大 会 宣 言

 そばと豊富な温泉、そして人にやさしい福祉の町といわれる新得町で、本日、第54回全道ろうあ者大会を開催するにあたり、ご理解とご支援を賜りました新得町をはじめとする関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。

 「障害者総合支援法」が4月から施行されました。これは、私たちが求めていたサービスの原則無料化や給付を制限する「障害程度区分」の廃止が見送られました。
私たちを含む全ての障害者の願いが反映された障がい者制度改革推進会議「総合福祉部会の提言」と障害者自立支援法違憲訴訟団との基本合意文書を尊重した新法の制定は反古(ほご)にされたということです。

それでも私たちは、すべての障害者の共通した運動によって、障害者差別禁止法の実現をめざし、障害者権利条約の批准(ひじゅん)を確実に推し進め、障害者の完全参加と平等を実現させることができると確信しています。

 道民各層の支持を得た運動は、「障害者基本法」に「手話は言語」を入れるという歴史的な成果をあげ、さらに、全ての人が安心して豊かに暮らせる社会の実現をめざして、「情報・コミュニケーション法」と「手話言語法」の法制化に取り組んでいます。

  21世紀を「社会的障壁を取り除き人権の時代にする」ためにも避けて通れない運動です。歩みをとめることなく運動を展開していくことをここに宣言します。

                                                                                                                  2013年8月31日
                                                                                                       第54回全道ろうあ者大会

 

 

大 会 決 議

1.国連・障害者権利条約の批准と国内法の整備のために
  1)国内法整備にあたっては障害当事者の参加を求める
  2)障害者差別を禁止し、手話を言語と位置づけ、コミュニケーションを権利とする包括的(ほうかつてき)な法整備を求める
  3)障害を理由とした不平等な取扱基準などの撤廃(てっぱい)を求める

2.聴覚障害者情報提供施設の早期設置のために
  1)情報・コミュニケーション障害を抱える人たちを支援する基幹(きかん)施設としての位置づけを求める
  2)CS通信放送による情報発信設備、手話通訳、要約筆記、盲ろう者触手話通訳などのコミュニケーション支援、人材育成機能を
     備えることを求める

3.手話通訳制度の法的確立のために
  1)手話が音声言語と対等となるよう法整備を求める
  2)手話通訳者を正規職員として一定数採用することを公的機関に求める
  3)頸(けい)肩(けん)腕(わん)障害を予防するための学習、社会的理解、予防体制確立を求める
  4)コーディネート業務の制度的確立を求める
  5)手話人口の裾野(すその)を広げ、通じ合う環境を創る

4.聴覚障害者教育の充実と発展のために
  1)ろう学校の単独障害学校としての存続、ろう学校の名称存続を求める
  2)聴覚障害児の学力的、集団的発達を保障し、ろう者として生きる力を育てるろう教育を求める
  3)学校現場における聴覚障害への理解を深めるとともに教職員への手話研修の義務付けを求める
  4)聴覚障害者教員の積極的な採用及びろう学校教員の専門性を尊重した人事異動を求める
  5)ろう重複障害児への教育を一層充実させるとともに卒業後の労働、生活、発達権の保障を求める
  6)聴覚障害者の高等教育、生涯教育の場においても手話通訳等の情報保障を図り、教育を受ける権利が等しく保障されるよう求
     める

5.福祉制度の充実のために
  1)日常生活具の範囲拡充と給付制限の撤廃を求める
  2)障害基礎年金の所得による支給制限の撤廃を求める
  3)聴覚障害者も利用できる『緊急放送・通信システム』の確立を求め、市町村における普及を求める
  4)テレビ放送は、手話と字幕を義務付け、映画やDVDなどの映像作品全てに字幕をつけることを求める
  5)緊急避難所・公的施設に『アイ・ドラゴン』を設置することを求める

6.ろう重複障害者が働き、生活できる社会の実現のために
  1)ろう重複障害者の生活と職業実態を明らかにするよう求める
  2)ろう重複障がい者の発達保障のため、生活・労働施設の拡充と必要な人件費の制度的保障を求める
  3)ろう重複障害者のための共同作業所やろう者が対象のデイサービス活動に支援を求める
  4)盲・ろう者のコミュニケーションと移動支援の保障を求める

7.ろうあ者相談員の全道的設置のために
  1)国に対してろうあ者相談員制度の創設を求める
  2)ろうあ者相談員を正職員として採用することを求める
  3)聴覚障害者情報提供施設の相談員人件費の保障を求める
  4)ろうあ者相談員の専門性確立と資質向上のため、国による継続的な研修制度を求める

8.聴覚障害者が希望を持ち、豊かに生活できる労働環境の保障のために
  1)ろう学校での職業教育の内容・設備につき、人的・物的両面での充実を求める
  2)手話協力員の業務の位置付けを明確にし、正職員として採用、設置を求める
  3)職業安定所担当官、手話協力員など、職業関係担当者の研修のために、北海道労働局主催による継続的研修会の開催を求
     める
  4)職場研修や会議、技術習得の機会などへの参加保障のために手話通訳派遣制度の新設及び、職場定着を支援するジョブコー
     チ支援事業の充実拡大を求める

9.文化・スポーツ活動を推進するために
  1)ろうあ者による美術・演劇・文芸などの文化活動を広げ、進めることができる条件整備を求める
  2)生涯スポーツ及び競技スポーツ活動を広げ、条件できることを求める
  3)誰もが健康で豊かにスポーツを楽しめることができる条件整備を求める
  4)デフリンピックをパラリンピックと同等に位置づけること、理解を広めることを求める

10.ろう高齢聴覚障害者のために
  1)利用する制度、手続きの全ての階段で、充分なコミュニケーション保障を求める
  2)一般老人ホームでもろうあ者の対応が可能となるよう、有資格者(ゆうしかくしゃ)のろう者、手話通訳ができる介護福祉士の採用
     と職員の手話講習の推進を求める
  3)ろう高齢者専門施設の増設と職員の人件費増額を求める
  4)福祉サービスを利用する際の応益負担撤廃を求める

11.ろう者の参政権保障のために
  1)全ての政見放送に公的責任で手話通訳をつけるよう求める
  2)手話通訳者を『選挙運動に従事する者』とする公職選挙法の規定を撤廃し、中立・公正を基本とする通訳者としての処遇(しょぐ
     う)を求める

                                                                                                                            2013年8月31日
                                                                                                                 第54回全道ろうあ者大会


 

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