こだま 2002年12月号(第295号)


   視 点
 「アジア太平洋障害者の10年」(1993〜2002年)の最終年が終わろうとして いる。障害者運動の節目に現状と方向について考えて見たい。
 先日豊島区議会厚生委員会を傍聴した。福祉タクシー制度充実を求める私達の陳情の論 議に障害者福祉に対する二つの側面を見た。障害者の社会参加促進の点では合意するが、 予算措置や制度改善の具体策では、スローガンを具体化しようとの主張と我慢すべきとの 主張の違いが見られた。
 障害者の社会への全面参加と平等を目指す国際的な明確な流れは1981年「国際障害 年」から現在に至っている。障害者基本法・障害者プラン・ハートビル法・交通バリアフ リー法・補助券法、各地の街づくり条例の実施などこの間、障害者の社会参加と平等な暮 らしへの制度が前進した。街で私達に声をかけてくれる人が増えるなど、障害者への理解 も広がってきている。
 豊島区議会は、福祉タクシー制度への国の助成制度創設への意見書は認めたが、現在月 3300円分のタクシー券を6900円分に戻してほしいという切実な願いを自・公・民 主クラブの多数で否決した。
 障害者基本法などの整備面では確かに進んできた。が、歩行や移動・読み書き・就労の 現実に基本的人権の保障や平等権保証の日本国憲法がなかなか見えてこない。例えば国民 全体の就業率が49.8%(02年10月・総務庁)なのに、視覚障害者は23.9%( 身体障害児・者実態調査・01年6月調査)と半分以下だ。スローガンを現実にする取り 組みと運動が必要である。
 窪田巧さんの提訴した休職命令・賃金支払い請求は、12月10日に勝利和解した。A LS.裁判判決は、投票したくてもできない現状を違憲状態だと認めた。来年からの「新 アジア太平洋障害者10年」を、障害者の人権飛躍の時にしなければならない!。社会参 加の遅れと不平等な実態と矛盾を具体的に解決する工夫と運動の向こうにこそ、私達の人 権の夜明けが見える。
                         (編集委員会)

  「ふれあいハート2002、今年も歌声で元気に年越しを・・・」
                        歌声喫茶実行委員会
 歌声サークル「ステッキーズ」では、今年も港区のピースサンデー実行委員会と共催で、 第3回歌声喫茶を開催します。昨年までの参加者のご意見を取り入れ、今年はステージ出 演を減らし、一曲でも多くみんなで歌いたいと考えています。東視協アンサンブルを中心 にした豪華な伴奏とすばらしい司会者で思い切り楽しく歌いましょう。

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