JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第89号 2010年12月27日発行 ―目次― トピックス 1.JOCS創立50周年、新しい50年へ (2010年9月) 2.カンボジアで12月3日の「国際障害者の日」のイベントを訪ねて (2010年12月3日) +++++ インフォメーション 1.国連障害者の権利条約批准国情報 (2010年12月24日現在) +++++ イベント情報 1.「目に感謝チャリティフォーラム」(2011年1月24日) 2.国際シンポジウムの開催 「ソーシャル・ファームを中心とした日本と欧州の連携」(2011年1月30日) 3.CBR/CBRガイドラインに関する国際セミナー(2011年2月11日) +++++ トピック 1 JOCS創立50周年、新しい50年へ 社団法人 日本キリスト教海外医療協力会(JOCS) 総主事 大江 浩                       JOCSは、2010年9月に創立50周年記念感謝礼拝(東西を映像でつなぐ形で)を持ち、約300人がご参加下さいました。感謝です。 礼拝のメッセージは、バングラデシュからお招きしたブラザー・フランクでした。ブラザーは、テゼ共同体(フランスにある超教派の男子修道会)の修道士で、長年にわたり同国マイメンシンにある少数民族の若者達のための寄宿舎学校、地域に根ざした障がい者の自立支援や家族のケア、知的ハンディを持つ人々の家(ラルシュ共同体)のほか、多彩な活動を導いておられます。 JOCSは、同国へ障がい者のリハビリテーションとスタッフの訓練のために山内章子(理学療法士)、知的ハンディを持つ人々の家に岩本直美(看護師)、という2人のワーカーを派遣しています。下記は、ブラザー・フランクのメッセージの抜粋です。 「・・・直美さんと章子さんは、JOCSワーカーとして、バングラデシュのマイメンシンに派遣されました。それは、貧しい人々、中でも障碍をもった貧しい人々の中で働くためです。この二人が、スラムに暮らす障碍者たちを訪問する時、それは彼らに何かを与えるためではありません。それは障碍者に、自分に与えられている賜物に気づくようにと促すためなのです・・・」 私達は、障がいを持つ人々の生きる力と賜物から多くのことを学び、かつ何にも替えがたい恵みを見出しています。 JOCS(1960年創立)は、日本のNGOの草分けとして誕生し、半世紀の間アジア・アフリカでの保健医療協力を行ってきました。現在は、5カ国に延べ11名のワーカーを派遣し、7カ国100名強の現地医療スタッフの奨学金支援を行っています。そして現在の活動は、地域に根ざした保健医療から、一人ひとりの人間に根ざした福祉的な活動領域へと広がりつつあります。 JOCSは、これからも途上国の草の根の人々の命と向き合い、「みんなで生きる」平和な世界を目指し、新しい50年へと歩みだします。詳しくはHPをご覧下さい。http://www.jocs.or.jp +++++ トピック 2 カンボジアで12月3日の「国際障害者の日」のイベントを訪ねて JANNET個人会員 北川泰弘 3年ぶりにカンボジアを訪ねました。仕事ではなく、1960年代の初めにカンボジアで働いていた大使館員、JICA専門家、商社マンが久しぶりに昔の職場を訪ねる旅行団に参加してです。引率者は今川幸雄元大使。シハヌーク前国王、フンセン現首相とも親交のある方です。今川さんは50年前は若い書記官で、昼間の仕事が終わった後の遊び仲間でした。プノンペン到着翌日の12月3日朝、1995年頃義足援助で知り合ったソク・チャムロン君とその家族がホテルに私を訪ねてくれました。今川さんに断わって、彼の案内で市内見物に出ました。偶然、独立記念塔近くで、「世界障害者の日」を祝って、車いすや、義足の人たちがテントのブースを出し、イベントをやっているのに出会いました。若いカンボジア人のボランティアたちも大勢参加し楽しそうです。カンボジア・トラスト(英国のNGO、義肢装具センターと義肢装具士養成校を運営)のブースを訪ねたら、リム・エンさんに久し振りに会えました。彼女は自身が片足切断でありながら、僻地の村を巡回し、義足が貰へず不自由している人を見つけるとセンターに連れて義足を提供する担当です。私は10年くらい前に田澤英二先生のお供で、エンさんの後を追って僻地の切断者を訪ね歩いたことがあります。エンさんはその時のことを覚えていてくれました。嬉しい再会でした。その日の午後、黒木日本大使にお会いして、カンボジアは平和が続いたお陰で地雷/不発弾による死傷者が激減した。しかし、2009年の死傷者は224名だった、引き続き、地雷対策への援助が必要、とご報告する機会がありました。2011年11月には対人地雷禁止条約の第11回締約国会議がプノンペンで開かれます。再び世界の目がカンボジアの地雷問題に注がれることが期待されます。 (プノンペンで、2010年12月4日 北川泰弘記) ************************************************************************************ インフォメーション 1.国連障害者の権利条約国情報 ( 関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html ) 1. アルジェリア 2. アルゼンチン 3. オーストラリア 4. オーストリア 5. アゼルバイジャン共和国  6. バングラディシュ 7. ベルギー 8. ボリビア 9. ボスニア・ヘルツェゴビナ 10. ブラジル 11. ブルキナファソ 12. カナダ 13. チリ 14. 中国 15. クック諸島 16. コスタリカ 17. クロアチア 18. キューバ 19. チェコ共和国 20. デンマーク 21. ドミニカ共和国 22. エクアドル 23. エジプト 24. エルサルバドル 25. フランス 26. ガボン 27. ドイツ 28. グアテマラ 29. ギニア 30. ハイチ 31. ホンジュラス 32. ハンガリー 33. インド 34. イラン 35. イタリア 36. ジャマイカ 37. ヨルダン 38. ケニア 39. ラオス 40. ラドビア 41. レソト 42. マラウイ 43. モルディブ 44. マリ共和国 45. モーリシャス 46. メキシコ 47. モンゴル 48. モンテネグロ 49. モロッコ 50. ナミビア 51. ネパール 52. ニュージーランド 53. ニカラグア 54. ニジェール共和国 55. オマーン 56. パナマ 57. パラグアイ 58. ペルー 59. フィリピン 60. ポルドガル 61. カタール 62. 韓国 63. ルワンダ 64. サンマリノ共和国 65. サウジアラビア 66. セルビア 67. セイチェル共和国 68. スロバキア 69. スロベニア 70. 南アフリカ 71. スペイン 72. スーダン 73. スウェーデン 74. シリア 75. タイ 76. チュニジア 77. トルクメニスタン 78. トルコ 79. ウガンダ 80. ウクライナ 81. イギリス 82. タンザニア連合共和国 83. ウルグアイ 84. バヌアツ共和国 85. イエメン 86. ザンビア 87. アラブ首長国連邦  88.エチオピア 89.マレーシア 90.リトアニア 91.アルメニア 92.ナイジェリア 93.モルドバ共和国 94.セネガル 95. セントビンセント及びグレナディーン諸島 (2010年12月24日現在) ?国連 批准国リスト(英語): http://www.un.org/disabilities/countries.asp?navid=12&pid=166 +++++ イベント情報 1.「目に感謝チャリティフォーラム」 JANNETの活動に関心をもってくださる、HRM(ヒューマン・リソース・メンバーズ) 協会の企画によるフォーラムが開催されます。 JANNETの多くの会員にご参加いただきたいとのことです。 講演者は、ベトナムで眼科医療の最前線で活躍される医師、服部匡志さんと、『日本 でいちばん大切にしたい会社』の著者、坂本光司さん(法政大学教授)です。懇親会 も行われます。 日時:2011年1月24日(月)午後1時ー5時 会場:法政大学 外濠校舎(市谷キャンパス)6階 参加費:無料 申込みおおよび問い合わせ先:目に感謝チャリティーフォーラム事務局(株式会社ダ イバストリート内) info@diverstreet.jp  電話03-5560-3953 http://diverstreet.jp  2.国際シンポジウムの開催 「ソーシャル・ファームを中心とした日本と欧州の連携」 日時:2011年1月30日(日)午前10時ー午後16時30分 会場:全国社会福祉協議会・灘尾ホール 主催:国際交流基金 協力:財団法人日本障害者リハビリテーション協会 参加費:無料 講師:フィンランド、スウェーデン、デンマーク、イギリスなどから招待します。 申込み締切:2011年1月25日(火) 詳細および申込みと問い合わせ先:  http://www.normanet.ne.jp/info/seminar110130.html 3.CBR/CBRガイドラインに関する国際セミナー CBRガイドラインが世界的には2010年10月に開始され、アジア太平洋地域での 開始の会議が11月にマレーシアで行われました。その報告会を兼ねて、さらにガイ ドラインをどう読み解くか、そしてどのように実践されるのかについて、ガイドライ ン作成に多大な貢献をされたマヤ・トーマスさんからお話いただきます。 日時:2011年2月11日(金・祝)午前9時半から午後16時半 会場(東京) 主催:財団法人日本障害者リハビリテーション協会 講師:マヤ・トーマス氏(CBRコンサルタント。インド、バンガロール) 参加費:無料 申込みとお問いあわせ先:財団法人日本障害者リハビリテーション協会国際課 電話 03−5292−7628、fax03−5292−7630 +++++ 編集後記 今年もあとわずかとなりました。 障害者権利条約批准国も90カ国を超え、100カ国に達するのも時間の問題といえます。 しかし、批准しただけでは十分ではありません。批准後、本当に条約の趣意に沿った法制度や政策が履行されているかどうかが重要です。そのためにも、モニタリングは欠かせません。我々としてもこれらの批准国が果たして本当にその国の障害者の生活と権利の保障の向上に取り組んでいるのかどうか監視し、必要なときはその国の障害者に対し、モニタリングの実施と改善の要求の支援を行わなければいけないと思います。その前に、日本としても、障がい者制度改革推進会議で議論されている障害者基本法改正、差別禁止法及び総合福祉法の制定を早急に進め、本当の意味での権利条約の趣意に沿った法制度を確立させ、批准させる必要があります。 来年も、国内、国外問わず、全世界の障害者の権利の保障の実現に向けて頑張っていきましょう。 (河原雅浩) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。 団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 Email: eueno@dinf.ne.jp URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/