JANNET障害分野NGO連絡会  メールマガジン 第99号 2011年10月28日発行 + 3月11日の東日本大地震で被災された皆様、そのご家族様へ心よりお見舞い申し上げます。 JANNETの会員で、被災地にて支援活動を開始した団体の状況をお知らせしています。 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet++ 目次 トピックス 1.グローバルフェスタ2011参加者報告(10月1日-2日、東京・日比谷公園) 2.デンマーク盲人協会主催パートナーワークショップ報告(10月4日-7日、デンマーク・コペンハーゲン) 3.「タイ視覚障害児の理数科基礎教育に関する教員の資質向上支援プロジェクト」スタート (8月9日-13日、タイ・バンコク) ++ インフォメーション 1.JANNET英文ニュースレター、およびJANNETメールマガジン100号記念号(予告) 2.国連障害者の権利条約批准国情報 ++ イベント情報 1.2011年度第3回JANNET研究会 2.世界銀行コーヒーアワーのご案内 3.第2回アジア太平洋CBR会議 ++ トピック 1 グローバルフェスタ2011参加者報告 和田 雅行、小林 良子、柳原 典子(個人会員) 福山 博(東京ヘレン・ケラー協会)                                                           10月1日(土)、2日(日)に恒例のグローバルフェスタ2011が開催されました。今年は東日本大震災や台風被害を受け、海外からの支援協力もあり「絆」をテーマとして掲げられていました。 私は1日に参加しましたが、今年も出展参加したJANNETのブースには、スタッフとして、事務局をはじめ個人会員の小林さんグループメンバーや独自に出展していた団体会員の方も立ち寄って頂き和やかな雰囲気でした。 会員による震災地域での支援活動状況や、震災地域の物産を販売するための会員間での協力活動等を知ることができ、改めて会員間の絆を感じたとともに、来場者の方からは、「障害分野はこのブースしかないのかな」という関心ある声も聞かれました。 JANNETの活動を、団体会員名簿や配布資料、写真展示パネル、各会員の作品展示販売を通して紹介させて頂き、有意義な時間でした。(個人会員 和田 雅行) 10月1日(土)に参加しました。例年この時期は、強い日差しで暑かったり、雨が降ったり、寒かったり、気候に祟られることも多いのですが、この日は曇天で、暑からず寒からず出展者には優しい1日でした。ただ、ロケーションもあまり良くなかったようで、例年より客の入りが極端に悪く、少し時間を持て余しました。そこで、当協会が加盟する日本ネパールNGOネットワーク(NNNN)のブースが、すぐ近くだったことをいいことに、日頃の不義理解消のために交流に努め、JANNET出展のネパール帽「トピー」を買ってもらいました。(東京ヘレン・ケラー協会 福山 博) インドネシアへの支援をしている関係で、JANNETのブースでインドネシアの特別支援学校や孤児院で作った商品を並べながら、フェスタに参加させていただいています。 JANNETのブースには、開発途上国の障害者問題に興味のある人が多く訪れます。エスニックな雑貨や食品が目当てのお客さんと異なり、専門性の高いお話をされる方が多いようです。知的障害者の支援施設に勤めている方や海外青年協力隊で活動された方々です。ついつい、インドネシアのことを中心にお話してしまいますが、JANNET加盟団体の活動もご紹介しました。(個人会員 小林 良子) 2日目、震災後の影響もあるようで、お客は少なく出展製品の売上はさっぱりでした。しかし、「障がい者関係のところがほとんどないですね」と訪ねてきてCBRについての話を熱心に聞いてくれた弱視の女子大生、問題意識が高くて恐れ入りました。また、ダスキンの研修生達が立ち寄り、指なし手袋を気に入り購入してくれたり、楽しい交流ができました。貧弱な英会話を今年も反省。一期一会の中にピカリと光る思い出ができました。(個人会員 柳原 典子) ++ トピック 2 デンマーク盲人協会主催パートナーワークショップ報告 社会福祉法人 日本盲人会連合                                   田畑 美智子 デンマーク盲人協会が設立100周年を記念して、10月4日から7日まで、世界盲人連合の欧州ブロックである欧州盲人連合の総会を主催しましたが、それに併せて、同協会が開発関係で関わりのあるパートナーがコペンハーゲンに集まり、10月3日から5日の3日間、パートナーワークショップが開催されました。 参加したのは、ガーナ盲人連合・ルワンダ盲人連合・ラオス盲人協会・モンゴル盲人連盟・世界盲人連合アジア太平洋地域協議会の5団体です。夫々の団体に固有の問題提起を受け発表し、他団体が自らの経験を共有化しました。例えば、広い国土に100以上の支部を持つガーナ盲人連合から本部と支部の関わりについて発表があり、支部が活発なモンゴルと本部主導のラオスが自国の経験を披露したり、9月にジャーナリスト向けワークショップを開催したモンゴル盲人連盟がメディア対応の難しさを発表すると、ルワンダでのメディアの反応が披露されたり、という方法で、直面する課題に他団体の経験を活かす手掛かりとなりました。 世界盲人連合の中でも北欧諸国は当初から能力開発等の開発プロジェクトに積極的に取り組んできており、彼らの20余年に渡る活動がどのような形で結実しているか垣間見た、貴重な3日間でした。 ++ トピック 3 「タイ視覚障害児の理数科基礎教育に関する教員の資質向上支援プロジェクト」スタート 国際視覚障害交流・協力ネットワーク代表 青松 利明 2011年8月9日から13日まで、タイ王国バンコク市内のサイエンス・スクエアにて、「タイ視覚障害児の理数科基礎教育に関する教員の資質向上支援プロジェクト」の第1回ワークショップが開催されました。このプロジェクトは、JICA「草の根技術協力事業(地域提案型)」として、2011年から3年間継続されます。プロジェクトの目的は、タイで理数教育に特化した盲学校が創設されたことをきっかけに、これまでは指導法がわからないということで軽視されてきたタイでの視覚障害児への理数教育を充実・発展させていくため、日本におけるその分野の専門性を技術移転することです。 今回のワークショップは、元筑波大学教授鳥山由子先生をプロジェクトリーダーとし、同附属視覚特別支援学校から理科・数学担当教員を中心に7名が協力する形でおこなわれました。また、日本国内の視覚障害児に対する理数教育支援プロジェクトである「科学へジャンプ」の事務局である財団法人九州先端科学技術研究所が日本側の事務局となっています。 タイ側としては、全国に13校ある盲学校のうち9校を運営しているキリスト教視覚障害者財団(The Christian Foundation for the Blind in Thailand: CFBT)とタイ盲人協会(Thailand Association of the Blind: TAB)が協力団体として関わっています。 このプロジェクトでは、タイにおいて3年間で5回(各回5日間)のワークショップの開催と毎年1回合計3回(各回10日)、タイからの研修員の受け入れをおこないます。ワークショップの参加者は3年間継続して参加可能な教員で、定員は30名です。このうち、1年目3名、2年目5名、3年目7名が来日し、筑波大学附属視覚特別支援学校等で授業見学・教材研究等の研修を受けます。 今回のワークショップでは、算数・数学の分野で、「触ることの基本」、「立体をどう捉えるか」、「ものさしづくり」、理科の分野で、「理科の実験・観察の基本」、「感光器(視覚障害児の理科実験には欠かせない装置)の基本」、「気体の発生」等13のワークショップがおこなわれました。残念ながら参加者の募集期間が短く19名の参加でしたが、全国から集まった教員が熱心に受講していました。  10月には8月の参加者のうち3名が来日し、日本の盲学校における理数科目の授業を直接見学しました。研修したタイの教員の全員が、生徒自らができるように工夫された実験や触って確認ができる充実した教材に感動し、「知識を教え込むのではなく、子どもたちが自ら問題解決していくための環境づくりや教師の言葉かけが大切であることに気付かされた」という感想を話していました。次会は12月末にタイで第2回目のワークショップが開催されます。 ++ インフォメーション 1.JANNET英文ニュースレター、およびJANNETメールマガジン100号記念号(予告) <英文ニュースレター> 現在、会員の方々の協力を得ながら鋭意作成を進めている英文ニュースレター。今回の内容は、JANNET加盟団体の活動をまとめたディレクトリー形式です。海外の団体の方々にも広く紹介することが出来ますので、ぜひご活用ください。 <メールマガジン100号記念号> おかげさまで、まもなく第100号目を迎えることとなるJANNETメールマガジン。100号を記念し、特別号として発刊します。過去の研修会の一覧や、海外の著名人からのメッセージ、役員の紹介など、内容も盛りだくさん。皆さん、お楽しみに! 2.国連障害者の権利条約批准国情報 ( 関連サイト: http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html ) 1. アルジェリア 2. アルゼンチン 3. オーストラリア 4. オーストリア 5. アゼルバイジャン 6. バングラデシュ 7. ベルギー 8. ボリビア 9. ボスニア・ヘルツェゴビナ 10. ブラジル 11. ブルキナファソ 12. カナダ 13. チリ 14. 中国 15. クック諸島 16. コスタリカ 17. クロアチア 18. キューバ 19. チェコ共和国 20. デンマーク 21. ドミニカ 22. エクアドル 23. エジプト 24. エルサルバドル 25. フランス 26. ガボン 27. ドイツ 28. グアテマラ 29. ギニア 30. ハイチ 31. ホンジュラス 32. ハンガリー 33. インド 34. イラン 35. イタリア 36. ジャマイカ 37. ヨルダン 38. ケニア 39. ラオス 40. ラトビア 41. レソト 42. マラウイ 43. モルディブ 44. マリ 45. モーリシャス 46. メキシコ 47. モンゴル 48. モンテネグロ 49. モロッコ 50. ナミビア 51. ネパール 52. ニュージーランド 53. ニカラグア 54. ニジェール 55. オマーン 56. パナマ 57. パラグアイ 58. ペルー 59. フィリピン 60. ポルトガル 61. カタール 62. 大韓民国 63. ルワンダ 64. サンマリノ 65. サウジアラビア 66. セルビア 67. セイシェル 68. スロバキア 69. スロベニア 70. 南アフリカ 71. スペイン 72. スーダン 73. スウェーデン 74. シリア 75. タイ 76. チュニジア 77. トルクメニスタン 78. トルコ 79. ウガンダ 80. ウクライナ 81. イギリス 82. タンザニア連合共和国 83. ウルグアイ 84. バヌアツ 85. イエメン 86. ザンビア 87. アラブ首長国連邦  88 エチオピア 89. マレーシア 90. リトアニア 91. アルメニア 92. ナイジェリア 93. モルドバ共和国 94. シエラレオネ 95. セネガル 96. セントビンセント及びグレナディーン諸島 97. 欧州連合 EU 98. ルーマニア 99. トーゴ 100. コロンビア 101. ベリーズ 102. キプロス 103. パキスタン 104. バーレーン 105. ルクセンブルク 106. カーボヴェルデ (2011年10月28日現在) 国連 批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 ++ イベント情報 1.2011年度3回JANNET研究会 本メールマガジン、メーリングリスト等で何度かお知らせしておりますが、標記研究会を、発表者に戸枝陽基氏をお迎えし、明日、開催いたします。当日のご参加も受付けております。多くの皆様のご参加をお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 【テーマ】日本の地域福祉とCBID/CBR 〜街ぐるみの包括的福祉に向けて〜 【日 時】10月29日(土) 午後1時〜4時30分 【場 所】戸山サンライズ 2階大研修室B 【発表者】戸枝陽基(NPOふわり・社会福祉法人むそう理事長) 【ファシリテーター】石本 馨(日本福祉大学健康科学部、日本作業療法士協会)           清水香子(アジア保健研修財団) 【参加費】 会員1,000円、非会員2,000円、学生500円 【お申込方法】下記JANNETホームページからお申込ください。 http://www.normanet.ne.jp/~jannet/kenkyukai/111029kenkyukai.html 【お問い合せ】JANNET事務局 上野、佐々木 TEL: 03-5292-7628  FAX: 03-5292-7630 E-mail: sasaki.yuka@dinf.ne.jp 2.世界銀行、JANNET、日本財団 共催 コーヒーアワー「障害と開発」シリーズ  −気ままに100か国:アポなし車いす一人旅から見えるもの- 今回は、世界100か国以上のほとんどをアポなしの一人旅で訪れている、脊髄損傷の車いす使用者である木島英登さんをスピーカーに迎え、コメンテーターとしてGoogle Mapで多目的トイレの場所がわかる仕組みを作られ、車いす使用者の行動範囲拡大に寄与している(NPO)Check代表理事の金子健二さんも登場いたします。「障害と開発」について考えるこの良い機会に、皆様どうぞご参加ください。 【日 時】2011年11月10日(木) 午後6時30分〜8時00分 【場 所】世界銀行情報センター(PIC東京)      東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル1階 http://www.worldbank.org/ptokyo *都営三田線 内幸町駅直結または、東京メトロ 霞ヶ関駅C3出口 【お問合せ】世界銀行情報センター(PIC東京)E-mail: ptokyo@worldbank.org      Tel: 03-3597-6650 【申込方法】世界銀行東京事務所ウェブサイトhttp://www.worldbank.org/japan/jp にてオンライン申込みいただくか、または、お名前、ご所属、ご連絡先を「11月10日コーヒーアワー参加希望」と明記の上、ptokyo@worldbank.org 宛にお送りください。 参加費は、無料(コーヒー付)です。 【使用言語】 日本語、日本手話 3.第2回アジア太平洋CBR会議 標記会議がフィリピンにて以下の日程で開かれます。詳細は以下のページをご覧ください。 http://www.cbrcongress.com/ 【日程】 2011年11月29日〜12月1日 【場所】フィリピン・マニラ 【テーマ】『CBR:Building Communities for Everyone』 【お申込】こちらのページから直接、お申込ください。http://www.cbrcongress.com/registration.php   ++ 編集後記  世界のあちこちで地震や洪水などの自然災害が続くのはどうしたことかと、つい考えてしまいます。被災された方々の中には、東日本大震災のときがそうであったように、障害のある人たちや社会的に弱い立場にいる人たちの割合が他の人たちより多いのではないかと考えると、自然の無慈悲さを感じます。その分、人間はお互いに慈しみ合うことが求められているのでしょうね。「グローバル」に想いを共有したいと考えます。さて、今回のメルマガは99号ということで、2桁の号数の最後となりました。継続は力なりといいますが、力の結集をずっと続けて来れたのはすごいこと──マイルストーン(一里塚)への到達といえます。心から祝い、次の行き先を皆で考える機会としましょう。 社団法人日本理学療法士協会・古西 勇 ++ JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。 団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/