JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第91号 2011年2月25日発行 ―目次― トピックス 1.第22回WFDアジア太平洋地域事務局代表者会議(2010年11月25〜28日) 2.1月17日 コーヒーアワー報告 インフォメーション 1.2010年12月3日の国際障害者の日のテーマ「MDGs促進」とイベントの日本語訳の紹介 2.Asia Pacific Disability Rehabilitation Journal の2010年度版の紹介 3.JANNET役員会(2011年3月26日) 4.国連障害者の権利条約批准国情報 (2011年2月22日現在) イベント情報 1.アクセシブル観光会議(4月11-14日 台北) +++++ トピック 1 第22回WFDアジア太平洋地域事務局代表者会議(2010年11月25〜28日) 世界ろう連盟第22回アジア太平洋地域事務局代表者会議の報告 全日本ろうあ連盟理事    中橋 道紀 11月25日(木)〜28日(日)フィリピン・タガイタイ市にて行われ、タイ、マレーシア、ネパール、マカオ、インドネシア、フィリピン、インド、香港、韓国、日本の10カ国より代表者が20名参加しました。多数のオブザーバー参加と合わせて約120名が集いました。 アジア太平洋事務局の2009年及び2010年活動・決算報告、アジアの国々のレポート報告、障害者権利条約の各国の取り組み等について話し合いました。今までアジア太平洋地域事務局は、全日本ろうあ連盟の助成金で運営してきました。 今回の会議よりアジアの国々に分担金を払ってもらうことになり、併せて会計期間及び監事を設置するなど規約変更も行いました。この会議の使用言語は国際手話です。 音声言語の場合はエスペラント語に当たります。一夜漬けで覚えた国際手話で報告の内容がなんとかつかめ、わからないことがあれば隣の出席者に聞いたりしました。各国のレポート報告に対して、たどたどしい国際手話で次のように質問をしました。 ・韓国に対して 「ろう者の為の通訳者が整備されているとのことだが、きちんと身分保障されているか?」 「政府と交渉し、徐々に良くなっている。しかし報酬が民間と比べて安い」 ・タイに対して 「手話通訳者試験は、どの機関で作成しているか?」 「試験を行うのは手話通訳者協会、認定証を発行しているのは政府。協会と政府で試験を作成している。」 ・フィリピンに対して 「貧しくて、ろう学校に入れないろうの子どもが多い。この問題にろうあ協会はどんな取り組みをしているか?」 「子どもがろうだとわかると、普通の学校に入らせない親が多い。この親への教育が必要。僻地に住んでいる、ろう児をもつ親は聾学校と制度が知らない。情報提供が必要」 国際手話を読み取る力がなかったので、細かいところまで追及できませんでした。国際手話をもっと勉強しなければと思いました。 *************************************************** トピック 2 1月17日 コーヒーアワー報告 1月17日に世界銀行、日本財団、JANNETの企画共催による、コーヒーアワー第33回「障害と開発」が開催されました。 テーマは「障害者の社会的起業」、講演者は雨宮寛さん、田辺大さん、コメンテーターは弓山桂司さんでした。 http://web.worldbank.org/WBSITE/EXTERNAL/COUNTRIES/EASTASIAPACIFICEXT/JAPANINJAPANESEEXT/0,,contentMDK:22803557~menuPK:515521~pagePK:64027988~piPK:64027986~theSitePK:515498,00.html 田辺さんより、当日のご講演の概要を送っていただきましたのでご紹介いたします。 【ご講演の概要】 かつてない逆風でした。2010年11月に「上海とソウルの社会起業家を訪ねる旅」を旅行会社HISとのコラボレーションで開催しました。しかし、尖閣諸島における漁船事件や、北朝鮮の韓国に対する砲撃事件があり、緊張した渡航となりました。ですが、結果は参加者にとって、大収穫となる旅でした。 上海では、障がい者雇用を行う複数の社会的企業が入る集積オフィスである「上海ソーシャル・イノベーション・パーク(SIP)」を訪問しました。SIPの立地は上海の目抜き通りから近く、「障がい者を人々の眼から隠したり、哀れみの対象にしたくなかった」との考え方から、就労する知的障がい者の方々の顔写真が廊下に掲示されています。特筆すべきは、日本のメーカーが、中国へ技術移転を進めて、中国人の方々が熱心に学び吸収するという流れがありますが、同様の事が市民セクターでも起こっています。 2008年に私が訪中した際に講演した資料を現在でも大事にしていたり、新規事業開始につなげた方もいらっしゃいました。中国の方々とのお付き合いを、何年もかけて行う事で、相互の成長を喜びあえます。 歴史的にアジアではまず開発独裁を進め、経済成長後に民主化へ向かうケースがありますが、市民セクターの発生は、社会課題の一般化(自然災害や金融危機)が契機となります。日本では阪神淡路大震災の1995年はボランティア元年となりました。中国では四川大地震が契機となり、社会的企業を創業する動きがあります(例:ろう者のデザイン事務所である小龍包)。 最後に、中国ではツイッターをいろいろ工夫して使用する人々も増えています。ツイッターは中国の歴史上初めての100%自由な言論空間です。海外情報に精通し、開明な市民意識も北京、上海、広州では広がりつつあります。上海では日本文化が随所に受け入れられていました。日本で感じた逆風は、現地では心温まる風に変わっていました。 ***************************   インフォメーション 1.昨年の12月3日の国際障害者の日のテーマ「MDGs促進」とイベントの日本語訳が掲載されました。 少々時期はずれで恐縮ですが、国連事務総長メッセージと当日のイベントの様子が日本語で紹介されましたので、ご覧ください。 イベントでは、CBRおよびCBRガイドラインが取り上げられました。 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/intl/un/101203_un.html 2.“Asia Pacific Disability Rehabilitation Journal ”の2010年度版の紹介 マヤ・トーマスさんが編集を務めている、CBRを含むアジア太平洋地域での様々な論文が取り上げられているジャーナルです。 2011年4月から“Disability, CBR and Inclusive Development”としてリニューアルされるとのことです。 こちらからご覧ください。 http://www.dinf.ne.jp/doc/english/asia/resource/apdrj/apdrj.html 3.JANNET役員会 JANNET役員会は2011年3月26日開催される予定です。 4.国連障害者の権利条約国情報 ( 関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html ) 1. アルジェリア 2. アルゼンチン 3. オーストラリア 4. オーストリア 5. アゼルバイジャン共和国 6. バングラディシュ 7. ベルギー 8. ボリビア 9. ボスニア・ヘルツェゴビナ 10. ブラジル 11. ブルキナファソ 12. カナダ 13. チリ 14. 中国 15. クック諸島 16. コスタリカ 17. クロアチア 18. キューバ 19. チェコ共和国 20. デンマーク 21. ドミニカ共和国 22. エクアドル 23. エジプト 24. エルサルバドル 25. フランス 26. ガボン 27. ドイツ 28. グアテマラ 29. ギニア 30. ハイチ 31. ホンジュラス 32. ハンガリー 33. インド 34. イラン 35. イタリア 36. ジャマイカ 37. ヨルダン 38. ケニア 39. ラオス 40. ラドビア 41. レソト 42. マラウイ 43. モルディブ 44. マリ共和国 45. モーリシャス 46. メキシコ 47. モンゴル 48. モンテネグロ 49. モロッコ 50. ナミビア 51. ネパール 52. ニュージーランド 53. ニカラグア 54. ニジェール共和国 55. オマーン 56. パナマ 57. パラグアイ 58. ペルー 59. フィリピン 60. ポルドガル 61. カタール 62. 韓国 63. ルワンダ 64. サンマリノ共和国 65. サウジアラビア 66. セルビア 67. セイチェル共和国 68. スロバキア 69. スロベニア 70. 南アフリカ 71. スペイン 72. スーダン 73. スウェーデン 74. シリア 75. タイ 76. チュニジア 77. トルクメニスタン 78. トルコ 79. ウガンダ 80. ウクライナ 81. イギリス 82. タンザニア連合共和国 83. ウルグアイ 84. バヌアツ共和国 85. イエメン 86. ザンビア 87. アラブ首長国連邦  88.エチオピア 89.マレーシア 90.リトアニア 91.アルメニア 92.ナイジェリア 93.モルドバ共和国 94.セネガル 95. セントビンセント及びグレナディーン諸島 96.欧州連合 EU 97.ルーマニア (2011年2月22日現在) 国連 批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 +++++ イベント情報 1.アクセシブル観光会議(4月11-14日台北) 2011 The 4th International Conference on Accessible Tourism Date:2011.04.11-2011.04.14 Conference Secretariat : Eden Social Welfare Foundation Address : 3F, 55, Wanmei Street, Sec. 1, Wenshan District, Taipei, Taiwan Tel : +886-2-5559-3628 +886-2-2577-4770 Fax : +886-2-2577-4828 Email : icat2011@mail.eden.org.tw Website : http//icat2011.eden.org..tw +++++ 編集後記 チュニジアで始まった改革の波は、大きな流れとなって中東地域へと拡大し、世界は激動の中で変化をしています。 TVで群衆の中の一人が、今変えないとこの国は二度と変わらないといい、「death with dignity」について話しているのを見ました。 世界中には多くの障がいを持つ人々と、持たない人々が住んでいるはずですが、障がいを持つ人々は自然災害や人的災害時に、傷つきやすい存在であるはずであるにもかかわらず、あまり焦点が当てられることがないと感じるのは私だけでしょうか。 内紛やデモンストレーションが行われているのをテレビで見ると、ついつい以前住んでいたアフリカのことを思い出します。全ての人々が平等に、平和に生きることが出来る世界になって欲しい。そこにあるのは出来れば、「life with dignity」であって欲しいと、心から、強く、祈っています。 編集委員:伊藤智典 JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。 団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 Email: URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/