山形大会 授業研究分科会

 


幼稚部研究会

筑波大学附属聴覚特別支援学校 舩津さくら

本分科会は「心を揺さぶる授業づくり」をテーマに行われました。

午前中は,山形県立山形聾学校での公開授業「朝の会(3,4,5歳)」と指定授業「お祭りをしよう〜縁日ごっこ〜(3,4,5歳合同)」が行われ,公開授業では,3歳児1名,4歳児4名,5歳児3名各クラスの朝の会を参観しました。各クラスの在籍数,年齢,コミュニケーションの状態により,授業の構成を変えながら,教師や友達との関係作りや話し合いを中心に,子供たちの自由な表現に教師が寄り添う姿が印象的でした。

指定授業の合同活動「お祭りをしよう」では,子供たちが縁日のお店屋さん(焼き鳥,クレープ,かばん,吹き矢など)とお客さんになって,商品の製作をしたり,おもちゃのお金を使って買い物をしたりしながら,友達や教師とかかわる活動が行われました。今回が本活動10時間目ということで,子供たちは「お店を準備する」「商品を作る」「注文をとる」「お金を払う」など遊びの活動内容 を理解し,主体的にやりたいお店や役割を選び,とても集中して活動に取り組んでいました。「おかねがない」「やきとり,ちょうだい」「ちょっとまってて」「(やきとり)やけてる?」などを音声言語や手話などを使って,やりとりしながら活動を進めていました。

吹き矢に失敗した3,4歳児に,お店屋さん役の5歳児が「もういっかいいいよ」と優しくしたり,お金を持っている友達が「おかねちょうだい」という友達に分けてあげたり,順番が守れない友達に「ぼくのあとだよ」と伝えたり,子供たちがとても心温かく育っている感じを受けました。また,4,5歳児は自分の意思をはっきりと持ち,やりたいものに積極的に取り組んだり,3歳児は先生の誘いに応じて新しい買い物に挑戦したり,各年齢らしい姿を見ることができました。

それを受け,午後からは,山形テルサにて研究分科会が行われました。はじめに山形聾学校から研究について発表がありました。幼児の心に響く活動を通して,自ら遊ぼうとする,考えながら繰り返し遊ぶ,友達とコミュニケーションしながら遊び過ごす姿を目指しているとの報告がありました。そのために遊びに意欲的になる,また見て分かる素材や活動内容などの環境設定を追求しているとのことでした。 その後,協議に移り,「授業展開の工夫」と「視覚的な支援の工夫」の2点を柱に話し合いました。授業展開については,子供が遊びを深めるために大切な教師の働きかけや環境設定,少人数集団への配慮などへの意見が出されました。また,思いや活動内容を言葉にするためにも,活動を振り返える時間の必要性についても話し合われました。活動を取り巻く全てに意味あり,子供をよく観察し,教師は時々にどういうねらいを持って場を設定し,働きかけていくのか考える大切さを再確認しました。続いて,子供たちが興味を持った遊びや素材について,各学校の情報を交換し,幼児が遊びに意欲を持つためには,子供の生活・興味にあったものや経験にもとづいたものが有効だと感じました。

最後に,庄司美千代先生(山形県教育庁指導主事)から山形聾学校の研究の取り組みや授業について,子供につけたい力を明確に持つこと,子供が理解し参加できる授業の構成について,研究に出ている指導方法の活用等の助言をいただきました。また,「教師は子供に限らず,保護者,同僚に対しても相手に応じて,分かりやすく伝える」というお話をいただき,その難しさを感じながら,今後も努力したいと感じました。

今回の参観と研究会を通し,山形聾学校を始め,他校での取り組みや,様々な活動や配慮のねらいを知ることができました。一校一校様々な取り組みがありましたが,根底には幼児期に望まれる楽しい遊びや経験の中で,生きたやりとりを行うことの大切さがあることを感じました。今後も研鑽を積み,子供たちがより自分を表現でき,それを日本語につなげるためにはどのような配慮が必要なのか,また指導技術などについても,こういった研究会や諸先輩方の指導,そして子供との日々の触れ合いを通して,学んでいきたいと思います。


小学部研究会

福島県立聾学校 三瓶 伸江

小学部研究会は,助言者に森本明先生(福島大学)を迎え,「いきいきと学び,よく考える子ども を育てる授業づくり」をテーマに行われました。

午前中は,山形県立聾学校で指定授業を参観しました。授業は,6年算数「形も大きさも同じ図形を調べよう〔合同な図形〕」でした。この授業は,最初に全体像(ゴール)を見せて課題をつかませるトップダウン的な授業の展開で進められていました。今まで私が行ってきた算数の授業は,小さな課題を解決させながら最後に全体像(ゴール)に迫っていくボトムアップ的な指導展開が多かったので大変興味深い授業でした。授業は,「合同って,なに」の発問で始まりました。最初に「合同」についての定義づけを行い,ゴールを示すことで子供たちは学習の見通しを持つことができたようです。この定義をふまえて次に,4種類の四角形から合同な四角形を探す課題に取り組んでいました。一人一人が真剣に課題に取り組む姿や教師の話を聞く態度のすばらしさに感心させられました。日頃の丁寧な指導と学習の積み上げの結果であると思いました。また,調べて分かったことを書き,それをもとに話し合いができるように個人用のホワイトボードを活用していました。

更に,授業は,山形聾学校と山形大学が共同で開発した赤外線式集団補聴システムに子供の声を共有できる機能を加えた聾学校教室内音声共有システムを使って行われていました。このシステムはマイクを教師だけでなく子供たち全員がつけていることに特徴があります。このことで,教師の音声ばかりではなく子供の音声も共有でき,子供たちの学び合いの活動を深めることができるものでした。この音環境の整備は大変参考になりました。

午後の小学部研究会では,はじめに,山形聾学校から研究報告がありました。小学部では,「授業展開の工夫」と「視覚的な支援の工夫」を研究の柱にし,いきいきと学びよく考える子どもを目指した研究が進められていました。具体的には,一人一人の実態に応じた課題を設定し,トップダウン的な授業を展開していることや図と地を意識した板書構成など視覚的な支援を行っていることが説明されました。その後,飯野明教諭の指定授業の自評をもとに研究協議を行いました。研究協議は,「授業展開の工夫」「視覚的な支援の工夫」を討議の柱にして活発な論議が交わされました。話題の中心はトップダウン的な授業の展開についてでした。「トップダウンの授業とはどういうものか」「ゴールが見えることで主体性を失わせることもあるのではないか」「子供は驚きや気づきから学習の見通しを持ち,自分で課題を解決していく。その時,教師がどうかかわっていくのかが大切なのではないか」などの意見が出され,参加者が算数の授業の展開について深めるよい機会となりました。また,視覚的な支援の工夫として,授業で活用していたホワイトボードについては「子供たちが自信を持って自分の考えを発表することができる」「友達同士の意見交換につながりよかった」という意見も出されました。さらに,教室の学習環境面では,授業に関する事柄を壁に掲示することで,子供がそれを手がかりに考えることもできる。過度になる必要はないが,必要最低限の情報を提示することは大切であることを確認し合うことができました。

最後に,森本先生から,我々教師が授業展開を考えるとき,この時間には「こんな子供の動きを見てみたい」「このような子供の姿になるのでは」とどれだけ深く授業をイメージできるかということが大切になるということをお聞きしました。また,算数とは,「同じものを見て違うことを語れる」「違うものを見て同じことを考えることができる」教科であり視座を異にする場合もみんなで話し合うことが大切であるとお聞きし,更に算数の深さを感じました。

 


中学部研究会

広島県立広島南特別支援学校 石原 悠一

中学部分科会は,「意欲を高め,学ぶ意欲を育てる授業づくり」をテーマに行われました。

山形県立山形聾学校では,各教室に赤外線式集団補聴システムが設置されており,黒板の他に移動式の大型ホワイトボード設置されていました。理科室には,大型のモニターと実物投影機を繋いだ状態で設置してありました。赤外線式集団補聴システムがあるためか,聴覚活用が積極的に行われ,手話を補助的に用いている印象を受けました。指定授業は,中学部3年の社会科公民「地方の政治と自治」という単元で,地方自治体が販売しているボトルドウォターをきっかけに,販売している理由を山形市の水道事業や人口推移を絡めて考え,最終的に市の財政問題について考えさせる展開でした。身近な題材と学習内容を関連づけて導入されており,生徒が意欲的に取り組んでいました。教室内には黒板の他に,資料提示用として扱われている大型ホワイトボード2台と小型のホワイトボードが各生徒に1枚用意されていました。資料は授業の展開に合わせてグラフを張り出し,そのグラフに書き込んだり,カードを張ったりすることで思考が整理され,的確に思考を促す支援がされていたように思います。また,各生徒が持っている小型のホワイトボードはクイズ番組のフリップのように使われ,自分の意見や考えをまとめて,言語化・文章化するために有効に活用されていました。また,生徒の考えが視覚的な形で残るため,その後の意見交換も円滑に行うことができていました。

午後の協議会では,山形県立山形聾学校中学部の研究概要の説明と,指定授業の振り返りがありました。その中で,生徒が使う小型のホワイトボードは中学部入学当初から活用していることや,「図と地」に配慮した視覚的支援の工夫をすること,課題解決型の授業展開を意識することなどを学部内で共通認識を持ち,取り組んでいるという報告がありました。印象深かったのは,学期に最低1回は生徒の実態把握のみを目的とした会議を設けていることでした。広島県でも個に応じた指導をより一層充実させるために,PDCAサイクルの頭にA(Assessment アセスメント)をつけたマネジメントサイクル(APDCA)を推奨し,実践しています。正しい実態把握なしに適切な指導はできないことは明白であり,そのような会議を設けているということに意識の高さを感じました。

指定授業の協議の中で強く感じたことが3つあります。1つ目は,視覚的教材の位置づけです。安易に拡大して提示することが目的ではなく,思考を促し,推論する力を育てるものとして扱うことが重要です。授業者が言われたように「思考を導くために必要な資料」と「まとめのために必要な資料」を使い分けて視覚的に支援し,授業展開する必要があると思います。2つ目は,聴覚活用のためには赤外線式集団補聴システム等のハード面の充実が重要であると言うことです。「手話」か「口話」か「書き言葉」か,ということではなく,それらを包括的に活用し,より充実した指導していくためにも情報を明確に提示していくための十分な設備が必要であると思います。3つ目は,授業における「間」です。最近は流行のように情報機器を使用し,プレゼンテーション用ソフト等で画像や文書を提示しています。また,授業を円滑に展開することを重視するあまりワークシートを多用し,生徒の書く機会や思考する時間を奪っているように思います。例えば,教師が板書をする速さは生徒に思考や理解を促す時間的な余裕を与えることができ,適切に「間」をとることができます。さらに,文字や表・グラフを書く姿を見せることで,生徒はそれを真似て成長できます。

助言者からは,言葉が分からないから学習内容が分からないという考え方をなくし,実態に合わせてトップダウンとボトムアップを使い分けながら指導していくことが大切であるという助言を頂きました。ご多用な中,研究を進め発表してくださった先生方,助言者の藤本裕人先生,また参加された先生方に深く感謝を申し上げます。


高等部研究会

筑波大学大学院 有海 順子

高等部授業研究分科会では,「学びの中で自立する力を育む授業づくり」をテーマに研究協議が行 われました。

午前中の公開授業では,英語「Water and Living Things」(2年Aグループ)の授業を,指定授業では,家庭総合「食生活を営む:食品の選択と調理の工夫」(2年生)の授業を参観しました。

英語の授業では,本文を音読する際,生徒が発音や意味がわからなかったときに,先生が教えるのではなく,時間がかかっても生徒に自ら辞書を引かせ確認させたり,あえて間違えた英文を提示し,その間違いを発見させたりするなど,生徒の主体性や気づきを大切にしている点が印象的でした。

家庭総合の授業では,高等部の先生方と自分達20人分のハンバーガーと付け合わせを授業時間内に作るという調理実習の授業でした。付け合わせのサラダとして,用意された食材から何を選び,何を作るのか,役割分担をどうするのか,どういう手順で作っていくのか,そのためにどんな道具を使うのかなど,全て生徒達が話し合って作らなければいけませんでした。

生徒達は,これまでの調理実習で学んだことを活かし,生徒同士相談しながら,順調に作り始めていました。自分の役割が終わると,他の友達の手伝いをしようとする様子が見られました。途中,やりとりがうまくいかず,もめてしまう場面もありましたが,それぞれが自ら考え,課題達成に向けて協力し合う姿が見られ,なんとか20人分完成することができました。生徒達の顔からは,疲れた表情の裏に,達成感が窺えました。

午後の授業研究分科会では,初めに,学校全体の研究及び高等部の研究について発表がありました。高等部では,これまでのボトムアップ的授業展開により,生徒の学習意欲の減退,受け身的態度などが目立ったため,トップダウン的授業に取り組んでいることが報告されました。上述した公開・指定授業において,「生徒自ら考え,進んで行動し,学習する姿」が見受けられ,この取り組みが定着しているのだなと思いました。ただ,トップダウン的授業展開のイメージが持ちにくかったため,各教科における具体的な方法をもう少しお聞きしたかったです。

指定授業に関する研究協議では,トップダウン的授業を行う際の自己評価の大切さ,限られた時間内で行うことの難しさ,トップダウン的授業における視覚的支援の仕方について意見が出されました。 次に,自立する力を育む支援のあり方について情報交換が行われました。その中で,「生徒の気づき,困り感」を大切にし,「教員が手を出しすぎない,説明をしすぎない勇気」が必要であるという話しが,特に印象的でした。

最後に,助言者の佐藤正幸先生(筑波技術大学)から,「自立する力とは,@自分で判断し,A自ら考え,B自分から行動する力であり,C生活していく上で最低限必要な学力である。その力を身につけるためには,様々な『経験』が必要である」とお話がありました。

また,「確実なコミュニケーションのためには,手話や聴覚,口話だけでは限界があり,やはり文字が大切である。日頃から文字によるコミュニケーションの練習が重要である」と先生ご自身の実体験を基にしたお話を伺い,卒業後,社会に出てからの生活も踏まえて,自立する力を育ませることの大切さを教わりました。

佐藤先生をはじめ,授業を担当なさった先生方,ならびにご発表下さった先生方,貴重なお話をありがとうございました。


早期教育・通級指導教室研究会

愛媛県立松山聾学校 高須賀 妙子

授業研究分科会では,「地域社会や学校においてより豊かに生活するための教育的支援」というテーマのもと,山形聾学校(特別支援教室)の現状,参加校の教育相談・通級指導教室の現状・課題に関するアンケートの報告,情報交換を行いました。

山形聾学校の取組として,医療機関,学校等との連携,啓発推進・広報活動を通した連携,乳幼児教室,通級指導教室での支援内容,成果,課題についての報告がありました。乳幼児教室での成果において「親子活動について振り返り,話し合う時間を設けた。保護者が子どもに共感し,同じ目線でかかわる姿が見られるようになった。」とありました。親子活動について一緒に振り返るという視点を再認識したいと思いました。

アンケート報告では,乳幼児教育相談,通級指導教室にかかわる教員の加配の有無,実際に支援を行っている人数等の報告がありました。支援する上で難しかったこととして,医療機関との連携,保護者の障害受容,保護者への支援,教育相談時間の確保,来校の困難,就学先,保育園・幼稚園との連携等が挙げられ,どの学校も同じ課題を抱えていることが分かりました。

情報交換では,人工内耳を装用し,小学校に在籍しているA子さんという架空の児童を設定し,言葉の遅れが深刻で継続的かつ系統的な支援が必要であるにもかかわらず,遠距離のため教育相談には年に2〜3回の来校しかしておらず,在籍校の担任,保護者の理解が不十分であるケースについてどのような支援をしていくべきか各校の実践等を含めて話し合いました。「保護者や担任に『聞こえる』と『分かる』の違いを理解してもらうために,難聴の疑似体験をしてもらう。」「意図的に障害の程度,年齢が同じくらいの親子を集め,保護者同士,子供同士のつながりをつくる。」「就学までに聾学校との関係を築いていれば,就学後も支援がしやすい。」「医療機関との連携を図り,医療機関から聾学校へ紹介してもらう。」「保護者や担任への支援として,聞こえの勉強会に来てもらう。」等の意見,実践例の紹介がありました。また,関係機関との連携といっても,人と人とのつながりが大切であるので,情報交換ノートを活用したり,話し合いの場をもつことも大切だとの意見が多く出されました。

教育相談や通級指導教室は,関係機関との連携を深めることにより,子どもにとってよりよい環境をつくるという大きな責任を果たしていかなければならないと思いました。

最後に,宮城教育大学教授の藤島省太先生から助言がありました。現在,指導法の変化,医療・技術の進歩,言語聴覚士制度等により聴覚障害児をとりまく環境が変化してきました。その一方で,聴覚障害児に対して,補聴器を使えば大丈夫,手話があれば大丈夫という誤解もあります。保護者や在籍校の先生に難聴シミュレーション等を行い,体験的に理解を深めてもらうこと,コミュニケーションは伝えたいという思いから派生するので,話したくなるような環境づくりを行うことが大切であると教えていただきました。各学校の取組や情報交換で学んだことを今後の実践に生かしていきたいと思います。


寄宿舎研究会

青森県立青森聾学校 小川 梨花

午前中の寄宿舎一般公開では、山形聾学校寄宿舎の実践研究として取り組んでいる内容の映像がホールで流され、さまざまな行事や活動が活発に行われている様子がうかがわれた。

午後の分科会では、「豊かな心を育む支援」を研究テーマとし、「人々とのかかわりを通して社会や生活と向き合い、感動したり葛藤したりしながら問題解決の方法を模索するような様々な体験を多く積むことによって、豊かな心を育むことができるのではないか。」という研究仮説を基に行われた3年間にわたる実践研究の取り組みが発表された。

具体的内容としては、@趣味・スポーツ。自分の楽しみを見つけ、仲間といろいろな活動をする。(花壇作り、茶道、粘土細工、ダンス、卓球、けん玉)A共同生活体験。舎生が減少し、一人部屋で生活するようになり、舎生同士のかかわりの中で生きる力を身に付けていく本来の寄宿舎の良さが薄れ、自分本位になっていることからの共同生活の体験。(調理体験、同室での生活)Bニュース視聴。日常の中でニュースや新聞を見るきっかけになるようにと「こども手話ウィークリー」を視聴し、社会の出来事や身近なことについて関心を持たせる。(身近な人へインタビューをし、手作りニュースの作成)ということがあげられた。

3年間の研究から、舎生の気持ちや考え方が少しずつ変わり、花に興味のなかった舎生が、自ら花を生け、押し花をするようになり、生活を豊かなものにしようとする様子が見られるようになった。また、他の人の気持ちを考えることや自分の気持ちを相手に伝えることの大切さを学び、社会への関心が高まったという成果が発表された。

舎生が5名という少人数であるがゆえの取り組みである「共同生活体験」の内容には、興味をそそられた。一人部屋での生活から同室の生活に変わったことによるストレスから体調の不調を訴える舎生が見られたなど、少人数化ならではの問題が報告され、これからの寄宿舎の指導・支援の在り方について考えさせられた。

助言者である羽陽学園短期大学の横山莞二先生からは、人数が多いといろいろな行事も計画できるが、人数が少ないと限られてくる。人間関係でのストレスなどは、あって当たり前なので、そのことを踏まえて受けとめる。信頼感、安心感をもてる雰囲気をつくり、子供たちの願い、思いを受けとめるように心がけてほしい。行事ばかりではなく、日常生活の中での気遣いやちょっとした言葉がけなどが大切である。在籍数が減少し、これから先が不安定になるが、時代の変化に対応した寄宿舎を作るきっかけになる。寄宿舎は、単に通学困難な生徒のための施設ではない。学ぶ、伸びる、成長するための機関であるという指導助言をいただいた。

寄宿舎生にとって寄宿舎は、「社会性を養う場」でもあるが、「安心できる楽しい場」でなければならない。舎生との信頼関係を築き、持続するためにも、日常の接し方がとても重要であると、あらためて感じさせられた。「豊かな心を育む支援」というテーマで行われた今回の分科会で学んだことを今後に生かし、実践していきたいと思う。