JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第240号 9月号 2023年9月29日発行 ―目 次―  トピックス 1. 国際セミナー「アジア太平洋地域の障害者の暮らしと災害対策〜誰一人取り残さないために〜」(2023年8月22日・24日)実施報告 神奈川工科大学 地域連携・貢献センター長/地域連携災害ケア研究センター幹事 小川 喜道 インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 2.「第4回 アジア理学療法フォーラム」の報告書が完成しました。 イベント情報 1. グローバルフェスタJAPAN2023 2023年9月30日(土)・10月1日(日) 2. デジタル図書(マルチメディアDAISY図書)報告会・体験会 2023年10月20日(金) 3. 第45回総合リハビリテーション研究大会 2023年11月10日(金)・11日(土) 4. 国際リハビリテーション研究会 第7回学術大会 2023年11月19日(日) トピックス 1. 国際セミナー  「アジア太平洋地域の障害者の暮らしと災害対策〜誰一人取り残さないために〜」   (2023年8月22日・24日)実施報告 神奈川工科大学 地域連携・貢献センター長/地域連携災害ケア研究センター幹事 小川 喜道   神奈川工科大学では、アクセシブルキャンパスを目指すと共に、災害時において地域に開かれた被災者受け入れを行う準備を進めています。そのために、障害者と共に学習会を開いたり、医療機器を使用して暮らしている方の停電時給電対策を国・自治体と協働して検討しています。また、日本災害時透析医療協働支援チームの本部が当大学に置かれています。 2023年は当大学創立60周年に当たり、その一環で、本イベントが開催されることになりました。標題の国際セミナーは、第一日目に「国際交流”障害と防災”草の根ミーティング」と称して、アジア各国の障害ある方々との草の根ミーティングを通して、各地の状況、取り組み、防災への思いなどを語り合いました。具体的には、日本を含む7か国10人の、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由のある方々のリレー・トークです。地域の違い、障害の違いはありますが、共通点も多く、これからの活動のあり方を再確認できたと思います。まずは、アジアにおける自然災害の増大に伴い、障害者が取り残されがちである現実を踏まえて、今後は課題解決に向けた実践、そして、それには当事者を中心に関係者が協働することが前提であるということを再確認しました。 第二日目は、「国際機関と共にインクルーシブ防災を考えるセミナー」を開催し、15か国109名の参加登録を得て、アジアの障害者をめぐる防災推進、東日本大震災での経験に基づき、パネルディスカッションを行いました。3題の報告は、アジア太平洋障害者センター人材開発プログラムマネジャーのソムチャイ・ランシップさんが「ASEAN地域におけるインクルーシブ防災の展開」、シティネット・プラスアーツ事務所の事務局長平田ケンドラさんが「フィリピン・イロイロ市における包括的防災対策の計画・実践」、そしてDPI日本会議の事務局次長今村登さんが「東日本大震災の障害者の被害状況と障害当事者の支援活動の実際と課題」と題してお話いただきました。パネルディスカッションでは、DPハノイ会長のヒューイェンさん、日本障害者リハビリテーション協会CBID委員の上野悦子さんに加わっていただくことで、これからの”障害と防災”の道筋が見えてくる有意義なセミナーとなりました。 (本セミナーに使用したパワーポイント等は、以下からダウンロードできます。 https://kait-ccd.jp/2023/08/10/post-433/  また、報告書は、10月に当大学地域連携災害ケア研究センターにアップする予定です。)       ******************************************************************************** インフォメーション 1.国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html) 署名国・地域数164/ 締約国・地域数 187 (2023年9月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en 2.「第4回 アジア理学療法フォーラム」の報告書が完成しました。 公益社団法人日本理学療法士協会では、政府のかかげる健康医療戦略うちアジア健康構想を支援する取り組みの一環として、内閣官房 健康医療戦略室さまと共催で、アジア18の国と地域の理学療法士協会と課題について対話する、アジア理学療法フォーラムというイベントを2年に一度、開催しております。 今年、第4回のフォーラムを初めて海外(アラブ首長国連邦、ドバイ)で開催し、 このたび報告書が完成いたしました。 報告書が掲載されている関連WEBページの、URLを以下にご紹介いたします。ご関係の皆様と供覧のうえ、お問合せなどございましたら日本理学療法士協会までお申し付けくださいましたら幸いです。 *英語版が正式な原本ですが、29ページから日本語仮訳版でございますのでそちらも ご高覧ください。 〈関連WEBページ〉 第4回 アジア理学療法フォーラム開催について https://www.japanpt.or.jp/pt/international/globalization/#a1     イベント情報 1.グローバルフェスタJAPAN2023 2023年9月30日(土)・10月1日(日) 「グローバルフェスタJAPAN」は、国際協力活動、社会貢献活動、SDGsなどに取り組む官民様々な団体が一堂に会する国内最大級の国際協力イベントです。 今年のテーマは、 “世界をつくる国際協力。仲間は多い方がいい!” 気候変動やウクライナ情勢による影響など、世界のどこかで起きた危機は、決して「対岸の火事」ではありません。日本が、途上国の開発を含む世界が抱える課題の解決に協力することは、国際社会での日本の信頼を高め、協力しあう関係を築く上でも重要です。本年6月には開発協力大綱が改定されました。開発課題が山積する中、様々な主体がその強みを持ち寄り、解決策を共に創り出していくことが求められています。 今年は日本ASEAN友好協力50周年などの周年事業の年です。また、SDGs達成に向けた中間年でもあります。本フェスタを通じて、諸外国への理解が深まるとともに、より良い世界をつくるため、国際協力に参加する仲間が増えていくことを期待いたします。   <開催概要> 日時:2023年9月30日(土)・10月1日(日)10:00-17:00 開催テーマ:「世界をつくる国際協力。仲間は多い方がいい! 」 実施形態:参加者が来場する対面形式とオンライン配信を両立したハイブリッド形式 場所:リアル会場:東京国際フォーラム(ホールE2/ロビーギャラリー) JR線「有楽町駅」から徒歩1分、「東京駅」から徒歩5分、東京メトロ有楽町線「有楽町駅」(B1F地下コンコースにて連絡) オンライン:下記特設サイトに当日オンライン会場を設置します。「オンライン会場」ボタンよりご参加ください 入場料:無料 主催:グローバルフェスタJAPAN2023実行委員会 URL: https://gfjapan2023.jp/ ※JANNETは10月1日(日)14:00〜14:45に「サブステージ(オンライン配信)」で出展します!どうぞご参加ください! 事務局:グローバルフェスタJAPAN2023実行委員会運営事務局 (株)プランニングオフィス エスエムエス 〒102-0083 東京都千代田区麹町3-5-2 BUREX麹町B1F Mail:globalfesta_exhibit@plan-sms.co.jp 2.デジタル図書(マルチメディアDAISY図書)報告会・体験会 2023年10月20日(金) デジタル図書(マルチメディアDAISY図書※)は、テキスト、音声、画像などをシンクロさせて表示できます。この図書を活用することで、活字による書籍を読むことを苦手としているディスレクシアなどの発達障害児童も書籍を読むことが可能になることが多いことが報告されています。 本報告会では、読みの困難がある子どもの支援者等と協力しながら、マルチメディアDAISY図書の利用方法・活用等を地域に広げる取組を行います。その一方で図書館等での活用事例をご報告していただき、そこから得られた成果や課題を学び、今後のデイジー図書のあり方と普及について考えます。また、会場では体験会を開催し、実際にマルチメディアDAISY図書を体験してもらいます。 ※マルチメディアDAISY図書とは、読むことが困難な方々のためのアクセシブルな国際標準のデジタル図書のこと。   ■主催:公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 ■日時:令和5年10月20日 (金) 13:30〜15:50 ■会場:対面・オンライン開催(Zoomウェビナー) ■定員:対面:50名、オンライン300名 ■参加費:無料 ■情報保障:希望に応じて要約筆記・手話通訳をご用意します。 ■プログラム *内容に変更がある場合がございます。ご了承ください。 13:30 開会挨拶 君島 淳二(日本障害者リハビリテーション協会 常務理事) 13:35-13:50 日本障害者リハビリテーション協会のデイジーに対する取組の紹介 村上 博行(日本障害者リハビリテーション協会 情報センター長) 13:50-14:10 デイジー子どもゆめ文庫(児童書)のご紹介(デモを中心に) 山田 稔子(日本障害者リハビリテーション協会 情報センター) 14:10-14:30 デイジー子どもゆめ文庫の活用状況(アンケート結果より) 西澤 達夫(日本障害者リハビリテーション協会 参与) 14:30-14:50 図書館向けデイジー図書の事例発表「わいわい文庫」のご紹介(仮) 伊藤忠記念財団 14:50-15:10 公共図書館におけるデイジー図書の事例発表(仮) 新宿区立戸山図書館 館長 矢部 剛氏 15:10-15:20  質問受付 15:20-15:50  質疑応答 15:50  閉会・体験会〜17:00 ■申込先・問合せ: 公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 情報センター TEL:03-5273-0796 / FAX:03-5273-0615 / e-mail: daisy_c@dinf.ne.jp URL:https://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/book/20231020.html 申込先:https://forms.gle/SU7MKQ8SZBFn28WT8 申し込み締切:令和5年10月16日(月) 3.第45回総合リハビリテーション研究大会 2023年11月10日(金)・11日(土) 国連総会で採択された障害者権利条約は、日本においても2014年に批准され、障害 分野の全体に広がりつつあります。また、昨年夏には、国連障害者権利委員会によって、 日本の権利条約の履行状況が初めて審査され、その結果が総括所見(勧告)としてとり まとめられました。 権利条約や総括所見に、総合リハビリテーションを重ねた場合にどんな景色が見えてく るのだろう、これにチャレンジしようというのが今研究大会の趣旨です。まずは、リハ関係者を含む参加者に権利条約とその関連動向を正確にお伝えし、そのうえで、権利条約と 総合リハビリテーションの対話と交流が深められればと思います。障害観や支援観を今 一度振り返り、明日からの実践の着眼点を磨く機会となれば幸いです。 【第45回総合リハビリテーション研究大会 −障害者権利条約と総合リハビリテーション− 】 https://www.normanet.ne.jp/~rehab/2023/ 日時:2023年11月10日(金)〜11月11日(土) 会場:戸山サンライズ2階大研修室(東京都新宿区戸山1-22-1) 会場地図 https://www.normanet.ne.jp/~ww100006/tizu.htm 参加費:一般3,000 円、学生1,000 円 主催:公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 生涯学習:日本作業療法士協会生涯教育制度ポイント、日本言語聴覚士協会生涯学習ポイント ■お申し込み・お問い合わせ 申し込み方法などについては、こちらをご覧ください。 https://www.normanet.ne.jp/~rehab/2023/45moushikomi.html 「第45回総合リハビリテーション研究大会」事務局 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1  (公財)日本障害者リハビリテーション協会内 TEL:03-5273-0601 FAX:03-5292-7630 E-Mail:rehab@dinf.ne.jp ■大会プログラム (順不同・敬称略) 1日目:11月10日(金) 10:00〜10:10   主催者挨拶 (公財)日本障害者リハビリテーション協会会長 10:10〜11:00 調講演「わかりやすい障害者権利条約―日常の実践にどう生かす」 藤井 克徳 (特非)日本障害者協議会代表/大会実行委員長 11:00〜12:00 鼎談 「権利条約がもたらしたもの、もたらすもの」 田中 伸明 (福)日本視覚障害者団体連合/弁護士/JDF政策委員長 北村 弥生 長野保健医療大学特任教授 藤井 克徳 (特非)日本障害者協議会代表 12:00〜13:00 昼休み 13:00〜16:00 シンポジウム1 多様性を認め合う社会に 〜権利条約と総括所見の課題から パネリスト: 南 由美子 (一社)全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 土橋 喜人 金沢工業大学教授 赤松 英知 きょうされん常務理事 黒岩 海映 弁護士 座長: 田中 伸明 (福)日本視覚障害者団体連合/弁護士/JDF政策委員長 増田 一世 (特非)日本障害者協議会常務理事 2日目:11月11日(土) 10:00〜12:00 国内の重要課題に関するセミナー 〜権利条約の視点から日々の取り組みを考える 1.精神障害分野をめぐって 講師: 岡田 久実子 (公社)全国精神保健福祉会連合会理事長 座長: 洗 成子 (公社)日本精神保健福祉士協会副会長 2.優生保護法問題をめぐって 講師: 板原 愛 弁護士/優生保護法被害東京弁護団 座長: 遠藤 愛 文教大学人間科学部臨床心理学科准教授 12:00〜13:00 昼休み 13:00〜16:00 シンポジウム2 権利条約と総合リハの交流と対話 〜当事者と専門職が、向き合い、語り合い、明日を展望する パネリスト: 高岡 徹 横浜市総合リハビリテーションセンター長 藤原 久美子 DPI女性障害者ネットワーク代表 村井 千賀 (一社)日本作業療法士協会 常務理事/石川県立こころの病院 認知症疾患医療センター副所長 家平 悟 障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会 事務局長 座長: 栗原 久 (一財)フィールド・サポートem.代表理事/日本福祉大学実務家教員 佐藤 聡 (特非)DPI日本会議事務局長/JDF幹事会議長 16:00〜16:10 次回開催地挨拶 閉会挨拶 伊藤 利之 (福)横浜市リハビリテーション事業団顧問/総合リハビリテーション研究大会常任委員長 *プログラムは予告なく変更することがあります 4.国際リハビリテーション研究会 第7回学術大会 2023年11月19日(日) 世界的な高齢化ならびに感染症から非感染症への疾病構造の変化から、リハビリテーションのニーズが高まっています。これを受けて、WHOは特に中・低所得国におけるリハビリテーション普及のための行動の呼びかけ“Rehabilitation2030”に取り組んでいます。 日本は高齢化の影響もあり、世界でもたぐいまれなるリハビリテーション大国です。また、JICA海外協力隊など、リハビリテーション領域の国際協力においても数十年の歴史があります。こうした経験を活かし、日本のリハビリテーション従事者・関係者として、何か世界に貢献できることがあるはず!と確信しています。 本学会では、Rehabilitaion2030について学び、本邦におけるリハビリテーションに関連する国際協力の実際を、この文脈で整理します。そして、日本の貢献可能性を探るとともに、私たちにできる「始めの一歩」を、皆様と一緒に考える機会にできればと考えています。   【国際リハビリテーション研究会 第7回学術大会 】 ■大会テーマ 『知る・気づく・考える“リハビリテーション2030”−中・低所得国におけるリハビリテーション普及への貢献−』 ■日時:2023年11月19日(日)10:00〜17:30 ■会場:JICA地球ひろば(東京都新宿区市谷本村町10-5) ■参加費:会員1,000円、非会員2,000 円、学生1,000 円 ■大会ホームページ・お申し込み https://jsircongress7hp.jimdosite.com/ ■大会プログラム 【メインシンポジウム 1】 「Rehabilitation 2030と関連する国の機関の取り組み」 演者 :Jody-Anne Mills氏(Rehabilitation Programme, Department of Noncommunicable Diseases, World Health Organization) 芳賀信彦氏(国立障害者リハビリテーションセンター 総長) 曽根智史氏(国立保健医療科学院 院長) 【メインシンポジウム 2】 「社会的課題に対応した国際協力実践」 演者 :大室和也氏(AAR Japan難民を助ける会) 奥井利幸氏(野毛坂グローカル) 亀田佳一氏(医療法人社団北原国際病院グループ) 千葉寿夫氏(株式会社コーエイリサーチ&コンサルティング) 【特別セッション 1】 「国際協力を経験した私たちはなぜ日本の地域での活動に魅かれるのか?」 【特別セッション 2】 「PT協会、OT協会、ST協会の国際事業の紹介〜国際活動の入り口として〜」 【ランチタイムセッション】 「A/T Bank」 【クロージングシンポジウム】 「Rehabilitation 2030への貢献:私たちの”始めの一歩”を考えよう」(総括) 編集後記 今月号は様々なイベント案内が目白押しで、参加意欲をかき立てられる方も多いのではないでしょうか。 一方、トピックスの国際セミナーでは、災害対策に関する内容が取り上げられていました。 私が所属する全国盲ろう者協会で行っている盲ろう者向けの研修会でも、昨年度から災害を取り扱っています。盲ろう者は目と耳が不自由ですから、ご近所に自身の存在を知ってもらったり、すぐ持ち出せる避難バッグを枕元に置くなど、事前の備えが重要だという話をしています。また、避難所では、盲ろう者は「何かしてもらう」立場に置かれがち。自分自身も何か役に立ちたいという思いから、マッサージを始めたところ、喜ばれたという心温まるお話もありました。 災害と一口に言っても、防災・避難・避難後、様々な段階があります。日頃から少しでも意識を向けていくことが大切ですね。 (小林 真悟/JANNET広報・啓発委員) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。 JANNET障害分野NGO連絡会  〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/ 以上