1999年度大阪府交渉(小規模障害者作業所)の記録
障害者(児)を守る全大阪連絡協議会など障害者関係団体が
1999年10月22、25、26、27、28日の5日間、5会場に分かれて
実施した大阪府交渉の回答・質疑を掲載致します。
参加者総数 1200人
会場 中央青年センターホール、日赤会館大会議室
他の要求項目と回答
教育関連の要求と回答
保育・学童保育関連の要求と回答
労働関連の要求と回答
医療関連の要求と回答
施設関連の要求と回答
交通・住宅・街づくり関連の要求と回答
居宅福祉・地域福祉関連の要求と回答
障害者共同作業所関係(無認可)の要求と回答
(補助金の充実)
49. 小規模障害者作業所の発展のために、助成内容を充実してください。
@重度障害者の利用率が高まっている実態に応じた助成制度とするため、認可施設並みの補助金額にしてください。また、5名からの補助金を男女各一名の職員が雇えるだけの額に引き上げてください。
【基本回答】
一昨年本府において実施しました「障害者福祉作業所実態調査」等から作業所の運営に関して保護者の負担が大きいこと、また、重度障害者の利用率が高まっていることなど、様々な課題を抱えていることも認識しております。加えて、近年におきましては人権の見地から同性介護の希望が高まっていることもお聞きしているところです。本府におきましては、利用者の方々や指導員の処遇の向上並びに保護者の方々の負担の軽減し作業所の安定につなげるには、作業所の認可施設への移行が重要な課題であると考え、その支援方法につきまして鋭意検討を行っているところでございます。このような中、国におきましても社会福祉事業法等の改正、いわゆる社会福祉基礎構造改革におきまして認可移行に関わる各種の要件緩和が検討されており、本府といたしましても今後ともこのような国の同行も見極めつつ作業所の認可移行を図りながら、障害者福祉作業所の安定した運営ができますよう作業所の活用内容に着目した支援方策の充実に努力して参りたいと存じております。
【質疑】
問/補助金は95年10月以降、上がっていない。大阪府が実施した「障害者福祉作業所実態調査」でも運営財源の確保が一番困難という結果がでているし、不足分を賄うための家族の経済的・肉体的負担も数字として現れている。補助金の増額が我々の一番の願い。同時に、国の社会福祉基礎構造改革との関連で「認可への移行促進」と繰り返し言われたが、その具体的中身についてもとても気になる。
問/認可を促進するいわれたが、補助金はどうなるのか。無認可作業所は補助金で運営している。寝屋川で作業所を運営しているが、毎年片親になっている実態がある。保護者の負担は認識していると言われたが、家族は本当にたいへん。補助金が上がるのかどうか、はっきり言って欲しい。
答/平成7年以降補助金が上がっていないことは多くの方々から指摘されている。調査結果でも様々な影響が出ている。作業所の厳しい実態は我々も認識している。今後、我々が一番力を入れるのは認可への移行とその支援。具体的な内容については皆さんの意見も聞きながらこれから検討していく。基礎構造改革で定員要件や資産要件の緩和が言われている。国の動向を見極めながら、認可移行を柱にしていきたい。また、家族の高齢化の中で作業だけでは済まないのではないかいう議論もある。平成9年度に実施した実態調査でも、グループホームの希望が強く出ている。作業のみではなくて利用者・家族の生活支援も今後の重要な課題。生活支援のあり方も検討していきたい。
問/無認可作業所の運営は非常に厳しい。職員が少なくて利用者に十分かかわれない。そのため養護学校時代はできていたことができなくなる利用者もいる。親は無認可だから仕方ないとは思えない。実態を見て欲しい。今の補助金では限界。
問/補助金は無認可作業所の命綱。認可移行の支援も検討してもらいたいが、無認可はその日一日がたいへん。毎月の運営で精一杯。補助金は来年も上がらないのか。補助金に関してどのような努力をしているのか、はっきり教えて欲しい。
問/8人の利用者が通っているが、補助金が少なくて困っている。重度の利用者も多い中で職員にも十分な給料が払えない。どう考えても補助金が足りない。バザーや物品販売で毎月穴埋めしているが、それでも足りない。このままでは親が倒れてしまう。補助金を上げるという返事が聞きたい。
問/人口が少ないので太子町の作業所は数が少ない。少ない作業所に様々な障害の人が通っている。重度の人も多い。大阪府は自立と社会参加と言うが、太子町のような小さな町には自立するための制度がない。唯一作業所だけ。様々な障害がある人たちの自立と社会参加を保障するには多くの職員が必要。補助金を上げて欲しい。
問/私たちは無認可を9年続けた後、この春に認可施設に移行した。しかし、毎年養護学校卒業生を受け入れいるには無認可を残さざるを得ない。府の補助金は上がっていないが、人件費等経費は上がっていかざるを得ない。その差額は職員と家族の努力で埋めている。府下の市町村はどこもたいへん。府が率先して補助金を上げることで市町村に働きかけて欲しい。補助金を上げてもらわないとやっていけない。補助金は予算要望しているが上がらないのか、それとも予算要望もしていないのか。わかりやすい回答をお願いしたい。
答/作業所が認可移行するにせよ無認可のままでいくにせよ運営がたいへん困難という指摘は度々受けている。我々は今の水準は維持していきたいと思っている。その上で、認可施設への移行に比重を置きたいと考えている。作業所をどうしていくかを考えながら検討していきたい。上がるか下がるか、このままなのか、三つの内から答えろと言われても、我々はそのように考えているとしか言えない。
問/私たちはこの間、障害者施策の問題で大阪府に要請してきた。補助金が上がらない中で、大阪府はいろんな案を出してきた。一つは作業所のあり方検討委員会。二つ目は補助金のあり方に関する提案。この時も認可化をよく言っていた。今回、「本府福祉施策の再構築(素案)」が出た。私たちは身体・知的・精神の制度が別々にあればいいとは考えていない。精神の施策が福祉法の体系から外されてきた歴史の中でやっと加わった。にもかかわらず、制度の考え方が異なるのは残念。作業所問題については、原課が作業所の実態をわかっていないとは思っていない。なのになぜ補助金が上がらないのか。誰が補助金を上げてはいけないと言っているのか。知事が言っているのか。それならそうで別の対応をする。それとも原課が上げてはいけないと言っているのか。どこが反対しているのか、はっきりさせて欲しい。作業所問題を解決のための認可化促進についてはかなり前から聞いてきた。簡単に 認可化できないことを一番よく知っているのが大阪府。要件緩和という国の流れがある。しかし、それが自分たちで努力する問題であって、大阪府は直接的なサービスの責任は負わない、みなさん努力してください、認可化しやすくなるのだから、という流れにつながるのなら私たちは認められない。現行の補助金を上げることをどう考えているのか。上げられない理由は財政上のものか、制度上のものか答えて欲しい。さらに、認可化促進の具体的考え方として大阪府は前面に出て責任を果たしてくれるのか。
答/補助金を上げないと言っているのではなくて、作業所の運営補助をどうするのかという中で決まっている。今後どこに力を入れていくのかについて考えると、運営助成に力を入れると同時に認可移行に必要な施策に力を入れる。大阪府として認可移行に何らかの応援ができないかということで研究・検討している。府として作業所支援の一番の力点は認可移行。国のハードルが下がったから後は皆さんで土地を探して資金を確保してくれというたかたちで作業所に対する府の責任を放棄するものではなくて、作業所の支援は引き続きしていく。その時の一番の力点は認可移行。中身についてはあいまいなことしか言えないが、認可を支援する施策を考えている。
問/認可移行については大阪府が全面的に責任を持って我々が認可化しやすいように支援するというお答えだが、認可移行できないところもあれば認可移行したくない作業所もある。とりあえず認可移行するにしても、国の補助金がどうなるかわからない。要件緩和されるまでは我慢しておけというのでは納得できない。認可化促進に力を入れることを批判しているわけではない。しかし、現実には認可化できない無認可がある。補助金が据え置かれて実質的に運営費が目減りしている。今まで重度加算や送迎補助に関して、市町村丸抱えの補助金だから個別の問題は検討しないとは言ったことがないではないか。「重度化でたいへんなのもわかる」「送迎がたいへんなのもわかる」と言っていたではないか。それがなぜ今更「市町村へのトータルな補助なので個別の対応はできない」という話になるのか。これまでの交渉とは態度が変わってきているとしか思えない。認可化促進は何年度からやってくれるのか。それが決まっていないのなら当面、無認可の補助金を上げて欲しい。
答/認可移行しなくていいという作業所もある。我々としては、無認可の良さも承知しているが、条件面から考えれば認可に移行してもらいたいと考えている。物心両面にわたる支援を検討する。補助金も認可移行を促進するものにしていきたい。
A認可施設になれるよう、府の土地・建物や資金の提供をしてください。
【基本回答】
障害者福祉作業所は授産活動等障害者の日中活動の場としての役割を持ち、自立と社会参加をめざす障害者の方々の地域生活における重要な社会資源の一つであると認識しております。これまで障害者福祉作業所が行っております自立支援を目的とした諸活動、また、作業所を利用する障害者への支援の向上、保護者への様々な負担軽減、職員の処遇向上等、作業所がこれまで抱えてきた様々な困難を軽減するためには、作業所の認可施設への移行が必要であると考えています。
作業所が認可施設へ移行するためには土地や建物の経費、また設立準備や運営のための人材の確保など、多くのハードルを越えなければならないことは十分認識しております。本府におきましては平成3年度に「民間社会福祉施設整備促進事業」、また平成4年度に「民間社会福祉事業振興対策資金貸付金」、それぞれ施設の経費と利用者の処遇に対する支援として創設し、平成10年度までに75カ所の障害者作業所が認可施設への移行を果たしたところでございます。
一方、国におきましても、社会福祉基礎構造改革の中で認可施設の設立要件、とりわけ認可施設の規模要件、また認可施設を設置する際の資産要件等各種要件の緩和措置が検討されています。本府としましては、そのような国の動向を見極めながら今後とも障害者福祉作業所の認可施設への移行を促進し、その支援に努めて参りたいと存じております。
【質疑】
問/認可施設になるためには土地と建物の確保が一番の問題。
答/土地・建物の取得に関する苦労はよく聞いている。第一義的には市町村の土地・建物であって、府の土地は難しい。認可施設への移行に際しては土地・建物の確保が問題になるが、国は基礎構造改革の中で借家や借地も認めると言っている。要件緩和を見極めながら考えていきたい。
問/作業所の家族も認可への移行を願っている人と無認可のままでいいという人に分かれている。家族も高齢化している。認可にするために苦労は並大抵ではない。認可のための苦労からなかなか踏み切れない人もいる。認可する時にどのような援助をしてくれるのか。はっきりした内容が聞きたい。
答/無認可なりの良さは承知している。しかし、家族の負担軽減・利用者の処遇向上等を考えた場合、認可への移行がベストだと考えている。認可への移行支援の内容はまだ固まっていないが、何らかの形で後押ししたいと考えている。認可移行に伴う負担は職員からも聞いている。無認可の良さを尊重しながらどう認可に移行するかについては、今後検討していく。
問/認可に移行するには無認可の時の何倍ものお金が必要。借金返済のお金もいる。土地を買わなくていいように大阪府の土地を提供するなり、市町村に働きかけるなりして欲しい。
問/無認可を9年続けて認可施設になったが、認可になる前は無認可の財政活動をしながら認可化するための資金集めをしていた。無認可に残った仲間達も毎日楽しく暮らしているが、財政活動はたいへん。子ども達を守ってもらうためにも職員の待遇をよくして欲しい。財政活動は母親だけでやっているわけではない。父親も協力している。認可移行促進と言うが、認可移行には自己資金が必要。それを親に負担させないで欲しい。自己資金についての補助をしていただきたい。
B大阪市と堺市のすべての無認可小規模作業所へも、補助金を出してください。また、その場合、各市の補助金に府の補助金を上乗せするよう指導してください。
【基本回答】
地方自治法におきまして政令指定都市及び中核市につきましては、政令で定める都道府県の事務の全部または一部を執行することになっており、障害者福祉に関する事務はその対象になっております。大阪市内の障害者福祉作業所に助成につきましては、知的障害者福祉法の改正による大都市特例の実施に伴い、平成5年度から大阪市において実施しております。また、堺市内の障害者福祉作業所に対する助成につきましても、平成8年度に中核市に移行された堺市において実施されているところでございます。大阪市内、堺市内の障害者福祉作業所に対する補助につきましては、大都市特例制度並びに中核市に関する特例制度の趣旨を踏まえ、両市の権限と責任において行ってもらうことになっておりますのでご理解を賜りたいと存じます。
C利用者の実態にあわせ、重度加算とともに送迎に対する補助を行ってください。
D家賃補助を行ってください。また、修繕費、増改築や移転など施設整備に対する補助を行ってください。
【基本回答】
障害者福祉作業所は地域に密着した多様な内容となっており、また、その設立の経過から非常に地域性の強い事業でありますことから、府としましてはより市町村に対する事業の育成・充実を図るという大きな観点からトータル的な補助を行ってきたものでございます。一昨年に実施しました調査結果から障害が重度である、行動傷害がある、家族に大きな負担がかかっているという実態が明らかになってきておりますが、こういった補助金の性格上、重度加算、送迎補助、また家賃等の補助につきましては、現時点では困難であると考えております。
新規開所資金等施設整備に関する備品につきましては、平成3年度から「障害者福祉作業所整備促進助成」、また車両購入につきましては平成3年度に「障害者福祉作業所車両整備助成」を福祉基金事業としてそれぞれ創設し、備品や車両購入での実績もございます。しかしながら、昭和53年度の補助金制度創設以来、一昨年度の調査からも明らかなように、今後は作業所の状況に着目した助成制度の充実に努力し障害者福祉作業所の担ってきた役割が発展するよう努力して参りたいと存じております。
【質疑】
問/出来て間もない作業所だが、障害の重い仲間が多く通っている。職員は3人いるが、全面介助の利用者が3名いる。外に散歩に行くには人手が足りない。職員は雇えないし、今の職員にも低い給料しか払えない。大学での26歳以上の職員に10万ちょっとの給料しか出せない。今の補助金では全体に足りない。来年度も重度重複の利用者が入ってくる。一対一で職員を付けなければならないような重度の障害者だ。トータルな補助と言うが、作業所個々で実態は異なる。そこをしっかり見て個別に補助を付けて欲しい。土日も休まずバザーや物品販売をし職員も精一杯がんばっているが、バザーをやってもしれている。運営の足しにと思ってやっているが、これ以上無理。
問/仲間10人に対し職員3名でやっている。一対一で付かなければならない重度の人が多い。養護学校の時は先生が多くいたが、作業所職員は少ない。それもバザー等で年間300万確保してやっと賄っている状態。障害の状況に見合った補助金にして欲しい。
問/送迎車両を10年以上使っていて扉が開かなくなっている。とても危険な思いをしながら使っている。毎日、頭を悩ましている。何度もお願いにいったが、買い換えはできないと言われた。送迎補助を是非お願いしたい。
問/18名の利用者のほとんどが車椅子。送迎車両もリフトや座席の改良が必要。改良には多くの費用がかかるためできない。新たに作業所を作って新車を購入した時にだけ補助がある。車を購入して改良するには450万ぐらい必要。職員や家族が集めなければならない。一年を通して募金活動もしている。さらに年間300万円ぐらいの運営資金を作らなければならない。体がいつまで持つか不安。私たちも認可を考えてはいるが、さらに認可のためのお金を集めるなんてとうていできない。子どもの介護で精一杯でバザー活動等ができないため、作業所に子供を通わすことができない親もいる。国の基礎構造改革で重度障害者がどうなるか不安。ほっとかれるのではないかという危機感を持っている。
答/基本的にはトータル補助という考えで対応している。重度の人が多くいる実態も理解しているが、それも含めてトータルな補助。個別的なものを考えるなら補助全体を見直す必要がでてくる。個別的な補助は困難。新たに車を購入するときに車両補助を行っている。買い換えの問い合わせもあるが、毎年作業所が新しくできている中で新たに車を購入するところを優先する。
問/夏でも車のエンジンがかからない。ドアも開かない。何年たったら買い換えができるのか。もし事故があった場合は府が責任を取るのか。買い換えができないなら修理代の補助を出してくれるのか。
答/新しく作業所を作って車を購入されるところを優先している。買い換えの要望は他からも聞いているが、車を持っていないところを優先するのが現状。
問/買い換えてはいけないということか。買い換えても補助はしないということか。
答/買い換え分での車両整備補助は困難。修理・維持費は運営費補助に含まれている。
E社会保険、労働保険の事業主負担分を補助してください。
【基本回答】
社会保険や労働保険の加入など、障害者福祉作業所の職員の身分保障を行うことは安定運営及び利用者の処遇向上、人材確保におきましても重要な課題だと認識しております。本府といたしましては、こうした障害者福祉作業所が障害者の自立と社会参加を図る場として重要なものであるとの認識の下、これまで補助制度の充実に取り組んで参ったところでございますが、一方、非常に地域性の高い事業でありその事業の育成・充実を図るという大きな観点から市町村に対する財政的補助を行っているところでございます。したがいまして、補助金の性格上、ご要望の個別の対応につきましては困難でございます。なお、社会保険・労働保険等の事業主負担分につきましては、厚生福利費として補助対象経費に参入が可能になっておりますのでご理解を賜りたいと存じます。
F国に対して、小規模障害者作業所への補助制度を早急に実態に見合ったものにするよう働きかけてください。また、交付方法については、特定の団体を窓口にするのではなく、公的な制度としていかなる作業所でも利用できるようにしてください。
【基本回答】
国に対する障害者福祉作業所の補助制度の改善につきましては、従来から機会あるごとに団体補助から市町村補助に切り替えるとともに、補助か所数及び補助基準額の増額の必要性を申し上げてきたところでございます。
国におきましては、障害者プランにおける「活動の場の確保」の趣旨から、平成8年度に補助要件を利用者おおむね10人以上から5名以上に引き下げるとともに、補助か所数及び補助金額の一定の改善が図られたところでございます。また、現在進められている社会福祉基礎構造改革では、小規模であっても社会福祉施設として安定的であることを条件に認可施設に移行できる各種要件の緩和の検討がされております。今後ともご要望の補助制度の充実につきましては、国に継続的に要望して参りたいと存じております。
G職員の処遇を自治体職員に準じて行い、通勤手当、住宅手当、退職金を実態に応じて支給できるようにしてください。また、大阪民間福祉従事者共済会に加入できるようにしてください。
【基本回答】
本府といたしましては、昭和53年度の補助制度の創設以来、補助の増額とその充実に努めて参ったところでございます。作業所職員の身分保障につきましては、市町村の取り組み及び本補助制度の中で対応をお願いしたいと存じているところでございます。
民間社会福祉従事者共済会は民間社会福祉施設の従事者の方々が相互扶助により会員相互の福利厚生を図る目的で昭和34年に設立された法人でございます。共済会は退職給付金、一般給付金、生活資金の貸付及び福利厚生事業等を行っております。とりわけ、退職給付制度は社会福祉施設職員等退職手当共済法に基づきまして全国規模の共済制度によって支弁されます国の基準によります退職金と民間共済会が定めた退職金との差を給付するものでございます。したがいまして、共済会の加入対象は全国共済制度と同様、法令に基づいて設置された施設の従事者の方であると共済会の執行法に定められております。障害者作業所の方々につきましては、現在のところ対象になっておりません。ご要望の趣旨につきましては、共済会の方へきっちりとお伝えさせていただきたいと思います。
H研修会、学習会を開催し、職員研修費を保障してください。研修の内容については、共作連や当該労働組合とよく協議をしてください。また、作業所独自で開催する研修に補助をおこなってください。
【基本回答】
福祉作業所の職員を対象とする研修会・学習会を実施し職員の資質向上を図ることは、利用されている障害者の方々の自立と社会参加の促進等に重要であると認識いたしております。この間本府では、大阪府社会福祉協議会に委託をして障害者福祉作業所の運営者・指導者に対する研修を実施しているところでございます。また、平成4年に「簡易心身障害者通所授産施設運営の手引き」を作成し、その運営業務や利用者の処遇向上等、掲載しておりますのでご活用いただければと存じております。また、研修内容につきましては、たくさんの方のご意見を頂戴しながら企画して参りたいと存じます。なお、授産振興センターにおきましても、授産振興して関連して研修事業を企画しており、今後とも職員の資質向上のため研修事業の充実を図って参りたいと存じております。ご要望の職員研修費及び作業所独自に開催される研修につきましては、現行制度の中での対応をお願いしたいと存じております。
I産休代替職員の賃金を市町村と協力して補助し、制度として確立してください。
J作業所通所者の集団検診の費用を補助してください。
【基本回答】
府といたしましては、障害者における作業所の役割の有効性と極めて高い地域性から事業に主体的に取り組んでいる市町村への補助を行っているところでございます。したがいまして、そうした補助金の性格上、ご要望の産休代替職員制度や通所者の集団検診といった個別の対応につきましては困難であるとのことでご理解を賜りたいと存じます。なお、通所者の健康管理につきましては、府単独施策といたしまして障害者の健康管理を図るため平成7年度より「在宅障害者健康管理事業」を創設し医師及び市町村を援助して参ったところでございます。
K作業所への民間の土地提供者の固定資産税を免除してください。
【基本回答】
社会福祉法人が経営する身体障害者福祉法による身体障害者更正援護施設とか知的障害者福祉法による知的障害者援護施設に使用される固定資産税につきましては、固定資産税が課税されないいわゆる非課税となっていることろでございます。また、心身障害者を多数雇用する事業所の雇い主が助成金の支給を受けて取得した事業所の事業に使用される家屋で一定のものにかかわる固定資産税につきましては、5年に限って課税基準の価格の6分の5とする特例措置が講じられているところでございます。障害者のための一定の施設につきましては、地方税法上配慮が加えられているところでございます。ご要望の作業所への民間の土地提供者の固定資産税につきましては、このような地方税法上の非課税とか課税標準の特例措置に該当するものではございませんが、地方税法上の減免制度といたしましてはこのような非課税や課税標準の特例の他に、減免という制度がございます。減免につきましては、個々の納税者の担税力に着目いたしまして、真にその担税力が乏しい方に限りましてそれぞれの市町村が条例に基づいて自主的に実施するものでございますので、よろしくご理解願いたいと存じます。
【質疑】
問/基本回答では作業所の固定資産税の減免ということに関してだったが、中身が異なる。作業所が土地・家屋を確保する場合に金額としてかなり大きくなる。家賃補助ができない中で、地主さんや家主さんに対して税制の優遇措置を講じてもらうことで積極的に作業所に借地や借家が提供されるようにできないのかという要望。作業所に対する減免とは趣旨が違う。
答/固定資産税は所有者に課税されるもの。先ほど回答したように、非課税や課税基準の特例措置はないが、減免という制度がある。減免は真に担税力が乏しい人に対して市町村が条例に基づいて実施するもの。
問/社会福祉法人が土地を購入する場合には減免措置がある。そういう制度が作れないのか。
答/社会福祉法人は非課税。制度上、課税されない。
問/土地を購入する場合、購入資金の3.000万円までは非課税になるという特例措置がある。社会福祉事業全体にあたって、土地購入に関して優遇措置がある。こういう制度を作れないかと言っている。無認可作業所の土地取得を容易にするための優遇措置を作れないのか。借地・借家の場合、無認可作業所が確保するのはたいへん。優遇措置があれば地主さんや大家さんに依頼しやすい。無認可作業所支援策としての優遇措置を作ってくれないかと言っている。
答/再度検討したい。
問/無認可の中には家主さんからあと何年と言われているところもある。次の場所を探すのに大変苦労している。だからこそ、無認可支援として家主さんや土地提供者の方に優遇制度を実施して欲しいということだ。
50.無認可・認可をとわず、作業所ではたらく障害者に充実した労働を安定的に保障するために仕事を確保してください。
@共作連ふきんなど、作業所の自主製品を府として積極的に利用するとともに、広報活動も十分におこなってください。
A印刷・クリーニングなどを実施している作業所に優先発注をおこなってください。
【基本回答】(文書回答)
障害者福祉作業所の安定的な仕事の確保や自主製品の販路の拡大により、作業活動が活性化し、作業所の運営が安定化することは、利用される障害者の社会参加や生き甲斐の充実につながり、また利用者及び指導員の方々の処遇向上につながるものであり、府といたしましてもこういった施策の強化が必要であることは、充分認識しております。
このため、本府におきましては、平成5年に阪急高槻駅に「ふれあい高槻」を設置し、障害者問題に関する啓発及び福祉作業所の自主製品を展示・販売することによる作業所の授産振興および広報活動に努めてまいりました。
また、授産製品の受注・販売の窓口を一本化することにより、仕事の安定確保と授産製品の販路の拡大をより一層推進することを目的として、大阪府授産振興センターを設置し、各種事業を実施しております。
更に、両者を一体的に推進し、効率的な運営を図るため、運営主体を社会福祉協議会」に一本化いたしました。
このような状況のなか、先般、厚生省から「授産施設等の製品等の利用促進について」通知があり、授産施設等における製品並びに各種役務の積極的な活用につきまして、府下各市町村に対し、周知徹底を依頼したところでございます。印刷・クリーニング等の優先発注につきましては、地方公共団体の締結する契約は一般競争入札を原則としているなど、法令・規則上の制約があり、種々検討課題がございますが、今後とも販路の確保方策の充実について検討してまいりたいと存じます。
51.各市町村に対し、小規模作業所の利用者の実態にあわせて、年齢制限を撤廃するよう強く指導してください。
【基本回答】(文書回答)
障害者福祉作業所は、障害者の自立と社会参加を支える重要な社会資源の一つであると認識しております。
本府におきましては、「障害者福祉作業所運営事業実施補助要綱」におきまして、その利用対象者を学齢を超えたものと規定し、幅広く捉えているところですが、この事業は極めて地域性が高いことから、地域の実情を把握しております市町村におきまして、主体的に取り組んでいただいているところでございます。
府といたしましては、市町村における地域の実膚などを考慮しながら、作業所の設立経緯や趣旨を尊重した助成が行われるよう努めてまいりたいと存じます。
(精神障害者作業所への支援)
52. 精神障害者が共同作業所に通所する際の交通費を補助してください。
【基本回答】
ご要望の件に関しましては、困難ではございますが、今後とも手帳制度の充実により交通機関の運賃の減免措置が行われるよう国や公共交通機関等へ働きかけて参りたいと存じます。
53.精神障害者作業所での車両購入を認めてください。
【基本回答】
府では現在、精神障害者の方々の社会復帰及び自立と社会参加の促進を図るため在宅の精神障害者の方々が通所する作業所に対して、市町村を通じて運営補助を行っております。運営補助につきましては平成元年度より実施し、現在利用人数に応じて4ランクに分けて助成を行っており、平成10年度におきましては32市町村・70カ所に助成をしております。ご要望の点につきましては、困難ではございますが、今後とも法内施設としての位置づけ、国庫補助の改善等を国に対して要望していくなど、制度の充実に努めて参りたいと考えております。
【質疑】
問/現行の補助金制度の活用の問題で、現行制度の中で車両を購入したいと要望した時に、精神障害者は独力通所が可能なので送迎用の車両を購入してはならないと指導していると聞いた。補助金の運用上の問題で、基本回答とは全く趣旨が違っている。そのような指導をしているのか。車両購入予算の創設とは違う趣旨の質問。
答/現在作業所に助成している補助金は運営助成金と考えている。送迎用車両は備品扱い。現在のところ、運営助成金を使って送迎用車両を購入することはできない。ただ、送迎用のみではなく物品運搬等で車が必要という声はいろんなところから聞いている。車のニーズは高まっているので、必要なら車両購入を再考・検討する。
問/大阪府の補助金で備品を購入してはいけないのか。無認可作業所で備品を購入していないところはない。身障も知的も購入できないのか。
答/補助制度の対象経費は人件費、備品購入費、修繕費、賃借料、電話代・郵送代等の運営に関わる経費。作業所を新設する時には別の補助制度がある。運営助成金の中に車両購入費は入っていない。
問/身体・知的はトータル補助というのに精神は個別補助。なぜ精神だけ考え方が違うのか。障害の中で差別があってはならないと考えている。精神障害の人は手足が不自由ではないので、送迎は必要ないと考えているのか。作業所への通所がたいへんという精神障害者はたくさんいる。国ですらそんなことは言っていないのに、なぜ大阪府はそんなことを言うのか。精神も福祉の分野なので各課で調整して欲しい。
答/現在は部局が異なるが、障害福祉課が事務局で長期計画の推進本部を担っている。その場で関係各部局とも調整する。
(大阪市内作業所への通所)
54.大阪府在住の障害者が、大阪市内の作業所に適所している場合、利用人数にカウントして補助金を支給してください。
【基本回答】(文書回答)
政令指定都市における障害者福祉に関する事務は、当該市において処理・執行することとなっていることは、先程もお答えしました通りでございます。
障害者福祉作業所運営補助事業につきましても、政令指定都市であります大阪市が独自の補助事業を有しており、またこの補助事業の要綱上、大阪府在住の障害者が、大阪市内の作業所に通所している場合、利用人数にカウントされないこともきいております。本府におきましても、この事業が非常に地域性の高い事業であり、その事業の育成・充実を図るという大きな観点から、措置制度的な補助方法ではなく市町村に対しト−タルな財政的補助を行っているところでございます。
このように、ランク制による市町村補助という補助制度の性格上、ご要望にお応えすることは非常に困難でありますが、今後の課題の一つでありますことは、充分認識しております。
今後は、市町村と連携しながら、現在の作業所における実態に着目した支援方策を検討してまいりたいと存じます。