1 全日本聾教育研究会会長挨拶

 

 

全日本聾教育研究会会長

(北海道札幌聾学校)

島崎 洋二

 

このたび、玉木健治前会長の後任として会長を務めさせていただくことになりました北海道札幌聾学校の島崎洋二と申します。一年という限られた任期ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、現在、国は、障がいのある子どもと障がいのない子どもが共に学ぶ共生社会の実現に向けたインクルーシブ教育システムの構築を目指し特別委員会を設置し、検討を行っておりますが、聾学校におきましても、聴覚障害教育にかかわる今日的な課題解決への取組を行うとともに、インクルーシブ教育の理念を踏まえた聾学校並びに障害教育の在り方の具体的な検討が求められます。

一方、今年度の聾学校の状況を見ますと、近年の全国的な聾学校の統合・再編の影響もあり、平成24年度の聾学校数は、私立も含めて92校になりました。また、およそ半数の聾学校が校名変更を行い、他の障がい教育と統合した学校も増えつつあります。そして、今年度新たに、宮崎県の延岡ととろ聴覚支援学校が、知的障がい教育、肢体不自由教育と統合した新設校において、聴覚障がい教育部門としてスタートしました。次に、全国の聾学校の在籍状況は前年度に比較して大きな減少はないようです。ただ、東京都などの大都市を除く、北海道などの地方の学校の中には、小規模化が緊要な課題になっているところもあり、今後、全日聾研の開催に何らかの影響を及ぼすことが懸念されます。また、近年各地区から、人工内耳装用児の増加や地域の小中学校にインテーグレートする幼児児童生徒の増加が報告されております。特に、インテグレートした幼児児童生徒への支援の在り方やUターンの実態などにつきましては、インクルーシブ教育の実践の観点からも適切な対応に向けた検討が必要になります。

全日聾研は、こうした教育の動静や聴覚障害教育並びに聾学校を取り巻く現状を踏まえ、このたび研究大会の運営の見直しを行いました。その具体策として、平成26年度の兵庫大会から、全日聾研の大会期間をこれまでの3日間から2日間に短縮することにしました。また、本年6月に開催された全国聾学校長会におきましても、校長会と全日聾研の今後の在り方についての検討を行い、平成25年度の全日聾研・愛知大会から、全国聾校長研究協議会の同時開催を決定し、参加者の安定的な確保と校長先生の実践研究の場の共有を図ることにしました。

このように、全日聾研は、時代の変化や諸課題に対して、会員の皆様をはじめ校長会など教育関係団体との連携のもと、これからも建設的な対応に努め、聴覚障害教育の専門性の維持・継承・充実を目指してまいりますので、会員の皆様の尚一層の御協力をお願い申し上げます。


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