チームについて

沖縄フェニックスのメンバーのほとんどは、仕事中の事故や交通事故などで、 頚椎という部分の神経を損傷した方々です。以下、頚椎損傷のことを頚損(けいそん)と呼びます。 頚椎は首の骨の中にあり、背骨の神経(脊髄)の一番上にある神経です。 頚椎を損傷すると、その損傷箇所から下の神経がすべて麻痺してしまいます。 よって、頚椎の損傷する箇所が頭に近くなるほど頚損者の障害は重くなります。 頚損者は車いすの生活ですが、健常者がただ車いすに乗っているのとはまったく違います。 頚椎を損傷した箇所や程度の大きさによって障害が違いますが、代表的な障害を次に挙げてみました。

※ここに挙げているのは、ほんの一握りの障害です。他にじょくそうの危険性や排泄の障害などがあります。

汗をかくことができない

自律神経の働きである発汗機能が失われるため、周囲の環境に応じて体温調節ができず、暑くても汗を全くかきません。 例えば、夏場など気温が高いとき、何もしないでいるとどんどん体温が上がっていき、逆に低いと体温もどんどん下がっていきます。 健常者より敏感に気温の変化に反応します。暑いときは霧吹きで体に水をかけ、気化熱を利用して体温を下げます。 夏場では氷・ぬれタオル・霧吹きは必需品です。昔は発汗機能の損傷は死に至るとも言われていたようですが、 夏には30度以上になる体育館で練習しているメンバーの中でも、暑さで重大な事故に至った者はいません。 症状としてはめまい・意識もうろうなどは日常茶飯事です。

下肢だけでなく、上肢にも障害がある

上半身の運動機能、特に手や腕にも障害があります。例えば、重度の頚損者は、握力がない、指(先)を動かせられない、腕を真上まで上げることができない、腰がきかないなどがあります。

握力の全廃

たいていの頚損者は、指の根本はちょっとは曲がるが、指先にいたってはまったく動かせないことが多いです。 この障害のため、例えばツインバスケットでの試合球は5号のゴムボールを使います。 一般のバスケットで使われる皮のボールだとつるつる滑ってしまいます。「滑る」というのは、自分ではボールを取ったつもりが、 手と手のあいだをボールがスルッと抜ける...という感じです。健常者なら、グーでボールを取るのと同じ感覚でしょうか? よって、ツインバスケットの世界では「あれ?なんでこんなパスが取れないの?」ということがよく見られますが、たいていの原因は手にあるわけです。

腕を上げることができない

この障害は、より重度の頚損者に多く見られます。腕を上げることができないということとは、 つまり腕の三頭筋を動かす神経が麻痺しているということです。このとき、ボールを上に投げても上のリングに届きません。 また、ドリブルさえも困難になります。このような選手のために高さ1.2mの低いゴールを設け、 さらに新しいドリブル方法を考慮したものがツインバスケットというわけです。

腰がきかないということ

健常者なら椅子に座った状態で、支えもなしに上体を前に傾け続けることは簡単ですが、 頚損者は何か支えがないとできません。これを「腰がきかない」と言っていますが、 要するに腹筋・背筋を動かす神経が麻痺しているわけです。自動車の運転中にカーブを切るときの遠心力でも体が倒れかかり、 ハンドル操作を誤りそうになってヒヤリとすることもあります。ツインバスケットではプレー中に、 乗っている車いすの遠心力などで上体が倒れてしまうことがよくあります。腕の力が弱い選手などは自分で上体を起こすことができず、 試合を中断してマネージャーが起こすこともあります。