1999年度大阪府交渉(労働)の記録
障害者(児)を守る全大阪連絡協議会など障害者関係団体が
1999年10月22、25、26、27、28日の5日間、5会場に分かれて
実施した大阪府交渉の回答・質疑を掲載致します。
参加者総数 1200人
会場 中央青年センターホール、日赤会館大会議室
他の要求項目と回答
教育関連の要求と回答
保育・学童保育関連の要求と回答
医療関連の要求と回答
障害者共同作業所関連の要求と回答
施設関連の要求と回答
交通・住宅・街づくり関連の要求と回答
居宅福祉・地域福祉関連の要求と回答
労働関係の要求と回答
(職業訓練校)
36.職業訓練校を府下各地に建設してください。また、訓練修了後は、責任をもって就職につなげるようにしてください。
【基本回答】
障害者の方々を対象とする職業能力開発につきましては、大阪障害者職業能力開発校で8科目170名定員で実施しているところでございます。また、社会福祉法人が実施運営する5施設に、現在11科目125名の定員で委託訓練を実施しているところでございます。なお、障害のない方々とともに訓練受講が可能な障害者の方々には、府内7ヶ所の高等職業技術専門校におきまして、職業訓練を受講頂いております。昨年度は芦原の高等職業技術専門校に定員10名の身体障害者の方を対象と致しますOA技術科を設置いたしまして、障害者の方々の受講機会拡大に努めたところでございます。
就職につきましては、企業等での就労に必要な知識・技能の習得状況、並びに生徒の適正等を勘案しまして、府内の公共職業安定所と連携しまして就職先確保に努めているところでございます。今後とも障害者の方々が円滑に就労することができますよう、適正や能力に十分配慮したきめ細やかな訓練内容や指導等について研究を重ね、障害者の方々の職業自立への支援に努めてまいりたいと存じます。
公共職業安定所におきましては、必要な技能を修得することにより、就職が容易になると考えられる障害者の方に、職業能力開発訓練施設への入校斡旋を行い、訓練期間中におきましても本人のご希望と技能修得状況を把握するため、指導員と連携を図りながら、職業相談を実施し、これをもとに希望に見合った職業に就けるよう、求人開拓を実施するとともに、求人に関する情報の提供を行うなど訓練が活かせるよう、就職斡旋に努めているところでございます。
なお、訓練を修了後、就職にいたらなかった方につきましては、公共職業安定所において、引き続き職業相談を行い、求人開拓や就職斡旋に努めるとともに、合同就職面接会などを開催し、就職機会の拡大をはかっているところでございます。今後ともこれらの取り組みを通じまして、訓練を終了された方々が早期に就職できるよう努めてまいる所存でございます。
【質疑】
問/芦原の職業訓練校にはろうあ者も入校できるのか
答/手話通訳は配置されていない。
問/障害者が10名入れるという事になったのになぜろうあ者は入れないのか。
答/安定所で相談した上で、一番その方の状況にふさわしい施設に入っていただいている。
(保護雇用制度)
37.保護雇用制度を創設するように国に強くはたらきかけてください。
【基本回答】
障害者の方々の雇用促進を図ることは、障害者の方の自立と社会参加を促し、共に生きる社会を実現する上で、欠く事のできない重要な課題であるとの認識のもと、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づきまして、雇用の場を提供できる事業主に対しまして、障害者雇用は社会連帯の責務であるという事を理解させるために、セミナーとか研修会を実施するなど様々な取り組みを行なっているところでございます。特に重度障害者の方々の雇用促進とその安定した継続を図る上で、障害者の方々それぞれのニーズに即した雇用促進を図るように企業指導を行っているところでございます。
また、企業が雇用した障害者の方々が業務を進めていく上での援助、あるいは、通勤等の援助をするための支援者の方を企業内で委嘱・配置した際に助成されます重度障害者介助等助成金等、各種助成金の整備につきまして有効活用を図るよう周知に努め、今後とも企業が重度障害者の雇用促進に取り組むよう指導してまいる所存でございます。
【質疑】
問/保護雇用制度についてはどのように考えるのか。
答/現在は一般雇用の促進について努力をしているところだ。
(職業安定所職業相談員)
38.雇用されている障害者とその家族の悩みを相談する機関として、職業安定所の職業相談員を正職員とし、増員してください。
【基本回答】
障害者の方々が、職場環境に適応し、安定した職業生活を送るためには職業選択から就職後の職場定着における生活指導を含め、本人あるいは保護者の方からの事業主に対して木目細かく継続して相談指導を行なっていく事が必要であります。このため、公共職業安定所におきましては、職員の他に専門的な相談から職場適応指導等までを行っていただく職業相談員を配置しまして、職員と連携を図りながら職業相談等が行なえる体制づくりに努めているところでございます。今後も障害者の方々の雇用を促進するため、職業相談員と職員とがより一層連携を図ってきめ細かな職業相談、就職斡旋、職場定着指導等を行ってまいる所存でございます。
【質疑】
問/正職員で増員してほしいという要望に対する回答はどうか。
答/行政改革のもと、定員削減が進められており、増員は非常に困難だ。現在の相談員の維持について努力していきたい。
問/企業との間で親身に相談に乗っていただける窓口を拡充してほしい。養護学校を通じて就職した人についても安定所でフォローしてほしい。
答/安定所で紹介していない人でも、相談に応じている。養護学校との連携は常に取っている。
(法定雇用率の達成)
39.大企業にも障害者を雇用するよう指導するとともに、雇用率未達成の大企業に障害者を雇用するよう、強くはたらきかけてください。また、未達成企業名を公表するようにしてください。
【基本回答】
平成10年6月1日現在、大阪府内におけます民間企業の障害者の実雇用率は1.50%で、前年と同率となっております。その時点の法定雇用率であります1.60%を達成していない状況にございます。特に常用労働者1000人以上の企業での実雇用率は年々改善されてきているものの、昨年6月1日現在で1.56%となっておりますことから雇用率達成の指導を行なうことはもとより、個別に企業を訪問する事により、求人票の提出、就職面接会への参加など、具体的な働きかけを行っております。また、経験的・専門的な立場から企業に対して具体的に助言相談を行ないます、障害者雇用アドバイザーと連携しまして、安定所が行なう雇用率改善指導やなかなか改善が進まない企業に対して、特例子会社の設立促進を図るなど継続的な指導を行なっているところでございます。
なお、行政措置といたしましては、雇用率が著しく低い企業に対しましては、まず雇い入れ計画の策定を命令し、その後、計画どおりに採用が進まない場合には、計画を適正に実施するよう勧告を行い、それでも改善が見られない場合には、行政指導の効果が期待できない場合に限りまして、労働大臣がその企業名を公表できることになっております。
こうした状況も踏まえ、引き続き雇用率の改善指導を強めてまいりたいと考えております。
(中途障害者の復職・解雇の規制)
40.病気など、中途障害を理由とした解雇をしないよう企業を指導してください。「視覚障害を理由とする解雇」を速やかに撤回するよう関西電力を指導してください
41.中途障害者が円滑に復職・再就職できるよう、企業を指導してください。
【基本回答】
障害者の雇用促進を図るためには、新たな雇用を満たすだけではなくて、中途障害者の方々を含め、雇用の継続・維持を図って行く事も重要でございます。このため、中途障害者の雇用継続のための資源としましては、事業主が作業施設・設備の設置・または整備をする際、職場の復帰にあたっても職域を開拓したり能力開発、職場への適応促進をしていくための職場適応措置を行なう場合に、企業が要する費用についてその一部を助成する中途障害者施設設置等助成金や重度中途障害者職場適応助成金の制度がございますが、大阪府と致しましては、事業主がこれらの制度をうまく活用しながら、中途障害者の方々の雇用を継続するよう働きかけているところでございます。
また、就職を希望する中途障害者の方々につきましては、安定所におきまして、本人のご希望をもとに、ひとりひとりの特性を把握した上で、希望の職業に就けますように職業相談・就職斡旋に努めておるところでございます。
関西電力に関しましては、現在和解勧告を受けて調停中だという事をお聞きしておりますので、大阪府としてはその動向を見守りたいと考えております。
今後とも中途障害者の方々の雇用維持と再就職の際の職業相談・就職斡旋に努めてまいる所存でございます。
(大阪府特別採用制度)
42.大阪府の障害者特別採用制度を充実させてください。
【基本回答】(文書回答)
大阪府では、「障害者の雇用の促進等に関する法律」の趣旨を踏まえ、昭和55年度より、障害の程度が4級より重い身体障害者を対象とする職員採用選考を実施して、身体障害者の方々の雇用の促進に努め、これまで1,2級の重度障害者49名を含む94名の方々を採用してまいりました。
この選考につきましては、制度実施当初よりこれまでの間、皆様方からのご意見も参考にさせていただき、採用職種の拡大や採用人数の増加を図ってまいりました。
平成4年度選考から事務職における障害の種別による受験制限の撤廃を行ったほか、平成5年度選考から事務職における点字試験の導入を行い、1名の合格者を出すなど、制度の改善・充実を図り、「障害者」の方々の雇用の促進に努めてまいりました。さらに、長引く不況の影響により、障害者の雇用情勢が深刻化していることから、平成11年度選考において、受験資格を「障害の程度が1級から4級」を「障害の程度が1級から6級」に変更し、障害者の受験機会の拡充を図ったところです。
以上のとおり、身体障害者を対象とする職員採用選考につきましては、種々の検討を加え、制度改善や採用人数の増加に努力しているところでございますが、今後とも一人でも多くの障害者の方々を採用できるよう努めてまいりたい。
(ヒューマンアシスタント制度)
43.視覚障害を持つ理療開業者が保険取り扱い事務を行うために、ヒューマンアシスタント制度(視覚障害者のための事務介助者)を適用してください。
【基本回答】
事業主は、障害者の方々を雇用し、あわせて職場環境の整備や適切な雇用管理を行った場合には、障害者雇用促進法に規定される障害者雇用納付金制度に基づき、その措置に要した費用の一部を助成する各種制度が設けられているところでございます。このうち重度障害者介助等助成金につきましては、事業主が重度の視覚障害者を雇用し、事務的業務に従事させる場合に、雇用された障害者の業務遂行ために適切な雇用管理を行う介助者を配置または委嘱したときに、その費用の一部を助成するものでございます。しかしながらこの制度につきましては、障害者雇用促進法の事業主と障害者との雇用関係の成立を促進するという趣旨が、他の納付金制度と同様に助成の対象は雇用労働者とされておりますので、自営業への適用は制度としては困難でございますのでご了承頂きたいと存じます。
(鍼・灸・マッサージ)
44.はり・きゅう・マッサージ師の営業とくらしを守るために、無免許者の取り締まりを強化してください。
【基本回答】
現状について調査をしてまいりたいと考えております。
45.理療業(マッサージ・はり・灸)の研究・研修ができる「卒後研修センター」を設置してください
【基本回答】
かねてより府立盲学校職業科の充実に努めてきたところでございます。職業教育の充実は、高等部在学中の生徒に十分な医療技術や職業人としての能力・態度等を身につけさせることが大切であり、そのため教育のいっそうの充実を図る事がなによりも重要であると考えております。今後とも盲学校の教育内容の充実と職業自立の状況の把握に努めてまいりたいと存じます。
46.大阪府職員の福利厚生を目的とする産業マッサージ室業務を府視協委託をやめ、府が直接運営し、視覚障害者マッサージ師に広くその機会を与えて下さい。
【基本回答】
産業マッサージ室は府の独自の制度として、昭和61年から開設しております。開設時は現在のようなかたちではなく、週3日でございましたが、順次開設日を拡大いたしまして、現在に至っているところでございます。現在10ヶ月間開設しているところでございまして、今後とも、この事業の持つ意味を十分理解しながら検討してまいりたいと考えています。
47.特別養護老人ホームで視覚障害者マッサージ師の雇用を行ってください。
【基本回答】
特別養護老人ホームにおきます職員配置につきましては、施設職員の職種や職員数も含めまして、厚生省令で定められているところでございます。厚生省令の「養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」におきましては、これまであんまマッサージ師・指圧師の資格を有する者が、医師の指示のもとに機能回復指導員としての業務を行なっても差し支えないとされておりまして、平成12年4月から施行されます指定介護保険施設の運営基準におきましても、同様となっているところでございます。本年7月1日現在、大阪府が所管する府下の特別養護老人ホームでは、OT、PTを雇用しているところは48施設でございます。また、マッサージ師を雇用している施設は10施設で、うち6施設で8名の視覚障害者の方が雇用されているという状況です。
大阪府と致しましては、機能回復訓練が入所者の生活自立を促進するとともに、身体機能の低下を防止するなど、重要な役割を果たしており、機能回復指導員として、PT.OTの他にマッサージ師などの雇用機会がもうけられておりますので、今後とも積極的に対応するよう指導してまいりたいと存じます。
老人ホームのうち、自分で身のまわりのことができる比較的元気なお年寄りの施設でマッサージの需要の高いと思われる軽費老人ホームやケアハウスにおきましても、マッサージに対するPRを行ってまいりたいと存じます。
(ライトハウス職業訓練事業)
48.日本ライトハウスが年間2000万円以上の赤字を抱えながら実施している視覚障害者の職業訓練事業に対して、大阪府として職員の人件費(定期昇給財源)を独自に助成してください。また、国に対して制度の改善を働きかけてください。
【基本回答】
本府におきましては、昭和56年から視覚障害者の職業教育に関しまして、優れたノウハウを有する日本ライトハウス視覚障害者リハビリテーションセンターに訓練を委託しております。訓練科目につきましては、構内電話交換科、情報処理科、機械科の3科目で、定員25名で職業訓練を実施いたしております。日本ライトハウスをはじめとする委託施設につきましては、日本障害者雇用促進協会の助成金、ならびに府からの委託料によって運営をされております。なお、大阪府の委託料につきましてはこれまで受講生一人当たり月額25750円でございましたものを、平成9年度からは31500円にアップを図ったところでございます。また、労働省に対してましても、日本障害者雇用促進協会からの運営費助成の増額を働きかけております。