3月21日 「障害者自立支援法を考える大阪のつどい・W」の報告

自立支援法の施行を4月に控え3月21日、大阪で4度目のつどいを開催いたしました。
当日は、大阪府下をはじめ兵庫、京都、愛知などから1600名もの参加がありました。
午後1時半、福祉協会の菱川さんの総合司会でスタートし、まず難病連の米山さんから「昨年から始まったつどいも4度目を迎え、いよいよ4月から法が施行される。これからが始まりである。様々な問題が想定されるが共にがんばっていこう」との開会挨拶がありました。続いて、障大連の楠さんから「障害程度区分や応益負担、サービスの引き下がりなどの問題があるが、問題を検証し地元自治体に対しても働きかけていこう」との基調提起があり、シンポジウムに移っていきました。
 シンポジウムは、障大連の古田さん、きょうされん大阪の河野さん、そして、厚生労働省改革推進室の横幕さんをシンポジストにお迎えして、障大連の楠さん、知的障害者育成会の小尾さんのコーディネートで進行しました。まず、古田さんからは「大阪が利用者やサービス量が多いと批判され格差是正が強調されているが、地域活動の柱である介護やグループホーム、日中活動のどれをとっても大きく引き下げられることになっていく。生活の激変を避けるためにも3年間、従前額保障すべき」との提起があり、続いて河野さんからは、事業者の立場からこのままでは事業運営ができない実情をあげながら「応益負担は障害者を狙い撃ちにした消費税であり、事業者には支援の責任だけでなく、徴収の責任をも負わせている」との法施行への不安を訴えました。
これらの提起に対して厚労省の横幕さんは、「大阪ではいろんな制度を組み合わせて仕組みを作ってきた。支援費制度では足りないところもあり、精神が対象外であったり、地域格差がありサービスを受けられない人もいた。公的サービスを行き届かせたい。国のお金がないからか、とよく聞かれるが毎年予算を増やし、今後も大きく伸ばしていくため。しかし一方で、納税者の負担を増やす以上理解を得られるものでなければならない。費用負担の問題はあるが各種減免措置などオリジナルなものもある」「従来の支援費サービスは恣意的に流されてきた部分もあったが、今後は障害程度区分で心身の状況を客観的に判断する。介護保険は上限の中でサービスをどう使うかというものだが、程度区分は一つの判断材料。準備が短い中でスタートしていくのは事実で、想定していない課題が出るかも。3年後の見直しに向けて障害別の精度を上げていくことは必要」「介護は従前額保障や区分間流用、小規模自治体への支援などの対策を講じている。重度障害者には従来の倍の国庫負担基準をつけている。グループホームのホームヘルプ利用も従前額保障の対象とする。向こう5年でGHを3倍に増やしたい。入所施設の夜の部分よりも高い単価を設定している」とのお話がありました。
休憩をはさんで、後半はつどい参加団体からの2分スピーチを順次提起いただきました。
育成会、ピープルファースト、精神ボトムアップ連、大家連、父母の会、大聴協、てんかん協会、難病連、頸損連、大精連、福祉協会の11団体からで、どの団体からも福祉・医療の費用負担や、サービスの引き下がりに反対する意見が相次ぎました。
 また、会場から集められた質問用紙は130枚にも及び(文末に要約)、それに基づく議論が行なわれました。厚労省・横幕さんからは「程度区分で非該当になった人もGHは使え、また生活サポート事業もある」「自立支援医療もたくさん使う人は従来より負担が減る」「介護は短時間と長時間に分け、区分の高い人は今までの倍の基準になる」「ガイドヘルプも地域で柔軟に使えるように地域生活支援事業とした」などの発言が繰り返されました。
 また、無認可作業所、デイサービスの問題についてのやりとりのあと、古田さんからは「介護の国基準が高くなるといっても区分6の人などだけ。いったいどれくらいの人が対象になるのか。区分3や4の人は引き下がっているではないか。GHも施設の夜の部分より高くしたといっても月1万程度で、50人に対して2人の配置の施設と同様の基準では今までの個別サービスがつぶされてしまう。厚労省は現実に起こる問題をもっと直視して、起こった問題に対して最後まで責任を持って対応すべき」と訴えました。河野さんからは最後に、「国は財政問題でない、というなら猶のこと応益負担をやめるべきだ。空港建設費を1年やめれば10年の財源不足をまかなえる。安易な実施で百年の計を誤らないでほしい」と訴えました。
 コーディネータからは「まだまだ意見は尽きないが、格差を広げるような改革は真の改革ではない。今日の議論を厚労省も持ち帰って引き続き議論してほしい」とのまとめがありました。
 ピープルファーストの生田さん、宮田さん、池田さんによる集会アピールの提起があり採択の後、閉会挨拶として障連協の中内さんから「今後も一致団結してがんばっていこう」との力強い言葉で締めくくっていただきました。

最後に、今回、大阪府議会議員や堺市議会議員が会場に駆けつけてくださり、また、マスコミからはNHK(テレビ・ラジオ)、毎日新聞、大阪日日新聞、赤旗、大阪民主新報から取材に来ていただきました。

参加いただいた方々、どうもありがとうございました。お疲れさまでした。
今後も、つどいではサービスの引き下がりを許さない取り組みを継続してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。最後まであきらめず、共にがんばりましょう。

<付録>
●シンポジウムでだされた質問から
 シンポジウムには、参加者から約130通の質問や意見が寄せられました。主な内容は以下の通りです。シンポジウムの中では十分な時間とれず、主な意見のうちのごく一部についてやり取りが行われただけとなりましたが、実行委員会としてこれらの声を、しっかりと厚生労働省に届けていけるよう、これからの活動に生かして生きたいと考えています。

○利用料負担について
 利用料負担についての意見や質問が一番多くだされました。主には、「所得保障が十分でない中応益負担を導入することは許されない」「収入が少ない人からなぜ負担金を取るのか」「障害が重ければ重いほど負担が高くなることには耐えられない」などの意見でした。このうち、「事業者が一割負担をとらない場合、ペナルティーはあるのか」という質問に対して、横幕氏は「一割を取らないということは報酬単価基準より安く運営できるということであり、その際にはその金額が運営費の基準となる」と答え、一割をとらない場合については残り9割の一割負担が発生することを示唆しました。

○福祉サービスの内容について
 福祉サービスにかかわっては、「無認可作業所はこれからどうなるのか」「デイサービスはどうなるのか」「地域生活支援事業のうち必須事業の実施ができない市町村はどうなるのか」などの質問が出されました。これに対して横幕氏は、「市町村との連携の中で整備を求めていっていただきたい」と述べました。また、「精神障害が就労移行支援事業などを受ける場合、症状が変化するため標準期間を一律に当てはめるのはおかしいのではないか」などの質問も出されましたが、時間の都合で取り上げることはできませんでした。

○自立支援医療について
 「精神障害通院公費負担を自立支援医療に統合し一割負担を求めておきながら、精神病院からの退院促進を言っても、実効性が疑わしいのではないか」との質問に横幕氏は、「これまでの精神障害通院公費負担は一律5パーセント負担であって上限も設けられなかった。これからは低所得の人には上限が設定されるため負担が軽減される方もおられる。退院促進については、計画的に進めていきたい」と答えました。

○報酬単価と事業経営について
 「ホームヘルプやグループホームの単価が下がっているが、なぜなのか」などの質問に対して横幕氏は、「長時間型、短時間型と利用実態に応じてサービスを再整備するなど使いかってがよいように改善をしている。いままでの単価と比べると高くなるところもあるし低くなるところもある。障害程度区分ごとに整理をしなおしより実態に即した負担となるよう工夫している」と答えました。

○障害程度区分について
 会場からは「精神障害者や知的障害者の区分認定は、今の判定項目では十分にできない」「聴き取り項目に差別的な表現があるなど問題が多い」「行動障害のスコアが一定あがっても非該当から区分一に引き上げられるだけで実態を反映していない」「骨形成不全の障害を持っているが骨折をした場合は全介助になる。本当に正しく認定され必要なときに迅速にサービス提供されるのか」などの質問が出されましたが、時間の都合で取り上げられませんでした。

○その他の項目について
 上記以外にも多様な分野について質問が寄せられました。
 「支給決定はサービスの種類ごとの量で決めるのか、それとも金額や単位で決めるのか」「準備期間が短いというのなら、なぜそんなに急いで法制定をしたのか」「障害者関連予算は増えているといわれるがその実感がまったく持てない」「児童の分野がどうなるのかとても不安」「2009年に介護保険に統合されるのか」などの質問など、時間の都合で取り上げることはできませんでした。