情報教育についての取り組み 9分科会
北海道札幌聾学校 土田 心
近年の高度に発達した情報化社会の中で、情報を活用できなければ様々な不利益が生じると考えられる。そのため、情報を活用する力、すなわち情報を集め、まとめて、伝える力を育てる教育が必要とされている。特に聾学校の教育活動の中では、様々な手段で情報を児童・生徒に保障していく必要があり、それによって情報を集める力を育成することができると考えられる。そこで本校では様々な情報保障の手段を研修し、教員の中に普及するように取り組んできた。それらのいくつかを紹介したい。
(1) テロップ作成研修会
本校では以前からほぼ毎週校内放送を放映しているがその中に字幕を入れて情報を保障してきた。この字幕はテロップ編集機を用いて作成するが、本機の操作に多少の難しさがあるために、本校教員がすべて操作できる状態ではなく、そのため操作可能な者が作成したり、字幕自体をつけないこともあった。そこで誰もが基本的な機器の操作を習得することをねらって、テロップ編集機器の研修を行った。研修方法としては実際に操作している手元などをカメラで撮影、映写することで多人数が同時に研修できるように工夫した。また、現在はこの編集器と並行してデジタル編集にも着手している。

※編集機器の写真
AVミキサー:パナソニック WJ-MX12
(2) 学級通信作成研修会
各学級でほぼ毎週出されている学級通信や学年通信の作成について研修した。内容としては、さらに児童・生徒が親しみをもって読むことができるよう、写真やイラストの挿入、字体の編集等をワープロソフト「一太郎」で行った。これはコンピュータの台数に限りがあるため、各学年から代表という形で出てもらい、実際にコンピュータを操作しながら研修した。また、日頃から編集方法などでわからないことがあった場合には気軽に尋ねられるような雰囲気作りを心がけている。
文字の編集・イラスト挿入例
(3) インターネット活用研修会
様々な学習の中で情報を獲得するための手段としてインターネットが用いられるが、検索を用いて自分の目当てのホームページを探すのはなかなか難しいものである。そこで誰もが比較的簡単に自分の探したいページを見つけることができるよう、いくつかのカテゴリの中から必要なものを選び、その中からさらに教材として適切なものを選ぶという形式の簡単なソフト「調べ太郎」を製作し職員全員に配布し、その使い方について研修を行った。
「調べ太郎ver.1」カテゴリ一覧
エネルギー関係 スポーツ関係・野球関係
リサイクル 宇宙関係 音楽関係 科学について
言葉 子ども関係 自然関係・環境関係 手話関係
消防・水道・新聞 障害・医師関係 乗り物関係
植物関係 食べ物関係 世界・政府関係 昔の遊び
動物関係・恐竜関係・昆虫関係 農業関係
博物館・資料館 暮らしと生活
2 日常の活動
現在、毎週金曜日に校内放送を実施しているが、その内容の一つとして「ものしりクイズ」を放送している。これは、小低・小高・中学部それぞれに合わせたクイズを出題し、解答用紙を提出するというもので、クイズの作成にはプレゼンテーション用ソフト「Power
Point」を用い、番組に興味を持つような画面づくりを工夫している。ここでねらっていることは、クイズに解答するために画面のなかの情報を積極的に得ようとする気持ちの育成である。また、問題を朝放送し、解答を昼に放送することで自分が正解だったか興味をもって見ることができると考えられる。
校内放送「ものしりクイズ」写真

写真1.タイトル
札幌聾学校校舎を背景としている。

写真2.小低用問題
小低の児童には、写真などのわかりやすい問題を出題している。

写真3.小低用解答
解答は写真とそのものの名前をわかりやすく提示するよう心がけている。

写真4.小高用問題
写真5.中学部用問題
小高や中学部の児童生徒には発達年齢に合わせて、時事に関する問題や科学、歴史、地理などの問題を出題している。
3 おわりに
以上のように、研修では教員の情報保障の能力を高めることによって、児童・生徒に対して充分な情報を提供するとともに、情報を活用している手本を示し、その能力を育成していくことができると考えられる。
また、日常のなかでの校内放送などで児童・生徒の情報を集める力(自ら積極的に情報を獲得しようとする意欲、様々な情報の中から自分に必要な情報を選択する力)を育てることができると考えられる。
さらに、校内LAN整備事業により、近々各教室にコンピュータが配備されることから、インターネットによる情報収集が身近なものになり、児童・生徒のコンピュータ操作の向上が必要であると考えられる。
なお、本校ではホームページ作りにも力を入れ、様々に趣向を凝らしたページを作成するように心がけている。