JANNET障害分野NGO連絡会 メールマガジン 第174号 2月号 2018年2月28日発行 ―目 次―  トピックス 1. モンゴルと障害者とJICAの取り組み JICA専門家 千葉寿夫   2. WBUAP(世界盲人会連合アジア太平洋地域)リーダー研修 日本盲人会連合 田畑美智子 インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報 2. ZERO PROJECT CONFERENCE 2018  ACCESSIBILITY 表彰団体 3. 第6回「笑顔をあきらめない。」写真コンテスト(2018年)開催決定! 4. Social Impact for 2020 and Beyond 未来予想から未来意志へ イベント情報 1. Panasonic NPOサポート ファンド2017年助成先の「成果報告会」のご案内        2. 平成29年度外務省主催NGOインターン・プログラム 成果報告会(3月13日)トピックス 1.モンゴルと障害者とJICAの取り組み(1年間連載企画)   =ウランバートル市における障害者の社会参加促進プロジェクト= JICA専門家 千葉寿夫          馬と草原、そしてゲル(伝統的な移動式住居)。赴任する前のモンゴルは、そんなイメージでしかありませんでした。実際に、首都ウランバートルから車で30分も行くと、見渡すばかりの草原と小高い山。一瞬で開放感に包まれます。ただ冬になると気温はぐっと下がり、雪が少しだけ積もります。このマイナス40度の世界になぜモンゴル人はやってきたのだろうと、いまも不思議に思います。  日本の国土の4倍の広さに、わずか300万人。世界一人口密度が低く(1.87人/km2)、うち半分弱がウランバートル市(以下UB)に住んでいます。ただ1992年の民主化後、UBは急速に発展し高層ビルも増加。赴任して1年半、不便は感じません。  UBで障害者の社会参加を進めるべく、JICAは2016年5月から技術協力プロジェクトを実施しています。統計局によれば、モンゴルの障害者は100,933人(2016年)、人口の約3.3% です。モンゴル政府は2008年に権利条約を批准し、2012年に条約実施に向け障害者開発課を設置、2016年に障害者権利法を制定しました。権利法は条約に基づき、障害者を平等な市民と認め人権を保障しています。しかし実際に障害者団体と協力して社会的障壁を削減することが困難だった為、JICAに協力を要請しました。  赴任してみると、モンゴルの高い可能性を感じます。行政官は皆まじめですし、特に障害者開発課の職員は懸命に権利法の実現に取り組んでいます。また障害者団体も熱心に活動に取り組み、政策の実施や評価にも参加しています。ただ障害者団体にまとまりがないこと、またモンゴル政府として障害者の人権や社会モデルの理解が不足しているなど、課題もあります。そこで本プロジェクトでは、障害理解の促進、物理・情報バリアーの削減、障害情報や統計整備などに取り組んでおり、一つの成果として、モンゴル国別障害関連情報も作成しました(https://goo.gl/ePKmy8)。また活動の様子もフェイスブック(www.facebook.com/jicadpub/)で発信しています。今後のモンゴルの取り組みを応援してください。 写真1:モンゴル草原 写真2:研修に参加するモンコ?ルの行政官 写真3:障害者政策委員会の様子 2.WBUAP(世界盲人会連合アジア太平洋地域)リーダー研修 日本盲人会連合 田畑美智子    2006年からWBUAP域内で実施しているデンマーク政府資金利用の能力開発プロジェクトで、アジア太平洋地域の視覚障害次世代リーダー育成セミナーを実施しました。場所はバンコクのAPCD(アジア太平洋障害者センター)を利用しました。  参加者は、ASEAN各国と中国・モンゴルから若手17名が集結。元ダスキン研修生、ラオスのインペンさんとチゴンさんの元気な姿も見られました。  内容は、大きく分けると、ガバナンスや会計等の組織運営に関する講義と、権利条約やSDGs、マラケシュ条約等の国連文書を活用した国内でのアドボカシーについてでした。講師を務めたのは、ドイツのNGOであるCBMの資金援助を受け、WBUの人権政策アドバイザーを担うアルゼンチンのホセさん以外は、準備から関わってきたWBUAPリーダーたちでした。現在理事の一角に、元ダスキン研修生であるタイのアップルさんがいて、彼女の大車輪の活躍をとても嬉しく思いました。研修の中で、タイ盲人協会の協力を得て、本部視察と活動紹介をお願いしました。また、APCDでは建物のアクセシビリティにも関心が高まり、動画を撮影し国内でのアドボカシーに役立てると張り切っていた参加者もいました。筆者は都合で最終日のみの合流となりましたが、タイ盲人協会主催の夕食会では、各国の歌を参加者で披露し合って、楽しい時間を過ごしてもらえたようです。  この中から、国レベルだけではなく、アジア太平洋地域レベル、願わくば、世界レベルでの次世代リーダーが育ってくれることを願ってやみません。 写真:参加者集合写真 ************************************************************************************** インフォメーション 1. 国連障害者の権利条約(UNCRPD)締約国情報     (関連サイト:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/right.html)     署名国・地域数160/ 締約国・地域数 176 (2018年2月末現在) https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=IV-15&chapter=4&lang=en 2. ZERO PROJECT CONFERENCE 2018  ACCESSIBILITY表彰団体  2010年にエッスル財団(オーストリア)によって開始された2. ZERO PROJECT CONFERENCE 2018ACCESSIBILITYにて、105ヶ国から寄せられた372件の中から日本の2団体が表彰されました。    <表彰団体>  Bmaps 株式会社ミライロ http://web.bmaps.world/info/post-1276  WheeLog! 特定非営利活動法人PADM https://www.wheelog.com/hp/ 3. 第6回「笑顔をあきらめない。」写真コンテスト(2018年)開催決定! http://www.japanpt.or.jp/general/activity/photocon/06/ * 募集作品概要 「笑顔をあきらめない。」をメインテーマとし、理学療法士の活動に関するオリジナリティあふれる写真作品を、医療・介護・研究・スポーツなど様々な領域にて幅広く募集します。 * 応募期間   2018年1月9日〜6月15日まで   (データ受付)最終日の23:59まで   (郵送)最終日の郵便切手消印日もしくは宅配便受付日 * 応募方法 応募要項の内容について、必ず了承したうえ専用投稿フォームまたは郵送にてご応募ください。 結果発表 「日本理学療法士会ホームページ」にて、7月17日(理学療法の日)公開予定 *入賞者には郵送(またはメール)で通知を致します。 * 贈賞   最優秀賞(1点) 賞状・賞金5万円   優秀賞(2点) 賞状・賞金3万円   佳作(数点) 賞状・賞金5千円 * お問い合わせ 以下のフォームよりご連絡ください。https://support.japanpt.or.jp/contact/?site=jpta&inq=133213   ※選考基準についてのご質問にはお答えしかねます。     4. Social Impact for 2020 and Beyond 未来予想から未来意志へ(NPO法人ETIC) * 社会課題取り組み中MAP、SDGs取り組み中MAP 社会課題をチャンスと捉えて、ポジティブに次の社会を創ろうとする。 私たちはまさにこれから必要なその力を「未来意志」と呼ぼうと思います。 そして2020年とその先の未来のために、未来意志でつながる仲間を募ります。 企業や行政、そして個人の未来意志をつなぎ、イノベーターどうしが持つ 能力と情熱を掛け算させて促進しながら、まだ見ぬイノベーションを生み出していける。 そんなプラットフォームを提供します。 * 未来意志プラットフォームへの参加  https://2020.etic.or.jp/ このサイトでは企業や行政、そして個人がつながることで日本がかかえる人口減少社会、高齢化社会、過疎化、エネルギー不安などの社会課題を解決することを目的としています。       <NPO法人ETIC  http://www.etic.or.jp/etic/index.html>        イベント情報 1. Panasonic NPOサポート ファンド 2017年助成先の「成果報告会」のご案内  NPO/NGOの皆様の組織基盤強化を応援する「Panasonic NPOサポート ファンド」の2017年助成先の成果報告会をパナソニックセンター東京で開催いたします。 ▼詳細・お申し込み先 https://www.panasonic.com/jp/corporate/sustainability/citizenship/pnsf/presentation/nporeport_2018.html 開催日時 :子ども分野 2018年3月2日(金)13:00〜18:00 環境分野  2018年3月15日(木)13:00〜18:00 *受付開始時間は12時半からです。 *開会の10分前には会場にお越しください。 開催場所 :パナソニックセンター東京 スタジオ棟2階会議室9、10 東京都江東区有明3丁目5番1号 TEL:03-3599-2600 <パナソニックセンター> https://www.panasonic.com/jp/corporate/center/tokyo.html <アクセス> https://www.panasonic.com/jp/corporate/center/tokyo/access.html 内容 :・2017年助成先の組織基盤強化の取り組み発表 ・選考委員講評 ・交流懇親会 2. 平成29年度外務省主催NGOインターン・プログラム 成果報告会(3月13日)のお知らせ    本年度で創設8年目を迎えた外務省主催NGOインターン・プログラム。  当プログラムは、国際協力に従事する若手人材の育成を目的とした制度であり、本年度は当プログラムを活用している10団体10名(うち継続2団体、新規8団体)が、研修成果を報告します。  国際協力分野(特にNGOによる)に関心のある学生の皆様・一般の方・今後プログラムの活用を考えているNGOの方々等を対象に、一般参加者を募集いたします。日本のNGOによる国際協力活動の内容をはじめ、本プログラムの存在や役割を知ることができる貴重な機会ですので、奮ってご参加ください。  【日時】 2018年3月13日(火)13時15分から17時20分  【会場】 アクセア半蔵門貸し会議室  【住所】 〒102-0092 東京都千代田区隼町2-13 US半蔵門ビル 5F  【アクセス】東京メトロ半蔵門線【半蔵門駅】1番出口より徒歩約1分        東京メトロ有楽町線【麹町駅】より徒歩約8分  【NGOインターン・プログラム運営事務局】  <3月2日まではこちら>  〒102-0082  東京都千代田区一番町23番地3 日本生命一番町ビル5階  公益社団法人 青年海外協力協会(JOCA)   TEL : 03-6261-0243 (平日 9時30分 から 12時30分, 13時15分 から 17時45分)  E-mail: ngointern@joca.or.jp  <3月5日からはこちら>  東京都台東区浅草橋5-25-10 浅草橋1stビル4階   公益社団法人 青年海外協力協会(JOCA) 関東支部  TEL : 03-5829-9796(平日 9時30分 から 12時30分, 13時15分 から 17時45分)    E-mail: ngointern@joca.or.jp 編集後記  八月のモンゴルは、一年で一番過ごしやすい季節だと言われています。相撲の伊勢が浜部屋の後援者からのお誘いで、モンゴルに出かけたことがあり、モンゴルの大草原で、満天の星空に感激したことを今も忘れません。昨今の相撲協会の事件やゴタゴタ振りは、別として、引退した元横綱日馬富士は、十六歳のとき、夢を抱いて日本に渡り、必死の努力で夢に向かって頑張った一人でした。彼には、聴覚障害の兄がおり、凍てつくツンドラで交通事故にあい車椅子生活をしている友人も、何人かいて、彼は福祉については、相撲界一の理解者でもありました。今回のトピックスを見ながら、ふっと日馬富士のことが浮かびました。彼はいくつか、モンゴルに授産所を作り、NPOを立ち上げ、障害者支援を続けています。是非、福祉の横綱になって欲しいと思いました。  前島富子(ADDP会長/JANNET広報・啓発委員) JANNET事務局では、会員の皆様よりメールマガジンに掲載する国際活動に関する情報を募集 しております。団体会員様のイベント情報などありましたら事務局までご連絡ください。         JANNET障害分野NGO連絡会 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会内 【JANNET事務局直通】 TEL:03-5292-7628 FAX:03-5292-7630 URL: http://www.normanet.ne.jp/~jannet/