1 全日本聾教育研究会会長挨拶

 

 全日本聾教育研究会会長

(横浜市立ろう特別支援学校長)

梶川 純

 

このたび平成26年度総会にて、昨年度に引き続き会長としての仕事をさせていただくことになりました。今年度も、微力ではありますが本研究会の発展のため努めさせていただきたく、会員各位のご支援とご協力をいただきたくよろしくお願いいたします。

本研究会は、全国の聾学校および聴覚障害の教育をおこなう学校93校から、約4500人の教職員、大学、研究機関等の聴覚障害教育担当者施設関係者から構成されており、この教育における我が国最大規模の研究会であります。現在、特別支援教育制度が進む中、今年度聴覚障害を対象とする教育部門を設置する特別支援学校は109校となっています。校名変更や、複数の障害部門を備えた特別支援学校へと形態を変えたりするなどが進んでいます。一方、国では、今年度1月に障害者権利条約を批准し、それに向け、障害者基本法の一部改正、中央教育審議会初等中等教育分科会から「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」の答申、障害者差別解消法が成立、学校教育法施行令の一部改正が行われました。それらの中では障害のある子どもが十分な教育を受けるための合理的配慮及びその基礎的環境整備、教職員の専門性の向上を図ることが必要であることについて言及されています。今後、イングルーシブ教育システム構築に向けた体制づくりに取り組むことが求められてきます。聾学校では少人数化、増加する人工内耳を装用する子どもや発達障害を併せ有する子どもの支援のあり方が課題になっています。聾学校を取り巻く状況は変化していますが、忘れてはならないのは、聴覚障害のある子どもたちのために、この教育の専門性の維持継承そして向上です。

全日本聾教育研究会は聾教育に関わる教職員の実践的な研究成果を共有し、全国の聾学校の教育実践やこの教育の課題等についての研究報告を含めて、全国の聾学校が連携協力する機会として今後より一層その役割を果たすことが求められています。一方で、教員派遣費用の負担、大会運営のスリム化、主管校、主管地区の負担軽減のなどの課題もあり、その役割と課題を整理した結果、今年度の兵庫大会から大会期間を3日間から2日間に短縮しました。また、昨年度から全国聾学校長会の同時開催を行うことになりました。今後も各地区聾教育研究会、校長会など教育関係団体との連携・協力を進め、専門性の維持向上を目指したいと思います。また、全日聾研の会員の皆様にとって、この会が有意義な研究研修の場となりますように努めて参りますのでより一層のご理解とご協力をお願いいたします。


会報のトップへ

全日聾研のトップへ