こだま354号 2007年11月号

   
  目次
視点…1
「鉄道の日」JR東日本交渉報告…4
「鉄道の日」京王電鉄交渉…7
10.28国民大集会に参加しました…10
組織委員会から報告です…12
平和を考える集いのご案内!…14
みんなで語ろう! 食べよう 飲もう!!…15
東視協1泊旅行第1報!…16
カレンダー販売と40周年記念事業の成功に向けて…17
南部あれこれ…19
ヨガを楽しもう!!…20
【読者投稿】インスリンと共に旅をして!…22
【連載39】附属盲学校の放送室で生まれた点字ワープロ第1号機(2)…25
カレンダー販売にご協力を…28
情報アラカルト…30
ありがとうコーナー…31
役員会だより…32
日程情報…33
編集後記…37

  視点
 生活になくてはならない郵便、貯金、保険のサービスを一体に提供してきた郵政事業は、10月1日に民営化された。日本郵政株式会社の下で郵便事業会社、郵便局会社、郵貯銀行、簡保生命の4つの会社に分割され、136年間にわたる国営の幕を閉じたのである。今月は、郵政民営化について考えてみたい。
 民営化を推進した小泉純一郎元首相は、「郵便局は減らさない」「国民へのサービスは維持する」と公言、むしろ「サービスを良くするための民営化だ」とまで強調した。しかし現実には、1枚10円だった定額小為替の発行手数料を10倍の100円に値上げ、市役所・大学・駅などのATMが一方的に撤去、簡易郵便局の閉鎖などが報じられている。そして、私たちの周りでも「郵便局で代筆をしないと言われた」「第3種郵便の集荷の承諾に相当な時間を要した」「くぼみ入り年賀はがきの注文に応じなかった」ことが起こっており、郵便貯金のマル優が廃止された。
 なぜこんなことになるのだろうか。根本的には、郵便・郵貯・保険を一体的に実施し、赤字部門があっても全体でこれを補填してきたこれまでの事業を、日本郵政(特殊会社)・郵貯銀行・簡保生命・郵便事業会社・郵便局会社の5つに分割民営化し、それぞれの会社の取締役・執行役員として大企業の代表者が入り、利益を追求する仕組みとなっているからだ。5社で102人のうち郵政関係出身者は1人だけ、101人は日本経団連役員経験者がずらりと名を連ねているという。
 元イタリアトヨタ会長を会長に据えた郵便事業会社の職場では、職場収集用の自動車をトヨタ自動車に切り替え、局内の運送作業車をトヨタ製に変更、郵便局舎のエレベーターの保守管理を日立系からトヨタビルテクノサービスへ切り替えるなど新しい癒着構造が見え隠れしているといわれる。総資産340兆円の郵政グループ企業の経営を大企業の利益追求の場にしようとしているのではないだろうか。
 だからといって、136年間国民が育てた郵政事業をただ大企業の食い物にさせてはならない。2005年10月14日に参議院総務委員会で採択された付帯決議は、「国民の貴重な財産であり、国民共有の生活インフラ、セイフティーネットである郵便局ネットワークが維持されると共に、郵便局において郵便のほか、貯金、保険のサービスが確実に提供されるよう、関係法令の適切かつ確実な運用を図り、現行水準が維持され、万が一にも国民の利便に支障が生じないよう万全を期すること」を国民に約束している。これを守らせること、そのために国民的な監視が必要である。現行サービス維持を要求に基づいて堂々と求めていこうではないか。
       編集委員  山城 完治

  「鉄道の日」行動報告
 今年も「鉄道の日」行動を行いました。参加者は、3ヵ所合わせて12人でした。そのうちJR東日本、京王電鉄交渉について報告します。

  JR東日本
       北部  織田 洋
 JRは、要求項目が多く 全てについて具体的な要望をきいていただけなかったのは残念でしたが、私たちの鉄道利用の安全を守るという観点で要望をいくつかに絞って話し合いをしました。
 〔可動柵の設置〕私たちが一番よく利用する山手線への可動柵設置ですが、JRは「考えていない」とあっさり回答しました。理由を聞くと、人の流れが妨げられる、停車時間が短いので柵を作ると電車の遅れをきたす、などいつもの調子でした。新バリアフリー法に可動柵設置の積極的な導入が書かれていることは知っているようでしたが、国が予算措置を行うとかもっと働きかけをするとかしなければ、この問題は解決しないように思いました。
 〔改札口の問題〕弱視者が自動改札機を使う時に出入り口がよくわからないので矢印を引くなどしてほしい、そうでないと対向者とぶつかり危険である。これに対してもJRは有人改札を利用してほしい、自動改札機は一般の人しか使うなといわんばかりでした。私は、有人改札を使えとJRが言っていましたが、有人改札口はたくさんの人が重なるようにいて最も危険と言うと、JRの担当者は黙って何も言いませんでした。
 〔エスカレーターへの点字ブロック敷設〕この件でも相変わらず「ガイドラインにない」の一点張りでした。駅ホームによってはエスカレーターしかない所もあるではないか、と言うとエレベーターに乗れ、階段のある所に行けなど、私たちが視覚障害者であることを忘れたのではないかという答えでした。せめてエスカレーターの手すりに点字表記をしてほしいと言うと、使ってはいけないものに点字は付けられないと視覚障害者が利用している現実をも無視した回答で腹立たしく思いました。
 その他、踏切の点字ブロック敷設や中距離電車の開かないドアのボタンの位置など、私たちが鉄道を利用するのに危険と困難を訴えましたが、ほとんど前向きな答えはありませんでした。これらの問題について国会請願をするとかマスコミをはじめ、関係機関に実情を訴えるとか新たな運動を考えなければいけないように思います。

  京王電鉄交渉
        西部  加藤 厚実
 京王電鉄への要請内容は、
 @井の頭線吉祥寺駅ホームの発車ベルを1・2番線の違いがわかるよう異なるものにしてください。
 A井の頭線をはじめ京王線の全ての車両に、車両及び・ドア番号を点字で表記してください。
 B車内アナウンスは、テープで流すようにしてください。
 C京王線においても、可動式ホーム柵を設置して、視覚障害者をはじめとする乗降客のホームから線路への転落事故を防いでください。
 という4項目です。
 この要請に対して京王電鉄側からは、@の吉祥寺駅の同じ音のする発車ベルについては、皆さんがその方(音が異なる方が)が利用しやすいのであれば、検討してもよい、とのことで近い将来 音が違うものに交換されるかもしれません。
 またAの車両番号・ドア番号の点字表記についても、今後設置していくという前向きな回答をいただきました。設置する車両数についても、京王電鉄が保有する車両の90パーセント以上に設置できるというもので、すでに都営新宿線に直通する急行などに使用されている10両編成の車両(約50両)には、点字表記が設置されているのを私も確認しています。
 しかし、Bの自動放送システムの導入については、京王線での複雑な乗り換え案内等をする必要性から、自動化することは考えていない。Cの可動式ホーム柵の設置については、京王電鉄の歴史的な背景(発足当初は路面電車の企画で建設されたため、各駅の土地も狭く、また、拡張することも難しいため、柵の設置は困難)を持ち出して難色を示していました。
 ★その日は上の2ヵ所とは別に東京都交通局へ行き、総務部長と懇談をしました。内容は私たちが要望していた「大江戸線の可動柵設置について、都が事業化すること」の確認でした。部長の口から「事業化する」との発言を聞き、私たちの運動が1歩前進したように思えます。可動柵がいつ頃できるのか、まだわかりませんが運動を強め早期の実現を目ざしたいと思います。

  10.28国民大集会に参加しました
        南部  田中 章治
 去る10月28日(日)、亀戸中央公園において、「ストップ! 改憲・貧困・消費税増税、守ろう! 命と暮らし・雇用 10.28国民大集会」が開催されました。東視協はカレンダー販売を兼ねて、全視協と共にこの集会に参加しました。当日は晴天にもめぐまれ、4万2千人の参加者で大きな盛り上がりをみせました。
 集会は12時に開会し、小泉・安倍政権が進めた構造改革路線によってもたらされた「貧困」や「ひずみ」について、全国各地、国民各層からの怒りの発言が続きました。障害者を代表して日本障害者センターの家平さんが、障害者自立支援法の応益負担の中止を求めるアピールを行ないました。その他では、餓死事件まで引き起こしている生活保護制度の切り崩しに反対する運動、教科書の集団自決に関する記述から、軍の強制を削除した政府の責任を追及する運動についての沖縄の発言が印象的でした。また、日本共産党の志位委員長から、「福田政権が国会に提出している『新テロ特措法』は、紛れもなく憲法違反の自衛隊の海外派兵法であり、廃案しかない」との訴えに大きな拍手がありました。
 集会終了後 3つのコースに分かれ、デモ行進に移りました。視覚障害者の仲間は5人が残り行進しましたが、勘違いで一番長い猿江コースに加わることになってしまいました。シュプレヒコールの連続で少し疲れたので、途中、都営地下鉄西大島駅の所でデモ隊を離れ、帰宅の途につきました。

  組織委員会から報告です
       責任者  内田 邦子
 昨年より組織委員会を中心に、東視協を紹介するリーフレット作りに取り組んできました。そして、各支部で病院や視覚障害者関連施設などに置かせていただく活動を進めてまいりました。当初1000部を作成しましたが、好評により、追加増刷をすることになりました。取りあえずその報告をさせていただきます。
 視覚障害者施設:東京都生活支援センター、アクロス荒川、府中障害者センター、中野生活支援センター、東京都障害者福祉会館
 病院:立川相互・慶應・順天堂・東大・東京女子医大、磯辺眼科(豊島区)、大田病院眼科、その他、吉田万三さんのいらっしゃる健和会系の病院
 図書館:日本点字図書館、都立中央図書館
 豊島区障害福祉課、中央保健福祉センター、東部保健福祉センター、南大塚地域文化創造館
 その他:北区NPOボランティアプラザ
 この中で、「慶応病院では、病気に関するパンフレットより東視協のリーフレットへの関心が大きく、よく持ち帰りますと言われました」(山中)
 「磯辺眼科の先生からは、『窓口に置かないで直接患者さんに渡します』と言われました」(織田津友子)
 東京女子医大や生活支援センターへ依頼した仙波さんは、増刷分が届いたら板橋区の社会福祉協議会にも持って行くことになっています。その他、たくさんの方々に協力いただいていますが、紙面の都合でご紹介できないのは残念です。事務所の織田さんから、リーフレットについての問い合わせの電話がきているとのこと。東視協を知らせる活動を1歩ずつ続けていきましょう。

  平和を考える集いのご案内!
        青学部  滝沢 由紀子
 太平洋戦争終結から62年が経ちました。日本国憲法第9条に、「戦争の放棄」とうたわれています。これはアメリカが作ったものです。しかし、憲法9条が同時多発テロをきっかけに、日本を戦争する国へと変えられようとしています。今こそ憲法を世界の宝とするための運動を進めていくためにも、皆で平和について学び、トークをしたいと考えました。
 日時:11月24日(土)午後6時から7時30分
 場所:障害者福祉会館 教室
 主催:東視協青年学生部
 内容:原水爆禁止世界大会の報告をし、その後皆さんと意見交換をしたいと考えていますので多数の参加をお待ちしています。

  みんなで語ろう! 食べよう 飲もう!!
       女性部 沢 真由美
 女性部ではこの1年を振り返り、楽しい忘年会を行ないます。男性会員も大歓迎、皆さんのお友だちもどうぞ誘ってください。食べて 飲んで おしゃべりして楽しく過ごしましょう。この1年を振り返り新しい年の活動に繋げる場にしたいと思います。
 日時:12月8日(土)午後6時から。
 場所:「東京の蔵」(新宿)
 会費:4千円(飲み放題込み)
 申し込み先:沢 真由美(090−5822−5006)、12月5日までにお申し込みください。

  東視協1泊旅行第1報!
        北部  風間 巳津弘
 恒例の東視協1泊旅行の案内をする時期となりました。毎年担当支部は、アイディアと工夫で楽しい旅行を準備します。今回は北部支部から旅行の第1報をお届けします。
 日時:2008年3月1日(土)・2日(日)
 行き先:伊豆方面
 宿泊:伊豆 潮風館
 費用:1万5千円(予定)
 内容:1日目は箱根園で遊覧船に乗ったり散策などを楽しみます。2日目に、参加者にいちご狩りコースと地ビール瓶詰め体験コースから選んでいただき、楽しんでもらいます。もちろんお土産屋さんにも寄ります。
 宿での宴会の内容、出発の時間や場所など、旅行担当委員で決めていきます。詳細はまた、こだまでお知らせします。

  ブロックの動き
 今月は西部と南部に活発な活動を報告していただきます。

  カレンダー販売と40周年記念事業の成功に向けて
      西部  栗山 健
 東視協のこの時期は、全視協事務所維持のためのカレンダー販売をしていますが、今年は「東視協結成40周年記念事業」に向けての取り組みも同時に行い、共に成功させるためにがんばっています。その活動報告を簡単にします。
 カレンダー販売は毎年、岡村・小林・菅井さんを中心に12人が参加。「値段が適当なので頼みやすい」、「犬の絵が綺麗」、「文字が見やすい」などと概ね好評で職場、友人・知人、患者さん、家族、お世話になった人などに買ってもらったりプレゼントしたりして、間もなく目標の100本は達成しそうなので、超過達成を目指します。
 「40周年記念事業」の取り組みは、集いやレセプションに自ら参加することを基本に親しい人に呼びかけています。労働組合に「賛同」の要請にも5団体に行きました。もう1ヵ所、お願いに行く予定です。「賛同」の要請には東視協リーフレットも活用。40年の歴史の重みが相手にも伝わっているように感じます。
 この間の活動を通して、組織的に取り組むことの大切さを感じています。西部支部は、12月に忘年旅行を計画。トリプル成功を勝ち取るぞ!!

  南部あれこれ
        南部  野島 潔
 10月15日に支部恒例の田町駅署名行動を行い、参加者11名で、30分余りのうちに52筆、カンパ 7,529円を集めました。今年の行動もとても暖かく、半袖での参加者もあり、以前とはかなり気候が変わった感じがしました。
 というのも、おそらく10数年を数えるこの行動ですが、確か最初のころは11月下旬に行なっていました。当時は寒さが厳しく片手を交互にポケットに突っ込みながら、家路を急ぐ人に署名の協力を訴えたことを覚えています。
 ところが、寒さを理由に10月に行うようになったこの行動も最近では、11月でも良かったのではないかと思わせるぐらい暖かくなりました。地球温暖化の影響がいろいろなところで話題となっていますが、署名活動というこんなところでも温暖化が忍び寄っていることが感じ取れます。
 仕事でのお年寄りとの会話の中で、昔の10月の御会式(おえしき)や11月の御酉様(おとりさま)の寒さは半てんを着、襟巻きをして出かけたとのことですが、このままでいくと地球はどうなってしまうのか、障害者運動と温暖化対策、訳が分からなくなってきました。でも、温かい心は障害者にも地球にも良いことに繋がることは間違いなさそうです。

  ヨガを楽しもう!! (教養講座)
        北部  杉田 直枝
 10月の教養講座はヨガ体験講座でした。講師は三枝先生と助手の方2名でした。
 まず、最初はいろいろな質問に答えることから始まりました。初体験の人が多く、例えば視覚障害者でもヨガはできるのかが出されました。
 講師は、ヨガを始めるまでは毎晩アルコールをたくさん飲んでいたそうですが、ヨガをやるようになってからはアルコールをあまり飲まなくなったそうです。
 その後実技に入りました。まず、バスタオルの上に仰向けになりお休みのポーズ。鼻から吸って鼻から吐く呼吸法。呼吸を整えてから左足の膝を曲げ右膝の前に置き、体を右に回しながら起きあがる。この動作は腰を痛めないで起きあがる方法。そして、長座で骨盤で立つポーズ。左右に体をゆすると骨盤で歩けるような気がする。この骨盤で立つポーズは、足の裏で立っていることと同じだそうです。何のポーズでもゆっくりと息を吐きながら始まり、息を吸いながら元に戻る。
 2つまたは3つのポーズが終わると、お休みのポーズで呼吸を整える。
 ヨガは体によいので、是非ぜひ家でもやってくださいと講師は何度も言われました。ヨガは「きれいになる」「健康になる」「かっこいい」という理由から、とても人気があるそうです。効果として呼吸を意識することにより、自分の体と心をコントロールできるそうです。本当に静かに静かに動くヨガ体操は、畳1枚のスペースでやれるものですからチャレンジしてみませんか!

【読者投稿】インスリンと共に旅をして!
        南部  山中 由紀子
 私は、北海道登別温泉で行われた「1型糖尿病全国研修会」に行ってきました。
 出発の日は早めに自宅を出て迷ったり、駅職員に聞きながら無事にJALのカウンターに到着。早速、係りの人から必要な医療器材を手荷物用カバンに入れるように指示があり、すばやく移し変えて手荷物検査へ。手伝ってくださった地上係員の方も私と同じ病気で、同じ物がバッグに入っているといわれました。注射器に入っている薬が麻薬ではないかと誤解されないようにチェックされました。
 予定通り羽田を飛び立ち、午前10時半過ぎに千歳空港に到着。こちらでも空港職員に集合場所まで案内してもらったり、北海道初の昼食を食べました。そして皆さんと合流して登別温泉に移動しました。最初の講演では、合併症の進み方によって傷や眼底出血、血液の循環が悪くなると足の壊疽(えそ)や腎不全に陥ると話されました。私は、眼はともかく壊疽や腎不全に絶対なりたくないと思いました。また分科会で、「カーボカウンティング」(栄養素の置き換え)ということも知ることができました。妊娠・出産・子育てを体験した会員から、きちんと血糖値をコントロールすれば問題ないと話されました。「1型糖尿病」という病名を改名してほしいとの発言もありましたが、年齢層の幅も広く 改名しないことになりました。地獄谷のライトアップを見に行ったときは、鼻づまりで硫黄の香りは感じませんでしたが、肌を通して湯気を楽しみました。
 悩みを話そう分科会では、自分が「1型糖尿病」であることを、周りの人に怖くて話せないと提起され、私も友人に話した経験を発言しました。やはり自分の病気を他人に知らせるのは本当に難しいものです。
 滞在中の夕食に地元のおいしいものがずらりと並び、つい食べ過ぎてしまうと朝食で食べる量を加減したりする状態でした。地元の会員さんにお土産選びの手伝いをしていただいたりして助かりました。さらにこの研修会の企画・準備をしてくださった北海道の皆さん、空港でいろいろお世話してくださった日本航空職員の方にとても感謝しています。ありがとうございました。

【連載39】なぜか附属盲学校の放送室で生まれた点字ワープロ第1号機(2)
  (サイトワールド2007の「2点式体表点字」と関連)
        北部  長谷川 貞夫
 昭和49年12月に国会図書館の大型コンピューターで点字キーからの初めての漢字を含む日本語入力を行なってから、このようなことをするために早く個人で使えるコンピューターが開発されることを願っていた。そこで、昭和54年になって、私はやっとパーソナル・コンピュータという言葉を聞いた。まだ、その略称の現在の言葉である「パソコン」ではなかった。今、「パーソナルコンピューター」などと言ったら、かえって笑われてしまうであろう。それらの初期のパソコンは、カナさえ使えないアメリカ製の「PET」(ペット、コムドール社)、「TRS40」(タンディー・ラジオ・シャック社)、「APPLEU」(アップル社)などであった。
 そこへ昭和54年中頃から、NECのPC−8001がマニアの間で評判になった。これは、それまでのアメリカ製のパーソナル・コンピュータがアルファベットと数字などだけの、いわゆるアスキー・コードだけのものであったのに対し、JISの半角のカナが使えたのである。しかし、今ではパソコンにおいては全くの常識である漢字が使えるまでにはなっていなかった。これが後継機の漢字の使えるPC−8801シリーズへとつながり、後にWindows出現まで、あのNEC98全盛時代を起こしたのである。もし、Windowsの前のAOK日本語ワープロを使ったことのある人は、NECの「98パソコン」が、日本のパソコン市場において、いかに独占状態であったかを知っているであろう。
 そして、前回も述べたが、今のWindowsも携帯電話などの、いわゆるモバイル時代へと移りつつあるのである。まさに、これが「情報革命時代」なのだ。そして、私は今「2点式体表点字」の実験を行なっている。11月3日の「サイトワールド2007」のデモで示したように、視覚障害者の指先で読む点字が、電波で人間の体表に飛んで来る点字になりつつあるのである。これが視覚障害者のみならず「音声による呼びかけ」を受けられない耳の不自由な聴覚障害者、あるいは、とにかく皮膚で文字が読めるのだから健常者にも影響のあるものだと思っている。
 グラハム・ベルによる電話の発明は、家族の聴覚障害者のために補聴器を作ろうとしての発明であった。それが皮肉にも聴覚障害者に最も縁が遠い電話となって発達し、約130年も経って、やっとメールやカメラの付いた携帯電話になって、ようやく聴覚障害者の役に立つようになったのである。だから体表点字がそうなるとは言わないが、技術とはそのような思いがけない発達を遂げることもあるのだ。

  カレンダー販売にご協力を
        事務局  織田 洋
 今年も後2ヵ月をきりました。皆さんお忙しいことと思います。
 さて、今年も全視協事務所維持のためのカレンダー販売(1千円かける134人分、13万4千円)を行なっています。各支部にカレンダーを卸していますが、まだ事務所に100本が手つかずになっています。もうひとがんばり、皆さんにしていただきたいと思っています。ご協力いただける方は、支部長さん、もしくは事務所(6410−7118)にお電話をお願いいたします。
 販売方法は、まず会員の皆さんが1本ずつ買っていただき、そしてお知り合いの皆さんに声をかけていただければと思います。犬のカレンダー「ラブリードッグ」はとても可愛らしい犬ばかりです。皆さんのお付き合いのあるボランティアの方や患者さんへのお歳暮としても最適かと思います。値段は1本800円です。今年は大きな催し物がなく、大量に売れる場がありません。ぜひ皆さんのご協力で500本のカレンダーを完売したいと思っています。ぜひご協力をお願いいたします。

  情報アラカルト
 1年の締めくくりは、ベートーヴェンの第9を聴くという方も多いと思います。第9のコンサートをいくつか紹介します。どうぞお楽しみください!!
 @ 東京芸術劇場:12月15日(土)18時開演、S席8000円、A席6000円、B席4000円、C席3000円
 チケットの申し込み:03−5985−1707(東京芸術劇場チケットセンター)
 A サントリーホール:12月21日(金)19時開演、S席8000円、A席6000円、B席4000円
 チケットの申し込み:03−3584−9999(サントリーホールチケットセンター)
 B 東京労音第9コンサート:12月23日(日)、東京文化会館 14時開演、S席6500円、A席5500円、B席4500円、C席4000円
 チケットの申し込み:03−3204−9933(東京労音)

  ありがとうコーナー (省略)

  役員会だより
 1.東視協結成40周年記念の集いとレセプションは、今月の18日となりました。実行委員会も最終チェックに入りました。各支部でも、一人でも多くの会員に声をかけて、集いもレセプションも成功させましょう。早乙女勝元さんの講演も踊正太郎(よう しょうたろう)さんの津軽三味線演奏も見逃せない企画です。「ステッキーズ」や「東視協アンサンブル」の歌や演奏も楽しみです。レセプションでは、40年の歩みを振り返り、結成に関わった先輩たちの話を聴き、明日の活動につながるエネルギーや参加された皆さんからアドバイスをもらいましょう。会員みんなで成し遂げましょう。集いだけ、レセプションだけ、集い・レセプションの両方、皆さんが参加できるところで結構ですから、各支部長または事務局(03−6410−7118)にご連絡ください。どうぞよろしくお願いします。

  日程情報
11/12(月) 南部支部例会
  同     全視協情報問題委員会
11/13(火) 事務局会議
11/14(水) 障館相談・山城完治
11/15(木) こだま11月号活字版発行
11/17(土) 事務局作業
11/18(日) 東視協結成40周年記念の集い(滝野川会館)
  同     記念レセプション(王子ホクトピア)
11/19(月) 手をつなごう代表者会議
11/20(火) 事務局会議
11/21(水) 障館相談・鈴木彰
11/22(木) 事務局作業
  同     東京メトロ交渉
11/24(土) 事務局作業
  同     北部支部例会
  同     青学部「平和を考える集い」
11/25(日) 教養講座「縄文時代の文化に触れよう!」
  同     障全協全国集会
11/26(月) 障全協各省交渉
  同     かーなづーちレッスン
11/27(火) 事務局会議
  同     革新都政を作る会集会
11/28(水) 障館相談・栗山健
11/29(木) 事務局作業
  同     こだま編集委員会
11/30(金) 組織委員会
12/1(土)  事務局作業
  同     東部支部忘年会
  同     ステッキーズレッスン
12/1・2(土・日) 西部支部忘年旅行
  同     全視協執行委員会
12/3(月)  点民編集委員会
12/4(火)  事務局会議
12/5(水)  障館相談・織田津友子
12/6(木)  事務局作業
12/8(土)  こだま12月号点字版発行
  同     女性部忘年会
12/9(日)  豊島区福祉祭りでカレンダー販売
12/10(月) 南部支部例会
12/11(火) 事務局会議
12/12(水) 障館相談・山城完治
12/13(木) こだま12月号活字版発行
12/15(土) 事務局作業
  同     北部支部忘年会
  同     青学部例会
  同     ステッキーズレッスン
12/16(日) 東視協役員会
  同     教養講座「シンドロームについて」学習

  編集後記
 東視協結成40周年記念の集い成功のため、チケットの販売や労働組合回りをしていただいている皆さん、ゴールが近づいています。悔いの残らない集いにしましょう。
 今月号に10.30全国大フォーラムの記事を掲載する予定でしたが、紙面の都合で取り止めとなりました。詳しいことは点民11月号に出ていますのでそちらをお読みください。
 来月号をお楽しみに。

会報「こだま」目次に元ドル

「東視協のひろば」トップページに戻る