こだま 2005年 6月号 (325号)


   もくじ
視点・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
第39回総会報告・・・・・・・・・・ 5
2千円札問題について・・・・・・・・ 8
聞いて下さい私たちの声を!!・・・ 13
堀木訴訟35周年記念神戸集会に
  参加して・・・・・・・・・・・ 16
(読者投稿2)・・・・・・・・・・  19
貴方の周りの身近な差別・・・・・・ 24
情報アラカルト・・・・・・・・・・ 28
ありがとうコーナー・・・・・・・・ 30
事務局だより・・・・・・・・・・・ 32
日程情報・・・・・・・・・・・・・ 33
編集後記・・・・・・・・・・・・・ 36

   視 点
   「都議選と視覚障害者」
 6月24日公示、7月3日投票で東京都議会議員選挙が行われる。この選挙に私達はどう向き合えば良いのか考えてみたい。
 都議会は、都民の税金の使い方を決議し、都条例を改廃・改正する唯一の権限を持つ。都政の主役である都民の代理人として都政にとって今何が大切かを具体化する役割を持っている。
 今都議会を構成しているのは、一人会派を除けば、自民党、公明党、民主党、共産党、生活者ネットであり、今回の選挙は、これらの政党を選ぶことで、都政への都民の意思を示すことになる。
 次に各政党がどのような施策を進めようとしているかを見てみよう。障害者医療費助成・心身障害者福祉手当・児童育成手当ての所得制限強化、都営住宅家賃値上げ・減免制度改悪、視覚障害按摩マッサージ師配置など特別養護老人ホームの補助金削減は大きい。
しかしそれだけではない。東京都障害者福祉会館の格付けのランクダウン、同館福祉講座・東京ジャーナル・消費生活ネット点字版・盲導犬飼育補助・盲聾通訳介助助成事業がいずれも廃止され、在宅ワープロ講習会・点訳・朗読奉仕員養成・点字テープ図書製作貸し出し事業・図書製作目録作成事業・ヘレンケラー学院委託生事業がいずれも削減されている。
石原知事のいう「何が贅沢といえば福祉」の意味するところはここにあるようだ。
 視覚障害者切捨てのこの施策への各会派の態度は、これを実行する予算への賛否だ。  自民・公明・民主・生活者ネットの各派が“YES”、共産党が“NO”である。上記の福祉切り捨て施策の方針である「東京都財政再建推進プラン」に対して自・公・民・ネットの各派が推進を、共産党が撤回を求めていることを忘れてはならない。この構図が現都政の大きな特徴だといえよう。
 税金は、1円も使わないと始まった臨海部開発には既に2兆円の税金が注ぎ込まれ更に1兆円が注ぎ込まれるという。 1メートル1億円の経費を食い借金確実の首都高速環状品川線の建設への態度も上記の構図がぴったりだ。
 いま浜渦副知事の問題が取りざたされているが、都議会100条委員会決定に基づく浜渦氏の刑事告訴を求める提案に自・公・民が反対しているのは奇妙だ。憲法を破るとの知事の発言に感動したと賛意を送る自・公・民の質疑にはキテレツといいたくなる。ほぼ1週間で平均148万円の豪華海外視察旅行に行った自民・公明・民主の議員達の税金に対する感覚の欠如を治す薬があるのだろうか。
 郵政民営化の採決は都議選に影響するから7月3日以降が良いと公明党幹部がいったとNHKラジオが今朝報じた。都議選の国政への影響の大きさ、痛みは選挙後に押し付ければ良いとのことだろうか。
 都議選そして1票の大切さがこみ上げてくる。いやそれだけではない。障害者の平等な暮らしと社会参加を進める都政を目指す私達一人一人の思いを広げる歩みが求められているのではないだろうか。 (山城完治)
        (編集委員会 山城完治)

  第39回東視協総会が開かれました
                            副会長 田中章治
 2005年度の総会は去る5月29日(日)10時から16時10分まで港区立勤労福祉会館において開催されました。新入会員が3名参加するなど充実した内容の討議が行われました。参加者約50名、以下簡単に報告します。
 冒頭鈴木会長よりこの1年間に亡くなられた会員5名の冥福を祈って全員で黙祷を捧げました。来賓挨拶の後、議長西原和子さんと菅井孝雄さんを選出し、議事は進行しました。
午前中は2004年度の運動のまとめが山城事務局長より、2004年度決算報告が高山会計からありました。その中で東視協運動が実って26の成果があったこと、取り分け、東京都住宅供給公社に勤める穂苅友未さんの解雇通告を撤回させた画期的成果があったことが注目されます。決算では会費の納入を会全体として進めることの重要性が議論されました。
  午後は私達をめぐる情勢、2005年度運動方針案が田中から、予算案が高山さんから提案されました。これを受けて参加者から、憲法9条を守る闘い、障害者自立支援法における「応益負担」反対の運動、タイ式マッサージの上陸問題や無免許者対策など、視覚障害あはき師を守る取り組み、ヒューマンアシスタント制度の期間延長を求める運動、2千円札を流通させない取り組み、東視協の各サークルの現業、会員拡大と東視協を知らせる活動について・・・様々な意見が出されました。結果、運動方針案と予算案は全員の拍手で採択されました。また新役員の提案があり選挙の結果、全員信任されました。最後に三つの特別決議(憲法9条を守る決議、障害者自立支援法における応益負担導入に反対する決議、消費税増税に反対する決議)と第39回東視協総会アピールをいずれも満場の拍手で採択し、閉会となりました。
   選出された役員(敬称略)
 会長:鈴木彰
 副会長:内田邦子、田中章治、西原清松
 事務局長:山城完治
 事務局次長:阿部正文、織田洋
 会計:高山米子
 運営委員:稲垣実、梅村秀、織田津友子、栗山健、小板橋靖彦、沢眞由美、滝沢由紀子、野島潔
 会計監査委員:井上毅三、土井茂樹
  ☆:今期役員を辞めた方がお二人、板垣敦子さん、田中ひろみさんです。どうもお疲れさまでした。今後も東視協活動に積極的にご参加を御願いします。

 視覚障害者の生活における深刻なバリアになる日本銀行那覇支店による、「2千円札の流通増加の企画」に反対します「銀行券の流通の権限のある日本銀行及び深く関係する日本政府に御願いします。」
                             北部 長谷川貞雄
 現在、日本の視覚障害者は、2000年・7月に沖縄サミットを記念して発行された、2千円札の流通が非常に少ないことによりかろうじて、生活において最も基本となる「お金を自由に数えられる」という、バリアフリーを維持しています。
 しかし、次ぎの資料のように2000年の沖縄サミットから5年を経て、ようやく2千円札の流通減少により回復されつつある視覚障害者のバリアフリーを、わざわざ国費をかけて再び壊そうとする企画があります。ぜひとも、この企画を止めて下さいますように。
 以下、日本那覇支店長の発言より一部引用
http://www.3boj.or.jp/naha/ot050417.htm
「我が国の現状を見ると、唯一の『2の付くお金』である2千円札の流通情況は、惨憺たるものです。」
 日本の視覚障害者は那覇支店長のいう、この、「2千円札の流通情況は惨憺たるものです。」によって、皮肉なことに、やっとお金を自由に数えられるというバリアフリーが維持されているのです。
 では、どうして2千円札には、そんなにバリアがあるのでしょうか。
 ※:少なくとも、2000年の沖縄サミットを記念しての「2千円札」発行までは、日本の紙幣と貨幣を合わせた6種類の通貨は、バリアフリーのものでした。つまり、1万円札、5千円札、千円札は、横が160ミリ、155ミリ、150ミリと、金額の順に綺麗に5ミリずつ短くなっていたのです。そこへ、いきなり、5千円札と千円札の間に154ミリの2千円札が新たに割り込んできたのです。それで、2千円札と5千円札とが区別できなくなってしまったのです。
 新5千円札を旧5千円札より1ミリだけ長い156ミリにしましたが、区別できないことは同じです。つまり、紙幣の長さの大切さに気づいたようです。しかし、視覚障害者の多くは、この5ミリの差で紙幣を区別していたのです。これより短いと困るのです。その5ミリの便利さをわざわざ壊してしまったのです。
 紙幣の裁断の寸法で余分に紙幣製造の費用がかかるとは思えません。ですから、最初から、はっきりと計画的に紙幣の大きさで区別できるようにするのが、最も合理的であり、また経済的なのです。ユーロ紙幣の7種類はそうなっています。そしてATMでも使えています。
 触覚で紙幣の識別マークを区別する論もありますが、ご自分が眼を閉じて、このマークが瞬間的に分かるかを試して頂ければ」ご理解頂けます
 視覚障害者も、各種の職業に従事し、また消費生活を行っています。このお金の受け渡しにおいて、1種類でも、その金額を確定しにくい通貨があると、その金額の全体を確定できず確実な金額の受け渡しができません。
 もし、社会生活において、例え1円でも金額の受け渡しに間違いがあるとその経済行為は成り立ちません。このように視覚障害者が金額の受け渡しにおいてバリアがあるということは、視覚障害者が自立して就労や買い物などにおいて社会参加できないことにつながります。
 ※:この全体の金額を不正確なものにする原因となっているものが、「2千円札」の大きさなのです。ですから、この2千円札は、これ以上印刷することなく、また多く流通させることもなく、事実上、「2000年の沖縄サミットの記念紙幣」として頂きたいのです。これが最も国費を費やさないバリアフリーなのです。
 以上、宜しくお願い申し上げます    

聞いて下さい私たちの声!!
                          編集委員 織田津友子
 2003年4月から支援費制度がスタートし、十分な基盤整備がされない内に昨年10月「グランドデザイン案」が打ち出されました。もっとも大きな特徴は「応能負担」から「応益負担」にされようというところです。私たちの生活支援や移動介護問題に関わるものです。
 5月12日、日比谷公会堂と同野外音楽堂に全国から6600人の人が集まりました。障害者自立支援法は日々の生活や人生のあらゆる場面に大きな影響を及ぼす法律に対して、障害者やその家族・関係者から様々な疑問、不安、怒り、意見が率直に述べられました。自立を支援するのではなく、自立を阻害する障害者自立支援法に対して知的通所授産施設の施設長さんからは、「食費払うのいやや、何とかしてくれ」と通所生が怒りをぶつけてきますと発言。沖縄コロニーの職員からも障害者の実情を無視し、障害者の声を聞くことなく進められていく法案の審議に「NO」という声を届けたいと発言。
 都盲協からは移動介護に関する問題点が提起されました。@予算の削減、A応益負担になること、Bサービスが安定して受けられること、などでした。またこんな発言もありました。障害者だって人並みの生活がしたい、人を好きになり恋愛して生きている喜びを感じたい、結婚して子供たちの支えになりたい、稼いだお金で彼女にプレゼントを買って上げたいなどなど、ごく当たり前の要求が切々と話されました。
 この集会で、利用料が増えるという問題、谷間の障害者のことを全然考えてくれていない。働くところはあるだろうか、働くのにどうしてお金を払うのだろうか、自分の人生は自分で決めたい、お金のことをちゃんとしてほしいということが共通して語られました。
 今は本人や家族の所得に応じて負担しているが、自立支援法では利用したら費用の1割を負担するという形に変えられようとしています。利用すればするほど、障害の重い人ほど負担が増えるシステムは憲法25条の「健康で最低限度の生活を営む権利」に反するのではないでしょうか。利用料は所得に応じて負担し、サービスは必要に応じて受けられるのが障害者福祉サービスの基本です。それを根本から変えてしまうのは自立支援どころか自立阻害であると言わざるを得ません。
 東視協からも25名参加しました。編集委員から感想を一言よせてほしいと呼びかけて3人の方から頂きました。
 石原みよさん:少しもの足りませんでした。もっと参加者の切実な声を聞きたかったです。
 井上毅三さん:実例を挙げて話して頂き、とても分かりやすかったです。
 西原和子さん:どうせ外にいるなら少しでも良いからデモ行進をしてアピールした方が良かったなあと思いました。

   堀木提訴35周年記念神戸集会に参加して
                              西部 橋本宗明
 (1)案内文の見出しを見た時に、「堀木同窓会」という印象で、かつての仲間に会える懐かしさはあるものの、そのため神戸まで身銭で行くのは気が重いなあと思いました。
でも読み進む中に「これは一丁行くべきだ」と思い始めました。目下の大問題である自立支援法反対の決起集会で勉強会になると思ったからです。挨拶は、社会保障研究会の小川政亮さん、帰朝講演は金沢大の井上英夫さん、パネラーは障全協の吉本さん、障都連の市橋さん、兵庫守る会の飯田ますみさん、原静子さん(無年金障害者の会)、仏教大の鈴木勉さん、司会は弁護士の藤原精吾さんです。この顔ぶれから、堀木同窓会の匂いを持たせながら、かつ当面の課題にも十分応えられます。行きたい、と思いました。
 (2)5月15日(日)JR元町駅近くの私学会館に100人程の人が集まりました。東視協からは黒岩さんと私でした。個人的なあれこれの懐かしさはさて置き、井上さんの話は良かったです。
 戦後、裁判を通しての社会保障の闘いは、三つの波があった。まず、生活保護法の最低生活とは?を争った朝日訴訟、堀木訴訟は第2波、法の下の平等を争いました。今第3の波は学生無年金訴訟です。
 そして話は当面の課題に入ります。こうして弱者の戦いによって蓄積されてきた戦後の社会保障システムは今根底から掘り崩されようとしています。応益負担は貧乏人を福祉から追い出します。そしてもう一つ、国は福祉から手を引いて、民間会社が福祉サービスを買うことのできる人にこれを販売します。
 この応益負担と福祉の市場化・商品化に対しどんな闘いを挑むかが今問われているのです。
 (3)6時からのパーティでは、(司会者がやきもきする程、みんなかなり長めの)「一言」ずつを話しました。勿論、私は短く手際よく話しました。そして勿論十分な「同窓会」にもなりました。
 最後になりますが、黒岩さんと私に東視協有志の方から多額なカンパを頂戴しました。とても助かりました。ありがとうございました。


(読者投稿2)  「波涛を超えて」
                              南部 伊藤常雄
 私がヨットに乗るようになったのは、2年前からです。インターネットを見ておりましたら、日本視覚障害者セーリング協会のホームページをたまたま見つけ、以前より船が好きでしたから、面白そうだなあと思い体験乗船に参加しました。油壷湾から海に出て帆を上げ走りはじめますと、波、風、鳥の声だけしか聞こえません。風を頬に受け、心地よい船の揺れに身を任せていると、何ともいえない快さを味わえます。自然と一体になったような満足感を感じました。それに、舵はすぐに持たせて頂けますので、自分の自由に船が動かせるという楽しさを初めから味わうことができました。すっかり海の魅力に引き込まれた私は、クラブに入会し活動に参加することになりました。
 ここでヨットの操縦をイメージして頂くために、ブラインドレースについて少し説明をします。世界ルールでは1艇に5から6人乗ります。ブラインドは2名一人は舵を取り、他の1名が大きな帆を操ります。晴眼者は、1名が舵取りに指令を出し、1名が前の小さな帆を操作し他の晴眼者は、バラストの役割を受け持ったり、手伝いをします。しかし、晴眼者は非常な危険状態が起きない限り、舵に触れること、ブラインドが操る帆に触ることができません。ブラインドは眼以外のあらゆる感覚を使い、船を動かしていきます。
うまい人になるとサイテッドの指示とほぼ、一緒に操作を致しますし、船の方向のずれは2度程度しか間違えません。
 昨年はクルーザという船の中で生活ができるヨットに乗せて頂き、弱視の私と全盲のMさんが式根島までのクルージングに参りました。大きな船と違い、海が本当に身近にあり、潮の香り、海のうねり、潮目に入った時の特殊な振動などを直接身体で知ることができます。走りながら糸の先に餌と針を付けたものを流しておくと、鯵や鯖、その他色々な魚が釣れ、さばいて潮水で洗い船の後ろに吊るしておくと、干物が出来上がります。また島の入り江に船を入れ、海水浴、食事などを楽しみました。パラダイスにいると思っても不思議ではない程素晴らしい時間を過ごせました。Mさんも体中で楽園の至福の時を味わっていました。
 皆さんはヨットと聞くとさぞかしお金がかかるだろうと思われるでしょうが、私たちの所属するクラブは多くの方々からのご支援を頂いておりますので、1日コースの参加ですと会費は2000円くらいですし、自前の旅でも民宿2泊、安いホテル1泊を含め私でも安いなあと思う程のお金ですみました。普通の方々でも船が割合と安く購入できるようになりましたので、多くのブラインドが気軽にヨットを楽しめる日が早く訪れる日を夢見ています。

  街を歩く時に思うこと
            北部 井出政美
 今回は外出について書かせて頂きます。
皆さんの中にも積極的に単独で出かけている方、ガイドヘルパーを頼んで出かける方、あまり外出はしないという方など色々だと思います。
ガイドヘルパーの場合、会議などの時に同席してもらうか外(部屋の外)に出ていてもらうかは悩むことがあります。視覚障害者の仲間同士だと途中で待ち合わせをしてもらう時に、自分が行ける場所まで相手に来てもらい探してもらうことが悪いと思ってしまうことがよくあります。
 帰りなどでは掴まってしまえば楽なのに相手が急いでいたら遅くならないか思うことがあります。掴まっていると完全に頼ってしまって、もし「次はどっちに曲がるんだったけ」ということになった時に分からなくなることがあります。目的地まで独りでいかれれば、一番良いのではないかと思います。相手との信頼関係ができれば道順が違っても「こっちの方が近いよ」とかいえると思います。
 外へ出ると色々な悩みが出てきます。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 貴方の周りの身近な差別
                            東部 滝沢由紀子
 これは「差別」というか「偏見」といった方が正しいのか良く分かりませんが、何年か前の出来事をお話します。私は職場の夏休みを利用して青森の実家に帰省しました。
 東京へ戻る前日に母と二人で駅ビルに買い物にでかけました。駅まで来たのだから明日の乗り換えの誘導をお願いしておこうかということになり、インフォメーションに行き、母が「すいません!盛岡駅で新幹線に乗り換えるのに誘導をお願いしたいのですが・・・」といったら女性の方が「分かりました、車椅子は必要ないですね!」「ええ!歩けますから必要ありません」「でしたら今日中に盛岡駅に連絡しておきます」といわれ、自宅の電話番号を伝え、ひとまずその場は1件落着。そして買い物を済まして帰宅しました。ところが夕方5時を回り、青森駅からの電話で「先程盛岡に連絡を入れましたら、車椅子を用意するといっています」と言われ、母が車椅子は要りません」といい駅側も「私も何度もそういったのですが、向こうでどうしても用意するというのです」というのです。母は、私に電話を代わろうとしたのですが、私はぐっすりと眠り込んでいたので代わることができませんでした。夕食のテーブルで母からそのことを告げられ驚いたのと悔しさで何とも言いようのない気持ちでした。母がそのことを家族に話しているのを聞き、悔しさの余り涙が出そうになりました。そして当日盛岡で列車を降りてみると本当に車椅子が用意されてあり、しょうがないと妥協し、乗ったものの駅員専用通路を通り新幹線の乗車口に着いた時にはもう発車直前。乗り継ぎの時間を余裕を持って10分以上とった筈なのに実は歩いた方が結果として早いことがわかりました。
 もう10年以上前の愛知県に住む少女が「脊髄小脳変性症」という難病と闘う日記を読み、その中で少女が入院していた病院へ面会に行き幼い妹と弟が車椅子を乗り回して遊んでいたら母親が「車椅子でなければ移動できない人たちを侮辱していることになるんだよ。」と教えていた。私もその通りだと思った。
 私たちは視覚障害者ではあるが、二本の足で歩くことができるのです。
 近年バリアフリー法や障害者差別禁止法が施行されたが、どれだけ世間は理解してもらえるかが重要です。障害者だから「可愛そうだ」とか特別扱いをするのではなく、その障害に応じた対応の仕方を世間にもっともっと広く知ってもらう必要があると思います。「めくら」などといった差別用語もやめてもらいたい、私たちは好きで障害者になったわけではありません。やはり私たちは積極的に運動に取り組み、どんどん外に出て世間の人と接することが大事だと思います。このことを通じて黙ってはいられない。

   情報アラカルト
 今月は飲み物・食べ物をご紹介します。
1. 純米酒の梅酒
 梅酒といえばホワイトリカーに梅を漬け込んだものと思いますがホワイトリカーを純米酒に代えて作られた梅酒です。甘いがとてもおいしい、味に深みがある、焼酎の臭さがない、ねかせた梅酒に負けない味である。「杜の蔵」の紫蘇梅酒アルコール分9%、1800ミリリットル2520円。お問い合わせは、株式会社西沢03−3625−2438まで。
2. 梅ジャム
 梅の果肉を梅のジュースで煮込んで粗精糖を加えただけ。添加物は一切使用していません。豊な梅の香りとまろやかな酸味・程よい甘味をお楽しみ下さい。パンにたっぷり塗っても料理の隠し味に使ってもグッドです。でも、届いたら先ずスプーンですくって梅ジャムそのものの味を味わってみて下さい。価格は一瓶270g入り650円送料負担するとお取り寄せできます。お問い合わせは竜神自然食品センター0739−78−2060まで。
3. 東視協のお茶と素麺
 総会には間に合わなかった新茶が届きました。また、素麺の販売も始めています。素麺の取り扱い者新井康代(3650−2084)、杉田(049−254−5717)、障館・
山城(070−6647−9320)、織田
(3944−0736)です。
 お茶は、織田津友子(3944−0736)。
素麺1kg20束入り1400円、    お茶100g入り1000円です。
ここで1句「つるつると素麺食べて会活動」

  ありがとうコーナー(省略)

  事務局だより
 このコーナーについての問合わせは、山城完治(070−6647−9320)までお願いします。
 1.障害者自立支援法の応益負担反対などを掲げて障全協が国会前座り込み行動を呼びかけています。東視協としても参加します。
多くの方に参加して頂きたいと思います。
日時は6月16日(木)10時から、1日参加できなくても構いませんので、遠慮せずに参加して下さい。座り込みの場所などのことがありますので、参加される方は、必ず連絡下さい。
 2.東京都障害者福祉会館についての要求などがある方は事務局の山城まで連絡下さい。6月14日の運営懇談会で発言したいと思います。
 3.視覚障害者のための職場介助者制度の適用延長を求める請願署名はまだ間に合います。ご協力下さい。
 4.東視協が都議会に提出した4種・3種郵便制度の維持継続を求める陳情が採択され、6月7日付けで関係機関への意見書が提出されました。運動の成果です。

  日程情報
 6/13(月):都教育委員会要請(都立・中央図書館の視覚障害者職員採用問題)
  同:「視覚障害者サポート・ゆい」設立総会
 6/14(火):障館運営懇談会
 6/15(水):障館相談(担当・鈴木彰)
 6/16(木):障害者自立支援法国会前座り込み、10時から16時
 6/17(金):こだま6月号活字版発行
 6/18(土):歌声サークル「ステッキ―ズ」レッスン
 6/19(日):東視協役員会
  同:水泳サークル「かーなづーち」レッスン
 6/21(火):障館利用者の声を聞く会
 6/22(水):障館相談(担当・織田洋)
 6/25(土):青年学生部例会
 6/26(日):教養講座「戦争と平和を表現する朗読」、講師・丸山詠ニ(俳優)、午後1時30分、障館教室
 6/27(月):南部ブロック会
 7/2(土):東部ブロック会
  同:歌声サークル「すてっきーず」レッスン 
 7/3(日):都議会選挙投票日
 7/4(月):ヒューマンアシスタント制度延長問題対策会議
  同:点字民報編集委員会
 7/6(水):障館相談(担当・西原和子)
 7/7(木):こだま編集委員会
 7/9(土):こだま7月号点字版発行
  同:北部ブロック会
 7/9,10(土日):全視協全国委員会
 7/11(月):「手をつなごう」要請行動
 7/13(水):障館相談(担当・山城完治)
 7/14(木):こだま7月号活字版発行
 7/15(金):雇用を進める会
 7/16(土):歌声サークル「ステッキ―ズ」レッスン
 7/17(日):東視協役員会
 7/18(月):水泳サークル「かーなづーち」レッスン
 7/20(水):障館相談(担当。鈴木彰)
 7/23(土):青年学生部例会
 7/24(日):女性部例会
  同:教養講座「焼酎、歴史とその味わい」
 7/25(月):南部ブロック会
【事務局作業】:
 6/18,23,25,30日
 7/2,7,9,14,16,21,23,28,30日

    編集後記
 5月は色々な行事が組まれ、このこだまも盛り沢山です。橋本さんが書かれた堀木訴訟
のお話ですが、この運動があったからこそ今の基礎年金があるのだと改めて運動の偉大さに感動しています。
 今年の東視協総会は3人の仲間が会場で入会して頂きましたが、その一方でこの1年間で5名の仲間が亡くなってしまいました。
生熊正人さん、飯田勝二さん、宇田川葉子さん、渡久地政二郎さん、初谷清さん、皆さんそれぞれ思い出を残してくれた方ばかりでした。ご冥福をお祈りします。
 自立支援法が国会で審議されていますが、都議会選挙が終わるまで審議がないとのこと、会期延長後成立を企んでいる自・公政府を運動で追い詰め、廃案にするよう運動を強めましょう。
 雑司が谷・鈴木治療院の記事を掲載する予定でしたが、紙面の都合で来月に回すことになりました。来月をお楽しみに。   以上