こだま361号 2008年6月号


  目次
視点…1
東視協第42回総会報告…6
「特別決議」特養マッサージ師問題…15
第42回東視協総会アピール…19
岩田夫妻の結婚を祝う会…23
【連載44】なぜか53年前に盲学校寄宿舎で始まった全点協運動…24
教養講座に参加して…28
情報アラカルト…30
ありがとうコーナー…31
役員会だより…33
日程情報…34
編集後記…37
(目次 終わり)

   視点
  マッサージは国家資格です
 サウナや健康ランドでマッサージを受ける人が増えています。でも、このほとんどが無免許者です。また、「カイロプラクティック」「整体」「タイ式マッサージ」「リフレクソロジー」などの看板を堂々とあげ、無免許でマッサージが行なわれています。これを国は、「害がなければよい」と放置していますが、はたしてそうでしょうか。

  無免許は危険と、国会議員338人
 上のような無免許マッサージによる健康被害や社会犯罪を防ぐため、取締りを求める声が日ごとに高まっています。46の都道府県議会が請願を採択したのに続いて、06年の国会では、党派を超えて338人もの国会議員が取締りの請願に賛成しています。

  女は「肩こり」、男は「腰痛」が第1位
 国の調査(国民生活基礎調査)で、つらい訴えの第1位は、女が「肩こり」、男が「腰痛」で、この2割の人がマッサージなどにかかっていると答えています。さらに、リハビリ、スポーツ、美容などマッサージはその応用範囲を拡げています。マッサージの科学的効果は未だ解明されていない部分も多いのですが、これからの研究成果が大いに楽しみな分野です。

  マッサージは有資格者に
 マッサージ免許は、専門の学校3年以上を卒業後、厚労大臣が行なう試験に合格した者に与えられる医療国家資格です。これまで、無免許を放置してきた国も、「有資格者による施術を」とホームページで啓発するようになりました。マッサージは、免許証の掲示がありマッサージ師の組合に加入した正規のマッサージ師から受けるようにしましょう。

  無免許マッサージによる犯罪と被害 ― マッサージ店等でのスキミング被害が多発(VISAカードホームページから)
 最近、マッサージ店等で荷物を預けている間にカードをスキミング(カードの磁気データを盗むこと)され、カード情報を盗まれる被害が多発しております。カードは肌身離さず厳重に管理していただきますようお願いいたします。「ご利用代金明細書」に利用覚えのないご請求がございましたら、速やかにご連絡ください。

 肩こりをほぐすマッサージを捻挫の治療と偽って保険請求し、療養費をだまし取ったなどとして、警視庁組織犯罪対策1課は14日までに、詐欺容疑で東京都練馬区の「やわら整骨院」経営の中国人ら3人を逮捕、柔道整復師の男(29)を書類送検した。同課は、約3年間で約220の自治体や企業から計6000万円以上を詐取していた…。整骨院では、柔道整復師が行う骨折や捻挫の治療でなければ保険請求できない。徐容疑者らは肩こりを捻挫と偽ったり、施術の回数を水増ししたりして請求していた。マッサージ15分680円と格安だったため人気があり、1日約800人が訪れていたという。(06/11/14)

  治療装いわいせつ容疑、全国展開の整体院代表 逮捕へ
 治療を装って20代の女性にわいせつ行為を繰り返したとして、大阪府警は4日、大阪市東成区の整体院代表の男(58)について、準強制わいせつと医師法違反(無資格医業)の疑いで逮捕状を取り、事情聴取を始めた。容疑が固まり次第、逮捕する。男は東京や広島、沖縄など全国10カ所で整体院をグループ展開。
 東成署の調べでは、男は今年7月1、10の両日、交通事故に遭い、痛みを訴えて来院した奈良県の女性会社員(22)に「尾骨が曲がっている。今、治さないと、とんでもないことになる」などと言い、下着を脱がせて下半身を触るなど、医師の資格がないのに医療行為をした疑い。男は休診日にも女性を呼び出し「治療のため」と話して下半身を触ったり、抱きついたりしたといい、不審に思った女性が同署に届け出て発覚した。同署は、エックス線写真を撮らずに下半身を触るだけで尾骨のゆがみは矯正できないとの整形外科医らの証言から、男が当初からわいせつ目的だったと判断したという。来院した他の女性にもわいせつ行為をしていた疑いもあるとみて調べる。
 整体師は、国家資格を必要とする、はり師や柔道整復師と異なる民間の資格で、整体院を開設する場合にも保健所などへの届け出はいらない。(後略)

  「訴え! これでも無免許放置しますか! 国に無免許マッサージ取締りを強く求めます!」
 ☆ 無資格追放ビラを編集委員会が編集し直して掲載しました。

   東視協第42回総会報告
     事務局長  織田津友子
 東視協第42回総会が、6月1日東京都障害者福祉会館を会場に開催され、51名(委任50名)の会員が出席しました。
 総会では2007年度運動のまとめと同決算を承認し、2008年度運動方針と同予算を決め、2008年度役員を選出しました。
 岡村晴朗さんと加藤厚実さんが議長となって進められた討論では、東視協結成40周年関連で、4つの事業をみんなで成功させたこと、組織委員会が作ったリーフレットはたくさんの施設や病院などに置いてもらい、好評であること、音響式信号機の設置や点字ブロックの敷設、長年の要望であった山手線全駅に可動柵設置の発表、支部や専門部も創意と工夫で活動されたことが報告されました。
 また会計監査より、東視協の存在を大きくする意味からも、東視協から発送する封筒に印刷したらどうか、決算書にはいつでも誰でもわかるようにコメントを付けたほうがよいと意見が出されました。
 情勢と運動方針案についての討論では、山手線に可動柵が設置されると、安全は保障されるが駅職員が減らされるなど、新たな心配が考えられる、会員を増やし会を大きくすることなどが出されました。モード学園関係では東京のあんま科設置は阻止したものの、これからも眼は離せないと発言がありました。慶弔規定も1年かけて論議することが決まりました。また一部 規約改正が提案され、「相談役」の項を設けることが決まりました。
 総会では、「特養マッサージ師が働き続けられる制度の創設と、視覚障害者の就労促進を求める決議」の特別決議と「第42回総会アピール」を採択し、以下の役員を選出しました。
 またこの総会に、小林義弘氏(障都連会長)と大山とも子東京都議会議員(日本共産党)から連帯のご挨拶をいただき、コカコーラボトリング社よりお茶の寄贈をいただきました。心よりお礼申し上げます。

  2008年度東視協役員紹介(敬称略)
会長    栗山 健
副会長   田中 章治・野島潔
事務局長  織田津友子
事務局次長 川井 由美・菅井 孝雄
会計    加藤 厚実
運営委員  稲垣実・内田 邦子
支部長   梅村 秀(東部)・小板橋靖彦(西部)・下奥 重望(南部)・山城 完治(北部)
専門部長  沢 真由美(女性部)・滝沢由紀子(青年学生部)
会計監査委員 井上 毅三・土井 茂樹
相談役   鈴木彰

  総会参加者の感想
 今年の総会には初参加が2名、久々に参加された方が1名おられました。3人の方の感想を記します。

茅野(かやの)トシ子:私は長い間、土建組合の婦人部長をやりました。10年くらい前に眼が悪くなり、その後東視協のことを知り、入会して4、5年になります。今でも地域で、私の出来ることをやっています。憲法9条を守る運動、障害者の気持ちを無視して、福祉はどんどん削る、後期高齢者医療制度の保険料は年金からしっかり徴集されることに怒りを抑えられません。
 そして、私がよく利用する池上線に車掌が乗車していないことに私は怒っています。この線は固定柵という危ないものが敷設されています。視覚障害者にとって危険柵と車掌のいない電車は本当に困ります。改善を求める運動もしていきたいと思います。
 初めて総会に参加しましたが、東視協の会があってよかったと強く思います。高齢ですがまだまだ元気です。皆さん、一緒にがんばりましょう。

佐伯順治:入会して半年ですが、わからないことがたくさんあるので、いろいろ勉強していきたいと思います。これからもよろしくお願いします。

西村利光:総会に参加するのは20年ぶりくらいかなあと思います。仕事も定年になり、時間的に余裕が持てるようになりました。久しぶりに皆さんと会って、楽しい気分になりました。これからも参加したいと思います。

  「役員を退任して」
高山米子(会計):私は、今回の総会で、東視協の財政を預かる会計の役職をおりました。この原稿は、総会が終わって三日経った頃に書きましたので、まだおりたという実感がありません。23日に引継ぎをしますので、それでほっとするだろうし、その日が来るのを待ち遠しいくらいです。
 視覚障害者が公金を預かるのは大変な任務で、大変気骨の折れる仕事です。皆さん、会費はためずに素早くお支払い下さい。バトンタッチした会計担当の加藤厚実さんが任務を遂行しやすいように…。

織田 洋(運営委員):北部支部長を退任しました織田です。役員期間は事務局次長を含めると10年以上役員をしてきました。今考えると何をしてきたかよくわかりませんが、この10数年で東視協が組織としての活動が確立された時代だったと思います。その一部分を私なりに協力できたことは、今後の私の生き方を大きく左右することと思います。
 これからは、視覚障害者サポート・ゆいで皆さんのお役にたてる事業を計画したいと考えています。ご協力、お願いいたします。

  「新役員の挨拶」
栗山 健(会長):この度、鈴木彰会長の後を引き継ぐことになりました。総会では、音響式信号機の設置や点字ブロックの敷設、地下鉄大江戸線の可動柵設置化などの大きな成果をあげました。特に「駅ホーム転落事故ゼロ」の粘り強い運動が山手線ホーム可動柵設置へと向かっていることは大きな成果だと思います。東視協運動の伝統と歴史を継続・発展のため、また、新しい仲間を増やすために力を尽くします。

川井 由美(事務局次長):まずはパソコンの操作に慣れて、微力ではありますが、事務作業を少しでもできるように努力します。そして皆さんの足を引っ張らないように一生懸命任務を遂行します。一人でも多くの会員の意見、要求を吸い上げられるよう心がけます。皆さん宜しくお願いします。

加藤 厚実(会計):この度、当会の会計職に就くことになりました加藤厚実(あつみ)です。いきなり会の四役ということで、びっくりしています。慣れないこともあり、皆さんにはご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
 また会計職以外では、東視協ホームページの管理を加藤弘之さんから引き継ぐ予定で、こちらにも力を入れて頑張りたいと思っています。

下奥 重望(南部支部長):工賃が下がって、会費を納入し続けられるかが非常に心配です。そんな状況でこのたび南部支部長を引き受けました。南部は他の支部と比べ、行事をほとんど実施していませんが、お金をかけずに会員の交流や新会員の拡大に微力ながら努めていきたいと考えています。東視協に入会して11年、まだまだ会について知らないこともたくさんあります。どうぞよろしくお願いします。

山城 完治(北部支部長):支部長の仕事は初めてです。支部の例会や取組みに支部の仲間の声と力を集めたいと思います。豊島・北・練馬・板橋などへの要求を実らせる具体的な取組みができたら、そして私の次の支部長が育つようにがんばりたいと思います。

   「特別決議」特養マッサージ師が働き続けられる制度の創設と、視覚障害者の就労促進を求める決議
 障害者権利条約が採択され、障害者の平等と社会参加の推進と具体化が、社会と地域の大きな課題となっております。
 視覚障害者の自立と社会参加の基盤となる就労の状況を「平成18年度身体障害児・者 実態調査」(平成20年3月24日、厚生労働省)に見ると、視覚障害者の就業率は、21.4%(常用雇用労働者23.5%)となっております。これを東京に当てはめると就業者8千名(常用雇用労働者約1100名)となります。
 東京の特徴は、特別養護老人ホーム(以下、特養)に約130名(常用雇用労働者の約12%)が勤務していることです。他にはないこの就労を支えているのが、特養の視覚障害をもつあんまマッサージ指圧師に対する補助金制度です。同制度の発展は、東京における視覚障害者雇用の柱の1つであり、常用雇用労働者5%、5人に1人しか仕事に就けない状況の改善のポイントです。
 しかし特養マッサージ師の雇用と仕事に、いま不安が拡がっております。特養マッサージ師の雇用を支えている東京都の補助金制度が削減され廃止されようとしています。
 2000年4月から、新規採用が補助金から除外されました。制度が変わってから全盲者は特養に1人も採用されていません。1999年度には136名いた補助金適用者は、7年間で86名に減りました。東京における視覚障害者雇用の柱が崩れています。
 加えて、働く環境も視覚障害者の排除に向かっております。介護保険制度の下で、個別機能訓練計画書など事務量が急増、文字の読み書きに最も大きなハンディを持つ視覚障害者に重くのしかかっているのです。
 東京都は、10年後の東京において障害者雇用の推進をうたい、10年間で障害者雇用3万人増をめざしております。しかし、この計画には、障害別の目標がないなど、実効性と具体性が見えてきません。たとえば、1981年度から東京都がスタートさせた「身体障害者対象の特別枠採用制度」における点字試験の導入は、早急に実施されなければなりません。また、雇用されている視覚障害者に対するヒューマンアシスタント制度(職場介助者制度)の全雇用期間への延長の課題は、国と東京都の責任で解決されることが求められています。
 主旨と目標を、障害者の実態と制度の現状を踏まえて改善し、実現していって欲しい。これが私たちの切なる願いです。「入所者の求めるマッサージを、特養マッサージ師の生活と雇用を守りたい」、「視覚障害者の職業的自立と社会参加を進めたい」と私たちは思います。
 東京都に、特養で視覚障害をもつマッサージ師が安心して働き続けることができる制度の創設を訴える、あらゆる活動に取り組みます。また、働きたいと願うすべての視覚障害者が、希望と適性に合った仕事に就けるよう、あらゆる活動を行ないます。右、決議します。
          2008年6月1日
          東京都視覚障害者協会 第42回総会

   第42回東視協総会アピール
 都民の皆さん、本日私たちは、東京都障害者福祉会館において、第42回総会を開催しました。
 私たちは、1年間の運動を確かめ合い、発展への歩みを確認し合いました。
 神作悦穂さんと荒屋敷 健さんの就労を支援し、特別養護老人ホームに働く視覚障害マッサージ師への東京都の補助金制度を継続させるなど、仲間の就労を支援しました。
 点字ブロックと音響式信号機を増やして、安心して歩ける街を拡げました。丸ノ内線・舎人ライナーの可動式ホーム柵の整備と、JR山手線の整備10年計画は、落ちない駅ホームを求める東視協運動をさらに進めました。40年の運動を記録し、記念の事業を成功させました。会を知らせるリーフレットを作り普及しました。
 会員の願いと力を合わせたこれらの運動は、視覚障害者の平等と社会参加の明日を開く力となるでしょう。
 都民の皆さん、わが国の政治は、福祉と国民の生活、日本の未来を大企業と米政府繁栄の犠牲にしようとしているのではないでしょうか。
 自立支援といいながら、私たちの平等と社会参加の要のガイドヘルプ・ホームヘルプ・日常生活用具の利用に負担を強制する施策をやめようとはしません。命に、年齢による差別を持込む悪法 後期高齢者医療制度に65歳から75歳の障害者を押込んでいます。就労支援といいながら、視覚障害者の就業率21.4%、驚くべきこの低さを解消する有効な施策を打とうとはしません。郵政民営化は、郵便振込料を値上げし、4種・3種郵便の集荷サービスを受けにくくしています。
 米軍の駐留と軍事予算の聖域化、イラク派兵による国民と憲法9条の痛みには背を向けています。福祉を利用して消費税増税の煮え湯を国民に飲ませる動きが強まっています。また、石原都政は、オリンピックを口実に東京を壊す大開発と、福祉に背を向ける施策を続けています。
 都民の皆さん、しかし、このような下でも、国連で採択された障害者権利条約が発効するなど、私たちの平等な暮しと社会参加の流れは、社会と地域の課題に押し上げられつつあります。障害者自立支援法の応益負担反対の声は拡がっています。9条・改憲反対派世論調査がはっきりと示しています。消費税増税 ノーの声は大きくなっています。
 都民の皆さん、世論と運動によって、「国民には痛み、大企業とアメリカにはうまみ、国民の未来には行き詰まり」の自民・公明政治の姿が見えています。そして、平和を守り人権を大切にし、民主主義を徹底させる政治と社会が強く求められているのではないでしょうか。
 私たちは、このことに確信をもって、今日からまた多くの皆さんと手を携えて次のように歩みます。
 一、視覚障害者の平等な暮しの実現と社会参加の促進を目指して、安心して歩ける街、自由な読み書き、能力を生かした就労など、仲間の具体的な願いに根ざし、その実現を進めます。
 一、文化・スポーツ・レクリエーションを大切にし、明るく幅広い会活動をめざします。
 一、東視協活動を、一人でも多くの視覚障害者・家族・関係者に拡げ、会員を増やします。
 一、障害者の平等と社会参加の土台は平和です。憲法9条改悪と戦争への道と体制作りを阻止します。福祉を食い物にし、障害者の暮しを壊す逆進性課税の消費税増税に強く反対します。
          2008年6月1日
          東京視覚障害者協会 第42回総会

  和やかに「岩田利明・典子さんの結婚10周年を祝う会」
     西部  栗山 健
 6月8日、西部支部有志で「祝う会」を行いました。
 事の発端は、昨年の忘年旅行の懇親会で、岩田さんが「樽谷さんの結婚披露宴はとても感動的でした。実は僕たちは式を挙げてないんですよ。」と言うと、誰からともなく「皆で祝おうよ。」ということになり、10年目の今年に行うことになったのでした。
 東視協から織田津友子事務局長と、以前、利明さんと同じ職場で働いていた東部支部の滝沢由紀子さん、自宅療養中の吉田洋子さんも出席していただきました。全部で16人。小板橋さん、滝沢さん、吉田さんが祝辞と近況を、「祝う会」の知らせを聞いた利明さんの友人からの祝電も披露されました。樽谷さんからは、皆からのプレゼントが贈られました。カラオケが大好きな西部支部、二次会はもちろんカラオケで盛り上がりました。

【連載44】なぜか53年前に盲学校寄宿舎で始まった全点協運動。
     北部  長谷川 貞夫
 それが、この6月10日に「教科用特定図書普及促進法」として完結しました。
 「全点協」、それは、53年前に盲学校の生徒が集まって結成した、「全国盲学校生徒点字教科書問題改善促進協議会」のことです。
 私は、昭和30年に当時の理療科の卒業学年である専攻科2年の時に、この全点協運動を起こしました。
 それは、全国の盲学校生徒に呼びかけ、地方から来た生徒は体育館に泊まってもらい、文部省、国会に働きかけた運動でした。
 そして見事に翌 昭和31年から盲学校高等部の点字教科書が全科目 発行され、また弱視の墨字教科書も含め無料での支給となりました。後で分かったことですが、この教科書の無料化は、ろう学校、養護学校も同時に実施されました。ですから対象の人数から言えば、盲学校生徒の何倍にもなることでした。
 これらの視覚障害者バリアフリーの歴史については「六点漢字の自叙伝」に35回に分けて掲載してあります。
 そのうち、盲学校の教科書問題は次のようです。

 情報の平等を求めて  http://www.wesranet.com/6ten/txt602.html
 「情報の平等」とパソコン  http://www.wesranet.com/6ten/txt603.html

 この運動の中では、弱視の拡大文字教科書問題までには充分に及べませんでしたが、今回の法律は、それを補い 完結したものと考えます。

  NHKオンライントップ 弱視児用教科書 普及図る新法 6月10日 17時5分 (一部引用)
 「眼鏡などで矯正できないほど視力が弱い、弱視の子どものために、文字や挿絵が大きく記載された拡大教科書は、作成に手間がかかるため、ボランティアの手作りに頼っており、教科書が配布されているのは、弱視の子どもの3分の1程度にとどまっています。
 このため、教科用特定図書普及促進法は、教科書会社に対して拡大教科書を積極的に発行するよう適切な配慮を求める努力義務規定を設けているほか、一人ひとりの視力の状態に合わせてボランティア団体などが教科書を修正できるようにするため、原稿の電子データの提供を教科書会社に義務付けています。
 また、国は、拡大教科書を教科書会社やボランティア団体から買い上げて、弱視の子どもに無償で配るとしています。
 この法律は先週、参議院を通過し、10日の衆議院本会議で採決が行われた結果、全会一致で可決され、成立しました。(引用終了)

 以上のような弱視のための拡大教科書問題への取組みは、筑波大学附属盲学校 宇野和博さんと他の人々の努力によるものです。
 惜しみなく拍手を送ります。

   教養講座に参加して
      東部  神作 悦穂
 今月の教養講座は、いつものようにただ座って話を聞くだけではなく、演奏を聴いた後、私たちも太鼓をたたかせていただくことができました。そこで私は、普段あまり太鼓に触れることはないのですが、たたいてみて すっかりお気に入りになりました。ましてやステージのようなところでたたかせていただいた時には、ちょっとしたコンサート気分でわくわくしました。そして太鼓は大きさや形によって音色が異なることに感心しました。
 また、教えていただいたら、リズムごとに左右の手が決まっていると言われて驚きました。やはり、リズムとたたく手を覚えるのは大変です。笛などとも一緒に合奏ができてとても楽しかったです。
 また、今回いらしてくださったメンバーの中に全盲の人がいました。彼は周りの人にリズムなどを説明していただくと、それをすぐに覚えて、健常者の仲間に遅れないようにたたくことができるそうです。それはやはり、練習量など努力の賜物ではないでしょうか?
 本当にすばらしい演奏会と合奏体験でした。東京都の教養講座もいろいろと厳しくなる折り恐縮ですが、今後もこのように実習をまじえながら学び合える教養講座を増やしていただきたいものです。お越しいただいたメンバーの皆さん、どうもありがとうございました。

   情報アラカルト
 日本列島は、北海道を除いて梅雨入りしました。雨の日が多くなります。傘の出番も増えます。
 そこで今月は、傘のケアについてお知らせします。雨上がりの晴れた日に傘を干している光景はよく見かけますが、これは傘に優しくない 間違った手入れ法です。雨傘を日光に当てるのは、褪色原因になります。傘を使った日に水滴を落として、20分も陰干しすれば十分です。傘にとって一番よくないのは、濡れたまま巻いて放置すること。こうした扱いをすると、撥水機能が低下したり、カビや錆びが発生する可能性もあります。また水滴の落とし方は、周囲に人がいないのを確認してから、傘を開いたり閉じたりを手早く 2、3回繰り返します。これで水滴はほぼ落ちるし、傘に負担がかかりません。
 悪い例は、ハンドルを持って回転させたり、傘の先の石突を地面に打ちつけたりして水分を飛ばす方法です。傘によけいな力がかかり、壊れる原因にもなりかねません。それから雨にはいろいろな成分が含まれています。クリーム色や水色といったきれいな薄い色の傘を長持ちさせるには、家に帰ったらすぐに、風呂場でシャワーをかけるなど水でさっと流すだけでも効果があります。
 お気に入りの傘や、ちょっと高級な傘を長持ちさせるためにも、皆さんご注意下さい。革靴も、帰ったらすぐに水気をふき取りましょう。

   ありがとうコーナー (省略)

   役員会だより
 1. 6月1日に第42回総会が行われ、定期利用で会場が確保されているため、当面第3 日曜日の午後に、障害者会館で役員会を、毎週火曜日の夕方、事務所で事務局会議を行います。何かお問い合わせがありましたら、事務所03−6410−7118 fax.03-6410-7119までご連絡下さい。

 2.各支部の支部長は次の方々です。
東部  梅村 秀、支部会議は 第1土曜日 障害者会館
西部  小板橋靖彦、支部会議は 第2 日曜日 国立公民館
南部  下奥重望、支部会議は 第2 月曜日 障害者会館
北部  山城完治、支部会議は 第2土曜日 事務所で行います。
 皆さん 1年間、仲間で、支部で、組織で支え合ってがんばりましょう!

   日程情報
6/16(月) 特マの会 要請行動
  同    手をつなごう集会代表者会議
6/17(火) 事務局会議
6/18(水) 障館相談・鈴木彰
  同    まちづくり委員会
6/19(木) こだま6月号活字版発行
6/21(土) 事務局作業
  同    ステッキーズレッスン
  同    青学部例会
6/22(日) 教養講座「消費者問題について」
6/23(月) かーなづーちレッスン
  同    会計担当者引継ぎ
6/24(火) 事務局会議
6/25(水) 障館相談・栗山 健
  同    障都連 三役会議
6/26(木) 大江戸線可動柵設置について交渉
  同    まちづくり委員会
6/27(金) 組織委員会
6/28(土) 事務局作業
  同    障都連代表者会議
6/29・30(日月) まちづくり集会
7/1(火)  事務局会議
7/2(水)  障館相談・織田津友子
7/3(木)  事務局作業
  同    こだま編集委員会
7/4(金)  雇用をすすめる会
7/5(土)  事務局作業
  同    ステッキーズレッスン
  同    東部支部例会
  同    北部支部例会
7/7(月)  点民編集委員会
7/8(火)  事務局会議
7/9(水)  障館相談・山城 完治
7/10(木) 事務局作業
7/12(土) こだま7月号点字版発行
7/12・13(土日) 全視協執行委員会
7/13(日) 西部支部例会
7/14(月) 南部支部例会
  同    全視協情報問題会議
7/15(火) 事務局会議
7/16(水) 障館相談・鈴木彰
7/17(木) こだま7月号活字版発行
7/19(土) 事務局作業
  同    ステッキーズレッスン
  同    青学部例会

   編集後記
 毎日のように雨が降り続いていますが、皆さん お体の調子はどうですか。東京の5月は雨ばかりで降水量が4番目とか。もううんざりです。
 今月号は総会の特集をしました。今年初めて参加された茅野(かやの)さんは私たちが生まれる前から社会を良くする運動にがんばっていたとか。総会の時の話にも迫力がありました。
 また、久しぶりに来られた西村利光さんは東視協の雰囲気がとても良かったので、また参加したいとのことでした。昔からいる仲間と、新しい仲間の交流がもっと持てるといいですね。
 全視協のプリンターカンパもだいぶ集まってきました。まだの方はお急ぎください。では、来月号をお楽しみに。

(終わり)

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