ホーム > みみっと > 平成18年版 > 平成20年 2月29日:初稿 平成20年 4月 4日:更新

仙台市障害者親善国際交流事業上海市訪問記-青砥孝治

去る5月21日より4日間にわたり上海市を訪問しました。国際交流事業に参加は3回目で、今回は素晴らしい交流となりました。

仙台出発15時25分、そろそろ搭乗かと思いきや肝心の飛行機がまだ来ていない。そのうちどこからか飛んで来た。これだなあ…、と思い目を付けていると来ました。上海から来て仙台でUターンして又、上海に行くようだ。今、分ったことですが上海(中国)は広~い所のせいかのんびりで、時間通りなんて考えていないようだ。1時間程遅れて上海に出発となりました。(安全第一、整備完了)
上海空港は広~いため、飛行機からタラップで降りる事になった。降りる時、手を振りながら大統領?にでもなった気分で降り、入国手続き行きのバスに乗る。手続き1時間もかかり、外に出た時は予定より2時間程遅れていました。(日本では一寸考えられない)

ホテルに行く途中に見た上海市内の繁華街は光のページェントでキレイでした。夜10時まで点けているそうです。地震が無いので高層ビルが多く、ほとんどライトアップされていてバスの中から夜景を楽しみました。

2日目は、上海市障害者連合会館に併設されている上海市リハビリセンターを視察しました。ここには、幼稚園児程度の子供達が口話を習っていました。聴覚障害児で5~6人おりました。この中で一人が人工内耳を付けているのを見つけたから、側に行って私の人工内耳を見せてやると、先生が何か言っていたが「同じだね」と言っているように思えた。他の部屋でも口話や読話をやっており、他の機能訓練室、理学療法室もありました。

今日は大切な基調講演がある日です。ねらいは『上海市と仙台市の障害者事情(歴史、制度面、活動状況など)を聴いて両市の相違点、類似点などを探る』ということでしたが、日本側の通訳(男性)は声が大きく、だいたい聴こえましたが、上海側の通訳(女性)は声が小さく聴き取りにくく、上海側の講演はほとんど分らず残念でした。

3日目は、上海市近郊の障害者企業(園芸場)訪問の日です。目覚まし時計を前夜6時30分にセットして寝るも、5時30分に目覚めた。いつもこの時間に起きるので体内時計が起こしてくれたのかも。日本との時差は1時間で本日が早い。

障害者企業まで1時間の予定が交通事情で2時間もかかった。上海市は広~いから道路も日本より広い。ここに行く途中、何か物足りなさを感じていたが、山が見かけないのです。それ程に広いのです。一般道路には標識も速度制限もない。Uターンも自由だね。でも、有料道路には速度制限標識がありました。

この障害者企業では障害者と健常者が一緒に働いており、リンゴ、梨、メロン等を栽培し、ホテルやレストランにその日のうちに出荷しているそうです。何人働いているか分りませんが、40才代が多いそうです。どんな障害者がいるのか外見からでは分りません(誰も障害の内容を聞かなかった)。土地が広いせいか?皆のんびり手作業をしており、広い広い土地だから機械化できるところがあれば、もっと楽になるのにと思った。

ここを後にして上海市内視察です。先ず、仙台に縁のある中国の文学者魯迅公園に入る。私の前に行った半田さんの旦那さんが、何か言って歩いていたが、その言葉が私には55円と聞こえたから、55円を払って入る所かなあと思い、半田さんに聞き返したら『魯迅公園』と教えてくれた。“ろじん”が“55”に聞こえるとは…、私やっぱり難聴だね。

上海に来て、本場の雑技団を見ないで帰れません。ハラハラ、ドキドキしながら名人芸を楽しみました。


最後に、見たまま、感じたままを…。
仙台空港から上海空港まで所要時間3時間半足らずで、近い隣国を実感しました。
上海市内は何もかも広く広く高く高く、ちょっと想像も出来ない光景でした。至るところで道路工事やビル、マンションの建設が盛んでとても活気のある街であると感じました。また、それらの建物は、空に届けとばかりに高さを競い合っているのも驚きであり、反面地震のないこの市がうらやましく思いました。人々はこせこせした様子もなく、のんびりと生活している様に見受けられましたが、主義の違う国のことであり、その裏は分りません。交通網はよく整備され、立体交差が主流のようで日本とは違った感じ。街の中にも道路標識は見当たらず、なんとなくすっきりしていました。あるのは信号機だけと記憶していますが、歩行者の青信号の隅にあと何秒で赤に変わると表示が出てくるのも面白いと思いました。今度行った時は標識のない道路でドライブをしようと思っています。

アメリカにはADA(障害をもつアメリカ人法)があり、「社会生活のあらゆる場面(建築物、交通機関、雇用、通信といった生活に至るまで)で障害者を差別してはならない」と義務つけられており、又、雇用された難聴者が健聴者と同様に、将来に展望がもてる権利を保障されています。今回の障害者親善国際交流事業も、ADA実現のための一つの事業であります。



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