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肢体不自由教育 No.170
特集:ことばを育てる
日々の実践により一層役立つ雑誌を目指し、充実した内容及び読みやすさの視点から、本号(第一七〇号)から紙面の刷新を図りました。第一五五号(平成十四年五月発行)以降初めての大幅な誌面変更となります。
さて、この号は「ことばを育てる」特集としました。
巻頭言では、指導援助において基本となる考え方についてご提言いただきました。論説では、前言語期から学童期までを見通した発達過程・評価の指標を示した上で、肢体不自由児に焦点をあて、言語・コミュニケーション発達の評価と支援の実際について述べていただきました。四つの実践報告は、様々な発達段階の子供たちの指導においてとても参考になると思われます。
子供たちが自分らしく生き、自己実現を図るために、個々の能力に応じたコミュニケーションの力を伸ばすことは重要な指導上の課題です。子供たちの豊かなコミュニケーションを支援するために、本特集号をご活用いただければ幸いです。
(吉川知夫) |
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- ・巻頭言
- 基本となる考え方を踏まえて
- 林 友三
元東京都立北養護学校長
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- ・論説
- ことばの発達と評価
- 石田 宏代
北里大学医療衛生学部助教授
- 肢体不自由児の言語・コミュニケーション発達の評価と支援
- 知念 洋美
千葉県千葉リハビリテーションセンター 訓練治療部言語聴覚士
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- ・実践報告
- 脳性まひ児のことばを育む
―ボバース概念に基づく言語治療―
- 山川 眞千子
日本ボバース研究会 言語聴覚士
重複障害児へのAACアプローチによるコミュニケーション指導
- 吉川 知夫
東京都立江戸川養護学校教論
- 写真やカードを活用した構文の指導
- 濱田 修二
熊本県立松橋養護学校教諭
- 学級担任と自立活動教員でつくる言語指導
- 中本 雅子
和歌山県みくまの養護学校教諭
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- ・連載講座:チームティーチングによる授業づくり(一)
- 現状と課題
- 長沼 俊夫
東京都立城南養護学校主幹
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- ・講座Q&A
- 卒業後のアフターケア
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- ・施設紹介
- 生き生きと過ごせる場の創造
- 森 一生
社会福祉法人かたつむりの会ワークショップ・かたつむり
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- ・ちょっといい話 私の工夫
- プレゼンテーションソフトによるスライド教材
- 阿部 晴美
東京都新宿区立新宿養護学校経論
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- ・運動支援の基礎知識
- 疑似的な運動体験を心がけましょう!(運動障がいの理解 その1)
- 染谷 淳司
東京小児療育病院 みどり愛育園 理学療法士
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- ・医療的ケアの最前線
- 医療的ケアへの新たな対応の時を迎えて
−たんの吸引等の医学的・法律学的整理の意味するもの−
- 飯野 順子
前筑波大教授
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- ・特別支援教育の動向
- 特殊教育免許の総合化について
- 西川 公司
筑波大学教授 附属久里浜養護学校校長
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- ・図書紹介
- 肢体不自由教育への希求
−「人生の質」を高める「教育の質」を問う−
- 飯 野 順 子 著
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- ・読者の声
- 個別移行支援計画と地域生活支援
- 石倉 健二
長崎国際大学社会福祉学科講師
日ごろは、福祉を目指す学生の教育と、療育センターや福祉施設で障害児・者の保健・福祉に関わる実践と研究をさせていただいています。また、養護学校では、動作法と心理リハビリテイションでお手伝いをさせていただく関係もあり、本誌を購読しています。本誌は、AACや摂食指導、医療的ケアなど、福祉現場でも問題となるテーマが分かりやすくきちんと紹介してあり、学生教育や実践活動、私自身の学習のためにも大いに役立っています。
最近では、私自身の興味が障害児・者の「地域生活支援」に大きく傾いていることもあり、福祉制度についての特集や紹介記事で改めて今後の福祉の方向性を確認しながら、特別支援教育における個別指導計画や個別移行支援計画が一体どのように考えられ、取り組まれているのかを興味深く読んでおります。紹介してあるきめの細かい支援の目標や課題の設定が、何よりも子供の発達的変化を中心に据えられていて、福祉の視点に刺激を与えてくれています。
現在、私は、介護保険や支援費制度を利用して、障害児・者や要介護高齢者の地域生活支援の実践ができないものかと考え、いわゆる小規模多機能施設を立ち上げたところです。一人一人のライフサイクルを見据えながら、地域での自立した生活を支援するために教育と福祉の連携は不可欠です。
特に、卒業後の問題を考えるときに、福祉制度を積極的に活用しながら、自分たちが必要なサービスを自分たちで作り上げていくという視点が、今後は大いに必要ではないかと感じています。
連絡帳の難しさ
- 川上
康則
東京都立城南養護学校教諭
肢体不自由養護学校の教育において、家庭での児童生徒の様子や学校での活動内容等について担任と保護者間で情報を交換することは欠かすことのできない要素です。その手段の一つとして連絡帳が挙げられます。しかし、多くの場合、目の前にいる児童生徒の様子を横目で把握しつつ、時間に追われながら書き上げるため、短い文章で的確に伝えることの難しさを感じざるをえないのが実状です。連絡帳のちょっとした記述をめぐって、保護者との関係がこじれたケースを身近に経験した時期もありました。
そんな折、本誌第一五八号(保護者と学校)を拝読し、貴重で有用な示唆を与えていただきました。特に、「重度・重複障害児を対象とした通知表等の役割」に関する実践は非常に興味深く、取り組むべき方法や見直すべき視点について考えるきっかけをいただきました。そして、過去にも連絡帳に関する報告がなされていることを知り、これまでの連絡帳の中身を一文ずつ分類整理する試みにも取り組みました。
連絡帳はその日のうちに、当該児童生徒の保護者と担任との間でやり取りされるものであり、「即時性」と「個別性」という性格特性を包含しています。これらの特性がうまく機能した場合には、教員と保護者間で(TTを組む教員間でも)自由に情報を分析・共有し、変化にも迅速・柔軟に対応できるでしょう。しかし、通知表のように集団での意志決定の手続きを経ることができないため、記入者個人の判断によらざるをえないという大きな課題も同時に抱えています。そんな気持を抱きながら、私は明日も連絡帳を書きます。
これからも本誌には、私たちの日々の教育活動を支えるメルクマール(目標・羅針盤)であり続けてほしいと期待しています。
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- ・トピックス
・次号予告
・編集後記
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