意見書三第1号 障がい者の権利を保障するための新たな福祉法 「障害者総合福祉法(仮称)」の制定に関する意見書 2006年に施行された障害者自立支援法は、施行直後から当事者団体などによって、 新たに導入された応益負担制度をはじめとする多くの問題点が指摘されていた。 こうした中、国は2010年に障害者自立支援法違憲訴訟の原告ら71名との間で、 応益負担制度を廃止し、2013年8月までに障害者自立支援法を廃止して、 新たに総合的な福祉法制を実施するとの基本合意を交わした。 基本合意の実現には、内閣に設置された「障がい者制度改革推進本部」の下で 進められてきた制度改革に関する議論をもとに、障がい者の権利を保障することが必要である。 国連では、2006年12月に障害者権利条約が採択され、既に100ヵ国以上が批准しているが、 わが国は国内法が未整備のため、いまだに批准していない。 そうした意味でも新たな福祉法制の制定が急がれている。 こうした中、障がい者制度改革推進本部の下に設置された 「障がい者制度改革推進会議総合福祉部会」(以下「部会」という。)において、 昨年8月、障害者総合福祉法の骨格に関する提言(以下「提言」という。)がまとめられた。 障がい者自ら選んだ地域において、個々の状況に応じて自立生活を送り、 社会活動に参画できる社会を実現するためには、障がい者自らの選択を尊重し、 必要な支援を利用できるようにすることが必要である。 よって、国会及び政府においては、部会で議論された内容を尊重した 「障害者総合福祉法(仮称)」の成立、施行を求めるとともに、 障がい者が地域で自分らしく暮らせる社会実現のため、下記の事項を実施するよう強く要望する。 記 1「障害者総合福祉法(仮称)」の制定に当たっては、部会がとりまとめた提言を 最大限尊重し、反映させること。 2「障害者総合福祉法(仮称)」の施行に当たっては、制度を円滑に進めるための 地方自治体の財源確保について十分配慮すること。 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。 平成24年(2012年)3月28日 札幌市議会 (提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣 (提出者)全議員