こだま339号(2006年8月)



  目次
 視点・・・1
 【特集1】 「61年目の夏」・・・5
 【特集2】 「夏本番 ブロックで行事満載」・・・17
 会の名称に対する意見・・・26
 【読者投稿】 「元気に働き始めました」・・・28
 7月の教養講座に参加して・・・29
 【連載31】 内閣告示「常用漢字表」原案に差別語を発見・・・31
 情報アラカルト・・・35
 ありがとうコーナー・・・38
 役員会だより・・・39
 日程情報・・・44
 編集後記・・・49

 視点
 障害者自立法は、施行から5ヵ月目を迎えている。あなたにこの法律はどう見えているだろうか。障害者の暮らしと社会参加を左右するこの制度と背景を改めて考えてみたい。
 まずクイズ。次の法律の名前は?
 「この法律は、(中略)障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係わる給付 その他の支援を行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図ると共に、障害の有無に係わらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。」
 さて、正解は、障害者自立支援法(第1条)である。片手で握手をしながら、一方の手で相手を殴る、そんな法律というのが私の実感だ。東視協会員のSさんは、ガイドヘルプサービスだけで月7400円払ったという。この3月までは無料だったのだ。サービスを使うたびに原則1割の費用負担は、私たちの暮らしと社会参加にのしかかる。
 サービスを担う施設への影響も大きい。利用者が休めば施設への補助金が減る制度にされた。押しつけた費用負担の軽減を社会福祉法人に押しつけて、減免を受ける利用者がいると施設のサービスや経営が苦しくなる仕かけを持ち込んだ。
 国連では、障害者差別禁止条約制定の作業が進んでいる。障害者の社会への全面参加と平等を より徹底すべきだとの世界の流れだ。なのになぜ?
 問題を考えるキーワードを私は二つ設定している。米軍再編経費3兆の負担と格差社会 拡大だ。専ら庶民の福祉と暮らしを削って巨額の経費を生み出す仕組み作りに自民党と財界は必死だ。庶民増税と大企業 金持ち減税、年金・医療・介護保険改悪、消費税増税の企み。庶民の財布からお金を抜き取り、米軍と大企業に回す仕かけ、障害者自立支援法もその一つだ。
 とはいえ、私たちは、暮らしと社会参加をあきらめはしない。10月の地域生活支援事業実施に向けて、ガイドヘルプ・日常生活用具給付の切り捨てをくい止める運動に取り組んでいる。11の区と1市 そして東京都の議会に陳情もしくは請願書を提出した。陳情が採択された中野区議会の廊下には、やはり請願や陳情を出して審議を見守る障害者・関係者であふれた。50人を超える傍聴者に圧倒されながら議員が議場に入る。運動の広がりを見た。自分達の運動を広げて、多くの仲間とつないでいきたいとの思いを強くした。
 (編集委員  山城 完治)

 【特集1】 「61年目の夏」
 また 暑い8月がやってきました。今年は、いつになくあやしい8月です。どこかで、戦争を企む動きがじわじわと進められようとしています。9条を変え、60数年前のあの時に逆戻りさせようとしています。こんなことは絶対に許せません。今号はそんな思いを4人の方々に語っていただきました。二度とあの戦争を起こさないために!

 私の8月
 南部  茅野 トシ子
 私は現在78歳です。終戦を迎えたのは16、7歳の時でした。私は狛江に住んでいたので、空襲で怖い思いをしたり、戦争に行った家族もいませんでした。父は早く亡くなり、兄弟も女性ばかりだったからです。でも思いつくままに書かせていただくことにしました。
 まず教育は、人を変えるということを心から思います。戦時中の軍国教育は、「戦争することは正しい、先生や親、目上の人に対して、反発しない子がよい子」であると叩き込まれました。そんな教育を受けて、私は軍需工場で一生懸命に働きました。気持ちの中に、「お国のため! 兵隊さんのため」という思いがあったと考えられます。その証拠に玉音放送が流れた時、何を言っているのかぜんぜんわかりませんでしたが、周りの様子から「私達の働きが足りなかったのかしら?」と心から思いました。
 二つ目は戦後すぐの頃に、体験したことです。当時 嫁入り前の娘は、地主農家のお宅に、行儀見習いと称して行きました。私も2年間、立居振舞や家事など教えてもらいました。その頃 日々の食べ物もやっとの状態、ご飯といえば麦ご飯しか食べられなかった時に、農家の米倉には、米俵がたくさん積まれていました。
 「えっ! これなあに!どうしてここだけ米がこんなにあるの? 不公平じゃないか」
 と怒りを感じました。しかしその時の体験が、私の生き方の原点になっていると思います。
 三つ目は憲法9条を、ぜったい守り抜くということです。戦争は2度としてはいけません。私のかわいい大切な孫を戦場に送り出すのは、ぜったいにいやです。強い信念で、私なりに憲法9条改悪反対の活動をしていきます。みなさん 一緒にがんばりましょう。

 戦後61年を思う
 西部  志村 富雄
 戦争といえば、私の様な大正末期生まれの者としては、まず太平洋戦争が思い出される。そして個人的に忘れられない事として、一夜にして10万余の民間人を犠牲にした昭和20年3月10日の東京下町の大空襲である。私の姉は浅草の寿町に嫁いでいて、三歳の甥と姑と共に行方不明となりました。
 母と弟が毎日の様に朝早くから夕刻まで浅草界隈を、その生死の確認の為に捜し求め歩き回り、疲れ果て悄然として帰宅しては、一週間も続けたが無駄に終わって、泣き崩れる母の姿を時々夢に見る事があり 戦争の恐ろしさ無残さを感じております。
 戦後61年を迎えました。この間政治的にも経済的にも色々な変化を経て来ましたが、この戦争を反省の立場で成立した憲法と教育基本法は、大切に維持され守られて来ました。しかし、最近の政治の動向はどうでしょうか? 与党や民主党はこれを時代の流れに合わないという理由で、改革し戦争への路と弱肉強食の社会にする企てをしています。非常に危険極まりない状況です。この企てを打ち壊す運動が全国各地で広げられていますが、マスコミは積極的に報道しようとはしていません。
 これも異常と思いませんか?
 若者全てとは言わないが、サッカーに野球にインターネットに熱中したり、夢中になるのもいいがそのエネルギーを近・現代史にかんする文献や小説を読む事に注ぎ 戦前、戦中に日本が何をして来たかを考えて貰いたいものである。戦争体験者は、高齢化して減少し、戦争の恐ろしさを知らない年代層が多くなり、これからの若者には目覚めて貰い大いに頑張って貰わなければこれからの日本がどうなるのか非常に心配である。

 北部  杉田 直枝
 昭和20年8月15日は、私小学校6年生でした。父の故郷、埼玉県騎西町に疎開していました。
 毎日、白いご飯は食べられなくて麦ご飯は上等で、コーリャンご飯、大根めし、いもご飯と、ご飯の量をふやす工夫を母はしていました。おやつは、じゃがいもや、さつまいも、煎り豆などで、クッキーやケーキはありませんでした。着ているものは、ついだりはいだりで、どれが元だかわからないようなものを、みーんな着ていました。「ぜいたくは敵」とか「欲しがりません、勝つまでは」という言葉が、流行っていました。歌は、戦争に関わる歌ばかり歌われていました。
 忘れもしない3月9日の東京大空襲。その日は何故だか父一人を残して、母と兄弟5人が父の故郷に行っていました。空襲警報が鳴り、暗い空が昼のように明るく 東京が大変だと子供心に、不安が一杯でした。明け方父が「家が焼けちゃった」とぼそりと言い、鴻巣町から電車がなく、10キロ以上の道を歩いてきたと言いながら、座りこみました。よほどショックだったのでしょう!
 戦争が始まるとそれまで住んでいた豆腐屋は、強制疎開で家は壊され、戦車などが通る広い道路になりました。やむなく貸家暮らしで、商売ができなくなった父は、中島飛行機工場に務めて苦労をしたようです。
 敗戦から61年ともなると、苦しさやみじめな戦争のことが、忘れられがちです。戦争孤児のこと、障害者となった傷痍軍人のことなどは、話題にもなりません。国は、憲法は外国から押しつけられたものだからと、へんな理屈をこねて変えようとしています。戦争体験者の私は、絶対に日本国憲法の平和主義は、守っていかなければならないと心から願っています。

 戦争について思うこと
 東部  神作 悦穂
 私は、直接戦争を体験したことはありません。しかし、祖父母から悲惨な戦争の話を聞いたことがあります。祖父母は、「8月がくるとあの悲惨な戦争を思い出す」といっていました。私には、想像もつかない程生活が苦しかったようです。
 そこでですが、戦争はもう61年前に終ったものと考えてよいのでしょうか。いや、とんでもないと思います。今でも戦争をしている国が世界にはたくさんあります。そこでは、たくさんの人が亡くなっています。そういう今、日本は自衛隊をイラクに派兵し、あげくの果ては憲法9条まで変えて再度世界と戦争をする国をつくろうとしています。もはや今は戦後ではなく、新たな戦前になってしまっているのではないでしょうか。それはとても大変なことです。
 そこでいま、全国各地で「9条を守る会」が立ち上げられています。非常に重要なことだと思います。そこで私もその集団に入って活動し、憲法9条を変えて世界と再び戦争をしようとする自民党の強い勢力をなんとしてでも押しきり平和な日本を守りぬかなければならないと思います。
 私たち障害者は、平和でなければ生きられません。戦時中の障害者がいかに邪魔者あつかいされたことでしょう。そう考えると平和を守ることと福祉を守ることは一体ではないでしょうか。これからは、平和で障害者を含め個々人の人権が尊重される豊かで明るい社会を作っていきたいものです。
 力を合わせ 手を携えてがんばっていきましょう。

 【特集2】 「夏 本番 ブロックで行事満載」
 やっと暑くなりました。夏 本番です。7・8月と各ブロックでさまざまな行事が行われました。北部の花火見物、西部の温泉旅行、そして東部のバーベキューパーティーと、会員相互の交流が活発に行われたことでしょう。その行事の模様を3人の方に書いていただきました。

 「花火と団子」
 北部 織田 津友子
 北部ブロックでは、毎年板橋区の花火大会に出かけています。荒川土手の川風に吹かれながら夕涼み、そして空に咲く彩とりどりの花火を見ることと、五臓六腑にまで響き渡る花火の音を楽しむことが目的です。「うそだー!」と言うみなさんの声が聞こえますが、おっしゃるとおりで「花より団子」でした。
 土手に着くと待ちかねたようにシートを広げ宴会の準備。まずはお茶やビールでカンパイ! その日もとても暑かったのでなんとおいしかったこと! それから炊き込みご飯のおにぎり、枝豆、から揚げ、さつま揚げの煮物、おしんこ、鈴木さんや仙波さんからのつまみの差し入れ、そして今回は木曜日の事務局作業で、ボランティアをしていただいている松本さんご夫妻も参加してくださり、酒・ビール・焼きそばをいただきました。飲んだり食べたりしている時のみんなは、活動上のたくさんの課題も忘れて、幸せそのものでした。喉もお腹も満足状態に近づいた頃に、「ドーンジャラジャラジャラ シュルシュルルルー」と始まりました。視力のある人は、「きれい! すごーい! 大きい!」と繰り返すばかり。全盲は火の粉が降りかかってくるのではないかと、恐怖心を感じるくらいでした。みんなこの雰囲気が大好きで、もう何年も続いているブロック行事です。

 「温泉旅行」
 西部  岩田 利明
 皆様、こんにちは。西部ブロックの岩田です。今日は、7月の29(土)、30(日)、西部ブロックのメンバーとその有志の皆さんで伊豆に温泉三昧の旅行に行ってまいりましたので、その報告と感想を書いてみたいなと思います。
 7月29日、この日は午前9時に新宿駅の南口に集合しました。そして9時30分発のロマンスカーで小田原へ、途中、町田で樽谷さんとそのお知り合いのHさんと合流して16名で行ってまいりました。いろいろなハプニングには見舞われましたが、無事に熱川に到着、そしてここからが温泉三昧の旅行が始まったのでした。
 まずは、熱川駅の近くにある、町営か何かわからないのですが、屋外にプールと露天風呂がある施設に行きました。私はプールには入らなかったのですが、入った方のお話ですと、結構深いものだったそうでした。お風呂のほうはといいますと、これが結構人肌の温度ぐらいでなかなか気持ちが良かったです。途中、弱い雨にも降られましたが、いかにも露天風呂っていう感じがして それはそれは良かったです。
 そこから、いよいよメインとなる民宿へと足を運びました。この民宿は大家丸という所で北川の駅から階段を下りるとすぐという とても私たちにとってはアクセスの良い所でした。そして1月の旅行で行かれた方が何人かいらっしゃったせいか、とても対応が良く、私たちを良い気分にさせてくださいました。ここでは民宿であるにも関わらず、岩風呂があったり、市場が目の前ということもあって夜も朝も新鮮な魚料理たちが私たちを迎えてくださいました。そして夜はお決まりの2次会へと続いていきました。
 二日目は伊豆高原に移動して、東伊豆町が経営しているのでしょうか? 結構大きな温泉に行ってまいりました。本当は私もお風呂は大好きなのですが、前の日の夜から、全身に発疹ができてしまって、お湯につかれなくなってしまいました。これはこれは残念、涙。その後は、オルゴールの博物館に行き、19世紀の始めに作られたというシリンダー式のオルゴールを見せていただいたり、人形たちがラッパを吹いたり、太鼓をたたいたりして演奏するのを聞かせていただいたり、それはそれは楽しかったです。
 とざっと書いて見ましたが、本当に楽しい二日間でした。今回の旅行に関しましても、企画を立ててくださった方々には深くお礼申し上げます。
 皆さんも次回は一緒に行きませんか?

 「バーベキューパーティー」
 東部  梅村 秀
 さる8月5日(土)に東部ブロックと荒川支部合同で2度目のバーベキューを行いました。参加者は、内田邦子、内山義美、梅村秀、沢真由美、内藤勉、望月義永、南部の西原和子、今度、荒川支部に入られた山城一枝さん、それに荒川社協の高橋さん、ボランティアとして雑草の会を手伝っておられる高安さんの一家でした。雑草の会の前の駐車場を会場に夕方5時から開かれました。各自持参の飲み物と冷えたビール、内田さん自作のビール、差し入れなどなど。昨年足立区舎人公園で行った時好評だった高安さん自慢の焼き鳥とバーベキューをつまみに和気あいあいと行いました。風も少しあり、とても暑いとは感じませんでした。全面的に協力していただいた高安さん一家に心からお礼を申し上げます。

 会の名称に対する意見
 北部 佐野 昭典
 全国組織が全視協だから東京の組織は東視協だ。これが出発だった。議論の結果「生活と権利を守る」という切実な要求が表に出たわけだった。
 美濃部革新都政を勝ち取った喜びの中私たちの会は、小なりといえど日盲連や都盲協にはできない運動をするのだとの自信と誇りにもえていた。要求を共有する都障教組・視読協など手を組み障害者会館をつくらせた。さらに対面朗読、安全歩行のための点字ブロックの敷設、図書購入の価格差保障など次々に成果を上げていった。
 来年は結成40年になる。東視協の名称は定着した。どんな名称に変更したって東視協の略称(実は愛称または俗称)はなくなりはしない。
 先だっての総会や本誌上に出された織田洋さんの言い分には説得力があり、なるほどと思わされた。都の役人と折衝したり東視協のPRにさしさわりがあるのなら「生活と権利を守る」の文言はなくなってもよかろうと思うようになった。菅井さんが提案された「東京視覚障害者協会」に賛成する。
 終りに今年度事務局長に選ばれた織田津友子さんに心からエールを送る。会員拡大、要求達成など悪政がまかり通る都政の中大変だろうが…。みんな団結して進むだろう。私も老骨ながら微力を惜しまないつもりである。

 【読者投稿】 「元気に働き始めました」
 北部 風間 巳津弘
 6月の19日から、墨田区にある特別養護老人ホームのデイサービスセンターで、元気に働いています。
 1週間に150人の方たちが通われます。平均1日50人です。僕は、1年半ぶりの仕事なので、1週間に28時間のパートですが、毎日楽しく仕事をさせていただいています。まだ名前と顔が一致しませんが、皆に喜ばれるように、これからも頑張って行きたいと思います。東視協・特マの会の皆様に御礼と感謝申し上げます。

 7月の教養講座に参加して
 北部  市村 秀雄
 7月の教養講座は、23日に三田の障害者会館で「あなたも100歳まで生きられる」と題して、芝病院名誉院長 稲垣元博先生の講演でした。
 稲垣先生は「ドクター稲垣亭三河」という落語家の名前をもっておられ、講演の後半は、羽織姿で落語を一席披露してくださいました。医師で高座名を持っているのは3人とか。先生は 今年 米寿の88歳。自ら100歳まで生きると公言されています。
 講演の内容は、命の尊さとそれをおびやかす、戦争、働かされ過ぎによる過労死、そして生活習慣病について話されました。
 なかでも、生活習慣病予防について多く話されました。バランスのとれた栄養、睡眠や入浴などの休養、適度な運動、趣味活動などによるストレス解消、あとは定期健診の大切さを強調されていました。
 なお、くわしく学習されたい方は、稲垣先生の著書、「100歳までの上手な生きかた」あるいは「定年後を共に楽しく」を読まれたらいいと思います。
 落語の最後は、稲垣亭三河さんのしめくくりとして、100歳まで生きて、北欧のような福祉国家をつくるために生きて、それを見届けてから行ってください、と結ばれました。

 【連載31】 内閣告示「常用漢字表」原案に差別語を発見
 ― 「自動代筆で国語審議会全委員に差別語の撤廃を要請し成功」(2)―
 北部  長谷川 貞雄
 それは、当時の49人の国語審議会委員に送られた点字キーによる日本語入力実験で書かれた墨字の文字のお願い文で行われました。この事実を知っている人はほとんどいないでしょう。しかし、その資料が残っているのです。
 私は、この新しい改訂音訓表では、当然差別語が削除されているであろうと期待していた。また、六点漢字を改良する必要上、早速、この告示の官報を霞が関にある政府刊行物サービスセンターに行き、数冊買った。
 はたしてどうなっているか、勤め先の附属盲学校に戻ってから、健常者の同僚である河辺清高先生にお願いし確かめてみた。河辺先生は、私が生徒時代からの国語の先生であり、その時は同じ職場に勤務する先輩の先生であった。
 確かめていただくと、何と、当用漢字改訂音訓表に盲学校の「盲」という漢字の訓読みに、「めくら」という差別語が依然としてそのまま残っていたのである。誠に信じられないことであった。
 この差別語は、歴史的には、必ずしも差別語だけとして使われたわけではない。だから、国語辞典などからまで、この言葉を削除すべきなどとは決して思わない。しかし、現在においては、差別語として使われ、視覚障害者に不幸をもたらしていることも確かである。
 「当用漢字改訂音訓表」は、公用文書、ラジオ・テレビ・新聞・雑誌などの報道機関、それに学校教育における文字使用の基本となるものである。
 このような重要資料にまで、この差別語を、国語表記の基準として掲載することが許されるであろうか。すでに、終戦から遠く離れた、この昭和48年(当時)という時代は、新聞、テレビなどのマスコミ用語から、障害者などに対する差別語を使わないようにすることが徹底しはじめていた。ところが、何とこの内閣告示である「当用漢字改訂音訓表」に、この視覚障害者に対する差別語が、まだ厳然と残っていた。私にはとても信じられない事実であった。 (続く)

  情報アラカルト
 1. 「平和のための北区戦争展」開催のお知らせ
   日時:8月19(土) 20(日) 午前10時から19時まで。
   入場無料。
   会場:北とぴあ地下(JR王子駅北口、スポーツセンターバス停の付近)
 私たちはベトナム戦争の頃の、野戦病院跡地がなぜ障害者施設になったのかということを調べて、展示しています。戦争の頃に使っていた物(銃や日用品など)、それら展示物を実際に手に取ることができます。その重みを感じられます。それがこのイベントのうりだと思います。詳しいお問い合わせは、阿部広子(03‐3908‐9887)さんまで。

 2. 東京都総合スポーツセンターで「納涼祭」が行われます。
 (1)王子(03‐3907‐5631)、8月19日(土)午後2時から。センターの中、センター運動場(雨天決行)
 (2)多摩(042‐573‐3811)、8月26日(土) フリーマーケットは13時から、お祭は16時から。センター駐車場(雨天の場合は体育館)、どちらのセンターでも、模擬店、花火、盆踊りなどのイベントがあります。
 興味のある方は、いずれかのスポーツセンターにお問い合わせください。

 3. タンデム車でサイクリングのご案内です。
 9月18日(祝)に昭和記念公園でサイクリングを行います。参加費1200円(交通費、自転車代)、持ち物は弁当・飲み物・身障手帳など。お問い合わせと申し込みは、織田洋(03‐3944‐0736)さんまで。

  ありがとうコーナー(省略)

 2. 障都連 夏季募金 ありがとうございます(28名 30631円)
 阿部広子、石原みよ、伊藤常雄、井上毅三、稲垣 実、内田邦子、梅村 秀、織田津友子、栗山 健、黒岩瀧市、小板橋靖彦、小日向光夫、小日向庸子、沢 禎浩、沢真由美、下奥重望、杉田直枝、鈴木 彰、大楽スミヨ、高山米子、滝沢由紀子、田中章治、西原和子、西原清松、野口 忠、野島 潔、山城完治、山中由紀子 (計28名 敬称略)

 役員会だより
 このコーナーは、前号までの「事務局だより」に必要に応じて役員会の決定事項を掲載するものです。事務局が担当します。どうぞよろしくお願いいたします。
 1. 対都要請行動後半の日程は以下の通りです。なお、8月30日と9月6日以外は障館で午後6時30分からです。
  8月21日(月) 建設局
  8月28日(月) 交通局
  8月30日(水) 対都1日要請行動(午前8時30分、JR 新宿駅西口改札 外)
  9月4日(月) 福祉保健局(あはき)
  9月6日(水) 都議会事務局・知事室(予定)

 2. 視覚障害者9条の会結成集会に参加しましょう。9月9日(土) 午後3時30分から午後5時30分まで、障館A1、2で行われます。参加費 1千円、記念講演は、金沢大学の井上英夫先生のお話です。東視協からたくさん参加しましょう。
 
 3. 全視協主催の以下の集会に参加してください。宿泊を伴う参加に対し、東視協として原則5千円の補助金を支給します。学習や仲間との交流を推進するためです。対象となる取り組みは以下の四つです。
 (1) 10月8日、9日 文化の集い(岩手)
 (2) 11月11日、12日 東日本ブロック集会(新潟)
 (3) 07年1月27日、28日 弱者の集い(静岡)

 4. 原水禁大会への全視協代表派遣カンパにご協力を!
 「原水禁世界大会広島」に全視協の代表として、広島視覚障害者協議会の会員が参加しました。この派遣費用のカンパに東視協としては、1万5千円を目標に取り組んでいます。対都要請行動の参加者に訴えています。各ブロックでもブロック会の時などに呼びかけてください。参加できない方でも、協力いただける方は、事務局(03‐3207‐6014)までご連絡ください。

 5. 宮崎県のウルスラ学園教諭の視覚障害をもつ窪田巧さんを支援する要請ハガキ行動にご協力ください。
 宮崎県の聖心ウルスラ学園高校教諭で全視協の個人会員の窪田巧さんに対する学校側の嫌がらせが続いています。新しく教諭を採用し、窪田さんをその補助者にしようとしています。チームティーチングを障害者いじめに利用しようというものです。全視協では、校長と法人に対する抗議、そして窪田さんへの励ましのハガキ(点墨対訳)を送る運動に取り組んでいます。3枚セット100円で買っていただき、あなたの氏名・住所を記入のうえ投函してください。

  日程情報
 8/16(水)  こだま8月号テープ版発行
 8/17(木)  こだま8月号活字版発行
 8/19(土)  日本障害者センター自立支援法問題セミナー
  同  「ステッキーズ」レッスン
  同  青年学生部例会
 8/19(土)、20(日)  全視協女性部埼玉大会
 8/21(月)  建設局要請
 8/22(火)  まちづくり委員会、ゆりかもめテレコムセンター駅調査
 8/23(水)  障館相談(担当・栗山 健)
  同  事務局会議
 8/24(木)  事務局作業
  同  まちづくり委員会、新子安「もしもし券売機」調査
 8/26(土)  事務局作業
 8/27(日)  教養講座「沖縄の文化」、午後1時30分・多摩障害者スポーツセンター
 8/28(月)  交通局要請
 8/30(水)  対都1日要請行動、午前8時30分 JR 新宿駅西口待ち合わせ
 8/31(木)  事務局作業
  同  こだま編集委員会
 9/1(金)  東部ブロック会、障館
  同  雇用を進める会
 9/2(土)  全視協全国委員会議案討議
  同  「ステッキーズ」レッスン
  同  北部ブロック会
 9/4(月)  福祉保健局(あはき関係)要請
  同  点字民報編集委員会
 9/6(水)  都議会事務局・知事室要請、10時20分・新宿駅西口待ち合わせ
  同  障館相談(担当・織田津友子)
  同  事務局会議
 9/7(木)  事務局作業
 9/9(土)  こだま9月号点字版発行
  同  視覚障害者9条の会結成集会
 9/9(土)、10(日)  全視協全国委員会
 9/10(日)  西部ブロック会
 9/11(月)  手をつなごう集会統一行動
  同  南部ブロック会
 9/13(水)  障館相談(担当・山城完治)
  同  事務局会議
 9/14(木)  こだま9月号活字版発行、事務局作業
 9/16(土)  事務局作業
  同  「ステッキーズ」レッスン
  同  青年学生部例会
 9/17(日)  東視協役員会
 9/18(祝)  北部ブロック「タンデム車でサイクリング」
 9/20(水)  障館相談(担当・鈴木彰)
  同  事務局会議
 9/21(木)  事務局作業
 9/23(土)  事務局作業
 9/24(日)  教養講座「炊飯器で手軽にクッキング」、午後1時30分、障館 教室

  編集後記
 毎年恒例の対都要請行動が始まりました。参加者も10数人とまあまあの参加で行われています。成果はあまりありませんが、石原都政の福祉切捨てに対し、黙っていると今まで培った制度まで壊されそうです。まだ参加されていない方は、ぜひ参加して意見を出してください。
 今号でもお知らせしたように8月〜11月は、全視協関係の行事がめじろ押しです。すべて参加するのは大変ですが、どれか1つでも結構ですから参加を考えてみてください。詳しいことは事務局までお問い合わせください。
 全視協は、会員が大会時より減っているとのこと。東視協も役員を中心に第4土曜日に拡大のための電話がけを行なっています。会員のみなさんもこの人は、と思われる方に声をかけてみてください。一人では声がかけにくい、という方でも役員に相談していただければお手伝いいたします。東視協会員は現在138名ですが、次期兵庫大会までに150人をふやしたいと目標を持っています。みなさんのご協力をお願いします。多くの仲間をふやしましょう。