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報告

感想


第7回 視覚障害者全国交流登山

西日本集会受入準備着々と進む

大理石の案内板、<点字,堀込地図付>
仮設トイレの設置,受付に高校生スタッフ

「全国交流」開催に向け、主管のH・Cかざぐるまを中心に京都、兵庫、岡山の視障山の会での受入準備が進んでいます。
昨年10月下旬の第3回下見では地元鳥取県、赤碕町の行政担当の方々、地元登山界、自然観察グループ等多彩なメンバー約60人での踏査がされました。この下見報告に基づき、県では登山施設のバリアフリー化計画に着手され、点字付案内板5ヶ所の設置、登山コースの整備等様々な改善策が決定、着手されています。
又、今秋の「全国交流」で船上山頂のトイレが不足している指摘では、山頂近くに4基の仮設トイレが県、赤碕町で予算化されました。
各地からの参加者の送迎、スタッフの送迎、さらに地元市町村からの参加者の為の大型バス4台、マイクロバス2台のチャーター、運行も赤碕町当局の援助で予算化されています。
受入の為のスタッフも鳥取県中部域高校から多数の高校生が応募し、受付、会場案内にあたる事となっており、町と町民ボランティアでの地元スタッフは200人を超える見込みとなっています。

登山、コンサート参加で
1,000人を越える参加の見込み

現在、各地からの視障山の会とその関連参加は約500人、地元の一般参加、スタッフで300人〜500人が想定されます。
又、夜の記念コンサート参加は会場の収容力の関係で600人迄とする事になっています。
宿泊施設の関係で地元鳥取県、島根県の参加は原則として日帰り参加とさせてもらいます。
今度の「全国交流」では県、町の行政当局の力強い支援と共に、地元の教育関係者、登山や自然観察グループ、各種団体等広範な支援の輪が広がっている事が特筆されます。

5月18日〜20日 地元での
受入合同会議とコースの下見を予定

第4回目の現地下見と受入の為の合同会議が、地元赤碕町県立船上山少年自然の家で開催されます。この会議には、次回開催を担当する予定の東京の六ツ星山の会から長沢泰代会長他2人の出席、岡山、京都、兵庫、かざぐるまから約20人、県、町の行政担当、ボランティア団体、登山団体等や各高校の担当教師で60人前後の出席による打合せがされます。
翌日は前回下見ができなかった「川床〜大休峠〜一向ヶ平」コースを重点に調査を行ないます。
この調査では県の担当者も同行し、「道標」の設置個所の決定、危険個所の改善等が話合われます。

みんなで成功させよう!

競技スポーツ以外の障害者スポーツに対し、行政が関わる初のケースとして注目されます。又、障害者の登山は“登山界”、行政、教育、ボランティア団体との協力支援の関係が確立し、社会的理解が広がる事が重要な柱であると考え、その努力をはらってきました。
地元鳥取県、赤碕町の行政の方々は、私達の願いをストレートに受け止め、県民、町民の方々へ協力のサインを出して頂きました。
この「全国交流」は国内各地へ一定の影響を与える催しとして準備を進めて参りました。
全国交流の10月27日〜28日迄、約半年となってきました。各会員のみなさんの力でこの催しを成功させたいと思います。御協力をお願いします。


第7回 視覚障害者全国交流登山・西日本集会
実 施 計 画


「全国交流」が近づき、主管のH・Cかざぐるまと近畿、中国地方の視障山の会での下見と企画検討がされてきました。開催地、鳥取県、赤碕町の行政当局、地元登山団体、福祉関係での受入体制も着々とつくられています。
こうしたもとで当初の計画案も参加規模の見直し、宿泊、登山コースと参加目途も変更する事となりましたので、再度実施計画についてお知らせします。御検討をお願い致します。

* 実施予定日 2001年10月27日〜28日
* 開催予定地 鳥取県東伯郡赤碕町 船上山と周辺山域
* 宿泊地及び 県立船上山少年自然の家とキャンプ場
交流会場
* 主 管 H・Cかざぐるま
* 参加規模 500人
<内訳> 関西180人     東日本域60人
    四国・九州20人  島根20人
    鳥取170人     他中国50人
※ 鳥取県内参加者は原則として日帰り参加とする。
  参加内訳は(案)ですので今後検討をし変更もあり
  ます。
前回の上高地での全国交流で「参加規模が膨らみ、宿泊施設確保等困難となり国内を東西に二分割した集まりとする。開催区域外参加は代表的メンバー(運営委員等役員レベル)の参加にする」と決定をしました。このような制約のもとでも視障者の登山の広がりで、今回は500人を超える参加が予想されます。東日本域の方々にはこうした事情を御了解下さい。
* 全体集結場所 県立船上山少年自然の家前 27日 AM8:00
* 参加分担金 10,000円(宿泊費,行事費他)
  ※ 日帰り参加の地元の方は無料です。
* 持ち物 雨具,水筒,敷物,行動食1食分,サブザック,
  地図,替衣類(入湯します),健康保険証又はコピー
  (27日の朝食は各グループで用意)
* その他 遠隔地参加で26日深夜到着の方の仮眠場所は県立船上山少年自然の家を用意しています。
* 交通利用 26日 PM8:00 JR三ノ宮駅
      PM8:30 JR大阪駅西口
  ※ 東日本域の方はこのバスを御利用下さい。
    必ず人数、氏名を御連絡下さい。(有料)
  ※ 列車利用の方はJR赤崎駅より船上山バス停下車
    (約30分)、又はタクシー利用

 日 程 
【10月27日】
◎ 登山前集合(交流登山開会式) 8:30〜9:30
◎ 登山開始 9:30
(初級コース) 300人規模
(1) 自然の家 〜 船上山頂 〜 船上神社 〜 自然の家
☆ 周辺でネイチャーゲーム,樹木、歴史のガイド

(上級コース) 50人規模
(2) 自然の家 〜 船上山頂 〜 船上神社 〜 勝田ヶ山 〜 自然の家

(中級の上コース) 50人規模
(3) 自然の家からバス移動 ⇒ 川床 〜 大休峠 〜 大山滝 〜 一向ヶ平(イッコウガナル) ⇒ バスで自然の家へ

(散策コース)
(4) 自然の家からバス移動 ⇒ 一向ヶ平 〜 大山滝 〜 一向ヶ平 ⇒ バスで自然の家へ
◎ 全コース共15:30を目途に自然の家へ下山
16:00〜17:30  入浴
17:30〜18:30  夕食
18:45〜20:30  記念コンサート
20:45〜21:45  交流会
22:00        就寝,消灯
(※以降交流したい方はテント場の交流広場で。
  但し、就寝者の安眠の妨げとなりますので部屋へは戻れません。)

【10月28日】
 6:30       起床
 6:30〜7:30  自然の家、テント場共撤収準備
 7:30〜8:30  朝食
 8:30〜      テント場メンバー バスで中山町ナスパルへ
 9:00〜      自然の家メンバー バスで中山町ナスパルへ
 9:00〜10:30 「ナスパル」入湯(3グループに分かれて)
11:00〜12:30 徒歩3分 ディサービスセンターへ
            お別れ集会と昼食
            ※ この間(9:30〜11:00)全国代表者会議をディ
              サービスセンターで開催。各地の代表メンバ
              ー複数で出席。
◎ 東日本地域参加の方で帰途の都合上、これ以前にバス発で帰途につくことがあります。(この場合昼食は車内での弁当となります)
◎ 以降、鳥取を周遊したい方は御相談に応じます。
◎ 土産物購入希望の方は時間がとれません。この為、現地の代表的物産品を宿舎周辺で臨時売店として出店してもらう予定です。
(土産物として好評物 − アゴ竹輪,長イモカマボコ,お多福マンジュ
 ウ,豊水梨,長イモ他)

 仮眠、宿泊について 
◎ 26日深夜自然の家前到着グループが多くなりますので、自然の家を仮眠場所として確保しております。
◎ 東日本と西日本域の参加の方々は自然の家宿泊です。但し、H・Cかざぐるまと支援登山グループはテント泊まりとなります。宿泊人数によっては、兵庫視障の会もテント泊となるケースも出ますので、御承知下さい。
◎ 利用交通機関として …
東日本域で参加の方は
  PM8:30 JR大阪駅 桜橋口(旧 西口)集合 バス発
  PM8:00 JR三宮駅集合 バス発
H・Cかざぐるま準備のバスが御利用できます。
− 直接列車で現地へ向かわれる方は、JR赤碕駅下車。バスで船上山
  行乗車、終点下車(約30分)。他にタクシー利用となります。


 催しガイド
27日 18:45〜20:30「記念コンサート」の出演は、岡山県蒜山高原へ移住し音楽活動を広げているボーカルグループ「フリーダム」を中心に、地元赤碕町の郷土芸能「荒神太鼓」(予定)を考えています。

『記念コンサート』の正式名近々決定!
記念コンサートには地元赤碕町を中心として周辺市町村の方々が多数参加されます。この為、JR赤崎駅から船上山少年自然の家間のシャトルバスの運行等検討をしています。コンサートの終了後、幾つかの会場に分かれて交流会を予定しています。「各地の地酒を持ち寄った交流も … 」などの要望も出ています。今回の全国交流では、地元鳥取県の山岳団体、視障団体をはじめ中国地方の視障山の会が大挙参加される事が特徴的です。
又、鳥取県、赤碕町、中山町、東伯町等の行政当局と県教委、県社協、赤碕町教委、赤碕町社協等福祉、教育機関の支援、県ライトハウス、県視障協等視覚障害者団体の協力で受入体制が強力に進められています。
マスコミ関係でもNHK、全国紙全ての後援、地元紙、テレビの主要機関の後援もあり、全国的ニュースとしても発信される体制も整いつつあります。

全国視覚障害者登山実行委員会
日 時  10月28日 AM9:30〜11:00
会 場  中山町ディサービスセンター
招 集  各参加団体から複数参加とし、主管団体は10人内外
     とします
議 題  @ 次期「全国交流」の主管団体の決定
     A 今後の「全国交流」の方向性
     B 各団体の紹介、交流
     ※ 各参加団体は必ず代表を決定し参加をして下さい。

各会紹介原稿のお願い
= ニュースに掲載します =

「全国交流ニュース」に国内各地の視障のみなさんの活動紹介をしたいと思います。B5版で1ページの内容で掲載します。

@ 会名
A 会員数
B 会費、入会金
C 例会山行など活動内容

上記内容を含めて“H・Cかざぐるま”事務所迄送付して下さい。

〆切期日:2001年1月末日


第7回「全国交流」開催予定地 船上山域を下見

= 県、町の行政当局、地元登山団体との合同で =

10月28〜29日、第3回の船上山域を3コースで下見を行いました。今回は来年10月27〜28日開催モデルの1/5規模で行い、視障の山の会は岡山、広島、兵庫、大阪の4団体、地元登山団体は鳥取、島根の労山県連、赤碕町体協山岳部、県中部福祉事務所、福祉センター、赤碕町、中山町社協、更に植物に親しむ会、大山町議員等多彩な方々約70人が同行された。
心配された鳥取西部地震の影響は少なかったが、川床〜大休峠〜一向ヶ平のコースは土砂崩れで二ヶ所ルートが壊れ、入域禁止となっているが、来春には開通するとの事でした。
登山道の安全確認、道標、案内板、休憩所等のバリアフリーについての点検も行った。
28日夕刻、それぞれの下見コースメンバーが下山し、近くの親水キャンプ場でキャンプ。ルート途中で採取した茸も入れた芋煮会で鍋を囲んで味わった。夕食後、ボーカルグループの代表原田義雄さんの演奏でミニコンサート。リクエストをして皆で合唱も楽しんだ。
開催地の田中満雄赤碕町長も担当の町職員の方と参加され、清酒5本、ビール等たくさんの差し入れをされ、「町は財政的には豊かではないが、福祉と心豊かな町づくりをしたい。皆さんが喜んでいただけるよう受入体制をつくりたい。」と歓迎の挨拶をされました。キャンプファイアーの炎の下で夜遅く迄交流が続きました。翌29日、蒜山へ車で移動し、食事、温泉入湯をし、各地へとお別れしました。この時期紅葉で美しいブナ林を散策した事はとても印象的でした。又史跡の山ですので、植物を楽しむ会の長兼己さんの船上山についての歴史、伝承のお話に熱心に聞き入りました。
今回の下見結果は全国実行委員会で検討を行い、県、町へ要望点も入れ以下の様に報告としてまとめました。

第7回 視覚障害者全国交流登山・西日本集会
開催に伴う下見報告

= 2000年10月28日〜29日 船上山〜勝田ヶ山で実施 =

≪目 的≫
2001年10月27日〜28日開催の「全国交流」の下見として
@ 登山路・施設のバリアフリー、ユニバーサルデザインの立場と安全確保上の点検
A 鳥取西部地震での登山路の影響の把握
B 中国地方の関連団体、県、赤碕町の担当者との意見交換と交流

高齢化社会の到来のもとで、身体にハンディを持つ方々と“共に生きる”事が社会生活の全ての分野で求められています。私達は高齢者も年少者も、健常者も身体にハンディキャップを持つ方もこの社会で大切な構成員である事を、視覚障害者の登山運動を通じメッセージとして届けたい … そんな願いで活動してきました。
山と自然は身体のハンディを越え“共に生きる”事を自然体で受け入れる事を教えてくれます。今回の開催地赤碕町、県は土の温もりのように私達の願いを受け入れてくれました。今回の下見の結果、気の付いた事柄を列記しました。何分にも短時間の作業で報告書としてまとめ、不十分となっている点も見受けます。気懸りですが以上御報告します。

<施設・登山道について>
(1) 案内板
ススキヶ原の案内板を含め風雪等に長期にさらされた事で傷み、又は吹飛ばされその役割が果たせていないものが多く、新設が必要です。視覚障害者(以下視障者とする)はそのハンディにより情報障害者とされてしまいます。この為のバリアーをなくす努力が必要です。山と自然の情報を伝える案内板が、その一定の役割を果たせるようにしたい。他の人から伝えられるより自分で読み吸収する事は、視障者の積極的に生きる姿勢に関わる事柄です。全盲、弱視者に配慮したものが必要で、この事はユニバーサルデザイン(高齢者、年少者をはじめ全ての人の利用)に通じる立場で考慮が重要です。
触れて読む全盲者と共に視力に頼る弱視者、高齢で視力に若干のハンディのある方の利便を計る為、点字、触地図の案内と共に墨字(文字)による案内も必要です。この為には案内板の位置、高さ、文字の大きさ、コントラスト、逆光位置でない事、周辺の色による文字の色調も検討が必要です。(資料@を参考)
  ※ 設置場所 … 自然の家近くの登山口、ススキヶ原休憩所付近

(2) 道標と設置場所
全盲、弱視者と共に高齢者、年少者へ配慮したものとする。
@ 点字表示、コントラストのある文字
A 位置は歩道から手を伸ばして触れる位置で、大人の肩の位置から腰の高さ位置とする                     (資料@を参照)
(設置場所)茶円原、中腹林道の登山口、横手道分岐、勝田ヶ山頂
※ 船上神社裏手から勝田ヶ山間は原生自然域としてあまり人工物は設置しない。

(3) 登山道
<県立船上山少年自然の家 〜 船上山休憩所 〜 船上神社>
現状の登山道に大きく手を加える事は避け、自然の景観、歩道の自然の在り様は視障者の“足で視る山”(雫石鉱吉著書より引用)として楽しみ方の大切な要素です。しかし粘土質の滑り易い個所が随所に見られ、今回の下見でもメンバーが何度となく転倒する場面がありました。「全国交流」での利用のみならず一般利用者の安全登山の立場から、この機会にルートの安全な利用法として以下の提案をします。
@ 粘土質で滑る事が想定される個所へは …
− 粗い砂の散布による一時的処置
− 麻ムシロ等の敷詰による滑り止め。但し限定的とする
− 横木を滑り止めとして埋め込む。但し階段状が続くといった工事は避ける
− ロープを綱状にして埋設して滑り止めとする
A 歩道の笹、枝、倒木については利用者の体に直接当たるようなものは刈り込み、枝払い、撤去が必要となりますが、極めて限定的とすべきです。少々笹、草が足元に触れる事は視障者も含め自然体験の一つとして必要です。
※「全国交流」でのこのコース参加は300人を予定

<船上神社 〜 勝田ヶ山> … 原生自然型区域
船上神社裏手から稜線伝いに伸びる勝田ヶ山縦走路は我国屈指ともいえるブナ巨木原生林となっています。ミズナラ、大山キャラボク等貴重な植生帯です。自然保護の立場と共に原生自然域での入山は入山者の登山レベルによって安全が確保されるべきで(セルフレスキューの原則)、安全理由での人工的手段は考慮すべきでないと考えます。基本的には風雪による倒木の登山路のさえぎり、笹、枝張による顔面損傷等が考えられる場合外、手を加えないものとする。一部狭くなったり、滑り易くなっている個所もありますが、この程度はリーダー能力、パーティのメンバーシップ、サポート能力等登山力量で充分通過できるものと判断できます。「全国交流」では一定の登山力量を持ったメンバー50人程度の参加とします。
※ 過去鈴鹿山域で「全国交流」を行った際、地元自治体の好意で登山路の周囲約4M幅が刈り込まれ「自然保護、自然と触れる楽しみ方が薄れた」との指摘がされた。

(4) ススキヶ原の休憩所の改善について
現休憩所は不潔で暗く使用に供するには不適当です。新しく建造される予定と聞きます。新しい休憩所とトイレについて、以下の点について検討される事を要望します。船上山は多くの県内外者の訪れる地です。手軽に登れ歴史的な史跡の地であると共に景観、特に広大なブナ林は家族、グループ、団体の訪問地となるでしょう。当然天候急変時の避難、トイレ利用と多目的の利用となります。
この際オーバーユース(過剰利用)として指摘されるのは、トイレ設備の不充分さによる排泄が自然林の中で行われる点です。今回もススキヶ原〜船上神社間で見受けました。
自然景観を損なうばかりか楽しい印象も失うという問題を残します。又、休憩所、トイレがユニバーサルデザインに基づくものである事も今日的に要請されています。
@ 学校教育の一環としての集団登山、又社会団体の訪問等50人〜100人の一時的利用としてのトイレ個数は、県立船上山自然の家バス停近くのトイレ(女性4,男性小4,大1)の利用数程度は必要です。現茶円原休憩所のトイレ(女性2,男性2,大1)の利用個数がモデルとなればオーバーユースとしての問題が懸念されます。
登山口から船上山頂への登山時間に加え、休憩所周辺での休憩、昼食時間を考えると、各人がトイレを利用する事で利便上問題です。前記個数は確保したいと考えます。
A トイレでの男女別、便器、手洗いの位置、利用法の点字、弱視者向け表示が必要です。視障者を含む身体にハンディがある方の自立保障はアウトドアの分野でも大切にしたいと思います。


(5) まとめとして …
国内において自然公園での身障者、高齢者の利用について国、地方自治担当機関で即応した対策が講じられる機会がないまま今日を迎えています。民間においても登山団体、障害者団体、支援グループ間で急増するこうした方々のニーズに戸惑い、対応が遅れています。関連する文部省、厚生省、環境庁の省庁と共に登山関係団体、ボランティア組織等を中心としたネットワークが必要です。現在、国立、国定公園でのバリアフリー化は、休憩所、トイレ等一部限定的実現を見受けますが、あくまで一般観光者向けのものであり、ワイルドな登山分野の領域へは全く考慮されていないのが実態です。高齢化社会は一層進行し、厚生省は2000年10月に「行動制限者65歳以上の高齢者2,190万人、障害者300万人」の数字を示し、人口の20%近い数値としています。これらの方々が自然を楽しみ、自然の中で体を癒す事は最も人間的な行為の一つとして広まっていく事でしょう。
平成8年の自然公園利用者10億771万人(1996年 環境庁自然保護局)となっています。平成6年に閣議決定された「環境基本計画」では「人が自然に学び、自然を体験し、自然の恵みを感じられるよう様々な自然との触れ合いの場を確保する … 施策を総合的かつ計画的に推進する」と定め、自然との触れ合いは高齢者も身体にハンディのある方も等しく享受すべき権利であるとうたっています。
「共に汗を流して山頂を踏むあの達成感の共有、自然との出会いは身体のハンディを越える真の意味でのノーマライゼーションを育てる場所だ」と主張する人達が増えています。こうした体験の場として、船上山はモデルとすべき適地と考えます。過去、島根県中部の三瓶山へ視障の山の会H・Cかざぐるまが登山に行きました。この時、金属製の立体地図(触地図と案内)が設置され、聴覚障害者の為の手話通訳、視障者向けの自然観察ガイドが派遣されました。ビジターセンターの職員、登山団体が数年間がかりで養成したとの事でした。このような努力とハード面でのバリアフリーが発展する事が大切だと考えます。こうした努力の成果としてこの地域の健全な発展、協調が保障されると関係の方々が意気高く語られていた事がとても印象的でした。
「全国交流」の開催が国内各地からの参加の方々、マスコミ報道、関連スポーツ雑誌等を通じその成果が広まって欲しいと願うと共に、鳥取県民の方々に貢献できる分野として努力をしたいと考えます。
<記述担当 徳本茂孝>
※ 記述参考資料として3点を同封します。
  川床 〜 大休峠 〜 一向ヶ平コース下見はルートが地震被害の為入域禁止
  となっており、来春の下見とします。

「全国交流」船上山開催で中国地方で受入体制が進む

= 鳥取県、赤碕町行政当局、登山団体、
視覚障害者団体、マスコミ機関の支援で =

第3回下見が船上山域を中心に10月28〜29日行われた。鳥取西部地震でのコースの影響調査を含み、危険ヶ所チェック、施設のバリアフリー化等、県中部、福祉事務所、赤碕町関係部局、町体協山岳部、植物に親しむ会、中山町社協、大山町議、鳥取、島根県労山など地元協力参加と共に視障山の会、広島、岡山、兵庫、大阪が参加し、調査と交流を深めました。(調査結果は別紙にまとめていますのでお読み下さい。)
今回の下見は約70人の参加があり、紅葉時期でキノコの収穫もありました。28日夜親水キャンプ場ではテント11張で、今日の下見で採れたキノコで “芋煮会”を味わい、ボーカルグループフリーダム代表の原田義雄さんの演奏でミニコンサートを開き、リクエストで合唱したりと楽しい時間を過ごしました。町担当職員の方と参加された田中満雄赤碕町長は「町の財政は小さいが、福祉豊かな町づくりを進めたい。皆さんが喜んで頂けるよう受入体制をつくりたい」と歓迎の言葉と共に清酒5本他沢山の差し入れを頂きました。
開催まで一年を切りました。
開催迄のスケジュールは以下の予定としています。

第4回下見     2001年5月18日夜〜20日
第5回下見        9月29日〜30日
全国ニュースおよび開催内容郵送  4月
       〃         7月
参加申込受付と〆切        6月〜9月10日
※ 東日本地域の参加受入については、宿泊施設の収容上一定の制限があります。
 後援決定
以下の公共団体、関連団体、報道関係の御支援を頂きました。
鳥取県、鳥取県教育委員会、鳥取県社会福祉協議会、赤碕町、
赤碕町教育委員会、赤碕町社会福祉協議会、東伯町、中山町
(報道関係)
NHK鳥取放送局、日本海テレビ、山陰放送、東伯地域有線放送
(以上はテレビ局)
朝日新聞鳥取支局、毎日新聞鳥取支局、読売新聞鳥取支局、
産経新聞鳥取支局、日本海新聞、山陰中央新報、毎日新聞社点字毎日
(協力団体)
社会福祉法人鳥取県ライトハウス、社会法人鳥取県視覚障害者福祉協会