における重複教育というと,ややもするとろうと知的障害の重複という固定観念のようなものがあります。しかしながら,豊橋校の高橋先生の発表では,「摂食指導」というどちらかというと,肢体不自由の方に重い障害のある幼児の指導報告がありました。
 このケースでは入学前から養護教諭や幼稚部主事を含めて,主治医との綿密な指導・相談があり,また,栄養士と担任が常に連絡をとりあって指導にあたった経過が報告されました。指導の経過から摂食が上手になるにしたがって,発音が明瞭になってくるとともに,自発的な発語が多くなってきた様子が良くわかりました。やはり,舌の使い方が上手になることが発音には重要なのかなという感想を持つとともに,自信をつけさせてあげることの重要性を再認識しました。
 鹿児島校の久保田先生の発表は,「社会性の向上を目指した生活単元学習の取り組み」でした。年度当初より季節あるいは地域の特
 
 
 
 
 
 
 
 
 
殊性に合った内容の体験学習を設定し,事前学習または事後学習を計画的に行うということで,経験を重視した教育内容から児童の社会性や将来の自立に向けての基礎が培われてきているという報告がありました。ユニークな題材としては,「春の木市にいこう」や「温泉にいこう」など地域の実態に合った内容が設定されていました。助言者からも経験重視のカリキュラムでないと子供は伸びないという助言もあり,きちんとした単元設定をされているという印象を受けました。
 熊本校の宮本先生からは,「進路決定までの支援と卒業後のアフターケア」という報告がありました。5名の重複生徒の入学を機に,個に応じた教育課程の編成をどのようにするかから始め,「校内販売」を通しての重複生徒を理解してもらうための取り組みや,実習を通しての卒業生との連携による仲間づくりなどが報告されました。助言者からは,学校生活そのものを,生徒に応じたものにする必要性が話されました。また,県によっては高等部の重複学級が設置されていない所や,あっても持ち手がいないので継続した指導が難しいなどの報告も他の参加者からありました。
 分科会に参加して,また新たに日々の実践をがんばろうという気持ちになり福岡を後にしました。   
  H 寄 宿 舎 教 育
 
島根県立浜田ろう学校
吉川(きっかわ) 也須子
 
 
 
 本校に赴任して,寮母として2年目を迎えました。それまでは,ほとんど聴覚障害に関しての情報に触れる機会がなかったので,これまで夢中で周りの諸先生方の子ども達との接し方を学ばせていただきながら,一つ一つ考えて模索しつつ舎生と生活してきました。毎日の生活の中では「挨拶を積極的にするようになってほしい」「人の話を最後まで聞いて,わかろうとしてほしい」などの思いを抱きます。しかし思いとは裏腹に,どのように接していけば良いのかという具体的な手立てが見つからず右往左往している自分。焦りにも似たものを感じていました。このような時期に,全日聾研に参加して,全国のろう学校寄宿舎の取り組みについて伺うことのできる機会をいただきました。
 今大会の分科会では,10校の寄宿舎の取り組みについての発表がありました。この発表のなかには,これまで自分の抱いていた思いに,具体的な指針を与えていただいたものがたくさんありました。
 「あいさつを身につけるために」という取り組みでは,“挨拶の年間チャンピオン”を設定して挨拶に対する意識を高めたり,卒業生に講演をしてもらう(挨拶をしたら友達が増えた・挨拶でお客様の態度が変わった,など)機会を設けて,挨拶の大切さをより具体的に実感できるように工夫されていました。
 寄宿舎教育のありかた・指導の方法を改めて考え,その特性を生かして魅力ある寄宿舎
 
 
 
 
 
 
 
 
づくりを目指す各校の熱心な取り組みには,ただただ圧倒されました。
 また発表の後には様々な質疑応答・情報交換が行われました。体験入舎生の指導の方法について。生活時間の見直しについて。学校と舎との連携をどのようにとっているか。地域交流はどのようなものを行っているかなどについて話し合われました。
 私はこれまで“交流”という言葉を聞くと,大きな行事交流ばかりを思い浮かべていたのですが,地域交流について,「きっちり計画を立てて長い時間行う行事交流は単発で終わる。そうではなくて地域の子ども達と一緒に食事をしよう,ふろに入ろうなどの,もっと生活に根差した交流ができるようにと考えている。」という岐阜聾学校の安藤先生の言葉がとても印象に残りました。
 また“社会的自立”のとらえ方についての助言の先生方の言葉に,寄宿舎教育の持つ役割の幅広さと重要性を改めて感じました。
 この大会で考える機会をいただいた多くの課題を,これから舎生と生活していくなかで,一つずつ自分なりに整理していきたいと思います。そして子ども達の成長に関わる人間として,自らも多くのことを学び経験していきたいと強く思いました。私にとって,大きな方向性を示していただいた分科会でした。このような分科会に参加する機会を与えていただき,本当にありがとうございました。 
  I 進路指導・職業教育
 
愛媛県立松山聾学校
小川 孝司
 
 
 
 今回が初めての参加です。私は,日ごろ,生徒の就業意欲を高めるための手立てを模索しておりますので,具体的な実践報告を聞かせていただきたいと考えて参加いたしました。実践報告のいくつかを紹介し,私の所感を添えさせていただきます。
 多くの聴覚障害児に見られる人間的未成熟から派生すると思われる諸傾向,「先走った理解,思い込み,責任転嫁」等,職場での人間関係を困難にしかねないこれらの傾向に対する明確な指導・支援の方策を見つけることはおそらく困難であろうと思われます。
 しかし,長崎校の高等部3年間に専攻科2年間を加えた「5か年構想」のような,技術的にも人間的にも少しでも成熟した存在として社会に送り出そうとする取り組みは,聾教育の一つの方向性を示すものではないかと感じました。卒業後にリハビリセンター等を希望するものが増えている本校の現状とも深く関連するものと思われます。
 聾学校生徒の多様化が言われ,進路選択もまた多様化している昨今,個々の生徒の願いを大切にした自己実現としての進路指導の在り方が課題になっていると思われます。
 久留米校の年3回の「特設進路指導」は,現実的な職業紹介にとどまらず,生徒の夢をふくらませ,職業選択への関心を高めようとするものであり,ホームルームでの指導にたいへん参考になるものと思われました。
 その他,普通校へのインテグレーションを
 
 
 
 
 
 
目指した取り組み,大学進学に向けた教科指導の充実を図る取り組み等,個々の生徒の実状に即して学校独自の取り組みをされている様子を聞かせていただき,個を大切にするとの意味で強い刺激を受けました。
 卒業後の生徒が「情報化社会」の中で生活することを考えれば,情報処理の知識・技術を身に付けることはもはや必須の条件であり,聴覚障害者には一層強く求められるのではないかとさえ思われます。
 名古屋校の「想像力を育てる修了研究」における相撲ロボットの設計・製作,平塚校のシーケンス制御入門等,門外漢にとってはたいへん高度に感じられる内容を,生徒が理解できるように方法を工夫されていることに,実践的な「支援」を感じました。
 活発な質疑応答が行われ,一部では激しく討論されたことも,一朝一夕にはいかない進路指導の難しさを示していると思われます。不況下にあって進路指導が困難性を高める中,分科会に参加して生徒の自己実現としての進路指導をじっくり考えられたことは,私にとって貴重な機会となりました。関係の皆様に感謝申し上げたいと思います。
 
 
  J 国   語
 
静岡県立沼津聾学校
杉本 雅弘
 
 
 
 本分科会では,主題を「主体的に学ぶ力,豊かな表現力を育てる国語科教育について研究しよう」に定め,分科会が進められました。
 始まる前は,研究発表レポートが二つということで,十分な研究協議が行われるか心配しました。しかし,各地から参加されたたくさんの先生方の熱心,かつ積極的な協議が行われました。また,参加された先生方の実践報告レポートが20以上も集まり,さまざまな情報交換もなされ,非常に盛り上がった分科会となりました。
 午前中は,秋田校高等部の簾内先生から,「学ぶ意欲を育てる授業づくり」について発表があり,それにもとづいて協議を行いました。発表は,個々の生徒の実態に応じた漢字・作文・手指メディアなど,丁寧な指導をしていきながらの,「わかる」授業作りについてでした。子供たちにわかることの喜びを味わわせ,自ら学ぼうとする意欲を育てていくことが大切であるのはいうまでもありません。楽しみながら国語の授業が行われ,その中で生徒の確かな言語力を育てていくことの大切さを改めて痛感しました。
 午後は,千種校の加藤先生から,「小学部5年『大造じいさんとがん』の読み取り指導を通して考える〜『多様化する学習ニーズに,如何に聾学校が取り組めば良いか』を考える一助として〜」についての発表があり,それにもとづいて協議を行いました。発表の中で,少人数かつ言語力や学力差が大きな集団の指導方法を紹介していただきました。初発の感想や感想画などをかかせ授業に生かすこと,動作化のさせ方,話し合い活動を活発にさせるための子供に対する投げかけのし方や発問の吟味など,たいへん参考になる発表でした。
 さらに,各校から集まった実践報告を時間の許す限り行いました。報告したのは数校でしたが,持ち帰ったレポートの中には,今後の授業に役立つヒントがたくさん書かれているのではないかと思います。
 さて,午前・午後とも井原先生・垣谷先生より,示唆に富んだ指導・助言をたくさんいただきました。学ぶ意欲を高めていくためには,小さい時からできることを見つけ出し,少しずつ積み上げていくこと。また,聾学校においては,ともすると言葉を育てることに主眼がおかれがちですが,それだけではなく「心を育てコトバを育てる」ことの大切さについて話していただきました。
 国語科については,子供の実態が多様化する中で,日々の授業に悩みながらも地道な実践の積み重ねにより,子供たちの学力や言語力は着実に育ってきているように思います。さらに,単に教師側から与えられた課題や教科書の課題を学んでいくだけでなく,子供たち一人ひとりが進んで自らの課題に取り組み,ある時は自分から課題を作り出していきながら,解決し追求していく中で,より確実な言語力や学力が育っていくのではないかと思います。
 来年度も,たくさんの実践発表と協議,活発な情報交換などが行われることを期待しています。             
  K 算数・数学
 
福島県立聾学校平分校
芳賀 公彦
 
 
 
 「児童生徒一人一人が主体的に学習に取り組み,楽しく学び合いながら問題を解決していく力を育てる指導内容・方法について研究しよう」というテーマのもとに,小学部の担当から大学の教官まで10の発表がありました。
 発表の内容は,ほとんどが日頃の実践上の課題をどう克服していくかという取り組みの報告でしたが,それらをウェイトの置き方で分類すると,以下のようになるかと思います。
@指導上の課題について…
 子どもたちの実態としてイメージ化が難しい,量感が不足している,公式に当てはめる計算は得意だが,読みとりが必要な問題は不得手など様々な実態とその指導について報告されました。
A教材教具の活用について…
 タイルや紐などの身近な素材を材料とした手作りの教材や関数電卓,パソコンなどの機器を活用した指導がいくつか報告されました。授業の導入部分でそれらの教材を使い興味関心を高める方法,解答を導き出すための思考の補助としての使用,計算やグラフの作成など数学的処理の部分で道具としての使用など,教材教具をどの指導場面で,どのように活用していくのかということを具体的に示していただきました。
B実践の提案…
 指導上の課題や教材教具の活用と重複しますが,文章題の作成とその活用やイメージ化させるための指導の工夫など報告されました。
 発表合間の休憩時間には,具体的な情報交換が行われていました。「こういう場合には,どう指導したらよいのでしょう?」「こういう指導をしたら理解できるようになりました。」「この教材を使ってみたらこんな成果が出ました。」等々,実際の指導場面が浮かんでくるような生の情報が交換されていました。それだけ各校の先生方も,どう今の課題を打ち破るか日々悩み必死なのだなと感じました。
 指導助言の先生方からは,たくさんの貴重なご指導を頂きました。その中でいくつか印象に残っているのは,
@聾学校の教師は教科についての指導力が問 われている。
A小学部の教師は方法論が中心であるが,内 容論をもう少し掘り下げる必要がある。
B授業の中で考える授業をしているか,作業 をさせているか
 等,中には耳の痛いお話もありましたが,自分の指導を見直す良い機会であったと思います。
 また,発表の内容とは別に発表の方法が印象に残りました。パソコンを使って,内容や資料を画像や音声入りで紹介するなど工夫されていました。如何に分かりやすくインパクトのある提示をするかということは,日常の授業を行う上でも非常に大切な点であると思います。
 今回も様々な角度から刺激を受けた全日聾でした。関係の先生方には御礼を申し上げます。  
  L 社 会(生活科含む)
 
大阪府立生野聾学校
前田 みち代
 
 
 
 社会科は「自然や社会への関心を深め,意欲的主体的に学習する態度を育てるための指導のあり方について」をテーマに 午前4本,午後2本の報告がされ,各レポート毎に質疑応答がされた。
 
1.総合的な学習の実践(松山聾学校)
 児童の少数化に伴う「集団保障」の課題に取り組んだ異学年集団による「わくわく探検」の実践報告だった。
 
2.小学部における体験活動について〜JA  の協力を得たネギづくりの体験活動を通  して〜(久留米聾学校)
 小学部全児童で地域の特産物であるネギ栽培に取り組んだ実践報告だった。地域の特産物とうまく関連させ,JAの指導員と関わりながら,各学年の社会科単元へも位置づけ,他教科とのつながりも意識したおもしろい取り組みだった。
 
3.自ら意欲的に学ぶ社会科の指導・歴史的  分野(佐世保ろう学校)
 自ら学ぶ力を育てるために
  1)観察する力
  2)問題を発見する力
  3)調べる力
の技能をつけるために視覚教材をうまく使って学習を進めた取り組みだった。
 
4.日本語の力,学力が不足している生徒の指導(長崎県立聾学校)
 生徒が興味を持つような題材の選択,導入部分の工夫,あらゆる意思伝達手段の活用,生徒の学習能力に応じた授業内容の構成,視覚教材の活用と発問の工夫による授業展開の報告だった。
 
5.自作ビデオ視聴を取り入れた社会科の指  導(盛岡聾学校)
 経験や知識の少ない生徒の学習意欲を高めるために自作ビデオを活用した授業実践の報告だった。
 
6.平和学習の取り組み(沖縄ろう学校)
 地域性に根ざした取り組みで,本やビデオなどの他に戦争体験者の生の体験を聞くというユニークで細やかな実践報告だった。
 
 以上6本の報告を基に,@統合学習Aグループ学習B評価と評定C学力と社会科の4つの柱をたてて,活発な討議が行われた。
 助言者の中山・國嶋両先生の多くの適切な助言の中で「聴覚障害の特色を支える経験をさせる」「社会科的な用語はきちんと教える」「知的好奇心をかき立てる導入の工夫をする」「知識を与えるのではなく学び方を教える」等が印象に残った。
 社会科は生きていく上で社会に対し常に興味と関心をもてる人間を育てる教科であり,教科として独立していながら他教科との関連が深い,広く,奥行きのあるおもしろい教科であると思う。
 児童生徒が楽しく学べ,好きな教科になるよう,この分科会で学んだことを活かして今後も研鑽を積みたいと思う。
 
  M 理 科(生活科含む)
 
福岡県立小倉聾学校
中野 康子
 
 
 
 理科分科会は,高等部の普通教室に,参加者が十分収まる程度の小規模の分科会で,私は発表者の一人として参加しました。理科は毎年発表者が少ないと聞いていましたが,今年も同様で,発表者3名とも,本年度になってから依頼を受け,日常の実践をまとめて発表したという形のレポートでした。 
 発表は(発表順),
@子どもが生き生きと活動する生活科をめざ して〜自然や生き物との関わりを通して〜 (佐賀県立ろう),
A身の回りの情報に目を向けさせる態度を育 てる指導〜天気予想の活動を通して〜(小 倉聾),
BA児のよく見る力を伸ばすための指導〜絵 で確かめる活動を通して〜(久留米聾),の3本でした。
 理科分科会でありながら,小学部1年の生活科のレポートばかりで,参加者した中学部,高等部の先生方は物足りなかったのではないかという気がしました。しかし,分科会の趣旨「児童生徒は,遊びや生活経験の不足から自然に親しむ姿勢に乏しい傾向にある。そこで身近な自然観察や実験等を通して自然の事象や事物に興味・関心を持たせ自然への理解を深め,科学的なものの見方,考え方を育てる。」という点では,3つの発表を通して,将来の理科学習の基礎となる小学部1年の生活科の在り方や,その重要性を考えていくことができたことは,大変参考になりました。
 また,発表が少なかったので,ひとつの発表について十分時間をかけて話し合えたことは,他の分科会の感想を聞くにつれ,よかったなと思います。
 午後は,紙上発表の附属聾学校の金子先生の報告を聞いた後,参加者全員が日常の指導上の悩みを出し合いました。その中で,
@「児童生徒の能力差(学力差,言語能力差)」,A「教科指導の中で言葉をどう教えるか」,B「聾学校としての理科の在り方」が共通の問題としてあがり,全員で協議しました。
 助言の先生方からは,「個々の子供の実態を正確に把握し,個に応じた目標を立て,実態にあった指導内容の工夫。」「生徒が動き,考えることのできる授業の工夫。」「聞こえないために抜けやすいところ(言葉)を補うための工夫。(言葉で考える・情報を集める・情報を処理する等)」「指導に際してのアプローチの仕方(よりコミュニケーションさせる,より経験させる,より視覚的教材を使う,より記録に残す等)の工夫。」の重要性を指導されました。
 私は今年初めて小学部を担当し,教科指導に悩んでいたので,この分科会に参加し,教科指導の基本的な在り方や,理科(生活科)のおもしろさと可能性に気づくことができました。
 是非来年もこの分科会に参加し,今度は理科の発表を聞いて,将来を見通した理科指導について考えていきたいと思いました。
  
  N 表 現 教 育
 
横須賀市立ろう学校
松田 耕
 
 
 
 担当が図工・美術のため,この分科会に参加しました。種々様々な発表があり,当初,危惧していた通り,協議会での話し合いが咬み合わない部分があり,少々残念でした。
 まず,総合的学習の観点からの報告が二つありました。個々の発表については色々,考えさせる内容があり,興味深く聴きました。壁新聞作りを通した豊橋聾の実践は日常生活,トピックスを見つめる視点を育てる観点,個々の作文力の向上や高学年が低学年をリードしていく活動など,実に豊かな活動が想像されました。当日,壁に数枚張り出されましたが,指導のご苦労がにじみ出ていて,何よりも4年間の成果が経過と共に現れていることに勇気づけられ,「継続は力なり」だと,つくづく感じました。
 次は附属聾,中学部の博物館や科学館などの見学を通したものでした。一見,表現教育とは関係ないようにとらえられますが,これは表裏一体の関係でしょう。人は,日々,様々,入力(感受)しておかないと,出力(表現)はできません。長いスパンで観れば,人生のある時点から,積極的に吸収し生活に潤いをもたらす豊かさが生活の中で,表現できるとしたら,この上ないでしょう。その契機となることを願いつつ聞きました。また,社会教育施設の学芸員との関わりなどから,お互いに理解を進めていく経過などを聞くと,もっと社会教育施設への障害児教育,聴覚障害の現場からの声を具体的に突きつけていく
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
実践が,必要だと感じました。その足がかりと考えても,実に,重要な報告だと思いました。
 次に,音楽からのアプローチで,聴覚障害幼児のリズム形成について,神戸聾から研究発表がありました。幼児期での早期音楽教育が全人的に必要だというが強調されていましが,正にそう思います。小さい時期に運動的には神経系から発達すると言われますが,脳内では,動作系と言語野は位置的にも近い関係にあるといいます。私たちは経験的に,ことばとリズムの関係,その大切さは知っていますが,運動・動作とことばの密接な関係を突き詰めていないような気がします。 
 なお,アトラクションを担当した,お二人が会場に同席されていましたが〜あのステージ上の子供たちの表現に熱いものを多くの方が感じられたと思います〜,あの身体表現自体が全人的な教育の証しであったのだろうと思います。まだまだ,多くの発表がありましたが,紙面の都合上,割愛させて頂きます。 色々勉強になりました。皆様に感謝いたします。
 
第28回全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会
全国大会(東京大会)のご案内(第1次)
 
期  日 平成11年7月28日(水) 29日(木) 30日(金)
 
主  催 全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会
     東京都公立学校難聴・言語障害教育研究協議会
 
後援予定 文部省 厚生省 国立特殊教育総合研究所
全国都道府県教育委員会連合会 全国特殊教育推進連盟 全日本特殊教育研究連盟
全国特殊学級設置学校長協会 全国連合小学校長会 全日本中学校長会
全日本聾教育研究会 全国情緒障害教育研究会 北海道言語障害児教育研究協議会
関東地区難聴・言語障害教育研究協議会 東海四県言語・聴覚障害児教育研究会
九州地区難聴・言語障害教育研究会 東京都教育委員会 東京都公立小学校長会
東京都公立中学校長会 東京都公立幼稚園長会 東京都教育研究会
江東区教育委員会 江東区立小学校長会 江東区教育研究所
全国言語障害児をもつ親の会 全国難聴児を持つ親の会
東京都難聴児を持つ親の会
 
特別協賛 小川再冶研究協賛会
 
 秋晴れの空が広がっています。吹く風も心地よい,さわやかな季節を迎えました。
 暑い夏,蝉しぐれの中,約千人にも及ぶ参加者が集まった全難言協静岡大会から引き継ぎ,いよいよ東京で全国大会を開催することになりました。
 東京都の難聴・言語障害教育は,昭和37年から始まり,本年で37年目を迎えます。この間,全国に先駆けて通級式を採り入れてきました。平成5年に制度化された「通級による指導」に伴い,「通級指導学級」として,子どもたちの指導に当たっています。
 その東京で,10年ぶりの全国大会を行います。東京大会では,「通級による指導」に焦点を当てた大会にしようと考えております。「通級による指導」について話し合うことにより,固定制の学級の経営や指導についても新たな展望が開けるのではないかと考えています。
 つきましては,全国各地から多数の先生方にご参集いただき,日ごろの教育実践を出し合い,さらには研修を深めていただきたく,第一次のご案内を申し上げます。
  平成10年10月
          全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会会長 河畑美智子
          東 京 大 会  実 行 委 員 長     中村 和夫
 
大 会 開 催 要 項
1.大会趣旨
 難聴・言語障害教育に携わる私たち通級指導教室(学級)担当者は,児童・生徒一人一人のコミュニケーションの力を伸ばすため,子どもの障害に応じた指導を行ってきました。同時に,個に応じた指導を通して「子ども一人一人が自らの個性を発揮し,自分らしくよりよく生きる」ための支援を続けてきました。
 特に個に応じた指導の効果を高めるためには,「子どもの生活は学校・家庭・社会の中にある」という視点に立つことが必要です。そのため,通級児童・生徒にかかわる人々とのよりよい連携がとりわけ大切であると考えます。
 今大会では,全国各地より参集した関係者が交流し,日々の実践を率直に議論しあう中で,個に応じた教育のあり方や子どもをとりまく人々の連携のあり方を追求していきたいと考えます。そして,通級指導教室(学級)担当者の専門性の向上をめざすとともに,新しい世紀へ向かうこの教育の姿を少しでも明らかにしていきたいと思います。
 
2.大会主題  「聴覚や言語に障害のある子どもへのより望ましい教育のあり方」
            −子ども一人一人を大切にした教育のあり方を探る−
 
3.開催日・会場
 ○第1日 7月28日(水)
       [全国ブロック代表者会 ・全国理事会]  江東区教育センター
 ○第2日 7月29日(木)
       [総会・記念講演・開会行事・全体会]   江東区文化センター
       [交流会]                ホテルイースト21
 ○第3日 7月30日(金)
       [分科会]      江東区文化センター・江東区教育センター
 
4.日   程

日 時

  9  10   11  12  13  14  15  16  17   18  19   20

7月28日
(水)


 

受付

全国ブロッ
ク代表者会


 


  全 国 理 事 会


 

7月29日
(木)


 

受付
 



記念
講演

昼食
 

開会
行事

  全体会
 

 交流会
 


 

7月30日
(金)
 



 

受付

 

 分科会

 

昼食

 

  分科会

 



 
5.大会参加費  5,000円
 
6.総   会  7月29日(木) 10:00〜10:30
 
7.記念講演  7月29日(木) 10:40〜12:00
         テーマ 「21世紀の子どもたちへ −わが相撲人生から−」(仮薦)
         講 師 尾車親方(元大関琴風)
 教育の世界とは異なる分野の角界で大成された尾車親方からお話をうかがいます。
 尾車親方は,中学生のとき三重県から東京深川の相撲部屋に入門しました。ケガを乗り越え,大関に昇進しました。その後も困難に立ち向かい,優勝を経験しています。引退後,尾車部屋の親方として,スポーツ解説者として活躍しています。また,NHKの教育テレビ番組ETV特集「子どもと向き合う」では,「挫折こそ勝利の始まり」というテーマで熱く子どもたちに語りかけていました。
 私たちもぜひ親方に,最後までやり抜く力,困難にくじけないたくましい心を熱く語っていただき,その感動を共有するとともに,21世紀の子どもたちへのメッセージにしたいと思います。
 
8.全 体 会  7月29日(木) 13:45〜16:15
  全体会T 【発 表】
         <テーマ> 「東京都の難聴・言語障害教育の歩み」
  全体会U 【パネルディスカッション】
         <テーマ> 「私たちが創り出す難聴・言語障害教育とは」
 難聴・言語障害教育の歴史の流れの中で,また,難聴・言語障害教育の置かれている現状と期待の中で,通級指導教室(学級)の役割を見つめたいと思います。
 教育の中で何をしようとするのか,そのためには,私たちはどのような力量・専門性が必要なのか,また,周囲に対してどのように働きかけていけばよいのか,などについて考えたいと思います。
 
9.交 流 会  7月29日(木) 18:00〜20:00
 10年ぶりの東京へようこそ。全国の先生方と楽しく交流していただくため,気っ風のいい江戸っ子が準備を重ねてまいりました。もちろん,飛び入り大歓迎。全国の芸達者の皆さん,東京でのデビューをお待ちしています。
 講師の先生,分科会の座長の先生方にもご参加いただく予定です。どうぞ,花の東京で心ゆくまで語らい,楽しんでください。
 
 
10.分 科 会 7月30日(金)10:00〜12:0013:00〜15:30


分 科 会 名

予  想  さ  れ  る  内  容

提案



 

通級による指導の
 教室(学級)経営
 

 通級による指導の教室(学級)経営の現状と課題,望ましいあり方,障害の多様化をどう捉え対応していけばよいか,他者との共感的な関係作り(連携)など。

東京

全国



 

聴覚に障害のある
 生徒への指導
 (中学校難聴学級)

 在籍学級で生き生きと生活するための支援のあり方,在籍学級担任や教科担任との連携,通級指導教室(学級)の果たす役割と指導内容の検討,歴史的背景など。

東京

全国



 

聴覚に障害のある
 子どもへの指導
 

 通級する聴覚に障害のある子どもがよりよく生きるための適切な支援や連携のあり方,障害認識への指導,個別指導計画のあり方など。

東京

全国



 

構音に障害のある
 子どもへの指導
 

 通級する構音に障害のある子どもが生き生きと生活するための適切な支援のあり方,指導の適時性と改善の見通し,在籍学級担任や保護者との連携など。

東京

全国



 

吃音のある
 子どもへの指導
 

 通級する吃音のある子どもが生き生きと生活するための適切な支援のあり方,吃音に対する認識・受容などの問題,在籍学級担任や保護者との連携など。

東京

全国



 

言語発達に
 遅れのある
 子どもへの指導

 通級する言語発達に遅れのある子どもが在籍学級で生き生きと生活するための適切な支援のあり方,在籍学級担任や保護者との連携,個別指導計画のあり方など。

東京

全国



 

学習障害のある
 子どもへの指導
 

  通級する学習障害(LD)児,あるいはその周辺の子どもの捉え方と適切な支援のあり方,在籍学級担任や保護者との連携,個別指導計画のあり方など。

東京

全国



 

早期教育のあり方
 (幼児への指導)
 

 早期診断後の幼児への支援のあり方,地域の実情に合わせた幼児教育の取り組み,専門機関・医療機関・保護者・小学校担当者との連携のあり方など。

東京

全国




 

通級による指導を共に考える在籍(通常)学級担任・養護教諭の会

 在籍学級担任や養護教諭の立場から,難聴・言語障害通級指導教室(学級)に望むこと,校内教育相談体制のあり方,通級指導教室(学級)担当者との連携など。
 

東京

全国
 


10

 

通級による指導を考える校長・教頭の会

 

 学校経営責任者の立場から,より望ましい難聴・言語障害教育(通級による指導)のあり方,地域の実情に応じた教室(学級)経営のあり方など。
 

東京

全国
 
◎大会実行委員長  中村 和夫(東京都江東区立南陽小学校校長)
◎大会事務局(問い合わせ先)東京都江東区立南陽小学校 ことばときこえの教室(阿部厚仁)
   〒135−0016 東京都江東区東陽2−1−20
   TEL 03−3649−3464  FAX 03−3649−3464
 
 来年は愛媛です!
 
 
 
 
【事務局だより】
 国立国会図書館より,1998年11月12日付
けで,研究集録の納本の依頼を受けました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 全日本聾教育研究会 竹村 様
 全日本聾教育研究大会集録
 当館では上記集録のうち,昭和42〜44年度,第5回(1971),第13回(1979)を所蔵しております。ご多忙中恐縮ですが,当館未所蔵の年次の資料で余部がございましたら,下記までご送付
下さるようにお願いいたします。
  〒 100-8924 東京都千代田区永田町1−10−1
  国立国会図書館 収集部 収集課 一般納本係
  電話 03(6581)2331   (03-3597-9104のfaxから)

後日連絡がありました。
 収集部 国内資料課 記録係
に納本してください。
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 事務局としては,要請に応えて,できる限り納本したいと考え,筑波大学附属聾学校をくまなく探しました。その結果,第11回大会以降は,研究集録と事後集録をそろえてほぼ納本できました。しかし,次のものが納本できませんでした。(研究集録は,第1回昭和42年から第4回昭和45年までは回数表記をしていません。第5回昭和46年(1971年)より回数表記をしています。事務局では昭和28年の全国ろう教育研究大会以降の資料を一部ずつ保存しています。)
【欠本】昭和45年(新潟)の研究集録と事後集録,第6回(札幌)の事後集録,第7回(岡山)の事後集録,第8回(大塚)と事後集録,第23回(兵庫)の事後集録。
 もし会員のみなさまの中に,欠本になっているところを納本できる方がいらっしゃいましたら,事務局の竹村までご連絡ください。
 また,今後大会を引き受けるところでは,国立国会図書館への納本をお忘れなきようにお願いします。
  あ と が き  
▲印刷では,8ページで一つの“版”になります。ページ数を8の倍数にするのが一番合理的と印刷屋さんに教えられました。会報は冊子で2つ折りにしますから,ページ数が偶数というのは絶対的な条件です。原稿は執筆者のみなさまのご協力で比較的スムーズに集まりましたが,ページだてでは苦労した40ページでした。
 
印刷所 エース日栄 048-758-0122