1999年度大阪府交渉(交通・住宅・街づくり)の記録

障害者(児)を守る全大阪連絡協議会など障害者関係団体が
1999年10月22、25、26、27、28日の5日間、5会場に分かれて
実施した大阪府交渉の回答・質疑を掲載致します。

参加者総数  1200人
会場      中央青年センターホール、日赤会館大会議室


他の要求項目と回答
       教育関連の要求と回答
       保育・学童保育関連の要求と回答
       医療関連の要求と回答
       労働関連の要求と回答
       障害者共同作業所関連の要求と回答
       施設関連の要求と回答
       居宅福祉・地域福祉関連の要求と回答


交通・住宅・街づくり関連の要求と回答



(まちづくり整備)
73.障害者が安心してくらせるまちづくりをすすめてください。
@高齢者や障害者に配慮した「まちづくり整備計画」を策定するよう、各市町村を指導してください。

【基本回答】
大阪府では全国に先駆けて、平成5年に「福祉の街づくり条例」を施行し、障害者や高齢者など、すべての人が自らの意志で自由に移動でき、社会に参加できる福祉のまちづくりをすすめるため、建築物、道路、公園などの都市施設の整備・改善について、事業者の指導を行っております。市町村施設につきましては、平成5年度より条例等の検討状況の調査を依頼するとともに、市町村を訪問し施設の改善計画を策定するよう要請しております。その結果残っていたものを含めまして、平成10年度末で約半数の市町が改善計画を策定いたしております。さらに今年度、市町村のすべての施設につきまして、条例基準の適用状況や改善状況をあらためて点検し直し、今後の計画を明らかにするよう調査・報告をお願いしております。市町村施設の整備改善に努めているところでございます。
こうした特別施設の整備改善に加えまして、面的な広がりをもった地域で計画的に整備・改善をすすめることが、障害者等の「移動の連続性」を確保する上で重要なことであると考えております。このため、大阪府では、不特定且つ多数の人々が利用する都市施設の集積する駅や市役所等を含めた地区について、福祉のまちづくりを重点的に実施するための計画を策定する市町村に対し、「福祉のまちづくり重点地区整備計画策定事業補助制度」を平成5年度に創設いたしました。
その結果平成10年度末におきまして、12市2町が整備計画を策定しております。今後未策定の市町村に対しましては、一市町村一地区を目標に面的な整備を進めるよう指導し、また、既に策定済みの市町村に対しましては、面的な整備改善に関する国費補助制度を活用するなど、整備改善に努めてまいりたいと存じます。
A大阪府として、必要に応じて市町村や障害者団体と協力して「まちづくり点検」をおこなってください。
【基本回答】
福祉のまちづくりをすすめていくには、すべての府民が相互連携のもとに一体となった取り組みが必要であると考えております。まちづくりの点検につきましても、このための方策の一つとして有効であると存じますので、地域の状況を把握されている市町村とも連携しながら、検討を進めてまいりたいと存じます。
B駅舎へのエレベーター設置助成の適用基準を緩和してください。
【基本回答】
鉄道駅舎におけるエレベーター整備につきましては、障害のある方々の垂直移動の手段を確保するだけでなく、高齢者や子どもづれの方々にとりましても、大変有効なものであると考えております。国におきましては、平成5年に運輸省において「鉄道駅舎におけるエレベーターの設置指針」を策定し、鉄道駅舎についても事業者が計画的に施設の整備改善を行うよう指導しているところです。
大阪府におきましても、福祉の街づくり条例により鉄道駅舎のエレベーターを整備基準として規定し、鉄道事業者に対し基準に適用するよう指導を行っているところです。また、既存の駅舎へのエレベーターの設置を促進するため平成4年度から、鉄道駅舎エレベーター設置促進補助制度を実施し、支援を行ってきたところでございます。この制度では、一日の乗降客数が5万人以上(大阪市10万人以上)の駅(ここには近い将来5万人になる駅も含まれております)、異なる鉄道路線のターミナル駅、多数の府民が利用する公共施設の最寄り駅、の3要件の内2要件を満たす既存の駅舎を対象に補助を実施しているところでございます。 現在の駅舎エレベータ整備の状況は、本制度によりますのが17駅、その他、他制度や鉄道業者独自の整備、また、条例に基づく新駅の整備も含めますと、府下で156駅にエレベーターが整備されております。
本府におきましては今後とも駅舎のエレベーター整備が促進されますよう、鉄道事業者に強く働きかけを行いますとともに、ご要望の趣旨を踏まえまして、今後の支援のあり方について検討してまいりたいと存じます。
DJR、私鉄各駅の駅員を増員し、障害者の介助などにもあたれるよう、関係機関に改善をはたらきかけてください。
【基本回答】
障害者の方々の社会参加が進むなかで、鉄道は障害のある方々が自由に移動するための交通手段として大変重要なものであると存じております。大阪府としても、先ほどお話しましたように、駅舎へのエレベーター設置が図られなければならないと認識しており、そういった点で、関係事業者に対し要望しているところでございます。ご要望の点につきましては、障害者の方が移動に困らないよう鉄道事業者として責任を果たしてほしいという趣旨で働きかけてまいりたいと存じます。
(運賃割引・福祉タクシー制度)
74.各種運賃割引制度を整備拡充してください。
@2種障害者にも100キロ以内の運賃割引を認めてください。あわせて、1種障害者が単独でも100キロ以内の運賃割引ができるようにしてください。
A割引切符は子ども用切符ではなく、障害者割引切符として販売できるよう、自動券売機に障害者用ボタンを設置するよう指導してください。
B特急・寝台料金も割引の対象としてください。
Cタクシー運賃割引の手続きを簡素化してください。
D大阪府下在住の障害者にも、大阪市と同様に地下鉄の運賃割引をおこなってください。

【基本回答】
はじめに、74の@からBの交通機関の利用についての要望でございますが、まず、JR等鉄道各社の運賃割引につきましては、身体障害者旅客運賃割引規定の定めにより、第1種障害者、第2種障害者にかかわらず、障害者の方が単独で100キロメートルを超えて乗車される場合には普通乗車券について、また、第1種障害者の方が介護者と同乗される場合には、普通乗車券に加え、回数券、急行券、定期券について、それぞれ5割の割引が受けられることになっております。
また、割引切符の購入方法につきましては、専用の障害者用ボタンで購入する機械と、子ども・老人用のボタンで購入する機械とがございます。ご要望の第2種障害者に対する割引制度の充実、乗車形態別による乗車キロ制限、また、特急・寝台料金への割引の拡大等につきましては、本府といたしましても、皆様方のご要望の趣旨を踏まえまして、機会あるごとに関係省庁に制度拡充の要望を行ってきたところでございます。
その結果、平成3年12月から、JR等鉄道各社の運賃割引が知的障害者にも適用されることとなり、また、障害者用ボタンで割引切符が購入できる機械が導入されるなど、徐々にではありますが、成果があがっているところでございます。
今後とも引き続き、ご要望の趣旨に沿いまして、関係機関に積極的に働きかけてまいりたいと存じます。
次にCのタクシー運賃割引の手続きの簡素化についてのご要望でございますが、平成5年7月3日から、身体障害者手帳、療育手帳を提示すれば、割引が受けられることとされたところです。この手続きの簡素化は、タクシー運賃の引き上げを認可する近畿運輸局長の通達の中で実施することが定められており、その趣旨を徹底すべく、本府から大阪タクシー協会へ依頼するとともに、同協会におきましても、各タクシー会社へ文書による通知が行われたところであります。
また、運賃の引き上げを行っていない三菱系のタクシー会社5社につきましても、手帳で割引を行なっているところでございます。
次にDの大阪市営地下鉄の運賃割引につきましては、それぞれの市町村において、独自の判断に基づく福祉サービスとして実施されているものであります。皆様方の強いご要望があることは理解しておりますが、本府としては、福祉の街づくりの推進をはじめ、障害者の移動支援の条件整備等、課題も多く、施策の優先性や、府と市町村の果たすべき役割分担を考えますと、本府といたしましては、現状においては、これらの事業を制度化することは困難であると考えております。
【質疑】
問/府下在住者にも地下鉄割引を実施できるよう府として手だてを講じてほしい。
答/府としては障害者の移動に関する条件整備が重要な課題であり、そちらを優先させたい。
問/30年近く要求している。どうして実現しないのか経過を説明してほしい。地下鉄建設については乗り入れ市も財政的に協力している。
75.大阪府独自で「福祉タクシー制度」を実施してください。
【基本回答】
福祉タクシー制度につきましては、それぞれの市町村において独自の判断に基づく福祉サービスとして実施されているところでございます。皆様方からの強い要望があることは承知をいたしているところでございますが、本府といたしましては、福祉の街づくりをはじめ、障害者の移動支援のための条件整備など課題も多くございまして、施策の優先性や市町村との役割分担を考えるとき、現状におきましては福祉タクシー制度を府の事業として制度化することは困難でございます。
(公営住宅)
76.車椅子乗用車特別設計住宅を増やしてください。入居は単身でも認めてください。

【基本回答】
府営住宅の建設は、法令に基づきまして浴室等が老朽化した木造等の住宅の建て替え事業に努めているところでございます。建て替え住宅は「バリアフリー住宅」と名づけておりまして障害者や高齢者の方々が安心して暮すことのできるよう、段差の解消、浴室便所の手するの設置などを行っているところであります。車椅子を常用されている方々に向けて、ハーフメイド方式によりまして、障害の程度や内容に応じた設計といたしましたマイハウス住宅の建設を行っておりまして、原則としてすべての団地において供給することといたしております。
公営住宅法の定めにより、原則は同居家族がいることが要件となっておりますが、高齢者・身体障害者につきましては、特に余裕のある場合は、単身で入居できることになっております。
(家賃補助等)
77.民間賃貸住宅に入居する障害者のために、家賃補助をおこなってください。

【基本回答】
本府では府営住宅のトイレ等に手すりをつけた車椅子常用者世帯向け住宅を含めまして、専用の枠を設けて募集を行いますと同時に、現在重度障害者等住宅改造助成事業を実施をいたしているところでございます。
しかしながら障害のある方々が民間賃貸住宅に入居された場合の家賃補助につきましては、住宅政策全般とも関わる課題でもございまして、現状では困難な状況でございます。
(民間住宅借上げ制度)
78.民間住宅借り上げ制度が各市町村で実施されるよう、指導を強めてください。

【基本回答】
障害者を含む世帯、高齢単身者、高齢夫婦世帯、母子世帯等に対しまして、住宅を供給するため、一定の水準と設備を有する民間住宅を市町村が借り上げる場合、一定の補助に加えて府が建設費の一部を補助する「大阪府福祉型借上げ公共住宅制度」による供給の促進に努めているところでございます。さらに積極的な事業展開が図られるよう、より一層市町村を指導してまいりたいと考えております。
(施術所近代化資金)
79.施術所近代化資金の中に開業のための家賃補助制度をもうけてください。

【基本回答】
大阪府におきましては、昭和48年度より、按摩・マッサージ・指圧師、鍼灸師の免許を有する視覚障害者の方を対象にいたしました、施術所設備改善資金あっせん融資を行っているところでございます。施設の増築改築等に利用する低利の設備資金として450万円を限度に融資し、利率の年3%を超える部分については利子補給をしているところでございます。ご要望の店舗の保証金や敷金にかかる費用につきましては、身体障害者更生資金生業費をご利用いただけるものと考えております。
本府といたしましては、今後ともこの融資制度・貸付制度を広く活用していただけるよう努めてまいりたいと存じます。
(住宅改造助成)
80.住宅改造助成事業を拡充してください。

【基本回答】
障害を持つ方々が身近な地域で安心して自立した生活を送っていただくためには、住宅問題は重要な課題であると認識しているところでございます。このため、大阪府におきましては、平成4年度より重度身体障害者住宅改造助成事業を実施し、この助成事業の実績を踏まえまして、平成7年度より重度身体障害者住宅改造助成事業として本格実施しているところでございます。さらに平成10年度には助成限度額を100万円に引き上げ制度の充実をはかったところでございます。
(水道工事)
81.水道工事に伴う水の濁りについては点字でも事前通知をするよう関係先に働きかけてください。

【基本回答】
水道水の供給については、水道法第15条で水道事業者における給水義務を定めており、給水を停止しようとする場合は、給水を停止する区域及び期間をあらかじめ関係者に周知させる措置を取らなければならないこととなってございます。現在、水道工事に伴う給水の停止や水の濁りの発生が予想される場合などには、各市町村の事業体において各戸へのビラの配布や広報車、また、一部の事業体においては、必要に応じて各戸訪問等による周知を図っているところです。
今後、必要に応じ点字による事前通知も含めた周知方法について検討するよう指導してまいりたいと存じます。
82.視覚障害者の接触事故を招く無灯火自転車の取り締まりを強化してください。
【基本回答】
なし(警察部局に改めて要望)