こだま 2003年1月号(第296号)


    年の始めに
                     東視協会長 鈴木 彰
 会員の皆さん・『こだま』読者の皆さん、2003年明けましておめでとうございます。
 21世紀はゆとりと平和、戦争のない世紀と言われているようですが、そんな様子はど こにもありません。私達を取り巻く状況は、政府自民党は国民に負担ばかり求め減税の恩 恵に全く縁のないものに、年金も国庫負担を2分の1に増やすといいながらそれは消費税 の増税でまかなうといい、その上物価スライドによって支給額を年金制度始まって以来の 減額支給するという’03年の予算です。 サラリーマンの多くが影響を受ける特別配偶 者控除廃止は、これにより1200万国民が影響を受け、平均的家庭で4万8千円もの増 税になります。このような状況で、本当に私達の明るい明日が見えるのでしょうか?
 さて、私達東視協も結成35周年を迎え、昨年は活動の拠点としての「日本障害者セン ター」の設立の一翼を担い、「あはき19条」に「はき」を加えようと、二度にわたる国 会前座り込み行動と都の福祉施設を基本的に廃止又は民間委譲する動きに都庁座り込みな ど身体を張っての闘いの1年でした。
 全国的規模では、「重点要求実現のための学習会」(千葉)や「重点要求具体化のため の集会」(大阪)の二つの集会に参加してきました。8月には、全視協女性部神奈川大会 に今までにない東視協からの参加者で大会を盛り上げました。
 「東視協結成35周年記念平和と人権を考える沖縄の旅」は夏・冬併せて38名の皆さ んが参加し、それぞれ大きな感銘を受け、活動への新たな闘志を燃やして帰ってきました。 大成功だったと思っています。総括のための実行委員会を開き、まとめの報告を『こだま 』2月号に掲載したいと思っています。(参加者の感想を今月号と来月号に掲載します)
 2003年、今年も課題は山積みです。私達の暮らしを左右する東京都知事選挙、それ に続き区市町・議会議員選挙が行われます。前にも書きましたが、都の福祉施設の廃止や 4月から始まる支援費制度、気を緩めると福祉の後退は、ずるずると進行していきます。 区市町村においても福祉タクシー制度の削減やあはき治療券の削減など私達に直接関係の ある予算が切り捨てられようとしています。この選挙を通して私達の意思を大いに示そう ではありませんか。
 東視協定期総会、全視協第26回北海道大会、青学学校など全国規模での行事が予定さ れており、今年も1年頑張らなければと考えています。これらを始めとする行事に多くの 会員の皆さんの参加を呼びかけます。東視協活動を役員や一部の会員の運動にとどめず、 会全体で取り組んで行きましょう。皆さんのご協力をお願いし、今年も皆さんと共に東視 協を盛り上げたいと思います。
 最後に、私は沖縄に行った際、沖縄の夜のふんいきを肌で味わいたく、国際通り・公設 市場を歩いている時、父親と坊やの二人の会話に心引かれました。坊やは3,4才位だと 思われますが・・・。  「お父さん、今日は平和だね・・・、平和な町っていいね!お父さん・・・」 私は、 この坊やの「平和」というのはきっと基地の騒音に日常的にやかましい思いをしているの に、今日ばかりはそれがないから「平和」なんだなあと! 私には坊やの気持ちが痛いほど分かる思いがしました。
 今年も皆さんと共に力を合わせて一歩一歩進もう。

    視 点
 36年目も胸を張って歩もう
 明るい話題の少なかった1年が過ぎ行き、新世紀3度目 の正月を迎えたが、読者諸氏もそれぞれ思いを新たにしていることだろう。
 しかし、組織の年度はまだ終わっていないから’02年度の課題はまだ続く。
 今年度は、東視協結成35周年ということで、これを記念しての「平和と人権を考える 沖縄の旅」が企画され、夏と冬の二グループ合わせると会員ボランティア総勢38名とい う参加でその目的を果たしたことは、あっぱれなことである。
 ただ、全く無事故で・・・というわけにもいかず、冬組終盤に若干の気のゆるみと不注 意からけが人を出してしまったことが残念であったが、それは致命的なものではなく、お おむねこの記念事業は成功裏に終えたといえよう。これも35年の歩みで培った結束と団 結、そして現実的なニーズにマッチした取り組みだったことに他ならない。
 ところで、迎えた2003年はかねてから言われているように選挙の年である。4年前 に誕生した石原都政の下で進められた弱者無視、福祉切り捨てのあれこれについてはこの 紙面でも毎度紹介されていることなので、今更くどくど述べることを控えるが、この都政 を我々都内で暮らす老若男女総てのもののために取り戻すため、この知事選は見逃せない 大事な闘いになることは言うまでもない。そういう意味からも今年前半の一斉地方選挙と 中後半に予想される総選挙には我々の要求を取り上げ、それを政治に反映させる勢力を勝 利させなければならない。 また、一方ではこの4月の年度明けから福祉の一部が「支援 費制度」に移行され、その行方も懸念されており、これも注意しなければならない。
 近年、中央・地方を問わず政党の離合集散の下で、その再編がめまぐるしい中で、また もや有事法や国民負担増が取り沙汰され、ややもすると挫折感と無力感に陥りがちではあ るが、今年こそこうした敗北主義的傾向を吹き飛ばし、36年目を迎える東視協が時代は 変わっても、初心を取り戻し胸を張って明るい未来を切り開く運動を力強く進めて行きた い。
                         (編集委員会)

  未年生まれー私の抱負!
                          石原みよ
 今年は、オカリナに熱中したいと思っています。太田区報に載っていたオカリナ教室に 応募しようと、オカリナを買いました。南部ブロックの忘年会には吹こうかな?

                  栗山 健
 小泉悪政で、今年も国民生活は悪くなるばかりになりそうです。自らの生活を守る運動 を行動で示したいと思います。  個人的には、秘湯の温泉の旅を楽しみたいと思っています。今年も宜しくお願い致しま す。

                         小原寿賀子
 このところ風邪を引かなくなったので、今年も元気で過ごしたい。

                         小日向庸子
 今年も健康に気を付けて仕事に家庭に、そして少しは体力の許す範囲で東視協活動にも 参加したいと思います。

                         沢田和一
 昔、「48才の抵抗」という小説を読んだ時、そんなものかと思いましたが、あっとい う間にその年になってしまいました。今度は「恍惚の人」ですかね。干支の未は「いまだ ○○○ず」と読みます。未だ学び得ず、未だなしえず、自分は何も知らないのだ、変わら ないものはないのだという気持ちを持ちながら、ぼちぼちやっていきます。勿論未だ老い ずです。

                         田辺光男
 1931年生まれの未は、あのいまわしい15年戦争が始まった年であった。 それ故悲惨な戦争と平和の尊さが身にしみ込んで離れないのである。昔から未は平和の使 い主とか、平和の象徴とか言われている。いま、世界には5億人の未がいるはずである。 この5億の未人民軍の力で、21世紀の平和を守ろうではないか。

                         橋本宗明
 馬齢を重ねてお恥ずかしい。できるだけ透明になりたいです。

                         日野レイ子
 今年もただ一生懸命働くこと。

                         山城一枝
 健康で、楽しい1年が過ごせるようにすることが、目標です。子供達は、それぞれ高校 生、中学生になりますので、色々なことがあるとは思いますが、希望を持って楽しく過ご したいと思います。

  石原都政の視覚障害者の  図書館利用切り捨て
                       副会長 田中章治
 石原都政の図書館施策切り捨ては、もの凄い。就任からこれまでに図書館関係予算はほ ぼ半減しているといわれる。 この傾向は、視覚障害者サービスにも顕著だ。例えば、録 音図書の製作点数は平成11年度が77点であったのに、平成13年度では47点に後退 しているし、点字図書の製作も7点から4点に落ち込んでいる。これは取りも直さず、視 覚障害者サービス予算が大幅ダウンしているからだ。平成12年度を100%(2933 万6千円)とすると、平成14年度は52%(1424万6千円)となっているのである。 録音図書や点字図書の製作依頼が受け付けられない事態も生まれている。
 加えて、昨年末に発表された平成15年度予算原案(知事査定)によると、都立中央図 書館視覚障害者サービス係りの職員定数が1名削減(現行3人態勢)された。これは、同 館の視覚障害者の利用に大きなバリアを設けることに他ならない。職員二人態勢では、平 日の夜間や日曜日の開室が困難となり、結果的にこの時間帯の対面朗読の実施が不可能と なるからである。言うまでもなく、対面朗読は、私達にとっての図書資料の「閲覧」であ り、現在でも月曜日が休室しており、晴眼者とのこれ以上の較差は絶対に認めるわけには いかない。
 視覚障害者は情報障害者であるが、都立中央図書館の視覚障害者サービスは、その障害 を軽減する一つの有力な手段である。都は、「ノーマライゼーション推進東京プラン」を 発表し、その実施に向けた行動を展開しているが、これら一連の動きは明らかにこの理念 に反している。
 障害者医療費助成・福祉手当・都営住宅家賃減免制度の改悪から、休養ホーム事業まで 石原都政の福祉切り捨ては凄まじい。都立中央図書館の視覚障害者サービス切り捨ては、 障害者への支援切り捨てにとどまらない、障害を重くし、社会のバリアを大きくする施策 である。
 2月5日から2003年度予算を審議する都議会が始まる。議会に対して、都民に対し て、石原都政の暴挙を告発し、撤回させる運動を強めていきたい。

   平和と人権を考える沖縄の旅 大成功!(1)
 ☆夏・冬2回の旅が無事に終わりました。合わせて38名(内、会員28、付き添い4 ,ボランティア6)が参加し、平和に対する思いを深めたことと思います。今月号と来月 号に、夏同様冬参加した皆さんの感想を幾つか掲載し、この旅の成功を報告したいと思い ます。
                          生熊正人
 始めての沖縄の旅では、平和ガイドの村上先生の分かりやすい話と戦争の惨状を物語る 施設を見る度に改めて平和の尊さを実感した貴重な旅でした。実行委員の皆さん有り難う ございました。

                          栗山 健
 私は2回目の沖縄旅行でしたが、今回はガイドの詳しい案内で沖縄戦の状況(ひめゆり の塔やチビチリガマの集団自決など)がよく分かりました。  私は2才の時、終戦を迎え、北朝鮮から引き揚げてきました。母の通夜の時、引き揚げ 船から泣く子供を海に捨ててきた人もいたという話を聞いた時は大きなショックをうけま したが、今回の旅行で改めて戦争の悲惨さと平和の大切さを痛感しました。

                          小日向光夫
 沖縄には、日本に駐留する米軍基地の70%もあり、まさに基地と同居させられている というのが率直な感想です。 これはもう安保条約破棄しか解決の道はありません。  気候も温暖で食べ物も美味しく、今度は、ぜひ離島に行って見たいと思います。 ボランティアの方々にはお世話になりました。有り難うございました。

                         小日向庸子
 沖縄に行ったのは今回が初めてです。私が感じたことは平和の大切さ、とりわけ戦争に つながる基地の存在は平和とは相容れないことです。「ゴーヤチャンプルー」は美味しか ったです。

                         沢田和一
 ボランティアの方々・現地の渡嘉敷さんと平和ガイドの村上先生・そして、実行委員の 皆様方に感謝感謝の素晴らしい旅でした。集団自決のあった洞窟の記念碑に、三線を弾く 人の姿が書かれていました。「戦争で傷ついた人々の心を支えたのは、伝統文化でした。」 という言葉が、心に沁みました。その夜、ホテルで行われた、琉球舞踊ショーのエンディ ング。人々の輪の中で、私もカチャーシーを力いっぱい踊ってきました。

                         鈴木 彰
 総責任者として総ての行動を控えめにホテルに一旦戻ったら最後、風呂に行く以外は一 切部屋から出ず、ひたすら夜の沖縄を楽しんでいる仲間の無事を祈り、帰りを待つ・・・
。 渡嘉敷さん本当にお世話になりました。そして沖縄平和ネットワークの村上先生有り難う ございました。参加者の皆さんご苦労様でした。 活動に必ず役に立つものだと確信しています。

   憲法と障害者の人権 教養講座に参加して
                     北部 風間巳津弘
 皆さん、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。  さて、昨年12月15日の教養講座は「憲法と障害者の人権」をテーマに伊藤真(法学 館・伊藤塾という法律を教える予備校の塾長)先生にきて頂きました。  最初は憲法など、とても難しいと思っていましたが、伊藤先生のお話はとても理解しや すいものでした。
 まず印象に残ったのは、憲法と法律についての話でした。@法律とは国家権力による強 制力を伴った社会規範、A強いものに歯止めをかける役割を憲法が持つ、B憲法を尊重し 擁護する義務を負うのは、国家であるなどのことでした。
 次に伊藤先生は、個人の尊厳・人権の尊重が憲法の最も大切な点だと話しました。平和 主義・基本的人権の尊重・国民主権など日本国憲法の柱は、個人の尊厳と人権を大切にす ることに繋がっているという話に、なるほどと思いました。
 また、日本国憲法の中で大切な条項と障害者の人権について話されました。  総ての国民は個人として尊重されるー(13条)、総ての国民は法の下に平等ー・・・ (14条)、総ての国民は、健康で文化的最低限度の・・・(25条)などを読み、現状 や障害者の権利などについての話でした。
 障害者の権利宣言(1975年)、国際障害者年(1981年)に始まった障害者の完 全参加と平等の流れは、日本でも障害者基本法、バリアフリー法の成立・障害者の日の制 定など、腰の重い日本政府を動かしています。これは、日本国憲法の方向です。
 しかし、まだまだ世界に比べれば遅れているのが実状です。世界保健機関から障害者差 別禁止法を作りなさいと勧告を受けたにも関わらず、厚生労働省は日本に向かない法律だ といったとのこと。日本はまだ福祉途上国。だからこそこれからも私達の主張を国や都に 訴えていかなければ、前には進めないだろうと思いました。

    情報アラカルト
  (商品情報)
 (1)牡蠣(かき)の紹介:この時期は牡蠣が大変美味しい時期です。牡蠣フライや牡 蠣グラタンを冷凍で広島の産地から送り届けて頂けます。      牡蠣フライ10個 (500g)1500円、牡蠣グラタン1個(300g)800円、牡蠣ピザ1枚(30 0g)1500円他に牡蠣塩辛もあります。いずれも送料・消費税は別となります。お問 い合わせ・申し込みは、電話082−823−0144(「株」倉崎海産)
 (2)手軽で美味しい本格派素材と製法にこだわったフリーズドライの味噌汁:お弁当 と一緒に又は一寸味噌汁が飲みたくなった時にとっても便利です。スーパーなどにもあり ますが、飲んでみてなかなか美味しいと思いました。家庭用として30食入り2600円 と2700円があります。お問い合わせ・お申し込みは0120−304−681(天野 実業)
 (3)事業委員会から:東視協が販売している3種類のチョコレートに加えて「楽しみ ませんか!」とネーミングされた袋入り600円を販売します。これにはプチショコラ、 ココアコート、5,6種類のチョコが入っており、食べる時に何が出てくるか楽しみとい うわけです。どうぞお楽しみに。


   川柳コーナー
「妻控除 やもめ 総理が廃止する」 (そあ1)

   ありがとうコーナー(省略)

   事務局だより
 1.今年は、上野裁判の上野孝司さんの事故から30年にあたります。2月1日のこの 日に東視協では、高田馬場駅頭宣伝行動、献花、「上野裁判と安全歩行」(仮称)の集会 を予定しています。バリアフリーな駅・街づくりの常識を開いた上野裁判の闘いからこれ からの街づくりまでを考え、行動する日にしたいと思います。ご参加下さい。当日は、J R高田馬場駅早稲田口に午後3時に待ち合わせます。集会は、午後6時から新宿リサイク ル活動センター会議室で行います。
 2.東視協では「障害者の介護・福祉制度の利用における親・家族負担の撤廃を求める」 国会請願署名に取り組みます。点字や墨字の署名用紙の必要な方は、事務局までご連絡下 さい。
 3.東京都障害者福祉会館の今年4月から9月までの定期利用申請の受付は、1月25 日までです。サークルなど予定を決めて活動するのに便利です。申し込んではいかかでし ょうか。ただ一つお願いがあります。東視協の名前で申請する場合は、必ず事務局まで連 絡して下さい。こちらに問い合わせがあった場合に困ります。

   日程情報

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