JANNET障害分野NGO連絡会  メールマガジン 第97号 2011年8月25日発行 + 3月11日の東日本大地震で被災された皆様、そのご家族様へ心よりお見舞い申し上げます。 JANNETの会員で、被災地にて支援活動を開始した団体の状況をお知らせしています。 URL:http://www.normanet.ne.jp/~jannet++ 目次 トピックス 1.第16回WFD世界ろう者会議報告 2.2011年度第1回JANNET研究会(8月1日) ++ インフォメーション 1.田口順子さん受賞のお知らせ 2.『パキスタン 地方の女性と障害者に機会』 3.グローバルフェスタ2011 4.書籍紹介『World Report on Disability 2011』 5.国連障害者の権利条約批准国情報 ++ イベント情報 1.第2回、第3回JANNET研究会のご案内 ++ トピック 1 第16回WFD世界ろう者会議報告 全日本ろうあ連盟 機関紙部長 中村 愼策                                                             第16回世界ろう者会議が、2011年7月18日から24日まで南アフリカ・ダーバン市において125か国、約2100名の参加で開催され、日本からは8名の代表が派遣されました。 この会議は、4年に1度開催され今回は、世界中のろうコミュニティのルネサンス、再生をコンセプトとした「グローバル・デフルネサンス」をテーマに開かれました。 会議に先立ち16・17日には評議員会も開かれ、4年間の活動や会計報告が行われ、閉会式では、国連障害者権利条約の重要性を再確認し、ろう者の手話で教育を受ける権利を保障するために「ろう教育の促進の必要性を再確認し、政府に対し積極的な方策をとることを要求する。」など13項目の決議が示されました。 2期にわたってWFD理事長を務めたマルク・ヨキネン氏が退任の意を表し、評議員会において次期理事長の選挙が行われ、現理事のコリン・アレン氏(オーストラリア)が選ばれました。同時に副理事長、理事の選挙も行われ、副理事長には開催地南アフリカのウィルマ氏が選ばれました。理事には我がアジア・太平洋地域からネパールのRamesh氏が選出されました。 また、次回開催地を決める投票では、トルコ、ドイツ、メキシコからの立候補がありましたが、トルコが過半数以上の票を集め次期(2015年)開催地に決まりました。 他に、分科会ではろう者に関わる問題について、ろうに関わる専門家などからの発表があり、社会的エンパワーメント分科会で「民間財団による研修プログラムの実現と課題」を長谷川理事が、ろう者のメンタルヘルス分科会で「ストレスなく働くために〜日本の聴覚障害の労働環境」を中橋理事が発表されました。ふたつの発表とも多数の質問があり関心を持たれた発表でした。 また、第23回世界ろう連盟アジア太平洋地域代表者会議(WFD RSA/P)も併催され、12か国の代表者が出席しました。宮本一郎理事(世界ろう連盟AP地域事務局長)が1年間の取り組み活動を報告し、2015年までにオセアニア分離に向けて準備を開始すること等の確認がなされました。 5名の新運営委員も選ばれ、2012年第24回世界ろう連盟アジア太平洋地域代表者会議は、2012年11月に香港で開催されます。 詳しい内容は全日本ろうあ連盟のホームページを参照してください。  http://www.jfd.or.jp/2011/08/05/pid6314 ++ トピック 2 2011年度第1回JANNET研究会(8月1日)報告 金澤 真実 日本盲人キリスト教伝道協議会 2011年度第1回JANNET研究会が、8月1日午後6時〜8時に戸山サンライズで開催されました。今年度の研究会テーマは、「CBID(地域に根差したインクルーシブ開発)・CBRガイドラインへの理解を深める」で、全3回を予定しています。初回にあたる今回は「CBID・CBRガイドラインの概要」という題で、講師はJANNET事務局長の上野悦子さんでした。テキストとして、2010年にWHOより発行された『CBRガイドライン』全7冊の内、最初の1冊にあたる「イントロダクション」を日本障害者リハビリテーション協会により日本語に訳されたもの(仮訳)を使用しました。 まず初めに、CBRとは何か、CBR発展の経緯、CBID、『CBRガイドライン』とは何かなど基礎的事柄の解説があり、続いてテキストの内容に沿って解説とコメントがありました。途中で、テキストにかかれている「状況分析」の具体的な事例として、日本CBRネットワークの渡辺雅行さんよりネパールの事例を用いた「関係者分析」の報告と、「実施とモニタリング」の項に取り上げられていたソロモンアイランドでの実例に対し、石本 馨さんより特徴と課題についてのコメントをいただきました。最後に再び、上野さんによって全体のまとめがおこなわれました。 この研究会で、『CBRガイドライン』を読む前に必要な基本的な事柄を理解した上で、ガイドラインのポイントを理解することができたことが大きな収穫でした。また、独学では得られないコメントを其々の方々からいただいたことも貴重でした。 この『ガイドライン』により、これまで様々に理解されてきたCBRの概念や目的に一つの定義が与えられ、それが「共通の言葉」となって国際協力や社会福祉の現場で用いられるという期待をもちました。それと同時に、「これはマニュアルではない」とテキストに書かれてはいても、現場でマニュアル化されてしまう危険性があるように感じました。『ガイドライン』の使い方、使われ方を注視する必要があると思いました。 ++ インフォメーション 1.田口順子さん受賞のお知らせ JANNET研修・研究委員長の田口順子さんが、世界理学療法連盟学術大会 (WCPT)より国際貢献賞を受賞されました。(2011年6月、アムステルダムにて) 日本理学療法士協会創設時にWCPT加盟に尽力され、日本の国際協力では協力隊員の指導、JICA研修の立ち上げなどにご活躍され、JANNETでは牽引役としてご尽力くださっています。 おめでとうございます! これからもご活躍されますように。 受賞時の様子はこちらをご覧ください。 http://www.wcpt.org/awards2011 2.『パキスタン 地方の女性と障害者に機会』 JANNET個人会員であり、ユネスコ・パキスタン事務所長として活躍されている長田こずえさんから、YOMIURI ONLINEに掲載されている標記題名の記事(6月30日付)のご案内がありました。 パキスタン東部ラホール郊外の小さな村に在る「コミュニティー学習センター」で学ぶ視覚障害のある姉妹の様子と共に、教育を受ける機会の限られているパキスタン女性、障害者の現状の改善に向けたユネスコの活動が紹介されています。長田さんのコメントも紹介されています。 記事全文は以下のURLからご欄ください。 http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20110630-OYT8T00308.htm 3.グローバルフェスタ2011 JANICよりグローバルフェスタ2011の開催案内が届きました。開催日時、場所は以下の通りです。 【開催日】10/1(土)〜10/2(日) 【会場】 日比谷公園 イベントの詳細につきましてはこちらをご覧ください。 http://www.gfjapan.com/ JANNETでは例年通り出展を申し込みます。JANNETブースで展示参加を希望する方は事務局までご連絡ください。また、ブースでのボランティアも募集いたしております。 【連絡先】 JANNET事務局: 上野、佐々木 TEL: 03-5292-7628  FAX: 03-5292-7630 E-mail: sasaki.yuka@dinf.ne.jp 4.書籍紹介『World Report on Disability 2011』 WHOが「障害に関する世界報告書 (World Report on Disability 2011)」を発表いたしました。標記レポートはWHOと世界銀行の共同により作成されたもので、障害者の現状と、障害者が社会参加していくための方策を指摘し、取り組みの強化を呼びかけています。 事務局にて1冊購入いたしましたので、お知らせいたします。近くまで来られた方はいつでもお立ち寄りください。ご自由に閲覧いただけます。なお、購入を希望される場合は、以下のURL(WHOオンラインショップ)にてご注文が可能です。 http://www.who.int/disabilities/world_report/2011/en/index.html 5.国連障害者の権利条約批准国情報 ( 関連サイト: http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html ) 1. アルジェリア 2. アルゼンチン 3. オーストラリア 4. オーストリア 5. アゼルバイジャン 6. バングラデシュ 7. ベルギー 8. ボリビア 9. ボスニア・ヘルツェゴビナ 10. ブラジル 11. ブルキナファソ 12. カナダ 13. チリ 14. 中国 15. クック諸島 16. コスタリカ 17. クロアチア 18. キューバ 19. チェコ共和国 20. デンマーク 21. ドミニカ 22. エクアドル 23. エジプト 24. エルサルバドル 25. フランス 26. ガボン 27. ドイツ 28. グアテマラ 29. ギニア 30. ハイチ 31. ホンジュラス 32. ハンガリー 33. インド 34. イラン 35. イタリア 36. ジャマイカ 37. ヨルダン 38. ケニア 39. ラオス 40. ラトビア 41. レソト 42. マラウイ 43. モルディブ 44. マリ 45. モーリシャス 46. メキシコ 47. モンゴル 48. モンテネグロ 49. モロッコ 50. ナミビア 51. ネパール 52. ニュージーランド 53. ニカラグア 54. ニジェール 55. オマーン 56. パナマ 57. パラグアイ 58. ペルー 59. フィリピン 60. ポルトガル 61. カタール 62. 大韓民国 63. ルワンダ 64. サンマリノ 65. サウジアラビア 66. セルビア 67. セイシェル 68. スロバキア 69. スロベニア 70. 南アフリカ 71. スペイン 72. スーダン 73. スウェーデン 74. シリア 75. タイ 76. チュニジア 77. トルクメニスタン 78. トルコ 79. ウガンダ 80. ウクライナ 81. イギリス 82. タンザニア連合共和国 83. ウルグアイ 84. バヌアツ 85. イエメン 86. ザンビア 87. アラブ首長国連邦  88 エチオピア 89. マレーシア 90. リトアニア 91. アルメニア 92. ナイジェリア 93. モルドバ共和国 94. シエラレオネ 95. セネガル 96. セントビンセント及びグレナディーン諸島 97. 欧州連合 EU 98. ルーマニア 99. トーゴ 100. コロンビア 101. ベリーズ 102. キプロス 103. パキスタン (2011年8月24日現在) 国連 批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 ++ イベント情報 1.2011年度第2回、3回JANNET研究会のご案内 今年のテーマ:CBID(地域に根ざしたインクルーシブ開発)・CBFガイドラインへの理解を深める。 【2回目】 日 時:9月5日(月) 午後5時30分〜6時30分 場 所:戸山サンライズ2階特別会議室 テーマ:「2010年にマレーシアで開催されたCBRガイドラインに関する会議報告」 報告者:平本 実(ワールド・ビジョン・ジャパン)     野際紗綾子(難民を助ける会) * 2回目研究会は会員の皆様のみへのご案内となります。ご参加を希望される方は事務局までお問い合わせください。 【3回目】  日 時:10月29日(土) 午後1時〜5時、 場 所:戸山サンライズ テーマ:「日本の地域福祉とCBID」 発表者:戸枝陽基(NPOふわり・社会福祉法人むそう理事長) ファシリテーター:石本 馨(日本福祉大学)          清水香子(アジア保健研修財団) * 3回目研究会につきましては、広くご参加を募ります。プログラム案内ならびに申込方法は 後日、本メールマガジン、JANNETホームページ上等でお知らせいたします。 お問い合わせ: JANNET事務局 上野、佐々木 TEL: 03-5292-7628  FAX: 03-5292-7630 E-mail: sasaki.yuka@dinf.ne.jp ++ 編集後記  JANNETでは、このニュースレターとは別に、毎年1回英文のニュースレターをCDで発行しております。今年度は、先日作成されたJANNET加盟各団体の活動紹介(日本語版)の英語版をニュースレターとして発行することとなっており、各団体からの原稿の締め切りを9月20日とさせていただいております。今後の国際会議等で広く配布される予定ですので、各団体よりの原稿提出のご協力をお願いいたします。詳細は別途各団体にお知らせしております。 また、今号では、今年度のJANNET研究会について、第1回の報告と第2・3回の概要をお知らせしております。ぜひ多くのみなさまにご参加いただきたいと思います。 この8月に私自信も会議やワークショップでマレーシア・タイを訪問しました。いつものことですが、暑い国というイメージとは裏腹にエアコンの温度が低くぶるぶる震えながらの活動となりました。節電の日本との大きな差に改めて気付かされ、何か改善が必要な気分になりました。 青松 利明 ++ JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。 団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/